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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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脳男
脳男_d0030824_104388.jpg『脳男』 日本/2013
監督:瀧本智行
出演:生田斗真 松雪泰子 江口洋介
二階堂ふみ 太田莉菜 大和田健介 染谷将太
甲本雅裕 光石研 小澤征悦 石橋蓮司 夏八木勲






公開時コピー
悪に裁きを下す、
美しき殺人者


首藤瓜於による同名ベストセラー小説の映像化。
監督は「星守る犬」の瀧本智行。
出演は生田斗真、共演に松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみなど演技派が勢揃い。
序盤からのグロ描写に加え、心理的に辛い描写が多い作品となっているが、サイコパスな作品としての完成度が高い良作。

<あらすじ>
都内近郊で無差別連続爆破事件が発生し、多くの人々を恐怖に陥れる。捜査を担当する刑事の茶屋(江口洋介)は部下の広野(大和田健介)と共にようやく爆弾魔の女・緑川(二階堂ふみ)のアジトを突き止めるが、アジトは爆破。そこにいたのは怪我をした男(生田斗真)だけだった。茶屋は男を緑川の共犯者として逮捕するが、男の身元は鈴木一郎という名前以外にわからず、一切の感情を出さない。
精神鑑定を受けることになった鈴木を担当したのは、偶然爆破事件に遭遇していた精神科医の鷲谷(松雪泰子)だった。
鷲谷は、類い希なる知能と鍛え上げられた肉体、そして一切の感情を持たない鈴木に興味を持って調べ始める。
一方、緑川は自分たちを急襲した鈴木に興味を持ち、鷲谷が勤務する病院襲撃を画策していた。
脳男_d0030824_1193.jpg

<総評>
恐らく多くの生田斗真ファンが劇場に足を運び、想像しえなかったハードなストーリーに驚愕した…と思われる。「脳男」、なんとも奇妙なタイトルであり、一瞬「鉄男」を思い出したりして。
全国公開の邦画の中ではホラー映画以上にグロがあったり、見ていて「痛い」描写が多数。うーん、PG12って…トラウマになるんじゃないかとか色々考えてしまうのだが、結論から言えば面白かった。
原作は未読なので比較はできないのだが、本作のようなぶっ飛び方は割と好きだったりする。
さて、感情を持たない正義の殺人鬼とサイコボマー少女、そしてトラウマ持ちの精神科医に熱血刑事の4人の物語。
爆弾魔・緑川はレズ関係の共犯者と共に、面白半分に爆弾を作ってはあちこちに仕掛け、ホームレスをさらっては舌を切り落とすという異常性を持ち合わせている。「ダークナイト」のジョーカーを彷彿とさせる悪人。それに対抗できるのは無感情な天才殺人鬼・鈴木一郎だけ…殺人鬼レベルで言えば「ターミネーター」「羊たちの沈黙」かはたまた「Mr.ブルックス」か。
登場人物は4人の立場が明確で面白い。常に一方通行である鈴木は手段を選ばない正義、緑川は自分のアイデンティティを確立するため、茶屋は刑事としての正義、そして一番人間くさく、そしてある意味現実離れしたのが鷲谷。
鷲谷は性善説を肯定し続け、受け入れ、それを無感情な鈴木に問いかけていく。この性善説が本作の根幹に流れるテーマで、本作全体を大きく見てみるとなんともわかりやすいですね。
中盤以降のアクションシーンは見応えあり。
出演陣は生田斗真の役作りがすばらしい。そして二階堂ふみ、他作品でも見事な演技を披露していますが、現実離れした爆弾魔をよくも演じてくれました。松雪泰子は段々と影のある役が多くなってきたなぁ…江口洋介はなんつーかありきたりになりましたが…染谷将太が鮮烈な印象。
映像センス、規模は邦画のレベルとしては非常に高く、全体に流れる悲壮感にも似た感覚は演出の高さを物語っています。
個人的にはオススメ、なかなかの良作です。

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by syosei7602 | 2013-02-09 23:59 | ハードボイルド/犯罪
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