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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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<   2007年 04月 ( 11 )   > この月の画像一覧
花様年華
d0030824_1501060.jpg『IN THE MOOD FOR LOVE』 香港/2000
監督:ウォン・カーウァイ
出演:トニー・レオン マギー・チャン スー・ピンラン
    レベッカ・パン  ライ・チン
受賞:カンヌ国際映画祭/男優賞(2000)
    全米批評家協会賞/撮影賞・外国語映画賞(2001)他


2004年に話題となった「2046」の前作にあたる、ウォン・カーウァイ監督の代表作。
クリストファー・ドイルによる独特の映像美と、どこか不可解ながらも引き込まれるシナリオで各賞を受賞した。
出演は「インファナル・アフェア」シリーズのトニー・レオン、「HERO」のマギー・チャンなど。

<あらすじ>
1962年、香港。
チャウ(トニー・レオン)は、妻と共に新しい部屋を借りて生活を始める。時を同じくして、隣の部屋にチャン夫人(マギー・チャン)が引っ越してくる。
海外出張が多い夫を持つチャンは、昼間は商社で秘書の仕事をし、夜は屋台で夕飯を買ったり、映画を見たりして過ごしていた。
チャウは新聞社で働いているが、妻は夜勤もある仕事の為すれ違いが多い。
共にパートナーとすれ違いの多い生活を送る2人は、ある時気が付いてしまう。
互いのパートナーが不倫関係にあることを。
やがて2人は少しずつ距離を縮めていくが…。

<作品解説>
色彩が強く、ほぼ夜のシーンを中心に、無言のすれ違いはあくまでも耽美的というカーウァイ監督ならではの作品です。
「恋する惑星」でその才能をいかんなく発揮した監督なんですが、本作はそれとはうって変わり、どこにも辿り着けない男女の交流が描かれています。スーツ姿が決まっているトニー・レオン、チャイナドレスが艶やかなマギー・チャン、この2人の役者の魅力が最大限に引き出されています。
ざらついた映像感、ほぼ2人で進行する物語などはやはり独特で、下手すれば舞台劇にもなりそうな感覚なのに、そうはならないのが魅力というべきか。
サントラもわずか数曲ながら、選曲はうまいですね。
もちろんストーリーも些か単調ながらも、その中にあるわずかな起伏がうまくツボを突いている。
ただ、そのツボが来るのは中盤以降なんですね。ここまで耐えられるかどうかが本作の見方だと思うんですが、人によっては寝てしまうだろうなと…。
高尚な恋愛、といえばそれまでなんですが、一線を越えられない、越えようとしないもどかしさ、ラストに見せる寂寥感がなんともいえません。

<見どころ>
マギー・チャン演じるチャンのチャイナドレスが何度も変わります。決して派手ではなく、上品な感じに変わります。
その彼女とトニー・レオンが薄暗い階段ですれ違うシーンはとてもクールで、この「瞬間」が美しい。

<出演者>
トニー・レオン、マギー・チャン共に、落ち着いた演技を見せてくれます。また、カメラワークのお陰なのか、2人とも横顔がいいんですよ。

続編の「2046」は未見なんですが、かなり宣伝されていた割りには評価が今ひとつなようですね。カンヌの時もドタバタしてましたし。
「恋する惑星」の印象が今でもハッキリ残っているだけに、もう一度あんな作品を見てみたい気がします。

<関連作品>
続編
2046

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by syosei7602 | 2007-04-25 23:59 | 恋愛/青春/スポーツ
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
d0030824_0492795.jpg『TOKYO TOWER~o.b.t.o』 日本/2007
監督:松岡錠司
出演:オダギリジョー 樹木希林 内田也哉子 松たか子 小林薫
    冨浦智嗣 田中祥平 谷端奏人 渡辺美佐子 佐々木すみ江
    伊藤歩 勝地涼 平山広行 荒川良々 辻修 仲村トオル



公開時コピー
オカン、ありがとうね。

本屋大賞に輝いた、リリー・フランキーの同名ベストセラー小説の映画版。
本作はテレビスペシャル、テレビドラマに続き3回目の映像化となる。
監督は「トイレの花子さん」の松岡錠司、脚本は松尾スズキ。
出演は「蟲師」のオダギリジョー、「下妻物語」の樹木希林、樹木希林の実子で「東京日和」の内田也哉子、「四月物語」の松たか子、「秘密」の小林薫、「親指さがし」の伊藤歩、「亡国のイージス」の勝地涼、「龍が如く 劇場版」の荒川良々など。
他に寺島進、小泉今日子、宮崎あおいなどが端役で出演している。
主題歌は福山雅治。

<あらすじ>
1960年代、幼少のボク(谷端奏人)は、放蕩を続けるオトン(小林薫)に愛想を尽かしたオカン(内田也哉子)に連れられて、小倉の家からオカンの実家のある筑豊に向かう。
小学校時代を自由に過ごしたボク(田中祥平)。
1970年代、オカンの女手1つで育てられたボク(冨浦智嗣)は、15歳になると大分にある美術高校へと進学し、下宿を始めるがすぐに堕落してしまう。
1980年代、なんとか卒業したボク(オダギリジョー)は、東京に憧れ美術大学に入学するが、大学にロクに通わず自堕落な日々を送り、留年が決定してしまう。
オカン(樹木希林)に金を無心し、なんとか大学を卒業しても、就職もせずに高校時代の友人・平栗(勝地涼)と同居、家賃を滞納した挙げ句サラ金から金を借りる日々。
しかし、オカンが癌で倒れた事を聞き、新しい同居人エノモト(荒川良々)と一念発起して仕事を始め、どうにか借金を返済する。
新しい恋人ミズエ(松たか子)も出来、ようやく落ち着いたボクはオカンを東京に呼ぶことにするのだった。

