トップ | ログイン

映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
検索
カテゴリ
50音順INDEX
アクション/アドベンチャー
ミステリ/サスペンス
恋愛/青春/スポーツ
ホラー/オカルト
ヒューマン/ドラマ
SF/ファンタジー/パニック
ハードボイルド/犯罪
戦争/歴史/時代劇
ノンフィクションベース
ミュージカル/音楽/ダンス
コメディ/パロディ
アニメ/CG
ドキュメンタリー
月別更新まとめ
管理人日記
リンク/プロフィール
以前の記事
2017年 02月
2016年 08月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 02月
2014年 07月
2014年 06月
2013年 11月
more...
記事ランキング
ブログジャンル
最新のトラックバック
視聴率に関係なく選んだ2..
from dezire_photo &..
視聴率に関係なく選んだ2..
from dezire_photo &..
[洋画] 「アバター」は..
from 窓の向こうに
仮面ライダー THE F..
from piece of life ..
サウンド・オブ・サンダー
from piece of life ..
ダブル・ミッション
from piece of life ..
『シャッターアイランド』..
from 名機ALPS(アルプス)MD..
「AVATAR」
from samuraiの気になる映画
『宇宙戦艦ヤマト/復活篇..
from 【徒然なるままに・・・】
映画「相棒 -劇場版- ..
from 珍竹麟  〜映画とネットとモ..
お気に入りブログ
リンク
にほんブログ村 映画ブログへ

ログログシール
ライフログ
人気ジャンル
ファン
<   2009年 03月 ( 12 )   > この月の画像一覧
ゲッタウェイ
d0030824_0373381.jpg『THE GETAWAY』 アメリカ/1972
監督:サム・ペキンパー
出演:スティーヴ・マックィーン アリ・マッグロー ベン・ジョンソン
アル・レッティエリ サリー・ストラザース スリム・ピケンズ
ボー・ホプキンス リチャード・ブライト ジャック・ドッドソン



公開時コピー
マックイーン+ ペキンパー……
この映画界最大の2人が 全世界に叩きつける 血のバイオレンス・アクション!


「ワイルドバンチ」の鬼才、サム・ペキンパー監督によるアクション映画。
原作は暗黒小説の巨匠ジム・トンプスンの同名小説。
出演は「荒野の7人」のスティーヴ・マックイーン、「ある愛の詩」のアリ・マッグロー、「ラスト・ショー」のベン・ジョンソン、「ゴッドファーザー」のアル・レッティエリなど。
音楽はクインシー・ジョーンズ。

<あらすじ>
d0030824_0374358.jpgプロの銀行強盗であるドク・マッコイ(スティーヴ・マックイーン)は、10年の懲役刑で刑務所に収監されていた。
彼の思いは残してきた妻キャロル(アリ・マッグロー)にあった。4年間の刑務所に耐えられなくなったドクは、面会に来たキャロルに、有力者であるベニヨン(ベン・ジョンソン)へ仮釈放を頼む。
出所したドクは釈放の条件として、ベニヨンから地方にある銀行を襲うことを約束させられ、仲間として、ルディd0030824_038180.jpg(アル・レッティエリ)とフランク(ボー・ホプキンス)の2人を紹介される。
ドク、キャロル、ルディ、フランクの4人は綿密な計画を立て、銀行を襲うがフランクが警備員を射殺した事から状況は一変。
ドクは、ルディの裏切りを察知して先手を打ち、キャロルと共にベニヨンの待つ農場に向かうが…。


<作品解説>
サム・ペキンパー監督の作品中、最大のヒット作であり、脚本が「48時間」「エイリアン」シリーズのウォルター・ヒルという、俳優も含めて実に豪華なアクション作品です。
1994年にはウォルター・ヒルの脚本そのままに、アレック・ボールドウィン、キム・ベイシンガー主演でリメイクされました。
さて、本作は「ワイルドバンチ」で見られたような、スタイリッシュなペキンパー節はなりを潜め、どちらかというと淡々とした印象です。
冒頭はひたすら主人公ドクが刑務所で淡々と過ごし、妻キャロルの写真を眺めていたり、せっかく作った模型をぶっ壊したりと感情面が深く描かれています。そして、遂に我慢できなくなった彼は、条件があると知りながら有力者のベニヨンに仮釈放を頼み、再び銀行強盗をしちゃうわけですが…ここで注目なのは妻であるキャロルも実行犯の一人であるということ。
ドクは凄腕ながら、キャロルにベタ惚れ、そしてキャロルもやっぱりベタ惚れという何ともおしどり夫婦みたいなのに強盗しちゃう…この設定って果てさて、と考えるとタランティーノの「トゥルー・ロマンス」とかに繋がるんですよね(タランティーノはペキンパーをリスペクトしている)。
それはさておき、金を奪ったまではいいものの、予期せぬトラブル、裏切りのトラブル続きでそれをなんとか挽回しようとするドクの涙ぐましい努力…そんな彼らをヘンタイ的な殺し屋であるルディや警官達が追ってきます。アクションでもあるし、ロードムービーのテイストもたっぷり。
でも、実は夫婦の愛情を描いた作品という、アンバランスな面白さが魅力的です。

<見どころ>
中盤以降のドタバタともいえる逃走劇、マックイーン演じるドクの骨太なアクションが実にいいですね。
殺し屋ルディの暴走っぷりも見事。
それ以上に、主人公ドクのヘタレ感が良く効いたスパイスとなっています。

<出演者>
存在感のあるスティーヴ・マックイーンは、今見ても格好いいですね。
妻キャロルを演じるのは、本作の後にマックイーンと結婚したアリ・マッグロー。エキゾチックでキレイな女優ですが、端々で見せる哀愁漂う目元が良いのです。
ベン・ジョンソンはふてぶてしさたっぷり、貫禄あります。
そして、なんといってもアル・レッティエリの悪役っぷりが無くちゃ話になりません。

<総評>
本作でマックイーンとマッグローは結婚しましたが、後に離婚。リメイク作品はアレック・ボールドウィンとキム・ベイシンガーが夫婦で共演して離婚。
意外な共通点です。
ペキンパーのアクションが控えめで残念なんですが、中盤以降の緊張感と展開だけで面白い。
ニューシネマからの脱却が図られた良作です。

<関連作品>
ゲッタウェイ (1972)
ゲッタウェイ (リメイク・1994)

