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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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カテゴリ:ノンフィクションベース( 33 )
僕はラジオ
d0030824_073692.jpg『RADIO』 アメリカ/2003
監督:マイク・トーリン
出演:キューバ・グッディング・Jr エド・ハリス アルフレ・ウッダード
    デブラ・ウィンガー  S・エパサ・マーカーソン
    クリス・マルケイ サラ・ドリュー ライリー・スミス



公開時コピー
少し、休みませんか?
しあわせを
用意しています。


アメリカでの実話を基にしたヒューマンドラマ。
監督は「コーチ・カーター」などの製作を手がけたマイク・トーリン。
出演は「ザ・エージェント」のキューバ・グッディング・Jr、「アポロ13」のエド・ハリス、「フォーガットン」のアルフレ・ウッダード、「永遠の愛に生きて」のデブラ・ウィンガー、「ターミネーター2」のS・エパサ・マーカーソンなど。

<あらすじ>
1976年、アメリカのサウスカロライナ州アンダーソン。
ハナ高校のフットボールチームが練習に明け暮れるグラウンドの側を、1人の黒人青年(キューバ・グッディング・Jr)がショッピングカートを押して歩いていた。彼は知的障害を持っており、ある時チームの数人がからかい半分で彼をいじめてしまう。
怒ったコーチのハロルド・ジョーンズ(エド・ハリス)は、その青年に謝罪し、彼にチームの手伝いを頼む。ラジオの音楽放送が好きな彼は“ラジオ”のニックネームをつけられ、やがてチームに溶け込み、ハナ高校の人気者になっていく。

<作品解説>
実話を基にしたヒューマニズム溢れるドラマです。
ジョーンズはふとしたきっかけで知的障害の青年ラジオを、自らがコーチするフットボールチームの手伝いを頼み、やがて高校生活にもラジオは溶け込んでいきます。
疑うことを知らないけれど、決して他人の悪口を言わないラジオ…周囲の人々はいつしか、彼の持つ純粋さに打たれ、受け入れていきます。
その一方で、障害者という理由だけで否定的な人物もいるのも事実。ジョーンズはそれでもラジオを擁護していきます。
もちろん彼がそうるすにはきちんとした彼なりの理由があり、その言葉が語られるのは物語終盤となります。
さて、本作はノンフィクションベースながらもテンポの良い作品ですが、今ひとつ展開が切り替わる部分が弱くて起伏に欠けます。まあ、事実がドラマティックなものばかりではないのですが、意外と淡々としているのが残念。もっともそれを差し引いても、出演者たちのしっかりとした演技が見事で、今の学校関係者には是非見て貰いたい1本です。

<見どころ>
エド・ハリスの優しい雰囲気でしょうか。コーチの時は激しいながらも、キューバ・グッディング・Jr演じるラジオに接していくシーンはとてもいい。
ちなみにラジオさんは今でもハナ高校に在籍しているそうです(50歳くらいか)。

<出演者>
キューバ・グッディング・Jrはオスカー俳優の確かな演技でラジオを好演。
エド・ハリスは先にも述べたように、優しい雰囲気(特に目が良い)が見事でした。
また、デブラ・ウィンガーがエド・ハリス演じるジョーンズの妻役でサポート。この女優はキレイですね。

些かエンターティメント性に欠けるものの、街全体がラジオという1人の青年を支えているという事実…コミュニティの不足した日本ではあんまり考えられない話しですね。
優しい話しなので、ふわりとしたい時にオススメです。

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by syosei7602 | 2007-10-02 23:59 | ノンフィクションベース
ユア・マイ・サンシャイン
d0030824_15245586.jpg『YOU'RE MY SUNSHINE』 韓国/2005
監督:パク・チンピョ
出演:チョン・ドヨン ファン・ジョンミン ナ・ムニ ソ・ジュヒ
    ユン・ジェムン リュ・スンス ペク・ジョンハク チョン・ユソク
受賞:大鐘賞映画祭/女優主演賞・企画賞(2006)他