<作品解説>
実に短期間にうちに映像化が立て続けにされたこの作品。
テレビスペシャル版では大泉洋が主演していましたが、こちらも良く出来ていました(ドラマ版は未見)。
さて、原作を読んでいないので、映画がどの程度まで映像化にこぎつけているのかわかりません。されど、140分という長さながらも、それを感じさせないシナリオのうまさ、切ないけれどジンワリと温かくなるエンディング、いわゆる泣き映画にくくれない完成度が見事です。
人生において決して避けては通れない別れ、返しても返しきれない程のオカンからの愛情(そしてオトンも放蕩ながら、決してオカンとボクを見捨ててはいない)、それらを時にはユーモアを絡め、また情感的に描くことで劇的な展開を強引にしない所に本作の良さがあります。
原作者のリリー・フランキーは、原作本の装丁をわざと白にして汚れやすいようにしたそうです。これは自分自身にとってとても大事な小説だから、手あかが付いて汚れる位読み込んでください、という意味合いだとか。
そういった原作者のオカンへの想いが、本作にも余すところ無く表現されており、さらにオダギリジョーによるナレーションも良い具合にストーリーをわかりやすく、そして盛り上げてくれます。
彼女との絡みが少々薄かったのは残念ですが(オカンが彼女を気に入っているというエピソードをもうちょっと入れても良かった)、あくまでも親子の話が中心なので仕方ないところでしょう。
ついつい忘れがちな家族への感謝というか、そういうものを呼び起こさせてくれる傑作です。

<見どころ>
幼少時代から青年時代へ、ボクはなんと4人切り替わります。
声変わりしていない中・高校時代役の冨浦智嗣が若干笑えましたが、端々に差し込まれる下ネタちっくな笑い、時代背景の移り変わりも見事。
時代が二転三転と変るのですが、若い頃と現在を明確化しているので混乱しないのと、ナレーションのうまさが見ている側に安心感を与えますね。

<出演者>
ほぼ全ての出演者がベテランでありながらも、誰も浮いた感じがしない演技は見事でした。
樹木希林、内田也哉子の親子による交代はベストキャスティング。
小林薫は男前ぶりを発揮しながら、一貫してオトンを演じるんですが、いかにも遊び人っぽい感じがはまっていました。

最近ではベストセラー小説がドラマ、映画と立て続けに制作されることが多いですが、必ずしもこれが良いかというとちょっと?な感じもします。
本作はこのパターンが見事に成功しましたが、やりすぎると食傷気味になりますね。
原作を読んでいないし、ドラマ版も見ていませんが、多分この位の方が作品を楽しめるかと思います。
おいしい食事は腹八分目がちょうどいい、そんな感じでしょうか。
映画として、非常に良い作品なのでオススメです。

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by syosei7602 | 2007-04-22 23:59 | ヒューマン/ドラマ
機動警察パトレイバー2 the Movie
d0030824_221847.jpg『PATLABOR 2 THE MOVIE』 日本/1993
監督:押井守
声:大林隆之介 榊原良子 冨永みーな 古川登志夫 池水通洋
  二又一成 郷里大輔 千葉繁 阪脩 西村知道 仲木隆司
  立木文彦 安達忍 小島敏彦 大森章督 竹中直人 根津甚八



「機動警察パトレイバー」シリーズの中でも、そして映画作品としても完成度の高いシナリオと言われる映画版第2弾。
なお本作は「踊る大捜査線」シリーズや、アニメ「逮捕しちゃうぞ the MOVIE」などに多大な影響を与えている。
主人公が本来の泉野明から、上司であった警部補・後藤へシフトしている。
監督は前作も手がけた押井守。
声はシリーズでお馴染みの面々に加え、「恋人はスナイパー 劇場版」の竹中直人、「RED SHADOW 赤影」の根津甚八など。
声優中心のアニメ制作を行なう押井監督にしては異例の配役である。

<あらすじ>
1999年、東南アジア。
PKOの部隊として派遣された陸自レイバー小隊は、ゲリラの奇襲攻撃を受け、後退を余儀なくされるが、攻撃はさらに激しくなる。指揮官の柘植は本部に応戦許可を求めるが、許可は下りずに小隊は全滅、ただ1人生き残った柘植はただ呆然とするしかなかった。
2002年、冬。
警視庁特車2課第2小隊の面々は、隊長の後藤と隊員の山崎を残して世代交代し、各自それぞれの新しい部署で働いていた。
そんな折り、横浜のベイブリッジが自衛隊のF16戦闘機によって爆破される。
事件が繰り返し報道される中、後藤の元へ陸幕調査部の荒川と名乗る男が現れる。
荒川は、後藤と課長代理の南雲に1本のビデオを見せるのだった。
それは、 報道されていたF16とは異なるタイプの新型機が映っており、その機体は米軍にしか配備されていなかった。
驚く後藤達に対し、荒川は後藤のもつ各方面へのパイプを利用したいと捜査協力を求める。