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-25 23:15 | アクション/アドベンチャー
マイ・ブルーベリー・ナイツ
d0030824_23395678.jpg『MY BLUEBERRY NIGHTS』 香港・中国・フランス/2007
監督:ウォン・カーウァイ
出演:ノラ・ジョーンズ ジュード・ロウ デヴィッド・ストラザーン
レイチェル・ワイズ ナタリー・ポートマン




公開時コピー
ニューヨークから5.603マイル
あなたのブルーベリー・パイが恋しい


「2046」のウォン・カーウァイ監督が初めて挑んだ英語作品であるラブストーリー。
出演は本作がデビューとなるジャズシンガーのノラ・ジョーンズ、「ホリデイ」のジュード・ロウ、「スパイダーウィックの謎」のデヴィッド・ストラザーン、「ファウンテン 永遠につづく愛」のレイチェル・ワイズ、「ブーリン家の姉妹」のナタリー・ポートマン。
音楽はライ・クーダ。

<あらすじ>
d0030824_23401027.jpgニューヨーク、夜のカフェにエリザベス(ノラ・ジョーンズ)という女性がやってくる。彼女は浮気をした恋人の部屋の鍵を店主のジェレミー(ジュード・ロウ)に、店に来たら渡してくれと頼んで出て行った。
閉店間際、エリザベスが再びやってくる。彼女は恋人が鍵を取りに来たかどうかを知りたかったのだ。
しかし、鍵は元のまま…そんなエリザベスにジェレミーは丸ごと売れ残ったブルーベリーパイを差し出す。
おいしいのに何故か売れ残ってしまうパイ、いつしかエリザベスは毎夜のように店を訪れるようになった。
ある夜、エリザベスはあるアパートを見上げ、そこに新しい女性といる恋人の姿を見るとそのまま旅に出るのだった。
失恋から57日目、ニューヨークからd0030824_23402155.jpg1120マイル離れたメンフィスにエリザベスはいた。
車を買うために昼間はカフェ、不眠症のために夜はバーで働く毎日。
そこで彼女は出て行った妻を忘れられないアーニー(デヴィッド・ストラザーン)という男と、その妻スー・リン(レイチェル・ワイズ)と出会う。
そして、エリザベスはジェレミーに手紙を書き始めるが…。

<作品解説>
「2046」がやたらと長い期間をもって撮られたのに対し、本作は意外と短期間で撮られたイメージがあります。ウォン・カーウァイ監督作品の特徴は、どこか幻想的でありながら、ちょっとしたドタバタがあって実はそれが意外と他愛のない出来事だったりとか、妙な映像の浮遊感でとんでもなくエロかったりするわけです。
しかし、近年は情緒的な傾向が多くてダラダラとしたイメージが先行していたのですが、本作は監督の名前を知らしめた「恋する惑星」に通じるテンポの良さがあります。
さて、失恋した主人公エリザベスはいつも無条件に受け入れて話を聞いてくれるカフェのオーナー、ジェレミーに何も告げずに旅に出ます。
行きたいところにいくだけ、と知り合った人たちに言いながらひたすら働き続けます。そんな彼女が出会ったのは出て行った妻を忘れられないアル中のアーニー、そして新しい恋人と楽しげにする妻スー・リン。
次の場所で出会ったのは若く美しいギャンブラーであるレスリー。
一見、失恋をしたエリザベスには何の意味もないような人たちとの出会いが語られるわけですが、本作のうまさはまさしくここにあります。
アーニーとスー・リンは破綻をきたした夫婦、レスリーはギャンブラーであるがゆえに人を信じない性格…失恋をしたエリザベスにとって彼らの存在とは、教訓であり過去であり未来でもあるのです。
微妙なバランスのメタファーを描かせたら見事なウォン・カーウァイ監督ならではのストーリーと言えるでしょう。

<見どころ>
前半はほとんどが夜のシーン、後半はほとんどが昼間のシーンへと変わっていきます。
時間や季節の使い方に要注目です。

<出演者>
際だって美人とは言えないノラ・ジョーンズですが、手紙を書くというシチュエーションが妙にぴったりきますね。
ジュード・ロウは相変わらず男前なんですが…日本に来たときに頭が大分寂しいことになっちゃってて、そのイメージで見ると、映画の技術ってすごいのね、なんて思っちゃったりして(笑)。
デヴィッド・ストラザーンは本作で唯一、いい年をした登場人物。もの悲しげな風貌がよく似合います。
レイチェル・ワイズ、ナタリー・ポートマンという2人の美女のキャスティングは絶妙。
ウォン・カーウァイって女優の使い方がうまいですね。

<総評>
ぶっちゃけて言えば、キザったらしい映画です。
でもそのキザったらしい部分をオシャレな方向に味付けしちゃうのが監督の凄いところで、センスのなせる技でしょう。
それにしても監督の作品はどれも夜中見るのが適していますね。
なかなかの良作です。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-23 23:36 | 恋愛/青春/スポーツ
ワルキューレ
d0030824_0363640.jpg『VALKYRIE』 アメリカ・ドイツ/2008
監督:ブライアン・シンガー
出演:トム・クルーズ ケネス・ブラナー ビル・ナイ
トム・ウィルキンソン カリス・ファン・ハウテン トーマス・クレッチマン
テレンス・スタンプ エディ・イザード ジェイミー・パーカー
クリスチャン・ベルケル ケヴィン・マクナリー デヴィッド・バンバー


公開時コピー
作戦は「10分」
標的はヒトラー。


第2次大戦中、ドイツで実際に実行された「ヒトラー暗殺計画」の顛末を描いたサスペンス。
監督は「スーパーマン リターンズ」のブライアン・シンガー。
出演は「大いなる陰謀」のトム・クルーズ、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のケネス・ブラナー、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのビル・ナイ、「エミリー・ローズ」のトム・ウィルキンソン、「ブラックブック」のカリス・ファン・ハウテン、「ウォンテッド」のトーマス・クレッチマン、テレンス・スタンプなど。

<あらすじ>
d0030824_0364642.jpg第2次大戦下、ドイツは徐々に劣勢に立たされ各戦地では敗色が濃厚になりつつあった。
アフリカ戦線で片目を失うなどの瀕死の重傷を負ったシュタウフェンベルク大佐(トム・クルーズ)は、帰国後、軍内部のレジスタンスメンバーの会合に出席するが、ベック陸軍参謀総長(テレンス・スタンプ)やオルブリヒト将軍(ビル・ナイ)など、政治家と軍人の集まりでは要領を得なかった。
帰宅したシュタウフェンベルクは、ワグナーの「ワルキューレの騎行」から、ある作戦を思いつく。
それはドイツ国内でクーデターや捕虜の反乱などが起きた際に予備軍によって鎮圧する「ワd0030824_037052.jpgルキューレ作戦」の利用だった。
ヒトラー暗殺後に、親衛隊やナチスが反乱を起こした事にして鎮圧し、全権を掌握する…シュタウフェンベルクは、トレスコウ少将(ケネス・ブラナー)と既存の「ワルキューレ作戦」を書き換え、それを正規の作戦とするためにヒトラーからも承認のサインを得る。
そして、ヒトラー暗殺計画は実行に移されるが…。