公開時コピー
こんな私でも幸せになれますか?
何があっても君を守る。
奇跡のような真実のラブストーリー


韓国で大ヒットを記録した、ノンフィクションベースのラブストーリー。
監督はオムニバス映画「もし、あなたなら ~6つの視線」の1つを手がけたパク・チョンピョ。
出演は「スキャンダル」のチョン・ドヨン、「甘い人生」のファン・ジョンミン、「クライング・フィスト」のナ・ムニなど。

<あらすじ>
都会から離れた農村で母親と2人暮らしの36歳のソクチュン(ファン・ジョンミン)は、嫁不足の村で友達と共に独身3人組など揶揄される始末。フィリピンにまで女性を探しいったものの、空振りに終わる。
ある日、ソクチュンは村に来たばかりのウナ(チョン・ドヨン)とすれ違い、一目惚れする。
ウナは街の喫茶店で働いていたが、昼はホテルに出向いて売春、夜はホステスという生活を送っていた。
しかし、ソクチュンは彼女の為にあれこれと尽くしはじめる。愛などはいらないと突っぱねていたウナだったが、やがてソクチュンの真摯さに打たれ心を開いていく。
そして、ソクチュンとウナは結婚し幸せな生活が始まる。
そんなある日、ウナの前にアル中の前夫(チョン・ユソク)が現れ、さらにソクチュンはウナがHIVキャリアであることを告げられていた。

<作品解説>
韓国では「私の頭の中の消しゴム」を抜いて、大ヒットを記録した作品。
過去を捨てて農村にやってきたウナ、運命の女性を探し続けているソクチュン。
ソクチュンはいつか自分の農場を持とうと、それなりに努力して、友達からはケチと言われるほどに貯金しています。
ウナと出会うことで、ソクチュンは自分の思うがままにアタックし続けるわけですが、ここで重要なのはウナが彼の思いに根負けしたのではなく、純粋に気持ちを受け止めたことにあります。
ソクチュンの母親にも気に入られて、幸せな生活が始まります。
ここまでが中盤で、農村の生活感あふれる描写や「村」というコミュニティの描き方などが秀逸。
幸せであることを徹底して描くことで、中盤以降の展開をさらに重くさせていきます。
ウナは売春行為によりHIVに感染しており、さらには前の夫などが復縁を迫るなど、一気に生活が崩れていきます。
この描写がかなり悲惨というか、ひしひしと辛さが染みる展開。
ラストまで一気に引っ張っていきます。

<見どころ>
チョン・ドヨンとファン・ジョンミンが序盤と終わりでは全くと言っていいほど、表情が変わるほどに豊かで、演技力の高さを感じさせます。
中盤のベッドシーンで、ウナがソクチュンを抱きしめるシーンはとても良いですね。
桜の舞い散るシーンも温かさが伝わってきます。

<出演者>
チョン・ドヨンは韓国女優の中でも美人という訳ではなく(どちらかというチェ・ジウの様な感じ)、どこか泥臭さを感じさせるんですが、ストーリーが進むと中盤は可愛いらしく、終盤はどこか廃れた感じが見事。
一方、ファン・ジョンミンは貴乃花と渡辺徹を足したような風貌で熱演。
本作の為に15キロ太り、中盤以降は12キロ痩せたという凄さ。
良い味を出していたのが、母親役のナ・ムニでした。

若干のくどさを感じさせるものの、農村生活の丁寧な描写や主演2人による演技が素晴らしい。
もう少しラストに至るまでの過程があっても良かった気もしますが、過剰な演出がほとんどないので、シンプルに見られる良作です。

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by syosei7602 | 2007-09-07 23:59 | ノンフィクションベース
世界最速のインディアン
d0030824_037839.jpg『THE WORLD'S FASTEST INDIAN』
ニュージーランド・アメリカ/2005
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アンソニー・ホプキンス クリス・ローフォード アーロン・マーフィ
    クリス・ウィリアムズ ダイアン・ラッド パトリック・フリューガー
    ポール・ロドリゲス アニー・ホイットル


公開時コピー
惚れた。信じた。追いかけた。
21歳─<インディアン>という名のバイクと出会う。
63歳─生涯の夢<世界最速>に初挑戦。
夢に向かって走り続けた男の<実話>を描く、ヒューマンドラマ。


