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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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モーターサイクル・ダイアリーズ
モーターサイクル・ダイアリーズ_d0030824_1818632.jpg『THE MOTORCYCLE DIARIES』 イギリス・アメリカ/2003
監督:ウォルター・サレス 
出演:ガエル・ガルシア・ベルナル ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
    ミア・マエストロ メルセデス・モラーン ジャン・ピエール・ノエル
受賞:アカデミー賞/歌曲賞(2004)
    英国アカデミー賞/外国語映画賞・作曲賞(2004) 他


公開時コピー
遠い空の下、僕は世界がめざめる音を聞いた

ロバート・レッドフォード制作総指揮、「セントラルステーション」のウォルター・サレス監督によるアルゼンチンの革命家チェ・ゲバラの若き日を描いたフィクション映画。
主演は「dot the I ドット・ジ・アイ」のガエル・ガルシア・ベルナルとゲバラの‘はとこ’であるロドリゴ・デ・ラ・セルナ。

<あらすじ>
1952年、アルゼンチン・ブエノスアイレス。喘息持ちで医学生エルネストは7歳年上のアルベルトと共にわずかな所持金を持って、おんぼろバイク「ポデローサ」号に乗り、南米大陸探検の旅に出る。
最終目的地はベネズエラのカラカス。
2人の行く手にはいくつかの困難、そして貧困が待ちかまえていた。

***

一口にロードムービーといってしまうには惜しい程の傑作。
この映画には今のハリウッドにはないパワーというか、どこにも悪意は存在せず、23歳のエルネスト(ゲバラ)と友人で29歳のアルベルトの友情と南米の実情をひたすら映していきます。
そしてチェ・ゲバラという伝説的革命家がなぜ誕生したのかをリアルに、誇張せずに出している所がいいですね。
オンボロバイク<ポデローサ号>に乗って旅をしている映像は、なんかこう自分も思わず旅に出たくなりますよ、本当に。
ストーリーは感動するとか涙するとかはないけれど、見終わった後に胸に迫るものがあるというか、忘れていた感覚を呼び起こすような心地よい後味があります。

ゲバラを演じるガエルは男前で、売れそうな予感がしますね。
相棒のアルベルトを演じるロドリゴはなんとゲバラのはとこ。
映画に出てくる俳優はガエルを除いてその全てが南米出身。
ユーモアも多く、笑ってしまうところもいくつかあるので、ドキュメンタリータッチな映画なのに飽きさせないのも魅力の1つです。

そうそう、映画館はなんか妙に年配の人と1人で見に来ている人も多かったですね。
いわゆるハリウッド的大作というものじゃないので、デートには向かないのか。

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# by syosei7602 | 2004-10-24 22:55 | ノンフィクションベース
アイ,ロボット
アイ,ロボット_d0030824_18215150.jpg『I, ROBOT』 アメリカ/2004
監督:アレックス・プロヤス 
出演:ウィル・スミス ブリジット・モイナハン チー・マクブライド
    ブルース・グリーンウッド アラン・テュディック
    ジェームズ・クロムウェル



公開時コピー
ルールは破られた、未来は守れるか。

「クロウ/飛翔伝説」のアレックス・プロヤス監督によるSFアクション。
主演は「インディペンデンスデイ」「メン・イン・ブラック」のウィル・スミス。
共演は「リクルート」のブリジット・モナイハン、「ハリウッド的殺人事件」のブルース・グリンウッドなど。

<あらすじ>
2035年シカゴ。USロボティックス社のロボット工学博士ラニング博士が投身自殺を図る。捜査を任されたのはロボット嫌いで博士と旧知の間柄だったスプーナー刑事。
スプーナーは博士の開発したNS-5型ロボット「サニー」が犯人ではないかと考えるが、USロボティックス社の心理学者スーザン博士は「ロボット三原則」の為にロボットが人間に危害を加えることはないと言い放つ。

***

原作はSF小説の巨匠の1人、アイザック・アシモフの「我はロボット」。
この人がいたお陰で、今なおもロボット三原則(1.ロボットは人間に危害を加えてはならない、2.ロボットは1に反しない限り人間から与えられた命令に服従しなければならない、3.ロボットは1及び2に反するおそれのない限り自己を守らなければならない)がロボットSFには欠かせないものの1つになっています。特に「鉄腕アトム」なんかはその影響を大きく受けた作品の1つですね。
もっとも映画ではアシモフの小説はモチーフであって、映像化ではないということを頭に入れておかないとあとで小説を読んで愕然としかねません。

