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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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009 RE:CYBORG
009 RE:CYBORG_d0030824_03035165.jpg『009 RE:CYBORG』 日本/2012
監督:神山健治
声:宮野真守 小野大輔 斎藤千和 大川透 増岡太郎
吉野裕行 杉山紀彰 丹沢晃之 玉川砂記子 勝部演之








公開時コピー
終わらせなければ、
始まらない。


石ノ森章太郎による名作コミック「サイボーグ009」を「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「東のエデン」の神山健治が3D映像により映画化。
脚本は神山監督が手がけ、ストーリーは原作に描かれた時代から27年後の現代となっている。
声は「劇場版 弱虫ペダル」の宮野真守、「宇宙戦艦ヤマト2199」の小野大輔、「物語」シリーズの斎藤千和など。
公開当時、人材派遣スタッフサービスと連動したアニメCM「正社員サイボーグ003」やペプシネックスとコラボした「PEPSI NEX×009 RE:CYBORG」が制作された。

<あらすじ>

かつて世界の危機を救ってきた00ナンバーのサイボーグ9人は、故郷に帰って生活していた。
2013年、各国の超高層ビルで爆破テロ事件が連続して発生、ギルモア博士からサイボーグたちに招集がかかる。
しかし、009の島村ジョーは記憶をリセットされ、高校生として生活していた。
テロの実行犯たちは「人類は一度やり直さなくてはならない」という「声」を聞いて、実行していた。ジョーもまた、その声を聞き、六本木ヒルズに爆弾を仕掛けようとするが003のフランソワーズと005のジェロニモによって記憶を戻され、事なきを得る。



<総評>

「009」といえば、記憶にあるのはアニメ第3期(2001~2002年)のラストと見たという記憶だけはある劇場版2作のみ。原作自体がすでに半世紀に届こうかという作品なのですが、石ノ森章太郎の作り出したキャラクターは仮面ライダーやキカイダー(というかハカイダー)などと、非常に強烈なインパクトを残しつつ、後生に残るというのは凄いことです。特に仮面ライダーは既にバッタからはかけ離れてますが…そういった流れから考えると本作は割と真っ当な続編でしょう。
本作のキャラクター達はリアル指向になってしまい、残念ながら石ノ森章太郎が描いたキャラクター造形からは離れてしまっています。とはいうものの、キャラクターの設定そのものが大きく変わったわけではなく、さらにストーリー自体も原作の第4期「神々との闘い編」や完結編として構想された第9期「Conclusion God's War」がベースになっているようです。
さて、物語は記憶を消された009がいきなりテロ活動!?という、魅力的な展開から始まります。サイボーグ達はそれぞれの人生を歩んでいる中で起きた連続テロとそれに関わる謎の声。
この謎の声を巡って戦いが始まるのですが、アクションよりもストーリー重視の展開になっており、さらに神山監督お得意の説明的かつ哲学的要素が含まれた台詞回し、原作にある009、002との関係(003を含めた三角関係は既に終わっているが…)をはずすこと無く描かれています。
明確な敵との戦いよりもサイボーグ戦士達そのものの物語という印象が強く、ラストもこれまたちょっと考えさせられます。
しかし、作品としての明確な意図みたいなものは伝わってくるため、実質的に「サイボーグ009」の世界観は大きく崩れてはいないですね。
キャラクター達、特に009と003の関係はなかなかディープ。
個人的にはやっぱり002でしょ!かっこよすぎです。
しかし、008の出番が…他のサイボーグ達はそれなりに活躍しているのに残念。まあ、008って深海活動能力だもんな…厳しいよな。
映像はCG主体になっているため、キャラクター達の描写が崩れることはないんですが、実はあんまり好きではないですね。なんか「人形」みたいな冷たい感じがします。
声優陣は実力派がそろっています。009シリーズは固定された声優があまりいないようで、そういえばこんな声だったような…という感じで、特に違和感を感じることはありません。
ストーリーとしてはなかなか、もう少しラストを詰めて欲しかったところかな。
「サイボーグ009VSデビルマン」が気になりますが…果たしていいんでしょうか。