<作品解説>
同シリーズの中でも、人気の高い中年キャラクター後藤警部補と上司となった南雲警部、さらにオリジナルキャラクター柘植、荒川という、これまた中年オヤジが物語を進めていく、非常に濃い作品です。
本作の素晴らしい点は徹底したロケハンや、世界観を活かした破綻の無い展開と設定、重厚なキャラクター達、そして押井守の演出によるシナリオ進行と言えます。
「パトレイバー」シリーズは、ロボットものとしてガンダムが席巻する中生まれた作品ではあるんですが、限りなく近未来の設定であること、レイバー以外は当たり前の日常が描かれる所に魅力がありました。
その限りなく「身近」な設定を元に、近未来、ありえない事ではない日常生活の破綻が「戦争・テロ」という形でシミュレーションされ、実際に本作公開の1年後に地下鉄サリン事件が起こってしまうなど、現実的にも未来を予見したかのような…現実問題が描かれているわけです(例えば「破壊活動防止法」などの表現が見られる)。
もっとも、これらのストーリー展開に重要なのが人間関係となるわけですが、本作はもう1人の主人公とも言える南雲警部の過去と因縁が描かれたりと、人間ドラマも深く作り込まれています。

<見どころ>
映像の秀逸さは今見ても遜色無し。
色調の抑えられた映像にのって、後藤と荒川の語る戦争論は聞き応え十分です。
もちろん、パトレイバーならではのユーモアもちゃんと含まれています。

<その他>
劇場版は3作まで作られたわけですが、本来の主人公が脇にまわっても「パトレイバー」という世界観を損なわずに「映画」にしてしまったのは見事でした。
ただ、本作を楽しむなら小説版「TOKYO WAR」を読む事をオススメ。
監督自らが書いた小説なのですが、こちらでは第2小隊の面々のエピソードもかなり書かれており、楽しめます。

押井守といえば「攻殻機動隊」シリーズのイメージが近年では強いですが、本作は紛れもなく傑作。重厚なドラマを見たい方は是非。

<関連作品>
機動警察パトレイバー THE MOVIE (第1作)
WXIII 機動警察パトレイバー (第3作)

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by syosei7602 | 2007-04-19 23:59 | アニメ/CG
マッドマックス2
d0030824_172471.jpg『MAD MAX 2』 オーストラリア/1981
監督:ジョージ・ミラー
出演:メル・ギブソン ブルース・スペンス ヴァーノン・ウェルズ
    マイケル・プレストン ヴァージニア・ヘイ エミル・ミンティ
    マックス・フィップス ケル・ニルソン



メル・ギブソンの出世作「マッドマックス」の続編。
アメリカでの上映とビデオでは原題が「THE ROAD WARRIOR」となっている。
前作から数年後の荒廃した世界が舞台となり、バイオレンス描写に磨きがかかった。
監督は同シリーズのジョージ・ミラー。
出演はメル・ギブソン、3作目にも出演しているブルース・スペンス、「コマンドー」のヴァーノン・ウェルズ、「メタルストーム」のマイケル・プレストン、「CUBE IQ」のヴァージア・ヘイなど。

<あらすじ>
石油危機によって文明社会が崩壊した近未来。
荒野を彷徨い続けるマックス(メル・ギブソン)は、ガソリンを求める暴走族との戦いに明け暮れる日々。ある時、マックスのガソリンを狙ったジャイロヘリのキャプテン(ブルース・スペンス)と知合い、キャプテンの話から数十キロ離れた先に石油を掘り起こして精製している場所があると聞く。
キャプテンと共に油田に向かったマックスは、暴走族と油田の人々が戦っている姿を見る。
しばらく静観することに決めたマックスだったが、翌朝、油田から出て暴走族に襲われた男を助け、ガソリンと引き替えに行く。
しかし、男は死にマックスは捕まってしまうのだった。
その直後、再び暴走族がやってくる。
ボスのヒューマンガス(ケル・ニルソン)は、油田を明け渡せと言うがリーダーのパッパガロ(マイケル・プレストン)は承諾しない。タンクローリー用のトレーラーさえあれば脱出できるというパッパガロに、マックスは取引を持ちかける。

<作品解説>
本作はコミック「北斗の拳」の元ネタになり、数々のオマージュ作品、または類似作品が作られた傑作。
荒廃した世界観は、資源枯渇からなる現実にも言える様相で、本作の登場人物は犬と子供以外、全てガソリンありきという共通項があります。
前作から数年後で世界が崩壊するという設定はかなり思い切ったものの、ひとつの目的とアクションシーンを主体にしたことで、とてもわかりやすい構図が出来ています。
メル・ギブソン演じるマックスは、犬(この犬がとてもいい表情をする!)と共に荒野を彷徨い、ガソリンという目的以外何も持ちません。
そのクールさとワイルドさは、人生において無目的でありながらも「生き続ける」という当然の事だけを全うしようとする切実さに繋がるわけです。
そして暴走族はといえば、マックス以上にその場しのぎでとりあえず暴れるという、いかにも悪役という風貌と行動のみが前提にあるのみ。
世界の荒廃が全てを蝕んでいる状況が克明に描かれています。

