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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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ジャーヘッド
ジャーヘッド_d0030824_144384.jpg『JARHEAD』 アメリカ/2005
監督:サム・メンデス
出演:ジェイク・ギレンホール ピーター・サースガード
    ルーカス・ブラック クリス・クーパー ジェイミー・フォックス
    ブライアン・ケイシー ジェイコブ・ヴァーガス



公開時コピー
最高の生き方がある。
そう信じて、僕は戦場に向かった―
メディアが暴けなかった湾岸戦争の真実が、ここにある


「アメリカン・ビューティー」のサム・メンデス監督が湾岸戦争の裏側を綴ったベストセラーノンフィクション「ジャーヘッド アメリカ海兵隊員の告白」を映像化。
出演は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール、「フライトプラン」のピーター・サースガード、「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」のルーカス・ブラック」、「アダプテーション」のクリス・クーパー、「マイアミバイス」のジェイミー・フォックスなど。
音楽シーンを彩った数々の名曲が使用されている。

<あらすじ>
80年後半、大学進学を辞めて、海兵隊に入ったスウォフォード(ジェイク・ギレンホール)。
しかし、厳しい訓練で早くも後悔し始める。
やがて、訓練を終えた彼はカリフォルニア州のペンドルトン基地に配属され、手荒い歓迎を受けるのだった。
三等曹長サイクスの目に止まったスウォフォードは、厳しい訓練を受け8名しかいない斥候狙撃隊に入る。
そこでトロイ(ピーター・サースガード)とコンビを組み、更なる特訓を積んでいく。
そんな折り、イラクがクウェートに侵攻し、湾岸戦争が勃発。
彼らはサウジアラビアの砂漠へと派兵されるのだった。

<見どころ>
主人公が全く戦わないという、異色の戦争ドラマ。
タイトルのジャーヘッドは海兵隊を意味するスラングです。
戦争映画は数あれど、本作の見どころはなんといっても主人公が配属される海兵隊。
派兵前に「地獄の黙示録」を見てバカ騒ぎ、現地に到着してもマスターベーションやら彼女の話やら、とにかく良くも悪くも「野郎共の集団」に他ならず、血の気だけは多い連中や「なんでこんな場所に…」と頭を抱え、結局は騒いで忘れようとする展開になります。
本作は第一次湾岸戦争を舞台にしたもので、戦いのほとんどが空爆によって決着したのですが、劇中でも語られるように、そもそもイラクの兵器(第二次湾岸戦争の原因にもなった大量破壊殺戮兵器)はイ・イ戦争の時にアメリカが提供したものです。
クウェートへの侵攻の内実は、クウェートに原因があったのですが、本作ではそういう「政治的要素」を抜きにした考えが兵士の間にあったのが実情でしょう。
それ故に、イラク=討つべき敵という認識に元に不平不満を抱えながらも、早く戦闘をしたいという愚かしい考えだけが先行していきます。
主人公スウォフォードは、そんな中で訓練と共に青春を過ごしていく…「プラトーン」と比べたらまだ健全ではないでしょうか。

<見どころ>
意外な程にあっさりとした訓練シーンでしたが、押さえるべきところが集中しているので、見やすいですね。
空爆にあったイラクからの脱出者たちの黒こげのシーンは生々しさを強調しています。
血すらも出ず、炭化した砂の上を歩いたスウォフォードの足跡が白く残るシーン…印象に残ります。

<出演者>
ジェイク・ギレンホールは坊主頭が良く似合いました。
髪の毛を生やしているシーンはお世辞にも…。
ピーター・サースガードは印象薄く感じます。戦争映画にありがちですが、イマイチ登場人物達の相関図を把握しにくい。
その中でジェイミー・フォックスの存在感はやはり、と言うべきでしょうか。

湾岸戦争が残したのはガルフ・ウォー症候群、劣化ウラン弾による後遺症など様々。
人が人を殺す、映画の中では当たり前の出来事が、戦争では「リアル」に当たり前の出来事として存在し、人々の心を蝕みます。
それが優位に立てば立つほど、戦う必死さよりも楽観的な考えとして銃を握る。
この映画を見て思うことは「こんな戦いに巻き込まれていない人生で良かった」、そんな所でしょうか。

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by syosei7602 | 2006-12-17 23:11 | 戦争/歴史/時代劇
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