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『THE EXORCISM OF EMILY ROSE』 アメリカ/2005
監督:スコット・デリクソン 出演:ローラ・リニー トム・ウィルキンソン キャンベル・スコット ジェニファー・カーペンター コルム・フィオール ジョシュア・クローズ ケン・ウェルシュ ダンカン・フレイザー 公開時コピー この映画はホラーではない。実話である。 人気ホラーシリーズの5作目「ヘルレイザー/ゲート・オブ・インフェルノ」を手がけたスコット・デリクソン監督による、実話を基にした作品。 出演は「コンゴ」のローラ・リニー、「エターナル・サンシャイン」のトム・ウィルキンソン、「リトル・ランナー」のキャンベル・スコット、「恋のミニスカ ウエポン」のジェニファー・カーペンター、「リディック」のコルム・フィオールなど。 <あらすじ> ある田舎町で、エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)という19歳の女子大生が奇怪な死を遂げる。 彼女の死を見届けたのは、神父のムーア(トム・ウィルキンソン)だったが、そのあまりにも不審な死から、ムーアは過失致死で逮捕されてしまう。 その理由は、エミリーが悪魔に取憑かれた為に悪魔祓いを行ない、医学的治療を放棄したというもの。 教会側はその権威を維持するため、ムーア神父をなんとしても司法取引で決着させようとするが、ムーアは拒否をする。 教会は、裁判のために殺人犯を見事釈放に導いた女性弁護士エリン・ブルナー(ローラ・リニー)を雇うことにする。 ムーアはエリンに、エミリーに関する真実を話せるなら弁護を頼むと言う。 しかし、検察側は医学的根拠を元に攻め立ててくるのだった。 <作品解説> 「ダ・ヴィンチ・コード」を見てしまうと、神や悪魔の存在というものがいかに描かれようとも「あり得ないだろう」を言ってしまいたくなります。 本作はホラーやオカルトというよりも「悪魔が存在したのか」という点に絞られて、むしろ裁判が中心の作品になっています。 作品の一番重要な点は「キリスト教の教義と伝説が根底にある」という事でしょうか。 この点を無くしては、弁護側は弁護しようが無く、「悪魔」という概念が現実的な意味で消失してしまう訳です。 キリスト教が認めてしまった悪魔祓い、医学的根拠を示す検察、悪魔というもの「直に見た」神父、無神論者の弁護士…この中で一番まともなのはやはり検察になるでしょう。 医学的治療の効果はどこまで効果的だったのかはわからないとしても、理論的であったのは事実。 また、映像的な演出かも知れませんが、夜にだけ発作(悪魔が現れる)というのは些か出来すぎた形ではないでしょうか? ただし、裁判の映画として、また奇怪な事実があったことを伝えた作品としては非常に秀逸です。 <見どころ> ジェニファー・カーペンターの迫真の演技は、ぞっとします。 CG無しの体の動きなど、名作「エクソシスト」を上回る不気味な映像はホラーものでは非常にレベルの高い演技が伴ったものと言えるでしょう。 <出演者> ローラ・リニー、トム・ウィルキンソンの演技には文句なし。 とまどいを感じながらも、芯の強い女性弁護士を演じたローラ・リニーは見事でした。 ジェニファー・カーペンターは先にも書いたように、見事過ぎる恐怖を煽る演技は秀逸。 美人とは言えませんが、演技力の高さに今後も注目ですね。 キリスト教をよく知っていれば、なるほどと思うことは多々あるかと思いますが、やはり「ダ・ヴィンチ・コード」の原作などを読んだあとでは「神と悪魔」の概念は所詮人間が作り出した虚像に過ぎないと思ってしまいます。 実話としての真実性か、宗教としての概念か、意見が分かれる映画です。 よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2006-10-17 23:42
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