<見どころ>
ただただ、荒野を貫く一本道を直進あるのみなカーチェイス、前作では敵役がバイク中心だったのに対して、本作ではバイクのみならず、バギーやハンドメイドっぽい車まで出てきます。
ガソリンさえあれば、何もいらねぇよ、そんな勢いで突っ走っては吹っ飛ぶ。
壮絶です。

<出演者>
む、ケンシロウに見えるぞメル・ギブソン!(笑)
傷だらけになりながら、ラストに見せる表情はクール。
ブルース・スペンス演じるジャイロ・キャプテンは、その後の映画に影響を及ぼしたであろうキャラクターで、いわゆる「おいしい」役です。
ケル・ニルソンのヒューマンガスはまさしく「北斗の拳」のジャギ(見ていないので知らないですが、仮面の危ない人)。

方向性は違えど、この時代に描かれた近未来の世界観というのは、退廃的で何かが「不自由」なんですね。「ブレードランナー」「ニューヨーク1997」など、皆それほど未来に期待していないんだろうか。
現実的な「近未来作品」として、本作は間違いなく傑作でありオススメです。

<関連作品>
マッドマックス (1作目)
マッドマックス サンダードーム (3作目)

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by syosei7602 | 2007-04-17 23:59 | アクション/アドベンチャー
復讐者に憐れみを
d0030824_1421568.jpg『SYMPATHY FOR MR. VENGEANCE』 韓国/2002
監督:パク・チャヌク
出演:ソン・ガンホ シン・ハギュン ペ・ドゥナ イム・ジウン
    イ・デヨン チ・デハン




公開時コピー
オールド・ボーイの原点
そして、それを超える戦慄の問題作
その衝撃に言葉を失う―


「オールドボーイ」「親切なクムジャさん」という凄絶な復讐劇を手がけたパク・チャヌク監督の復讐3部作の第1作。
出演は「殺人の追憶」のソン・ガンホ、「ガン&トークス」のシン・ハギュン、「リンダ リンダ リンダ」のペ・ドゥナなど。
ほぼ全編に渡ってサントラが使われていないのが特徴。

<あらすじ>
耳が不自由なリュウ(シン・ハンギュン)は、工場で働きながら腎臓病を抱える姉(イム・ジウン)の面倒を見ていた。唯一の身内である姉の為に、自らの腎臓を移植することに決める。
しかし、血液型が違うことが判明、さらに工場をクビになってしまう。
病状の悪化する姉を救うため、リュウは闇の臓器ディーラーに移植用の腎臓を求めるが、手術費用にとっておいた1千万ウォンを盗られ、さらに自らの腎臓まで抜かれてしまうのだった。
失意にくれるリュウ、間の悪いことに病院からドナーが見つかったとの報せを受ける。
リュウは反政府運動をしているユンミ(ペ・ドゥナ)に相談する。
ユンミは金持ちの子供を誘拐し、お金を貰ったあとにすぐ返してやれば良いと彼を説得し、その標的をリュウをクビにしたドンジン社長(ソン・ガンホ)の娘にするのだった。

<作品解説>
パク・チャヌク監督による復讐劇の第1作です。この作品後にカンヌ受賞作の「オールドボーイ」、女性を主人公にした「親切なクムジャさん」という復讐劇2作が続くわけですが、ストーリー的な繋がりは皆無です。
まず、徹底してサントラを組み込まない作り込みが一番にあげられます。
これは主人公の1人、リュウの耳が不自由であることと、生々しいまでの“音”によって、リュウの耳が聞こえない事を表現するという逆説的な手段がとられています。
これが非常に効果的で、序盤では「いつか驚かすような音が流れるんだろう」という希望を確実に打ち砕いた後に、音楽で誤魔化されてしまう映像表現をリアルに描写します。
一昔前の邦画では、音楽をあまり入れずに情緒的(尚かつ、この手法は邦画の「ダラダラした」悪い面を強調してしまった)にしようとして、映像の美しさにこだわった訳ですが、本作は復讐劇のパク監督、かなりえげつない。
壮絶な復讐が始まると、下手なスプラッター映画より、音楽が無い分だけ“音”が響くわけです。
ある意味「無音」なものを逆手に取った編集と、生々しい描写は同監督の「オールドボーイ」「親切なクムジャさん」よりも秀逸です。
そして、もう1人の主人公となるドンジンは、名優ソン・ガンホによって復讐という世界に魅入られた目と淡々と復讐を実行していく様は圧巻。
全体的に冗長的に感じるかもしれませんが、クライマックスまで惹きつけられます。

<見どころ>
監督独特のカットと、作品全体に流れるジメっとした寂寥感がなんともいえません。
えげつないシーンがいくつも出てきますが、これがクライマックスまできちんと生きてくるのはさすがです。
中盤頃の検死シーンとラストの繋がりは見事でした。
ペ・ドゥナの濡れ場は意外。