<作品解説>
常に暗殺の危機にさらされていたヒトラー。その回数はなんと43回にも及ぶと言われています。その暗殺計画の最も限りなく成功に近づいたのが、本作の「ワルキューレ作戦」を利用した暗殺計画。
作戦そのものは失敗に終わりましたが、その影響は大きく、ドイツの敗戦へ間接的に繋がりました。
当然史実に沿って撮られていますが、細かいところで映画的な演出として変更点が見られます。
もっとも、ドキュメントの様な作りではなく、あくまでもエンターティメントとして製作されているのでそれらについてはあえてツッコミをいれないのが正解でしょう。
さて、元々作戦の「失敗」という結果が出ているために、どこまで楽しめるか?というのが最大の疑問でしたが、そこはブライアン・シンガーの腕の見せ所。
歴史的事実を知らなくても十分に楽しめるように、ほどよくデフォルメされたシナリオ、小気味よい展開、わかりやすいキャスティングなどを活かしています。
勿体なかったのは、かなり流れる展開だったものの、作戦決行時の緊張感が淡々としすぎたところでしょうか。もう少し仰々しい感じに演出しても面白かったですね。
大戦中のドイツというと、どうしてもヒトラーをはじめとするナチス、親衛隊などの独裁政治と悪行が目立ちますが、劇中でも語られる「こういうドイツ人もいることを世界に伝えるんだ」という言葉は非常に切実で、本当に国を思ってのことだとわかります。
しかし、ちょっとした綻びが後戻りできない作戦を壊滅させる…この作戦失敗ですが、43回も狙われて暗殺できないというのはヒトラーの悪運の強さを見せつける歴史的事実でもあるのです。
包囲されたベルリンで自決したヒトラー、結局、彼を殺せたのは自分自身という皮肉な結果が戦争のもの悲しさを語ります。

<見どころ>
意外と淡々としていたので、やはりクライマックス周辺に絞られます。
作戦失敗により、シュタウフェンベルク大佐の仲間達が涙を流すシーンは印象的です。

<出演者>
何かと低迷が囁かれているトム・クルーズですが、本作ではなかなかの好演。
でも、演技に特長が無くなった感じがするのは気のせいでしょうか。
当初、彼のキャスティングには大分異議があったそうです。というのも、シュタウフェンベルク大佐は敬虔なカトリック信者であり、新宗教のトムに対して遺族が難色を示したそうな…
ケネス・ブラナーは序盤でのキーマンですが、出番が少なくて残念。
ビル・ナイをはじめとして、トム・ウィルキンソン、テレンス・スタンプなどいぶし銀な俳優が勢揃い…これを考えるとトム・クルーズって意外とミスキャスト?(本人の精悍な風貌はぴったりですけど)。
シュタウフェンベルクの奥さんを演じたカリス・ファン・ハウテンの出番もわずかでした。

<総評>
決して悪い映画ではないのですが、歴史に興味がないとあまりおもしろくない、というのも事実です。
俳優達の好演も見事、しかし、先に述べたように些か緊張感に欠けたのが残念。
もう少し起伏のある展開があれば傑作になったでしょう。
好きな人にはオススメですね。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-22 23:59 | ノンフィクションベース
アヒルと鴨のコインロッカー
d0030824_212387.jpg『アヒルと鴨のコインロッカー』 日本/2007
監督:中村義洋
出演:濱田岳 瑛太 関めぐみ 田村圭生 関暁夫 杉山英一郎
東真彌 なぎら健壱 キムラ緑子 松田龍平 大塚寧々




公開時コピー
神さま、
この話だけは
見ないでほしい。
時におかしくて、切ない物語が交差する。


伊坂幸太郎の同名小説の映画化。
監督は「ジェネラル・ルージュの凱旋」の中村義洋。
出演は「シュガー&スパイス 風味絶佳」の濱田岳、「どろろ」の瑛太、「包帯クラブ」の関めぐみ、「THE WINDS OF GOD -KAMIKAZE-」の田村圭生、「ハゲタカ」の松田龍平、「LIMIT OF LOVE 海猿」の大塚寧々など。
全編に渡ってボブ・ディランの「風に吹かれて」が使用されている。

<あらすじ>
d0030824_2125410.jpg大学入学の為、東京から仙台にやってきた椎名(濱田岳)は、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を歌いながら引っ越しの片づけをしていた。そんな彼に隣に住む河崎(瑛太)という不思議な男が声をかけてくる。
ボブ・ディランを神さまだという河崎は、椎名に奇妙な計画を話す。
それは、同じアパートに住むドルジ(田村圭生)というブータン人の留学生に広辞苑をあげたいため、本屋を襲って奪う、というものだった。
突然の事に驚いた椎名は慌てて部屋に戻るのだった。
d0030824_213443.jpg次の日、再び河崎と会った椎名はドルジと彼の恋人だった琴美(関めぐみ)の話を聞かされる。
ドルジは琴美を失った悲しみで部屋からほとんど出ずに引きこもっているという。
その話を聞いた椎名は、なぜかモデルガンを手に河崎と共に本屋へ向かっているのだった。

<作品解説>
原作は、伊坂幸太郎自身が「おもしろいかも」といった感じで書き上げた作品だそうです。
たったそれだけの感じで意外性のあるストーリーは見事。
映画版はいくつかのエピソードが省かれていますが、よくまとまっています。
いわゆる「どんでん返し」系の作品になっており、小説はカットバック方式で主人公・椎名、そしてもう一人の主人公・琴美の視点で語られていきます。
さて、本作での視点は椎名を中心に、小説における琴美の視点は彼の周りの人物達から過去の話として差し込まれていきます。
この琴美の話は小説だからこそできるトリックとも言えますが、その映像をどうするかと思いきや…これはうまいです、単純に。
ただ、謎解きの部分については少し長すぎた感じも否めません。
もうちょっとテンポ良くしてくれても良かったかな?
1点だけ気になった箇所がひとつ。
本作のクライマックス部分の展開では、原作の話は成り立たないということ。
これは原作との比較をしないとわからない部分ですが、本作を見た方はぜひ確認してみてください。