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# by syosei7602 | 2015-10-23 23:59 | アニメ/CG
アンフェア the end
アンフェア the end_d0030824_01355994.jpg『UNFAIR THE END』日本/2015
監督:
佐藤嗣麻子
出演:篠原涼子 永山絢斗 阿部サダヲ 加藤雅也
AKIRA (EXILE) 寺島進 佐藤浩市 吉田鋼太郎
向井地美音 丸山智己 浜近高徳 高瀬アラタ
山田孝之






公開時コピー
これで、すべてを終わらせる。

秦建日子の小説「推理小説」を基にしたTVドラマ「アンフェア」の完結編。2006年のTVシリーズから9年かけての完結編となり、本作の脚本自体はオリジナルとなっている。
TVスペシャルがスピンオフを含め4本制作されている。
監督は同シリーズの脚本を手がけた佐藤嗣麻子。
出演はシリーズの篠原涼子、阿部サダヲ、加藤雅也、寺島進、佐藤浩市に加え、「クローバー」の永山絢斗、「草原の椅子」のAKIRA、「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」の吉田鋼太郎など。

<あらすじ>
優秀な刑事だった父の死の真相を探るため、捜査一課の刑事になった雪平夏見(篠原涼子)。父が警察内部の不正に迫っていたことを知った雪平は、犠牲と引き換えに証拠を入手する。
一方、雪平に手を貸した検事の村上(山田孝之)とその父親である元検事総長が相次いで殺される。
容疑者としてシステムエンジニアの津島直紀(永山絢斗)が逮捕されるが、彼は取調に雪平を指名しする。彼は司法の不正を暴こうとしたために、罠にはめられたと主張するが…。



<総評>
実を言えばシリーズのほとんどを見ておらず、ちゃんと見たのが1作目「the movie」と前作の「the answer」のみ。とはいえ、おおよその筋は前作(2作目)からでも把握できたので、楽しめました。
女性刑事が主人公の作品は割と良作が多く、「ストロベリーナイト」「沙粧妙子 - 最後の事件 -」「ケイゾク」などなどあります。
その中でも「アンフェア」シリーズはTVスペシャル、劇場版が制作されることから、高い人気がうかがえます。
サスペンスやミステリ、アクションの要素が十分かつ、女性監督ならではの女性視点という刑事ドラマとして面白く、成立しているのかもしれません。
さて、父親の死の真相を探るために刑事になった雪平。思わぬところで警察内部の不正の証拠を掴みます。証拠を抱えた彼女の元にやってきたのは、殺人犯として逮捕されたSEの津島。
2人は警察内部の不正を暴くために行動し、警察から狙われるわけですが、誰が黒幕でそして一味なのか、という展開がなかなかスリリングで面白い。前作からうまく繋がっており、伏線の回収も見事です。
アクションシーンもかなり力が入っていますが、良い感じにキレイ過ぎず、予定調和のような立ち回りが少ないですね(最近は何でも決まった動きのアクションが多すぎる)。それにしても、雪平の拳銃がマニアックです。S&W M39なんて日本の警察での使用は極一部(というかまだ使ってるのか?)だけだし、細かいところがこだわってます。
主演の篠原涼子はすっかりできる女性、という役柄が板に付いてきました。冒頭からヌードシーンを披露していますが、スタイルがいいですね。この人自体がスタイリッシュです。
永山絢斗は好演。完結編での重要な役割を十分に果たす演技力を見せてくれます。
阿部サダヲや加藤雅也、それに寺島進、佐藤浩市がしっかりと助演していますが、それにしてもAKIRA…うーん、今回のような役は向いているのかな。やっぱり演技が少し見劣りしますね。
作品自体の完成度は非常に高く、最後まで息をつかせない面白さでした。
実は1作目の「the movie」はほとんど印象に残っておらず、出来もかなり不完全だった印象があります。しかし、本作はアクション映画としての見応えもあり、シリーズのファンなら納得のできじゃないでしょうか。