<出演者>
ソン・ガンホは本当にうまい。俳優としてのレベルが非常に高く、どれも「濃く」演じますね。
緑色に染めた髪で登場するシン・ハンギュンの、どこか虚構的な雰囲気、終盤に向かっていくうちに鬼気迫る目が印象的。
そしてペ・ドゥナ。
日本では清純派、コメディ方向なイメージが強いですが、本作での切れっぷりは見事。

<総評>
人によっては好き嫌いが分かれる作品です。
ただ、3部作の中では一番の出来ですね。
人の心理を深く描き、復讐が復讐を呼ぶというジレンマを見事に表現しています。
カメラをアウトさせた映像が多いので、大画面がオススメ。

<関連作品>
オールド・ボーイ (復讐3部作・2作目)
親切なクムジャさん (復讐3部作・3作目)

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by syosei7602 | 2007-04-16 23:59 | ハードボイルド/犯罪
バックダンサーズ!
d0030824_2445236.jpg『BACKDANCERS』 日本/2006
監督:永山耕三
出演:hiro 平山あや ソニン サエコ 田中圭 長谷部優 
    北村有起哉 つのだ☆ひろ 甲本雅裕 鈴木一真
    木村佳乃 真木蔵人 豊原功補 石野真子 陣内孝則



公開時コピー
一緒に見た夢は終わらない!!

「東京フレンズ The Movie」の永山耕三監督による青春サクセスストーリー。
出演は「アンドロメディア」のhiro(元SPEED)、「風のファイター」の平山あや、「空中庭園」のソニン、「龍が如く 劇場版」のサエコ、「東京大学物語」の田中圭、「真夜中の少女たち」の長谷部優、「トリック 劇場版2」の北村有起哉、「RED SHADOW 赤影」の陣内孝則、「さくらん」の木村佳乃など。
主題歌はhiro、その他劇中で使用される曲はm-fioをはじめ、陣内孝則なども歌を披露している。

<あらすじ>
ダンスが生き甲斐の女子高生よしか(hiro)とミウ(平山あや)は、夜中にクラブで踊っているところを警察の摘発にあって補導されてしまう。それが元で高校を退学になった2人、クラブに入ることもできない中途半端な時間をもてあましているところへ、同じく高校生のジュリ(長谷部優)と出会い、自由にダンスが出来る広場を教えて貰う。
以来、3人でダンスを楽しむ日々が続いていたが、ある日レコード会社の高橋(甲本雅裕)がジュリをスカウトし、よしかとミウはレコード会社から紹介されたともえ(ソニン)と愛子(サエコ)と共にジュリのバックダンサーとしてデビューする。
しかし、トップアイドルとなったジュリは、IT会社の社長と結婚すると言いだし、人気絶頂時に引退してしまうのだった。
ジュリの復帰を期待する高橋は、若手のマネジャーで、売れないロックバンド・スチールクレイジーの担当だった茶野(田中圭)を呼び、バックダンサーズの担当を押しつける。
だが、ダンスだけではどうにもならない事を実感したバックダンサーズは、徐々に気持ちがバラバラになっていく。

<作品解説>
予告編は結構流れていたものの、それほど話題には上がらなかった作品です。
とはいえ、これがなかなかの出来でして、極めてオーソドックスな作品ながら“ダンス”を中心に添えることと、バックダンサーズ4人のキャラクター設定がしっかりしているので、安心して見られます。
サクセスストーリーとしての内容はもう少し足りない感じで、例えば生活で苦労をしているとか、個人的な空間を映し出すシーンは皆無。
ストーリーのメリハリをダンスだけで使ってしまったために、クライマックスの盛り上がりが大きく響いてこないんですね(とはいえ、あれだけのダンスはなかなかのもの)。
されど「ダンス・レボリューション」や「コヨーテ・アグリー」くらいの作り込みや、映像のうまさ、ノリの良さなどは特筆すべきものがありますので、楽しめる作品です。

<見どころ>
ダンスシーンもさることながら、見事な歌声を披露した陣内孝則、hiroのデュエットなど、映画ならではのサプライズが十分。
クライマックスのダンスシーンは、大画面で見た方が良いかと思います。

<出演者>
バックダンサーズを演じるhiro、平山あや、ソニン、サエコ、それなりにドラマなどを経験しているのと、ダンスのタイミングはかなり良かった。
5人目の主人公と言うべき田中圭、DJケンを演じた北村有起哉、そして陣内孝則は、どこかユーモアを含みつつ、きちんとおさえた演技で好感を持てます。
久々に見た木村佳乃は、なんだか落ち着いちゃいましたね(昔は主役クラスだったのに)。
その他、脇を固める俳優陣もなかなか豪華で、これだけでも映画としてのランクはかなり高いのですが、残念だったのが冒頭の女の子たちのセリフがあまりにも下手で浮いてしまったところか。

邦画におけるミュージカル的な作品でいえば「スウィング・ガールズ」といい勝負をする作品です。ただ、意外にも?“意外性”が弱かった。というのも音楽番組なんかで、ダンスはかなり見ているから(「スウィング・ガールズ」はジャズという意外性があった)。
それでも楽しめる作品に間違いないですね。