<見どころ>
謎が解けていくところ、としか言えません。

<出演者>
濱田岳は非常に個性的な俳優ですね。
本作における新入生の雰囲気はかなりはまっていました。
瑛太は芸達者、本作での演技力は見事です。
関めぐみは地味に?キレイ…もうちょっと人気でてもいいけどなぁ。
若干違和感を感じたのは大塚寧々かもしれません。
原作を読んでいただけに、雰囲気が違っている感じがしました。

<総評>
もう少し映画なりの起伏があっても良かった気がします。
ただ、映像として不足はそれほどはありません。
見る人を選んでしまうのだけが勿体ないですね。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-21 23:59 | ミステリ/サスペンス
ヤッターマン
d0030824_392871.jpg『YATTERMAN』 日本/2009
監督:三池崇史
出演:櫻井翔 福田沙紀 生瀬勝久 ケンドーコバヤシ 岡本杏理
阿部サダヲ 深田恭子
声:滝口順平 山寺宏一 たかはし智秋



公開時コピー
あの日本のヒーローが
実写になって、ただ今参上!


「タイムボカン」シリーズ第2弾として人気を博し、新しいアニメ版も好調な「ヤッターマン」。
これを「クローズZERO」の三池崇史監督が実写化。
出演は「ハチミツとクローバー」の櫻井翔、「櫻の園」の福田沙紀、「犬神家の一族」(2006)の深田恭子、「舞妓 Haaaan!!!」の生瀬勝久、「GSワンダーランド」のケンドーコバヤシ、「砂時計」の岡本杏理、「パコと魔法の絵本」の阿部サダヲなど。
ドクロベエの声はお馴染みの滝口順平、また新アニメ版のナレーションと同じく山寺宏一があてている。
主題歌は嵐。

<あらすじ>
d0030824_39484.jpg高田玩具店の一人息子、ガンちゃん(櫻井翔)と彼女の愛ちゃん(福田沙紀)は、正義のヒーロー・ヤッターマン1号、2号として今日もドロンボー一味であるドロンジョ(深田恭子)、ボヤッキー(生瀬勝久)、トンズラー(ケンドーコバヤシ)と戦いを繰り広げていた。
ある日、戦いが終わった場所で4つあるドクロストーンの1つを持つ翔子(岡本杏理)を助ける。
翔子の父親は考古学の海江田博士(阿部サダヲ)だった。
d0030824_310254.jpg海江田博士は2つ目のドクロストーンを手に入れるために旅に出て行方不明に。
翔子に父親捜索を依頼されたガンちゃん達は、オモッチャマから3つ目のドクロストーンがあるオジプトにドロンボー一味が向かったと聞いて後を追うことに。
変身したガンちゃん達はヤッターワンに乗って、出動する。

<作品解説>
どちらかというと子供向けの作品として人気のある「ヤッターマン」を、バイオレンス描写で定評のある三池崇史が監督するという、正直異例ともいえる人選です。
絶妙なキャスティング、実物大?のヤッターワン、アニメの世界観を踏襲したビジュアルなど、非常によく出来ています。また、声もアニメ版のキャスティングと抜かりが無いですね。
さて、本作はアニメ版の様に一話完結ではなく、完全に映画としてストーリーが完結しています。
全体的にはアクションも十分、しかしそれ以上に目立つのが下ネタの数々。
ヤッターマンってこんなに下ネタ多かったっけ?と思ったりしますが、ドロンジョのコスチュームが既にエロの領域になっているので、これはこれでアリなのかと…。
アクションはすっかりお馴染みとなっているワイヤーアクション、CG合成で撮られていますが、CGについては微妙にチープだったりします。
まあ、アニメっぽさという意味では正解だし、これはツッコミをいれるものでもないでしょう。
ストーリー上、大きなウェイトを占めるのは「恋愛」部分。
ガンちゃんと愛ちゃん、そしてアニメでも多少語られることがあるドロンジョとの関係など、色々な展開を見せてくれます。
数あるアニメ実写化作品の中でも、成功といえるでしょう。

<見どころ>
ドロンボー一味の見事なハマリっぷり、そして数々のメカ。
力入ってます。
注目はやっぱりドロンジョかな。

<出演者>
ガンちゃん演じる桜井翔はうまいんですが、もう少し濃い系の俳優でも良かったかもと思います。
とはいえ、なかなか様になっていました。
愛ちゃんの福田沙紀は、ドロンジョの深田恭子にどうしてもヒロインの座を持って行かれがちですが、この子も十分かわいいんですよね。
しかし、なんといっても深田恭子のドロンジョははまってました。声も割とアニメ版に似ているし。
ボヤッキーの生瀬勝久、トンズラーのケンドーコバヤシもはまりすぎ。
まさに実写としてはこれ以上のキャスティングは無いでしょう。
一応ヒロイン?的立場の岡本杏理ですが、ヤッターワンにスカート姿でがに股がしがみついたり、鼻血を出したりとえらい役柄。まあ、そうでもしなければ存在感が果てしなく薄くなってしまいます。
阿部サダヲ、怪しすぎです。

<総評>
アニメ版は人気ありつつも映画がないのに、いきなり実写映画というのは面白い展開です。
テイストは違うのにちゃんと「ヤッターマン」になっているのは結構意外でしたが、アニメそのままのイメージではなく実写だからこそ出来る、というアレンジの効かせ方がいいですね。
エンディング後のオマケに至るまで、楽しんで作られている作品です。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-20 23:45 | SF/ファンタジー/パニック
DRAGONBALL EVOLUTION
d0030824_216661.jpg『DRAGONBALL EVOLUTION』 アメリカ/2009
監督:ジェームズ・ウォン
出演:ジャスティン・チャットウィン エミー・ロッサム
ジェームズ・マースターズ ジェイミー・チャン 田村英里子
パク・ジュンヒョン ランダル・ダク・キム アーニー・ハドソン
関めぐみ


公開時コピー
別次元の『ドラゴンボール』を目撃せよ。

鳥山明の大ヒットコミックの実写化。
監督は「ファイナル・デッドコースター」のジェームズ・ウォン、製作には「カンフーハッスル」のチャウ・シンチーがクレジットされている。
出演は「宇宙戦争」のジャスティン・チャットウィン、「オペラ座の怪人」のエミー・ロッサム、「ファイナル・デッド ダーク・ウォッチャー」のジェームズ・マースターズ、「サムライ・ガール」のジェイミー・チャン、「HEROES/ヒーローズ」2ndシーズンの田村英里子、「スピード・レーサー」のパク・ジュンヒョン、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」のチョウ・ユンファなど。
主題歌は浜崎あゆみ。