ストーリーはシンプルに考えれば、意外とわかりやすいんですが、見ていると段々ゴチャゴチャしてくるのは否めません。
流れとして ロボット未来→ロボット嫌いのアナログ思考な刑事→事件が起きる→ロボットが犯人じゃないかと疑う→犯罪を行うにはロボット三原則が邪魔して無理→さてどうする? といった感じです。
正直なところ、見るまではきっとウィル・スミスが出ているだけでB級なんじゃないかと疑ってかかってました。だって、ウィル・スミスって「バッドボーイ」「インディペンデンス・デイ」「メン・イン・ブラック」くらいしか思いつかないとじゃないかと・・・実際はもっとたくさんメジャーな映画出てるけど。
でも、この映画のお陰で彼はもっとメジャーになった気もします。なにせ、今まではマーティン・ローレンスやトミー・リー・ジョーンズとの2人主役ものが多かったんだから。

「i,ROBOT」はSF映画としてはかなり王道を行っているけれど、結構深いですね。
哲学的というか「ブレードランナー」ほどではないにせよ、ロボットを作る人間、扱う人間、利便性の追求の最終的な部分が全てロボットに集約しているわけです。
それが反乱を起こすなどと全く考えもしない。人型であってもそれは「家電」の領域を出ない。
されど、人間というのは不思議なもので人型に近いものをいつも目指す。
人型に意味があるのは親近感という面だけです。だからこそ、この映画の世界観は成立するけれど、決して絵空事ではないですよね。
劇中ではサニーという意志を持ったロボットが出てきて、これはかつて手塚治虫が描いた「鉄腕アトム」の世界に出てくるロボットそのもの(ニュアンスとしてですが)。
いつかこのサニーや「鉄腕アトム」のように意志を持ったロボットが出来たときに、人間は果たして「ロボット三原則」だけで制御できるんだろうか?
完璧な原則など存在しない、それが人の手で作られる限り・・・その矛盾がこの映画の根幹です。

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# by syosei7602 | 2004-10-23 22:54 | SF/ファンタジー/パニック
エル・マリアッチ
エル・マリアッチ_d0030824_18233840.jpg『EL MARIACHI』 アメリカ/1992
監督:ロバート・ロドリゲス 
出演:カルロス・ガラルドー コンスエロ・ゴメス ジェイム・デ・ホヨス
    ピーター・マルカルド レーノル・マルティネス
受賞:インディペンデント・スピリット賞/新人作品賞(1993)



7000ドル(約70万円)という制作費で作られた超低予算映画。
「デスペラード」「スパイキッズ」シリーズのロバート・ロドリゲス。
この映画で認められ、ハリウッドに進出。「デスペラード」は本作のリメイクで、アントニオ・バンデラスの出世作にもなりました。

<あらすじ>
メキシコの小さな村にギター弾きのマリアッチが仕事を探しにやってくる。
同じ頃、脱獄囚アズールがかつての仲間で金を独り占めしたモーリシオの部下を殺していた。
アズールの格好が黒服にギターケースにマシンガンを持っていたことから、同じ格好をしていたマリアッチは勘違いで狙われる羽目になる。
からくも殺し屋たちを倒したマリアッチはバーの経営者ドミノにかくまってもらうが、ドミノはモーリシオの愛人だった。

***

もう、インディーズ映画丸出しのパワーが売り物で、とにかく無駄なものは省き、荒削りに進む展開が良い。
主演のカルロス・ガラルドーが制作も兼ねているんだけど、この辺がすごく「自主映画」っぽくていいですね。
リメイクされた「デスペラード」とはシナリオが多少違うんですが、位置づけとして「エル・マリアッチ」シリーズ第1弾になってます。まあ、違うと言っても事件に巻き込まれて、手をやられてギターが弾けなくなり、その他にもゴタゴタがあって復讐するってだけの話ですが・・・。
見所はなんといっても、主演のガラルドーがものすごく童顔なこと(笑)。
そして「デスペラード」ではサルマ・ハエックが演じたバーの女性が逆にやさぐれた顔をしてる。
このミスマッチというか、逆に生々しいというか、味になってます。
ただ、話がわかりやすいし、インディーズパワーでイカレた部分も多いので、最近のありきたりなアクションに飽きた人にはいいかもしれない。

監督のロドリゲスはクエンティン・タランティーノと友人。
「フロム・ダスク・ティル・ドーン」を共同制作。
何げにタランティーノ監督の「KILL BILL vol.2」で音楽を担当してます。

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# by syosei7602 | 2004-10-22 22:50 | アクション/アドベンチャー
river
river_d0030824_18242372.jpg『river』 日本/2003
監督・脚本:鈴井貴之 
出演:大泉洋 安田顕 佐藤重幸 音尾琢真 森崎博之 中村麻美
    佐藤誓 田中護 小橋亜樹 河野真也 藤尾仁志