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by syosei7602 | 2007-04-12 23:59 | ミュージカル/音楽/ダンス
バルトの楽園(がくえん)
d0030824_2341467.jpg『バルトの楽園』 日本/2006
監督:出目昌伸
出演:松平健 ブルーノ・ガンツ 高島礼子 阿部寛 國村隼
    大後寿々花 中山忍 中島ひろ子 タモト清嵐
    オリヴァー・ブーツ コスティア・ウルマン イゾルデ・バルト



公開時コピー
第九の扉が開くとき
軍人は「人間」に帰る。
なぜ、彼はドイツを信じようとしたのか。


第一次世界大戦、中国の青島から捕虜となったドイツ兵が収容された徳島・板東俘虜収容所、日本で初めて“交響曲第九番 歓喜の歌”が演奏された実話を基にした作品。
監督は「きけ、わだつみの声 Last Friends 」の出目昌信。
出演は時代劇「暴れん坊将軍」でお馴染みの松平健、「ヒトラー 最後の12日間」のブルーノ・ガンツ、「大奥」の高島礼子、「トリック」シリーズの阿部寛、「ウミザル 海猿」の國村隼、「北の零年」の大後寿々花など。

<あらすじ>
1914年、第一次大戦の最中、日本軍はドイツの極東領地・青島を攻略する。
ドイツ兵4700名は捕虜となり、日本各地の収容所へと送られる。
1917年、劣悪で厳しい久留米収容所で過ごした捕虜達は収容所の統合整備により、徳島の板東俘虜収容へと移送される。
収容所の所長・松江豊寿(松平健)は、捕虜達も人間的な扱いを受けるべきだと考え、寛大な扱いをしていた。
捕虜達は村民達と交流するなどして、ドイツで培われた文化や技術を提供していく。しかし、ほぼ自由に動きまわれることから、やがて軍の上層部にその事が知られてしまう。

<作品解説>
本作の主人公である松江所長は「収容所は刑務所ではない」との考えから、ドイツの持つ文化や知識・技術を広めた事で讃えられた人物です。
その人道的な措置と温かい人柄から、捕虜となった兵士たちは彼を後々まで褒め称えたと言われています。
さて、本作では日本で初めてベートーベンの第九が奏でられたという実話を基にされているわけですが、それ以上に板東の人々によるドイツ人への心遣いや交流などが中心となっています。
その中にあって戦争が語られるのは冒頭の戦闘、または松江の会津時代の回想などが差し込まれ、誇りよりも大切なものが徐々に集約していきます。
補足ですが、松江の回想シーン・幼少期の斗南生活は経験しておらず、また板東以外の収容所でも待遇改善が図られたそうです(また、ドイツ兵の面々もフィクション)。
作品全体としては、ヒューマンドラマとしての色が強く、戦争の悲惨さを伝えるものではありません。もちろん、戦争…とりわけ“敵”に対する憎悪なども一部描かれますが、それほど強烈なものではなく、どちらかというとユーモアが随所に差し込まれた作品といえるでしょう。

<見どころ>
短いながらも戦闘シーンや収容所のセットの見事な出来、さらに印象的なセリフがいくつかありました。
個人的に好きなのは松江所長がチャリンコをこいで、転んだ時のいいわけですかね~。

<出演者>
松平健の見事なまでの髭はもちろん付け髭(髭=バルト)。
温厚そうな松江所長を見事に演じました。
とりわけ注目なのはやはり子役の大後寿々花。
子役の中ではピカイチの演技力と言われていますが、それだけの事はあります。
今後どう化けるか、楽しみですね。

なお、同じく板東俘虜収容所を舞台にした直木賞作家・中村彰彦の小説「二つの山河」が無断で使用されたとして、出版社と東映に質問状を送付した事がありました。
結果として、参考資料の記載が為されたそうです。

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by syosei7602 | 2007-04-11 23:59 | ノンフィクションベース
ザ・センチネル/陰謀の星条旗
d0030824_3302234.jpg『THE SENTINEL』 アメリカ/2006
監督:クラーク・ジョンソン
出演:マイケル・ダグラス キーファー・サザーランド エヴァ・ロンゴリア
    キム・ベイシンガー マーティン・ドノヴァン リッチー・コスター
    ブレア・ブラウン デヴィッド・ラッシュ クリスティン・レーマン



公開時コピー
大統領暗殺…、そのシナリオは巧妙に仕組まれた!
141年間、シークレット・サービスから
裏切り者は決して現れなかった…


「S.W.A.T.」のクラーク・ジョンソン監督による大統領暗殺計画を題材にしたサスペンス。
出演は「ダイヤルM」のマイケル・ダグラス、テレビドラマ「24」シリーズのキーファー・サザーランド、テレビドラマ「デスパレートな妻たち」のエヴァ・ロンゴリア、「セルラー」のキム・ベイシンガーなど。

<あらすじ>
かつてレーガン大統領を暗殺犯から守ったベテランのシークレットサービス、ピート・ギャリソン(マイケル・ダグラス)は、今もなお現大統領の護衛を務めていた。
ある日、ピートの同僚が自宅前で何者かに殺害される。
事件の捜査にあたるのはSS情報部のデヴィッド・ブレッキンリッジ(キーファー・サザーランド)とピートの教え子で新人のジル(エヴァ・ロンゴリア)。
しかし、デヴィッドは自身の離婚に際してピートが絡んだ為、両者には深い溝が出来ていた。
ピートは事件に際してタレコミ屋から大統領暗殺の情報を得るが、それはSS内に裏切り者がいるというものだった。
その情報はSS内に不穏な空気をもたらす。そしてデヴィッドが捜査の陣頭指揮を執るが、過去の確執と嘘発見器の結果から、ピートを疑い始めるのだった。