<あらすじ>
d0030824_2161933.jpg悟空(ジャスティン・チャットウィン)は、祖父の悟飯より幼い頃から武術の指導を受けている高校生。
18歳の誕生日、悟空は悟飯より4つの星が輝く不思議な玉、ドラゴンボールを祝いに貰い、いつ何時も手放すなと言われる。
高校では強い事を隠し、変わり者と呼ばれていじめられている悟空は、ふとしたことから憧れの同級生であるチチ(ジェイミー・チャン)を助け、パーティに呼ばれる。
パーティの入口でいつもの如く絡まれた悟空だったが、d0030824_2192671.jpg我慢の限界に達して同級生をあっという間に叩きのめしてしまう。それを見ていたチチとうまく話すことが出来るようになった悟空だったが、悟飯の不吉な予感を感じていた。
その頃、悟飯はピッコロ大魔王(ジェームズ・マースターズ)の手下である、マイ(田村英里子)の襲撃を受けていた。しかし、ピッコロが現れ、抵抗もむなしく倒されてしまう。

<作品解説>
世界的にも有名なあの「ドラゴンボール」…無謀な実写化ということで、賛否両論だらけ、日本では予告編だけで期待値が下がりまくった事も記憶に新しい作品です。
原因は言うまでもなく、数々の日本発の原作を台無しにしてきたハリウッドの体質に言及されますが、本作も残念ながらその例に漏れない作品となってしまいました。
原作との相違点は挙げればキリがないほど多岐に渡っており、言うなればストーリーは全く別物、設定は90%くらい改変、原作者自身が「別次元」と言うほど(きっと凄く言葉に困ったんだと思う)。
そんな本作は一応3部作構成ということらしく、悟空のちょっとした生い立ち、冒険の仲間、師匠との出会いがメインに据えられています。
アクションについては予告編ほどに派手なものはなく、一体全体どこに1億ドルとも言われる制作費をかけたのかが謎です。元々、原作にあった破天荒な演出が大幅に削られているためにチープな印象が拭えません。
さて、ストーリーは18歳になったばかりの悟空が、祖父・悟飯の遺言によって世界を救う旅に出ることから始まります。
科学者ブルマ、武術師範の亀仙人、泥棒ヤムチャを仲間に、さらに憧れの同級生チチとの恋愛も絡んできます。この展開がいかにもハリウッドらしいアレンジ(改ざんとも言う)で、恐らく全年齢的にわかりやすくという事だとは思うんですが、いずれにしても世界観が狭く、またストーリーも強引に繋げている印象があります。
敵役として登場するピッコロについては「2000年前に封じ込められたから、復讐する」というだけの意味で登場し、原作のように悟空の仲間(クリリン、ヤムチャなどなど)を圧倒的な強さで倒していくというシーンが皆無。
単純に「ピッコロは悪い奴だから倒す」と言われて、ほとんど何の疑いもなく戦いに参加するブルマやヤムチャが気の毒です(笑)。
原作がありながらこれほどの作品は「ゲド戦記」以来の衝撃…むしろ同じ「悟空」という名前が登場するなら「ドラゴン・キングダム」の方が圧倒的におもしろいです。

<見どころ>
クライマックスの気の撃ち合い…。

<出演者>
お世辞にもハンサムとは言い難いジャスティン・チャットウィン、やっぱり悟空ってイメージが全然です。
ビジュアル的には覚えやすいんですけどね。
エミー・ロッサムは演技に不足はないものの、役柄的には誰がやっても同じような…。
チョウ・ユンファの弾けっぷりはOK、ジェイミー・チャンはルーシー・リューっぽいハリウッドが好きそうな顔立ちの女優でこの人は人気が出そうです。
田村英里子は頑張っているけど、半端な役柄でした。
ヤムチャ役のパク・ジュンヒョン、ピッコロ大魔王のジェームズ・マースターズに至っては悲しい限りですね。
公開間際になって発表された関めぐみについてはオマケのオマケです。

<総評>
正直言って、これなら「マトリックス レボリューションズ」のラストの方がよっぽど「ドラゴンボール」に近いアクションを再現しています。
原作者曰くの「別次元」はまさに言い得て妙。
ついでに言うと、近所の映画館は吹き替え版のみでした…なぜ!?
変に日本語よりも、字幕の方が楽しめるような感じがするのは気のせいでしょうか…。
なお、エンディングの合間に若干オマケがあります。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-19 23:59 | アクション/アドベンチャー
ラブソングができるまで
d0030824_0283592.jpg『MUSIC AND LYRICS』 アメリカ/2007
監督:マーク・ローレンス
出演:ヒュー・グラント ドリュー・バリモア ブラッド・ギャレット
クリステン・ジョンストン キャンベル・スコット ヘイリー・ベネット
ジェイソン・アントゥーン ダニエル・スチュワート・シャーマン
アーシフ・マンドヴィ


公開時コピー
彼は、忘れ去られた80年代のポップスターだった
彼のメロディに彼女の詩(ことば)が出会うまでは─


「トゥー・ウィークス・ノーティス」の監督をつとめ、「デンジャラス・ビューティー」シリーズのシナリオを手がけたマーク・ローレンスによるラブコメディ。
出演は「トゥー・ウィークス・ノーティス」のヒュー・グラント、「50回目のファースト・キス」のドリュー・バリモア、「キャプテン・ウルフ」のブラッド・ギャレット、「フリントストーン2/ビバ・ロック・ベガス」のクリステン・ジョンストン、「エミリー・ローズ」のキャンベル・スコット、「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」のヘイリー・ベネットなど。

<あらすじ>
d0030824_029343.jpg80年代に一世を風靡した人気バンド“PoP”の元ボーカルだったアレックス(ヒュー・グラント)は、今や過去の人となり、地方巡業で食いつないでいた。
ある日、彼の大ファンだという人気絶頂の若き歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から、新曲を作って欲しいと頼まれる。マネージャーのクリス(ブラッド・ギャレット)は二つ返事で引き受けてしまうが、アレックスは曲作りから10年も遠ざかっていた上に作詞に全くの自信が無かった。
クリスから有名な作詞家を紹介されるが、d0030824_0291351.jpgメロディと歌詞がうまくかみ合わない。そんな時、アレックスの家にある植物の手入れをしにきたソフィー(ドリュー・バリモア)が、メロディに乗せて歌詞を口ずさむ。
そのうまさに驚いたアレックスは採用しようとするが、作詞家は怒って出ていってしまうのだった。
歌詞など書けないと渋るソフィを、アレックスは強引に口説き落とし、曲作りが始まるが…。