バイク1000cc以下の世界記録を樹立したバート・マンローの実話を映画化。
監督は「13デイズ」のロジャー・ドナルドソン。
出演は「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス、「ターミネーター3」のクリス・ローフォード、「ブギーマン」のアーロン・マーフィ、「ドッジボール」のクリス・ウィリアムズ、「ワイルド・アット・ハート」のダイアン・ラッドなど。

<あらすじ>
1962年ニュージーランド・インバカーギルに小さな家に住む63歳のバート(アンソニー・ホプキンス)は、アメリカ・ユタ州ボンヌヴィル塩平原で行なわれる世界最速レース・スピードウィークで、自ら改造した1920年型インディアン・スカウトによる世界記録を打ち立てることを夢みていた。
肉体的な衰えを感じているバートは、早いうちにボンヌヴィルに向かうことを決意し、仲間や友人達のカンパで渡航費を捻出すると、コックとして船に乗り込みアメリカに向かう。
ロサンゼルスに着いたバートはモーテルの受付ティナ(クリス・ウィリアムズ)や、中古車屋のフェルナンド(ポール・ロドリゲス)に助けられ、なんとか車でバイクを牽引して、ボンヌヴィルへと向かうのだった。

<作品解説>
伝説のライダー バート・マンローの実話を描いた作品です。
40年前に買ったバイクを自ら改造し続け、数々の記録を打ち立てた彼の目標は世界最速。
一直線に突っ走れるボンヌヴィル塩平原でのレース出場を目指します。
彼が使ったマシンはアメリカの最も古いオートバイ会社インディアンモータサイクルの“1920年型インディアン・スカウト”。
排気量は596cc(多分)を850ccにボアアップし、可能な限り軽量化されています。
さて、本作はそんなバイクに人生を注ぎ、庭は雑草だらけ、金属を冷やす為に使った水でお茶を沸かすというトンデモおじいちゃんなバートが、あちこちで人々に助けられながらもレースを目指すロードムービーとも言えます。
出会う人々は、バートの屈託の無さと愛嬌により、彼に無条件の温かさを送り、彼はそれを正面から受け入れ、自らの夢を達成するために進みます。
一見我が儘な感じもしますが、夢を持つ人の偉大さともでいうんでしょうか、本作は見事にそれを表現しています。
それ故に、思わず心地よく泣けてきます。
この手の作りは「クール・ランニング」と同じ感じですね。

<見どころ>
なんといってもクライマックス。
思わず手に汗握り、どこまで、どこまで走るんだ!と画面に釘付け間違いなし。
とにかく格好いい!

<出演者>
レクター博士の印象が強いアンソニー・ホプキンスですが、本作では見事な演技を披露し、明るく少しとぼけたバートを熱演。
脇を固めるクリス・ウィリアムズ、ポール・ロドリゲスやクリス・ローフォードの好演も相まって、非常に明るいながらも、グッと来るのです。

あんまし関係ないですが、公開時に広告でどこぞの評論家が素晴らしいとまくしたてていましたが、はっきり言ってやめて欲しかったですね(あの人が出てくると、映画の質が下がる気がするのは気のせいだろうか…)。
まあ、それはさておき、とにかく格好いい、そして泣けます(自分がバイクに乗っているからかもしれないけど)。
何よりもホッと温かくなる作品ですので、オススメ。

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by syosei7602 | 2007-08-27 23:46 | ノンフィクションベース
1リットルの涙
d0030824_1152244.jpg『1リットルの涙』 日本/2004
監督:岡村力
出演:大西麻恵 かとうかずこ 鳥居かほり 芦川よしみ
    松金よね子 浜田光夫 森山周一郎 速水亮




公開時コピー
耐えておくれ、私の涙腺よ―
悔しかったらやればいいじゃん。
負けとったら、いかんじゃん。


脊髄小脳変性症という不治の病により、25歳の若さで亡くなった木藤亜也が記したノンフィクション「1リットルの涙 難病と闘い続ける少女亜也の日記」の映像化。
監督は本作が初作品となる岡村力。
出演は「ただ、君を愛してる」の大西麻恵、「ミラクルバナナ」のかとうかずこ、「グリーン・レクイエム」の鳥居かほり、「仁義 JINGI」の芦川よしみ、「神の左手 悪魔の右手」の松金よね子など。

