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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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青いパパイヤの香り
青いパパイヤの香り_d0030824_202375.jpg『THE SCENT OF GREEN PAPAYA』 フランス・ベトナム/1993
監督:トラン・アン・ユン
出演:トラン・ヌー・イェン・ケー リュ・マン・サン
トルゥオン・チー・ロック グェン・アン・ホア トラン・ゴック・トゥルン
ヴォン・ホイ
受賞:カンヌ国際映画祭/カメラ・ドール ユース賞(1993)
セザール賞/新人監督作品賞(1993)

村上春樹のベストセラー小説「ノルウェイの森」の実写を監督するトラン・アン・ユンの初劇場作品。
フランス・パリ郊外にセットが作られて撮影された。
出演は「シクロ」「夏至」のトラン・ヌー・イェン・ケー他、ほぼ全員がフランス在住のベトナム人であり、映画初出演となる。

<あらすじ>
青いパパイヤの香り_d0030824_1382655.jpg1951年、ベトナム・サイゴン。
10歳になるムイ(リュ・マン・サン)がある家庭に下働きとして雇われていく。
その家の父親(トラン・ゴック・トゥルン)は、琵琶をたまに奏でるだけで何もせず、家計はもっぱら母親(トルゥオン・チー・ロック)が布地屋を営んで支えていた。
他に長男、次男、三男に祖母、そして家政婦のティー(グエン・アン・ホア)がいた。
ティーはムイに、家事の仕方を教え日々が過ぎていく。
青いパパイヤの香り_d0030824_1384182.jpgある日、長男が友人のクェン(ヴァン・ホア・ホイ)を連れてくる。ムイはクェンに憧れを抱くのだった。
そんな時、父親が有り金を全部もって消えてしまう。祖母は母親が悪いと言い、母親はなんとか子供達を養おうと、お金を工面して生活を支え続けていたが…。


<作品解説>
全編フランスで撮影されたという、異色のベトナム映画です。
何気ない日常を描き、主人公ムイの成長していく様を描いているだけ、という実にシンプルな作り。
さて、実に淡々と進んでいって何もないような(というか本当に何もない)ストーリーが終始するんですが、このアン・ユン監督、エロいです。
なんていうんですかね、ヌードとかそういう直接的なエロじゃなくて、女性の艶めかしい部分というか、その撮り方が非常にうまい。
フランス映画だから官能的なのか…そんな枠を越えたうまさです。
舞台もセット撮影とは思えないほどに良くできています。
少し残念だったのが、音楽の選曲でしょうか。
なんだかサスペンスドラマみたいな曲が多用されていて、映像の雰囲気とは少しずれている気がしました。
非常に淡々とした中でリアリズム溢れる映像となっていますが、人によってはただ退屈なだけかもしれません。

<見どころ>
言うまでもなくエロチシズム溢れる映像です。
日常の中に差し挟まれる艶っぽさ、心象風景の描写は見事です。

<出演者>
10歳のムイを演じたリュ・マン・サンはとてもかわいい子役だったんですが、20歳を演じたトラン・ヌー・イェン・ケーはちょっと違うよなぁ…と。
本作の後に監督と結婚して、その他の作品にも出ている女優です。
その他の出演者たちもほとんどが初出演なのに、うまかったですね。
セリフがそれほど多くないのも良かったのかも。

<総評>
「ノルウェイの森」の映画化ですっかり有名なった同監督ですが、果たしてどうなるのか…。
本作に続いた「シクロ」でも高い評価を得ていますが、それらがベトナムを舞台にしたから出来たことであるのも否めないでしょう。
それはさておき、本作における演出の見事さは見ておいて損はないでしょう。

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by syosei7602 | 2009-02-17 23:59 | ヒューマン/ドラマ
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