<作品解説>
ラブコメといえば彼らの名前を挙げない人はいないでしょう…というヒュー・グラント、やはりラブコメ出演が多いドリュー・バリモア、そしてラブコメの才媛マーク・ローレンスのトリオによる楽しい作品です。
さて、オープニングから80年代を見事に表現した“PoP”のミュージッククリップが流れ、ヒュー・グラントのとんでもない姿が見られます(笑)。
そして現代に戻り、「あの人は今」っぽい番組の出演を勧められたりして、この辺りは日本と変わらないんですね。でも、腐っても元スター、人気絶頂の歌手から作曲を依頼されるわけですが、端々で見せるヒュー・グラントの歌声はなかなか様になっています。
そして作詞のパートナーとなるソフィーが登場しますが、この登場ってどうなんだろう?って感じかも。
実は違和感を感じたというか、結構慌て者というかせっかちな役柄かな?と思ったらそうでもなかったりして…まあ、些細な事なんですけど。
大きな流れとしては作曲に勤しむ2人、そして作曲を通じて繋がった絆の持ちどころが中心となっていきます。
曲作りだけでずっと引っ張らなかったのは見事なシナリオですね。

<見どころ>
歌姫コーラの曲…熱心な仏教徒が聞いたらぶち切れそうな勢いですが、笑えるんだよなぁ。
ヒュー・グラントが歌う曲、結構いいですよ。

<出演者>
とりあえず近年の作品はほぼ全部ラブコメorラブストーリーというヒュー・グラント。
3枚目だからいいんだろうなぁ。これが男前過ぎたら彼のキャラクターは成り立ちません。
ドリュー・バリモアもラブコメでは類い希なる才能を発揮する女優です。
「チャーリーズ・エンジェル」の時はかなりバカっぽい感じがしすぎてイヤでしたが、本作は良いですね。

<総評>
なんといっても楽しめる作品!と一言で言えちゃいます。
こういうのって貴重ですね。
きちんとツボを押さえた作りで笑えて、観賞後は心地よくなれます。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-17 23:46 | 恋愛/青春/スポーツ
真・女立喰師列伝
d0030824_182099.jpg『真・女立喰師列伝』 日本/2007
監督:押井守 辻本貴則 神山健治 湯浅弘章 神谷誠
出演:ひし美ゆり子 吉祥寺怪人 鈴木敏夫 水野美紀 辻本一樹
川本淳市 安藤麻吹 神山健治 渡辺聡 藤田陽子 和田聰宏
若松武史 小倉優子 池内万作 佐伯日菜子 兵藤まこ
声:内田夕夜


公開時コピー
生きるために、喰う。

「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」の押井守監督が独自に作り上げた、立ち食いの無銭飲食=立喰師をモチーフにしたオムニバス作品。
監督は押井守、「ハード・リベンジ、ミリー」の辻本貴則、TVシリーズ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の神山健治、デビューとなる湯浅弘章、「日本沈没」の特撮監督の神谷誠。
出演は「シルバー假面」のひし美ゆり子、「ハード・リベンジ、ミリー」の水野美紀、「精霊の守り人」の安藤麻吹、「人のセックスを笑うな」の藤田陽子、「soeur スール/TWILIGHT FILE IV」の小倉優子、「ハミングライフ」の佐伯日菜子、「立喰師列伝」の兵藤まこ。

<あらすじ>
●金魚姫 鼈甲飴の有理
巧みな話術、胸の金魚の刺青を武器に、縁日の飴屋に挑んでは飴を全部持っていくという伝説の女立喰師・鼈甲飴の有理(ひし美ゆり子)。フリーカメラマンの坂崎(吉祥寺怪人)は、引退してしまった彼女の足跡を追い、雑誌『戦後思想』編集長の鈴木敏夫に会いに行く。

●荒野の弐挺拳銃 バーボンのミキ
砂嵐吹きすさぶアリゾナ州ジャップタウン、街のバーでミキ(水野美紀)という流れ者の女ガンマンが常連客とバーボンの飲み比べをしていた。悪酔いした客の1人がミキに絡んでくるが、彼女は銃で脅して引かせる。
それを見ていたのは保安官のフランコ(辻本一樹)と助手のヒロ(川本淳市)。
自動式拳銃は違法だと難癖を付けるが、「男には負けない!」と言うミキは勝負を挑む。ミキは「早撃ちのミキ」と呼ばれる、名うてのガンマンだったのだ。

●Dandelion 学食のマブ
1981年。予知野屋とロッテリアの店長だった神山(神山健治)は、立喰師達と壮絶な戦いを繰り広げて身も心も疲れ果てていた。彼は立喰師がやってくることがないファミレスの店長となる。
休み明けに出てきた店で、店員からいつも午後0時にきてコーヒー一杯で粘っては、難癖を付けて出て行く女がいると聞いた。そして0時に女はやってきた。
それは神山の学生時代のクラスメートで、男子学生から学食をタダ喰いしていた“学食のマブ”(安藤麻吹)だった。神山の胸に過去の記憶が蘇るが…。

●草間のささやき 氷苺の玖実
大人の背丈も超えるほどにのびたトウキビ畑。終わりがあるともしれないその畑に、菓子業者の男達を妖艶な魅力で引き込む玖実(藤田陽子)がいた。彼女が狙うのは金銭ではなく、なぜか菓子ばかりだった。
ある日、氷売りの青年・由起夫(和田聰宏)が通りかかり、いつものように玖実は妖艶な笑みを浮かべるが、何故か氷菓子を受け取らずに消えてしまう。彼女を追った由起夫だったが、それは悲劇の始まりに過ぎなかった。

●歌謡の天使 クレープのマミ
1985年、東京・原宿。若者の中心だった竹下通りを外れた一角に、流行っていないクレープ屋があった。
店長の岡林(池内万作)は日がな一日テレビを見る日々。
ある日、アイドルの卵と称するマミ(小倉優子)が現れ、自分が人気が出て売れる前にキャンペーンガールをするといって、クレープを食べている写真を撮らせようとする。わからないままに流された岡林、しかし写真を撮っている最中に謎の男達がマミを追いかけてきたのだ。
呆然とする岡林、その夜、空腹でよろめくマミを救った岡林は彼女からとんでもない話を聞かされるが…。