<作品解説>
ハリウッド映画ではお馴染みの題材「大統領暗殺計画」をベースにしたサスペンス。
邦画ではあまり見られないネタですが、アメリカは大統領暗殺が頻繁に起きた国のひとつですから、このネタって尽きませんね。
さて、本作は舞台のほとんどがシークレットサービス内の活動中がメインであり、個人的な生活面というのはあまり出てきません。
大統領とファーストレディの分刻みの活動にあわせて緻密に連絡を取り合うシーンは、今までの似たような作品にはあまり無かったもので、臨場感があります。
また、主人公ピートもアウトロー的な位置づけではなく、きちんと尊敬する立場として描かれていいますが、彼には人に言えない秘密が存在し、そのお陰で陰謀に巻き込まれていきます。
よくあるパターンなのですが、こういうサスペンスの性質上、登場人物の描写を主人公に1人称に据えるときはもう少し見る側が疑ってしまいそうな人物を何人か出すべきですね。
本作では途中から犯人があっさりわかってしまいました…。
キーファー・サザーランドが「24」的なノリなので、ファンなら楽しめるかと思いますが、サスペンスとしての出来は今ひとつ、格好良くしたかっただけなんかなぁ。

<見どころ>
マイケル・ダグラス、キーファー・サザーランドの共演はなかなか、格好いい。
渋い男たちです。
クライマックスは臨場感がありますが、その他はありきたりですね。

<出演者>
マイケル・ダグラスはどうしても悪辣な役が似合うと思うんですが、この人が銃を構えるところはいいですね、普通にサマになる。
キーファー・サザーランドはやっぱり「24」ですか…まあ、見てないけど。
キム・ベイシンガーは相変わらず、色っぽい役で登場。最近はこんなんばっかで、もったいない。

サスペンスとしては物足りない印象です。
使い古されたネタとお決まりパターンに終始してしまい、目新しいものが無い。
ファンならおさえておく、といったところでしょうか。

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by syosei7602 | 2007-04-06 23:59 | ミステリ/サスペンス
ゼイリブ
d0030824_2404967.jpg『THEY LIVE』 アメリカ/1988
監督:ジョン・カーペンター
出演:ロディ・パイパー キース・デヴィッド メグ・フォスター
    ジョージ・“バック”・フラワー ピーター・ジェイソン
    レイモン・サン・ジャック ジェイソン・ロバーズIII世



B級カルト作品で根強い人気を持つジョン・カーペンター監督の傑作アクション。
出演は当時現役レスラーとして活躍した「リゾート・トゥ・キル」のロディ・パイパー、メグ・フォスター、「リディック」のキース・デヴィッドなど。
サウンドトラックも監督自らが手がけている。

<あらすじ>
流れ者のネイダ(ロディ・パイパー)は、工事現場で働き口を見つけフランク(キース・デヴィッド)という作業員と知り合う。泊まるところのないネイダはフランクと共に、教会が提供するキャンプ地で生活を始める。
ある日、ネイダは不思議な事に気が付く。教会は朝早くから賛美歌の練習が流れ、何人かの人間が頻繁に出入りしているのだ。
ネイダは教会に入り込み、賛美歌がテープであることを発見し、中にいた人々の荒唐無稽な話しと隠し扉を発見、教会を見張ることにする。その夜、突如警官隊が教会を襲撃、さらにキャンプ地をも撤去しはじめ、抵抗する人々に暴行を加えていく。
なんとか逃げ延びた次の日、ネイダは再び教会に入り込み、隠し扉から箱を持ち出す。
その中には大量のサングラスが入っており、それをかけたネイダは雑誌や広告、街行く人々の何人かを見て驚愕するのだった。

<作品解説>
シンプルなアイディアとアクションによって構成され、最後はユーモアたっぷりに締めるカーペンターテイストが盛り込まれた傑作です。
サングラスをかけることで見えてしまう悪意の存在、そしてそれを統べる“彼ら”。
貧富の差を生み出す元凶であり、その不気味な存在を壊滅するために、主人公ネイダはフランクと共にレジスタンスに加わるわけですが、この日常の中にある「非日常」的な設定はどこかで見たことありますね。
そう「マトリックス」です。支配階級にいる「彼ら」とそれを潰そうとするレジスタンスの対立構造は非常にシンプルなものの、カーペンター監督によるクールで無駄のない演出、ラストの締めなどは「マトリックス」にはない、格好良さがあります。
本作は本題に入るまでが些か冗長的なんですが、中盤以降の展開は見事。特に中盤におけるネイダとフランクの喧嘩はキーポイント(もう少し短ければ、との声は多数ある)であり、ここから大きく動きます。
作品としての完成度は、B級カルト的なのにやっぱり見てしまう面白さ。
個人的に好きな作品の1つです。