<あらすじ>
14歳の木藤亜也(大西麻恵)は、ある朝転んで顎を打ってしまう。その不自然な転び方と、多少前のめりな歩き方に不安を抱いた母親の潮香(かとうかずこ)は、病院で検査を受けさせる。
結果、運動神経を司る小脳と脊髄が異変をきたし、縮小してやがて消えてしまう脊髄小脳変性症だとわかる。
担当の山本医師(鳥居かほり)はこの病気が不治であり、いずれは寝たきりになって命を落とすことを潮香に告げるのだった。
当初、治る病気だと思っていた亜矢は、希望の高校に進学する。山本医師から薦められた日記を毎日つけ始めた亜矢。
しかし、日ごとに症状は重くなり、歩くことも不自由となっていくが、高校の友達や先輩、学校そばにある駄菓子屋の店主(松金よね子)の協力もあって、なんとか通い続けるのだった。

<作品解説>
ほぼ単館系に配給され、かなりのスローペースで公開された作品です(確か半年以上は全国を転々と動いていたはず)。
本作は少々ドキュメンタリー的な映像となっているんですが、カメラワークは良いものの、映像的には白っぽくて勿体ないですね。もう少しメリハリの効いた映像なら良かった。
さて、ストーリーは原因不明の脊髄小脳変性症という…徐々に体の自由を奪われていくという病気になってしまった木藤亜也さんの日記をほぼ忠実に、淡々と進んでいきます。
自由の利かなくなっていく体を抱えながらも、高校の友人や駄菓子屋のおばちゃん、家族に支えて貰いながら、彼女は生きていきます。
本作の重要な部分は、彼女がただ「生きていこう」と心に決め、それでも泣いて、支えられて、時には障害者となった故の差別を受けながらも進んでいく強さにあるんですね。
自分の知りたいこと、知るべき事を日記を書きながらまとめ…「部外者から、当事者になった」という劇中の言葉どおり、自分の人生が過酷であっても受け止めなければいけない…そんな現実を直視していく、その瞬間が胸に迫ります。
見る人によっては涙が止らない、個人的にはかなり久しぶりに映画で、号泣とまではいかないですが泣いてしまいました。

<見どころ>
主演の大西麻恵がとにかく素晴らしい。徐々に体の自由が利かなくなっていく過酷な状況を演じきっています。
ほぼロケハンと言える映像はリアリティを高めています。

<出演者>
本作はまったく賞レースに上がってこなかったんですが、正直言いまして大西麻恵には日本アカデミー賞の主演女優賞をあげても遜色ないでしょう(公開年の2005年は「ALWAYS 三丁目の夕日」が独占、女優賞は「北の零年」の吉永小百合)。
母親を演じたかとうかずこは、大げさになりすぎずに好演。
また、駄菓子屋のおばちゃんを演じた松金よね子の存在感は非常に大きいです。

「映画」としてのレベルでいえば平均的なんですが、テレビドラマ版のように「泣ける」演出に凝らなかったのが良かった。
最近ではノンフィクションですら「フィクション?」とも言える過剰な演出が多いので、こういったストレートな作りの映画は貴重です。
見終わった後に、ちょっとした「何か」を残してくれる作品といえるでしょう。

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by syosei7602 | 2007-08-05 23:59 | ノンフィクションベース
ゾディアック
d0030824_130135.jpg『ZODIAC』 アメリカ/2007
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェイク・ギレンホール マーク・ラファロ ロバート・ダウニーJr
    アンソニー・エドワーズ ブライアン・コックス
    イライアス・コティーズ イライアス・コティーズ ドナル・ローグ



公開時コピー
この暗号を解いてはいけない

全米を震撼させた未解決の劇場型連続殺人事件を、「セブン」「ファイト・クラブ」のデヴィッド・フィンチャー監督がリアルに映像化。
出演は「ブロークバック・マウンテン」のジェイク・ギレンホール、「コラテラル」のマーク・ラファロ、「ゴシカ」のロバート・ダウニーJr、「サンダーバード」のアンソニー・エドワーズ、「トロイ」のブライアン・コックスなど。

