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『バルトの楽園』 日本/2006
監督:出目昌伸 出演:松平健 ブルーノ・ガンツ 高島礼子 阿部寛 國村隼 大後寿々花 中山忍 中島ひろ子 タモト清嵐 オリヴァー・ブーツ コスティア・ウルマン イゾルデ・バルト 公開時コピー 第九の扉が開くとき 軍人は「人間」に帰る。 なぜ、彼はドイツを信じようとしたのか。 第一次世界大戦、中国の青島から捕虜となったドイツ兵が収容された徳島・板東俘虜収容所、日本で初めて“交響曲第九番 歓喜の歌”が演奏された実話を基にした作品。 監督は「きけ、わだつみの声 Last Friends 」の出目昌信。 出演は時代劇「暴れん坊将軍」でお馴染みの松平健、「ヒトラー 最後の12日間」のブルーノ・ガンツ、「大奥」の高島礼子、「トリック」シリーズの阿部寛、「ウミザル 海猿」の國村隼、「北の零年」の大後寿々花など。 <あらすじ> 1914年、第一次大戦の最中、日本軍はドイツの極東領地・青島を攻略する。 ドイツ兵4700名は捕虜となり、日本各地の収容所へと送られる。 1917年、劣悪で厳しい久留米収容所で過ごした捕虜達は収容所の統合整備により、徳島の板東俘虜収容へと移送される。 収容所の所長・松江豊寿(松平健)は、捕虜達も人間的な扱いを受けるべきだと考え、寛大な扱いをしていた。 捕虜達は村民達と交流するなどして、ドイツで培われた文化や技術を提供していく。しかし、ほぼ自由に動きまわれることから、やがて軍の上層部にその事が知られてしまう。 <作品解説> 本作の主人公である松江所長は「収容所は刑務所ではない」との考えから、ドイツの持つ文化や知識・技術を広めた事で讃えられた人物です。 その人道的な措置と温かい人柄から、捕虜となった兵士たちは彼を後々まで褒め称えたと言われています。 さて、本作では日本で初めてベートーベンの第九が奏でられたという実話を基にされているわけですが、それ以上に板東の人々によるドイツ人への心遣いや交流などが中心となっています。 その中にあって戦争が語られるのは冒頭の戦闘、または松江の会津時代の回想などが差し込まれ、誇りよりも大切なものが徐々に集約していきます。 補足ですが、松江の回想シーン・幼少期の斗南生活は経験しておらず、また板東以外の収容所でも待遇改善が図られたそうです(また、ドイツ兵の面々もフィクション)。 作品全体としては、ヒューマンドラマとしての色が強く、戦争の悲惨さを伝えるものではありません。もちろん、戦争…とりわけ“敵”に対する憎悪なども一部描かれますが、それほど強烈なものではなく、どちらかというとユーモアが随所に差し込まれた作品といえるでしょう。 <見どころ> 短いながらも戦闘シーンや収容所のセットの見事な出来、さらに印象的なセリフがいくつかありました。 個人的に好きなのは松江所長がチャリンコをこいで、転んだ時のいいわけですかね~。 <出演者> 松平健の見事なまでの髭はもちろん付け髭(髭=バルト)。 温厚そうな松江所長を見事に演じました。 とりわけ注目なのはやはり子役の大後寿々花。 子役の中ではピカイチの演技力と言われていますが、それだけの事はあります。 今後どう化けるか、楽しみですね。 なお、同じく板東俘虜収容所を舞台にした直木賞作家・中村彰彦の小説「二つの山河」が無断で使用されたとして、出版社と東映に質問状を送付した事がありました。 結果として、参考資料の記載が為されたそうです。 人気blogランキング ←ポチッとクリック
by syosei7602
| 2007-04-11 23:59
| ノンフィクションベース
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