●ASSAULT GIRL ケンタッキーの日菜子
AD 2052。
地球衛星軌道上を周回する強襲揚陸艦「龍攘 II」から、多数の巨大降下猟兵「FsJ87 "Temjin"(天人)」が地球に向けて射出された。その中の一機に搭乗しているのは、仲間から大佐“カーネル”と呼ばれる、かつてケンタッキーの日菜子(佐伯日菜子)という立喰師だった。
なんとか着陸した日菜子は、砂漠を歩き続ける。

<作品解説>
押井守が自らのライフワークのひとつとしているのが、「立喰師」であり、映像化としての最初の登場は同監督の実写作品「紅い眼鏡」からになります。
「紅い眼鏡」では天本英世演じる立喰師(主にそば屋の立ち食い)が、主人公の都々目に「立ち食い」が法律違反になったというシュールな話をしていました。余談ですが、「紅い眼鏡」はその後「ケルベロス 地獄の番犬」「人狼」というケルベロスサーガの一編として語られることになります。
本作のオープニングは兵藤まこ(ケツネコロッケのお銀)が登場。赤いスカーフをまとっていますが、これは「赤い眼鏡」で出てくるポスターと同じ(「紅い眼鏡」のポスターの美女は兵藤まこ)で、年月をかなり経た続編登場ということですね。
さて、オムニバスということで元の題材は一緒でもかなり自由に作られています。
1.伝説の立喰師を求めるカメラマン、ナレーションと映像だけで美しく撮られています。半ば都市伝説の様な展開がいいですね。
2.日本のアクション女優といえば水野美紀は良い線いっています。華麗なガン捌きが見られる一方、ウケねらいのバー店内の作りや演技は少し辛い。
3.ファミレスで展開する一夜の出来事。実はサスペンスでありながら青春劇もあり…店長を演じる監督の神山健治が怪しすぎる(笑)。
4.本作の中でも出色の出来ともいえます。トウキビ畑という自然でありながら人工的なその世界、男を惑わす妖艶な美女、クライマックスに至るまで見事です。
5.でたらめな近代歴史解釈と陰謀を小倉優子演じるマミが矢継ぎ早に話していくバカさ加減。
アイドル番組の痛い感じが笑えます。
6.いかにも押井守らしいSF作品。
なんかもう、シュールなんだからSFでこんぐらいやんなきゃ的な感じです。
何れの作品も予算の都合で割安感が否めないんですが、やはり「草間のささやき 氷苺の玖実」は抜群でした。立喰師というテーマから、少し離れたところに主眼を置いているというか、女優の魅力が存分に引き出されています。

<見どころ>
各々の作品で異なるのは当然ですが、「立喰師」というものがあって何でもありなところが面白いかと。
なのでどこがどうとは言えません。

<出演者>
ウルトラセブンのアンヌ隊員役として人気を博したひし美ゆり子、アクション女優として少しずつ確立しつつある水野美紀をはじめ、総じて作品規模に比べてレベルは高いかも。
藤田陽子はとにかくいいですね。
小倉優子の意外な出演…というか素みたいなもんでしたが。

<総評>
要するに押井守ワールドなわけです。
押井作品が好きじゃないと受け入れられない世界観、一応区分けとしては「コメディ」に当たるのかな…と考えられます。
他にアニメ版として2作ありますが、果てさてこの「立喰師」サーガはどこまで続くんでしょうか。

<関連作品>
立喰師列伝 (アニメ)
女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀 -パレスチナ死闘篇-
真・女立喰師列伝

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-15 22:25 | コメディ/パロディ
魍魎の匣
d0030824_0401563.jpg『魍魎の匣』 日本/2007
監督:原田眞人
出演:堤真一 阿部寛 椎名桔平 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳
マギー 堀部圭亮 荒川良々 寺島咲 谷村美月 大森博史
大沢樹生 右近健一 笹野高史 清水美砂 篠原涼子
宮藤官九郎 柄本明


公開時コピー
ハコの中には
何がある?


京極夏彦の人気作品「京極堂」シリーズの同名作品の映像化。
監督は「クライマーズ・ハイ」の原田眞人。
出演は前作「姑獲鳥の夏」から引き続き堤真一、阿部寛、宮迫博之、田中麗奈など。
前作で主役の1人を演じた永瀬正敏に変わり、椎名桔平がキャスティングされている。
その他、「東京タワー」の黒木瞳、「クワイエットルームにようこそ」の宮藤官九郎、「櫻の園 -さくらのその-」の寺島咲、「神様のパズル」の谷村美月、「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」の柄本明など。
エンディングは東京事変。

<あらすじ>
d0030824_0402887.jpg終戦から7年後の1952年、探偵の榎木津(阿部寛)は、引退した人気女優・柚木陽子(黒木瞳)から、娘の加菜子(寺島咲)を探し出して欲しいと頼まれる。加菜子は、柴田財閥の会長の孫である弘哉と陽子の間に出来た子供だった。しかし、弘哉は別の女性と結婚させられ病死してしまう。
柴田会長は高齢で病に伏せっており、加菜子に全財産を残すと言ったため、柚木親子は相続争いに巻き込まれてしまったのだ。
その10時間前、作家の関口(椎名桔平)は出版社d0030824_0404495.jpgへの道すがら、赤井書房「月刊實録犯罪」の鳥口(マギー)から、世間を騒がせている少女バラバラ殺人事件の記事を書くように頼まれる。
それを軽く流した関口は出版社「近代文芸」の編集部で、新進気鋭の作家・久保竣公(宮藤官九郎)と出会う。久保は「月刊實録犯罪」の編集部で新たなバラバラ遺体が見つかったと言うが…。


<作品解説>
膨大なページ数を誇る「京極堂」シリーズの傑作と言われる同名原作…その映像化というのはちょっと無理では?と思っていたんですが、意外とテンポ良くまとまった作品です。
戦後の昭和の雰囲気は上海で撮影されており、これが映像として見事な出来映えです。
さて、本作は一応ミステリーの体裁を持っていますが、基本的にはオカルトがつきまとっています。
ただし、京極堂シリーズのオカルトというのは「不思議なことは、実は解明できる」という点にあり、言うなれば非常に科学的な展開となるわけです。
本作の中で唯一、不思議な力を持っているのは探偵の榎木津で、彼は目で人の過去を見ることができます。
この能力については、わずかにしか語られていないのですが、唯一の不思議さという点で面白さを与えてくれますね。
物語は元女優の娘がいなくなった事にはじまり、そこから少女のバラバラ殺人事件、そして謎のカルト教団が絡みます。映画自体はそれら1つ1つが登場人物ごとのパートに分けられ、ラストに収束していくため、混乱することはありませんが、集中してみないと若干時間軸が把握しづらい。
こればっかりは見ている側が判断すべき部分なので、仕方ないんですが…。
原作での補足は必要かも知れません。