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# by syosei7602 | 2015-10-22 23:59 | ミステリ/サスペンス
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2_d0030824_23555461.jpg『BACK TO THE FUTURE PART II』
アメリカ/1989
監督:ロバート・ゼメキス
出演:マイケル・J・フォックス クリストファー・ロイド
リー・トンプソン トーマス・F・ウィルソン
エリザベス・シュー ジェームズ・トルカン
ジェフリー・ワイズマン ケイシー・シマーシュコ





公開時コピー
アメリカが“未来”の話題に、ざわめき始めた!

多くのヒット作を手がけたロバート・ゼメキス監督によるSF映画の傑作。
全3作の大ヒットによって、名実共にヒットメーカーの仲間入りを果たした。
出演は「摩天楼はバラ色に」のマイケル・J・フォックス、「アダムス・ファミリー」のクリストファー・ロイド、「J・エドガー」のリー・トンプソンなど。
なお、この2作目で1作目のジェニファーを演じたクローディア・ウェルズからエリザベス・シューに変わっている。

<あらすじ>
1955年から1985年に帰ってきたマーティ(マイケル・J・フォックス)の前に、ドク(クリストファー・ロイド)がデロリアンで現れる。30年後の未来で、マーティの息子がトラブルを起こすことがわかり、それを回避するために30年後に向かうことに。
かくして、マーティとガールフレンドのジェニファー(エリザベス・シュー)は2015年10月21日にタイムスリップする。
しかし、その様子をビフ(トーマス・F・ウィルソン)が見ていた。
未来に着いたマーティは、自分がジェニファーと結婚していることを知る。
しかし、ドクから息子のJrがビフの孫であるグリフの言いなりで窃盗を起こして逮捕され、家族崩壊の原因となることを知らされる。
マーティは息子になりすまし、グリフと対決することになる。



<総評>

2015年10月21日です。BTTFファンなら特別な日であり、シリーズ通して夢中になって何度も見ていました。特にアオシマ教材から出ていたデロリアンのプラモデルは、何度も映画を見直して細かく作ったものです。
タイムスリップものとしては、未来を変えるという王道パターンのストーリーで意外と暗めなのですが、登場する未来(今年の!?)の科学力はホバーボード、空飛ぶ車、3D、音声操作テレビ、そして実現するかどうかわからないシカゴカブスのワールドリーグ制覇と、今だからこそ楽しめるネタが満載です。
そういやジーンズのポケットを出すというのは流行ってないですね。
物語は1作目の終わりから正当に続きます。元々は2作目と3作目は1つの作品だったそうで、短期間で完結編まで公開されたのも納得です。
さて、1作目で無事1985年に帰還したマーティ、しかし未来では息子がトラブルを起こす予定で、さらにジェニファーとの結婚も簡易式場とあまり幸せでは無い様子。
どうにか自分の未来を変えるために右往左往するわけですが、あっちを変えればこっちが変わり…その原因は自分であり、因縁の相手であるビフなわけです。
タイムパラドクスものとして、よく練られたストーリーですが、3作目に続くことを前提にしたためか、些か駆け足気味になったのが残念なところ。
しかし、今だからこそわかるのは、未来を描いた作品としては意外と現実的だったということ。これは嬉しい誤算なのかも。
出演はお馴染みマイケル・J・フォックス。当時20代後半で高校生を演じ、本作では息子、娘役も演じています。
マッドサイエンティストとも言うべきドクを演じたクリストファー・ロイドは、当時でも結構な年齢だった気がしますが、未だに健在とのことで嬉しい限り。
残念ながらドクの吹き替えを演じた青野武は故人となってしまいましたが、TVでの放映では印象に残っていました。
ビフを演じたトーマス・F・ウィルソンはTVドラマ等で活躍。しかし、ビフ役はインパクト残したなぁ。
改めて前作を見直したいと思いますが、USJのアトラクションは既に未来を超えてしまったけど、どうなるのだろう…という、いらぬ心配をしたりして。
80年代のパワフルな作品、未見の人は是非に!