<見どころ>
いきなり切れる主人公ネイダ(笑)。
とりあえず彼の行動は「気分が高まって」が理由らしい…。
サングラスを通してみた景色、その演出はほんとに見事です。

<出演者>
ロディ・パイパーは当時現役のプロレスラーだったそうですが、なかなかの男前で俳優としての力も割りにあります。顔の表情だとか、うまいですね~。
相棒となるキース・デヴィッド、物語のキーとなるメグ・フォスターの冷たい目など、キャスティングも良いですね。

この監督の作品は好き嫌いが分かれるところですが、はまるとすごく面白い。
シンプルでアホっぽいものから、シリアスなのにブラックユーモアが差し込まれたりと、シナリオのこだわる方向がどこか違うのが魅力です。

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by syosei7602 | 2007-04-05 23:53 | アクション/アドベンチャー
出口のない海
d0030824_234563.jpg『出口のない海』 日本/2006
監督:佐々部清
出演:市川海老蔵 伊勢谷友介 上野樹里 塩谷瞬 柏原収史
    伊崎充則 黒田勇樹 平山広行 尾高杏奈 永島敏行
    田中実 高橋和也 香川照之 古手川祐子 三浦友和



公開時コピー
1945年、夏――それでも青春だった。
あなたに知ってほしい。
二度と帰れないと知りながら
最後の秘密兵器「回天」に乗った若者たちのことを。


横山秀夫の同名小説を、「半落ち」の佐々部清が監督(横山作品2度目となる組み合わせ)。
出演は歌舞伎俳優の市川海老蔵、「嫌われ松子の一生」の伊勢谷友介、「虹の女神 Rainbow song」の上野樹里、「龍が如く 劇場版」の塩谷瞬、「日本以外全部沈没」の柏原収史」、「バルトの楽園」の伊崎充則、「ゆれる」の香川照之など。
主題歌は竹内まりやの「返信」。

<あらすじ>
1945年4月、敗戦の色濃くなった日本。潜水艦イ号に乗り込む人間魚雷・回天の特攻隊員達。そのうちの1人、並木少尉(市川海老蔵)は明治大学野球部のエースピッチャーだったが、日増しに戦火を増す状況を知り、海軍に自ら志願したのだった。
家族と恋人、そして国家を守るため“敵”を倒す、それが自らの義務だと言い聞かせながらも、その胸中は複雑さを隠せない。
敵駆逐艦の爆雷攻撃に遭いながら、並木は海軍に志願するまでの事を思い出していた。
肩を痛め、魔球の開発に余念のない彼は、家族や恋人・美奈子(上野樹里)らと共に、戦争さえ無ければ幸せに暮らしていた筈だった。
しかし、明大の同級生で陸上部の北(伊勢谷友介)の決意や、大切な人を守るためにすべき事を考えるうちに、並木は自らの生き方を決定づけてしまう。

<作品解説>
神風特攻隊の映画は数あれど、回天を題材にした作品は意外に本作が2作目(「人間魚雷出撃す」(1956年)という50年前の作品以来)。
回天については作中でも語られますが、元々この回天の案自体は海軍には受け入れられませんでした。回天の必要性が明確になったのは、確実に敵艦を捉えて撃破するという「正確性」を求めた為です。その割りには記録されている成果は、撃沈4・撃破5というもの。
そもそも時速100キロの速度を持つ魚雷に、操縦席を設けたことによって55キロという速度に下がった事と、長時間水中に在ることを想定していない魚雷が母体な為に故障も多かったようです(さらには母艦ごと撃沈されることが多かった)。
主人公・並木のモデルは甲子園で活躍した嶋清一投手。嶋投手は“伝説の大投手”と呼ばれ、甲子園では準決勝・決勝と続けて2試合連続ノーヒットノーランを達成(連続と決勝では史上初)などの記録を持っていました。しかし明大に入った後、学徒動員によって戦死してしまいます。
さて、本作ですがほとんど戦闘シーンは出てきません。
並木の回想(野球の試合、家族と恋人、訓練)と潜水艦での会話、出撃シーンに絞られます。
必ずしも国のために死ぬわけではなく、この時は選択肢が全て「戦争」に傾いており、自分の命を捧げてまで守りたいのは身近な人々である、という信念が描かれます。
些か説明的過ぎるのと戦争の悲惨さが弱いのが残念ですが、青春映画と見れば手堅く押さえられた作品です。

<見どころ>
CGのレベルも「ローレライ」に比べて、ようやく落ち着いた感じがするのと、実物のレプリカが使用されているために、ディテールは非常に良いです。
出撃前の緊張感など、息苦しさを感じる演技は立派。

<出演者>
意外な程に良い市川海老蔵、伊勢谷友介もスクリーン慣れしたのか、非常に落ち着いた演技を見せてくれます。
そしてカメレオン女優ともいえる上野樹里、出番が短いながらも見せてくれますね。
出演陣のレベルが高いのですが、やはり煮詰めきれない感じのするシナリオが勿体ない。

戦争映画は苦手、軍国主義が苦手という人もすんなり見られる作品です。
“国”とはなんなのか、意外なほどにシンプルな問いかけを考えさせてくれます。

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by syosei7602 | 2007-04-02 23:59 | 戦争/歴史/時代劇