公開時コピー
水面に輝くあの光。いつしか僕らは忘れてしまっていた。

北海道のローカル番組「水曜どうでしょう」の企画・構成・出演をする鈴井貴之が監督、さらに同番組の人気タレント・大泉洋が出演という、まさに北海道発のシリアス・サスペンス映画。
「水曜どうでしょう」がローカルから全国区にのし上がった人気番組の為、どうしても主演の大泉洋が演技をすることに違和感を感じてしまいがち(笑)。

<あらすじ>
警察官の佐々木は通り魔を追いつめるが、目の前で人質を殺され挙げ句の果てに逃走される。藤沢は2ヶ月前に通り魔に恋人を殺され、その時犯人を追っていた警察官を捜していた。
バーを経営する九重はスキージャンプで将来を有望視されていたが、交通事故で足を悪くし断念する。
横井はエリートコースを歩んでいたが小学校の頃のイジメが忘れられない。
4人は小学校の同窓会で出会い、九重のバーで見知らぬ男からある事を聞く。

***

脚本が良い。
ついでに演技もバッチリと決まってます。
えっと、粗筋だけで関わりが1つわかっちゃってますが、これはオフィシャルサイトでも書かれていることなんで勘弁して下さい。
映画の構成は現実的な場面の要所に過去を放り込んで、今の状況がどうしてこうなったか、という補足的な編集になってます。
「え、なんでこうなの?」というところで邪魔にならない程度に過去のシーンで説明。
これが単調になりがちなテンポをうまく払拭してます。
舞台は北海道の札幌を中心、しかし観光地を映して画面を埋めるというような野暮な事はしてないのが良い。
物語の中心はあくまでも「記憶」、それも捨てたいのに捨てられない「トラウマ」であり、それが主人公達を突き動かす原動力になっている所にこの映画のリアリズムがあります。
映像感覚としては、「メメント」や「インソムニア」を撮ったクリストファー・ノーラン監督に近いものがありますね。
残念なのは人物の小学校時代の相関関係がわかりにくかったこと。

あと・・・今ひとつメジャーではない映画なので、ビデオ屋に入っているかどうか(苦笑)。
しかし、なかなかの傑作なので見かけたら是非見て下さい。

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# by syosei7602 | 2004-10-21 22:47 | ミステリ/サスペンス
天使のくれた時間
天使のくれた時間_d0030824_1825229.jpg『THE FAMILY MAN』 アメリカ/2000
監督:ブレット・ラトナー 
出演:ニコラス・ケイジ ティア・レオーニ ドン・チードル
    ジェレミー・ピヴェン ソウル・ルビネック ジョセフ・ソマー
    ジェイク・ミルコヴィッチ



「ラッシュ・アワー」「レッド・ドラゴン」のブレット・ラトナー監督によるクリスマス・ファンタジー。
出演はコッポラ監督の甥としても有名な「フェイス/オフ」のニコラス・ケイジ。
「ディープ・インパクト」のティア・レオーニ、「オーシャンズ12」のドン・チードル他。

<あらすじ>
独身ビジネスマンで会社社長のジャックは裕福な生活を謳歌していた。
クリスマス・イブの夜、かつての恋人ケイトから電話をもらうが、かけ直さずそのまま眠りにつく。
そして朝目覚めるとジャックはケイトと結婚して2人の子どもに囲まれた家庭を持っていた。
わけもわからないまま、ジャックはその幸せな時間を過ごしていく。

***

独身ビジネスマン・ジャックが昔の恋人・ケイトとの「違う生活」を「夢」の中で体験する。
単純に感動する映画、というと語弊があるかもしれない。
映画というのは見る人によって感想は様々だけど、この映画に関して言えば感動する映画というより「良い映画」。
あくまでも主体は現実なんだけど、それでも失ってしまったものを夢見るジャックに少なからず感情移入してしまいます。
ニコラス・ケイジはいつも泣きそうな顔しているし、髪の毛もお世辞にも多いとは言えないけどやっぱりこの顔があるからこそうまくはまっている映画ですね。
よくありがちな話「成功して何かを失うか」それとも「ささやかな幸せを手に入れるか」。
この映画の見所は成功している人生も間違ってはいないし、夢の人生も間違ってはいないというとこにあるんだと思います。
これと似て非なる映画でディケンズの「クリスマスキャロル」の現代版「3人のゴースト」(監督:リチャード・ドナー 主演:ビル・マーレー)があります。こっちは主人公のキャラ設定がもっとトゲトゲしいけど、昔の恋人とのヨリを戻そうという部分や奇跡が一過性のものではないという部分に救いがありますね。
どちらの映画もクリスマスが関係してくるので、その時期が独りぼっちの人は見て涙するのもありかもしれない(笑)。

原題は「THE FAMILY MAN」。
邦題の「天使のくれた時間」はうまいですね。

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# by syosei7602 | 2004-10-20 00:00 | 恋愛/青春/スポーツ