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# by syosei7602 | 2015-10-21 23:58 | SF/ファンタジー/パニック
屍者の帝国
屍者の帝国_d0030824_01414715.jpg『THE EMPIRE OF CORPSES』日本/2015
監督:
牧原亮太郎
声:細谷佳正 村瀬歩 楠大典 三木眞一郎
山下大輝 花澤香菜 大塚明夫 菅生隆之








公開時コピー
求めたのは、21グラムの魂と君の言葉

「虐殺器官」でデビューし、長編2作と本作の原作となる冒頭30ページ、いくつかの短編等を残し、2009年に34歳で夭逝した小説家・伊藤計劃。
本作は伊藤計劃の長編3作品を映像化する「Project Itoh」の1作目となる。
親交が深かった芥川賞作家・円城塔があとを引き継ぎ、原作小説となる「屍者の帝国」を完成させた。
監督は「ハル」の牧原亮太郎、声は「心が叫びたがってるんだ。」の細谷佳正、「ハイキュー!!」シリーズの村瀬歩、「キャプテンハーロック」(2013)の楠大典など。
なお、3作目となる「虐殺器官」は制作会社だったマングローブの自己破産により、公開が危ぶまれている。

<あらすじ>
19世紀末のロンドン。ヴィクター・フランケンシュタイン博士によって屍体の蘇生技術が実用化され、全世界で屍者が労働力として使われていた。
ロンドン大学の医学生ジョン・H・ワトソンは、亡くなった親友フライデーを蘇生させる。その目的は屍者からは失われてしまった21グラムの魂を探求することだった。
しかし、違法な蘇生がばれたワトソンは、政府の諜報機関ヴォルシンガムによって連行され、そこで指揮官であるMに会う。
Mは、ワトソンに違法蘇生を見逃す代わりに、機関の一員として働くことを命令する。
その目的は、ロシアから屍者を連れて脱走し、アフガニスタンで「屍者の王国」を築いた男、カラーマゾフの動向を探ることだった。



<総評>
いつも気になっていた「虐殺器官」。そして、伊藤計劃という作家…最近になって「虐殺器官」を読んだのですが、圧倒的な情報量を持つ文章と物語の構成に、思わず夢中になりました。そして、たまたま本作の公開…しかし、「虐殺器官」の公開が延期になったのは残念でしかありません。
原作小説は冒頭30ページのみが残されており、ほぼ全てが円城塔なのですが、他人の作品の跡を継ぐのはさぞかし苦労しただろうなと思います。
また、有名な小説や映画の登場人物、実在した人物を織り交ぜたパスティーシュ小説となっており、登場人物達がどのような小説に出て、またどのような歴史上の人物であったのかを調べると、本作の世界観が広がりますね。
さて、物語の世界では、死者は意志無き労働力として使われており、そこには死者の尊厳はほとんど見受けられません。
主人公ワトソンは死んだ友人フライデーを密かに蘇生させ、彼の中に魂の存在を見つけようと研究していきます。しかし、ワトソン自身もまた、フライデーを労働力の1人としても使用しており、本作の世界観を端的に表現しています。
屍者の蘇生の秘密と魂の存在、様々な思惑が絡み合い、物語は複雑になっていきますが構成としては非常によくまとまっています。
原作から端折られてしまったキャラクターも多そうですが、映像作品としてのまとまりが欠けている箇所はありません。
また、スチームパンクなビジュアルが見事で、それぞれの国の特徴がしっかりと表現され、映像としての美しさも十分です。
声をあてた細谷佳正をはじめ、それぞれが力と繊細さのある演技力を披露し、物語をしっかりと構築しています。こういった作品では力一辺倒になりがちですが、やはり基本のしっかりとした声優の演技力は素晴らしいですね。
クライマックスは些か壮大になりすぎた感じもあり、個人的にはもう少し規模を抑えても楽しめた気がします。
エンドロール後にエピローグがあります。なるほど、こういうオチか、と…思わずニヤリとするパスティーシュ小説ならではのおもしろさでした。