<見どころ>
映像の美術的な素晴らしさに加え、キーとなる「匣」はなかなかのもの。
「魑魅魍魎」と「魍魎」についての蘊蓄が、京極作品らしくて面白いですね。

<出演者>
キャストの全員が演技派ということもあって、過不足のない演技が楽しめます。
主人公・関口役が永瀬正敏から椎名桔平に変更になったものの、永瀬正敏よりもはまっている感じ。
個人的な意見ですが、黒木瞳が大女優というのが…キレイだけど、少し違うんだよなぁと思ったりして。
クドカンは不気味な役をやらせたらピカイチです。

<総評>
わからない人にはさっぱりわからない、と言える作品です。
良くは出来ているんですが、万人受けしないかな、と…ミステリ作品としてはあくが強すぎるというか。
ただ、前作よりもパワーアップしているのは良かったですね。
若干グロイので要注意です。

<関連作品>
姑獲鳥の夏 (1作目)
魍魎の匣 (2作目)

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-10 23:28 | ミステリ/サスペンス
チェ 39歳 別れの手紙
d0030824_1411392.jpg『CHE: PART TWO』 フランス・スペイン/2008
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ベニチオ・デル・トロ カルロス・バルデム デミアン・ビチル
ヨアキム・デ・アルメイダ エルビラ・ミンゲス フランカ・ポテンテ
カタリーナ・サンディノ・モレノ ロドリゴ・サントロ 
ルー・ダイアモンド・フィリップス マット・デイモン


公開時コピー
信念は、死なない。

伝説の革命家チェ・ゲバラの生涯を描いた2部作、完結編。
監督は引き続き「オーシャンズ」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ。
出演は「21グラム」のベニチオ・デル・トロ、「ボビーZ」のヨアキム・デ・アルメイダ、「ウェルカム!ヘヴン」のデミアン・ビチル、「ボーン・スプレマシー」のフランカ・ポテンテなど。

<あらすじ>
d0030824_1412988.jpg1965年、ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)は「サトウキビ畑の視察に行く」と言い残して、忽然と姿を消す。折しもキューバでは共産党が立党され、中央委員会が設立される。カストロ(デミアン・チビル)との確執が取りざたされるが、カストロはゲバラが残していった手紙の公開に踏み切る。
それは、キューバでの地位や名誉、市民権を放棄し、自分を必要とする国へ向かうという、別れの手紙だった。
1966年、ゲバラはモランという名と変装をしてキューバに戻って家族と一時の再会を果たし、次なる革命の地、ボリビアへと向かった。
ボリビアはアメリカの支援を受けるバリエストロ大統領の独裁政権下にあった。
ゲリラ部隊を組織したゲバラだったが、d0030824_141441.jpg共産党第一書記であるモンヘ(ルー・ダイアモンド・フィリップス)から協力を反故にされ、補給もままならなずに孤立してしまう。
さらに地元民は政府の偽情報で協力を拒み、ボリビア軍はアメリカから特殊部隊の教官を呼んで精鋭部隊を組織し、ゲバラ達を圧倒し始めるのだった。


<作品解説>
第1部ではキューバ革命を丁寧に描いたのに対して、本作ではコンゴでの参加をいきなり飛ばして南米ボリビアにおける革命闘争を描いています。
ゲバラはキューバにおいて相当の地位を持ち、工業相として重工業化を推し進めようとしますが、ソ連との確執により失敗に終わります。思えばこの時点からゲバラの失敗を重ねることになり、それは39歳で処刑されるまで続きます。
さて、本作はカストロがゲバラの「別れの手紙」を読みあがるシーンから始まります。
コンゴでの失敗を全く描かずに、あくまでも南米重視の構成は潔いと言えますが、コンゴでの活動も重要なだけに少し残念ですね。
ゲバラは名前を変え、頭を禿頭にしてキューバに入国、家族と過ごしますが、これが永遠の別れとなります。
ボリビアでは共産党の協力は得られず(ソ連はアメリカとの対立を深めたくなかったとも)、孤立無援化…部隊は疲弊し、部下のミス、逃亡から次々と綻びが生じていくのです。
思えばキューバ革命の成功は、カストロいてこその成功でしたが、総合的に客観視できる司令官のいないボリビアでの成功はほど遠かったのは当然と言えるでしょう。
それでもなお、革命の理想を掲げて戦い続けたゲバラは、多くの失敗と不運に潰され、遂にその一生を終えることになります。
本作はその最期まで丁寧に淡々と描くため、「映画」としての起伏や起承転結は皆無と言っていいでしょう。
興味が無い人にとっては退屈極まりなく、エンターティメントとしては全くオススメできません。
しかし、ノンフィクションベースとしては出色の作品といえます。

<見どころ>
ゲバラの人となりが見える行動基準、そしてラスト。
どんな英雄でも「死」は確実にあるのです。

<出演者>
第1部と違ってベニチオ・デル・トロがまさに39歳の中年域にさしかかったゲバラを熱演。
見ているうちにデル・トロであることを忘れてしまいます。
意外な出演となるフランカ・ポテンテ、「ボーン」シリーズ以来に見ました…と思ったらマット・デイモンが出ていてびっくり。
どう見てもマットだよなぁと思っていたら、やっぱりでした(ドイツ人医師役です)。

<総評>
あくまでもリアリティにこだわった作品として見るならば、これほど見事な出来映えはそうそう無いでしょう。
もっともそれ故に、楽しむ映画としての意味は完璧なまでに取り払われているため、「ゲバラ」という革命家の生き様を知りたい人だけが見れば良いかな、と。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」ですら、ラストは映画的演出がされていたのに比べ、この潔さはソダーバーグ監督ならではです。

<関連作品>
チェ 28歳の革命 (第1部)
チェ 39歳 別れの手紙 (第2部)

モーターサイクル・ダイアリーズ (ゲバラ青年時代の旅行記)

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2009-03-06 23:59 | ノンフィクションベース