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# by syosei7602 | 2015-10-20 23:59 | アニメ/CG
キングスマン
キングスマン_d0030824_00320706.jpg『KINGSMAN: THE SECRET SERVICE』
イギリス/2014
監督:
マシュー・ヴォーン
出演:コリン・ファース マイケル・ケイン タロン・エガートン
マーク・ストロング ソフィア・ブテラ サミュエル・L・ジャクソン
ソフィー・クックソン マーク・ハミル ハンナ・アルストロム






公開時コピー
表の顔は高級テーラー。
しかしその実態は、世界最強のスパイ機関「キングスマン」。


「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督と原作者のマーク・ミラーが再び組んだスパイアクション。
出演はオスカー俳優のコリン・ファース、マイケル・ケイン、本作がデビュー作となるタロン・エガートン、サミュエル・L・ジャクソン、マーク・ストロング、ダンサーとして有名なソフィア・ブテラなど。

<あらすじ>
1997年、中東でどの国家にも属さないスパイ組織であるキングスマンの隊員が1人、命を落とす。彼の妻と幼い息子エグジーは、ハリー(コリン・ファース)から1枚のメダルを渡される。
それから17年、22歳になったエグジー(タロン・エガートン)は無職で、母のアパートに同居していた。しかし、母の交際相手の手下達とトラブルを起こし、逮捕されてしまう。
彼がメダルに書かれた番号に電話すると、現れたのはハリーだった。
ハリーは、作戦中に死亡したキングスマンのメンバーであるランスロットの後任として、エグジーをスカウトする。



<総評>
「キック・アス」でウィットに富んだ世界観を作り上げ、アクション映画に一石を投じたマシュー・ヴォーン監督。その新作の原作者が同じとなれば、これはもう見るしかないでしょう。
数々のスパイ映画ネタ、小道具、スタイリッシュかつバイオレンスなアクション、ユーモラスな敵役と面白ネタは十分です。
何よりもスパイ映画は日本でも十分に認知されているが故、元ネタがとてもわかりやすい。アーサー王伝説をなぞっているのもイギリスらしいですね。
さて、国家に縛られないスパイ組織キングスマン。表向きは高級テーラー、その内実はMI6、CIA、モサドも凌ぐ強力な組織です。スパイ道具は紳士の持つ道具に仕込まれたものばかり。最近のスパイ映画にしては珍しく、身の回りの品にハイテクを仕込んでいます。見た目はスーツを着た紳士なのに…というギャップが007のワイルドさと一線を画した設定ですね。
むしろ目立たないという意味では、より実際のスパイに近いかもしれません。
主人公エグジーが行うスパイ養成は意外と、通り一辺倒な感じも受けますが、並行して語られる天才IT技術者で大富豪ヴァレンタインの策略は荒唐無稽かつそのバカさ加減が実に暴力的。
全体の演出はオープニングから捻りが利いているし、過去映画のインスパイアだのオマージュだのと言うものじゃなく、これぞアレンジかつ刷新と言えるでしょう。
出演は豪華な布陣。
どう見たってアクションしなさそうなコリン・ファースの意外性、童顔なタロン・エガートンに、切れた悪役を演じるサミュエル・L・ジャクソンなんてノらない訳がない。驚きを通り越したのがマーク・ハミル…64歳とはいえ、まったくわからなかった。ソフィア・ブテラのアクションもダンサーならではの動き。個人的な好みでソフィー・クックソンをもうちょっと見たかったところです。
全体的に惜しかったのは、もう少し危機的シーンで盛り上げてくれても、といったところ。しかし、余韻が残る面白さでは今のところ、今年一番の面白さでした。

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# by syosei7602 | 2015-10-19 23:59 | アクション/アドベンチャー