<あらすじ>
1969年7月4日独立記念日、カリフォルニアでドライブをしていたカップルが何者かに銃撃され、女性が死亡した。警察へ通報した人物は、自らを犯人だと名乗る。
それから1ヶ月後、サンフランシスコ・クロニクル紙に犯人を名乗る人物から手紙が届く。手紙には、カリフォルニアとは別の事件でも殺人を犯したと書いてあり、さらに同封されていた暗号を一面に載せないと新たな殺人を犯すと予告。
風刺イラストレーターのグレイスミス(ジェイク・ギレンホール)は、その暗号に興味を持つが、暗号は一般人によって解読される。敏腕記者エイブリー(ロバート・ダウニーJr)は、事件を追い始めた。
そして犯人と名乗る人物は再び手紙を送りつけ、自らをゾディアックと名乗り、事件がさらに起きてしまう。

<作品解説>
現在に至るまでも未解決の事件の映画化です。
この事件は1969年(ゾディアックと名乗る犯人の言葉が正しければ、1968年が最初の事件となる)から1974年まで続き、死亡した被害者は5人。生き残った人物は2人になります。
ゾディアックは2件目の犯行後、多くの新聞社に手紙と暗号文を送りつけ、警察には自ら電話をするという行動に出ますが、捜査は難航します。
犯人の行動が不定期な上、初動捜査の甘さや連携ミスが目立ち、おまけに自らの捜査に振り回される事態に至るわけです。
事件を探る新聞記者エイブリー、イラストレーターのグレイスミスはゾディアックという、ある種ミステリアスな凶悪殺人犯にのめりこんでいき、さらに担当刑事たちも自らの生活を何年も犠牲にしたにも関わらず、事件は結局迷宮入りになります。
さて、本作は制作数が少ないながらも強烈な印象を与える作風が持ち味のデヴィッド・フィンチャー監督によってまとまりよく撮られています。
相変わらずの暗い絵作り、ひしひしと迫る恐怖感などは監督ならでは。されど、フィクションと違って、ノンフィクションベースである本作(しかも未解決事件)は、今までの作品からすると異色作。題材としては申し分ないのですが、悪く言えばオリバー・ストーン的とでも言うべきか…157分の長尺に加え、主人公グレイスミスがゾディアック事件を追うまでのとっかかりがとても長い。
故に前半部分の緊張感(ゾディアックが殺人をするシーン)が高いのに、徐々にサスペンス的な要素だけが残って、人によっては眠くなってしまいます。
個人的には同監督の作品の中では「ファイト・クラブ」「ゲーム」に次ぐおもしろさ。
迷宮入りの事件はとかく魅力的(三億円事件などが良い例)なんですが、本作の良さは事件を追う人物達が徐々に崩れていく様にあると思います。
「ゾディアックがどんな奴なのか知りたい」…劇中のセリフですが、まさしく本作のテーマと言えますね。

<見どころ>
未解決とはいえ、限りなく黒に近い人物に迫る捜査の瞬間、そして警察ですら知り得なかった情報を見つけ出したグレイスミス、精神を蝕まれたエイブリーなど、登場人物たちひとり1人が見どころです。
また70年代の背景や、時間の経過する様なども見事でした。

<出演者>
ジェイク・ギレンホールがグレイスミスを熱演。後半になるに連れ、徐々に病的になっていく様は圧巻。取憑かれた表情が怖い。
ロバート・ダウニーJr、マーク・ラファロ、アンソニー・エドワーズといった3人の俳優たちも忘れちゃいけません。ひとり1人がゾディアックという殺人犯に取憑かれてしまう男達を好演します。

果たしてゾディアックとは誰だったのか。
40年近く経った今でも、真実はわからず仕舞い。されど、事件にかけた男達とその捜査過程が描かれた本作はハードボイルドとも言える作りです。
デヴィッド・フィンチャー監督作ということで、監督の「色」を期待している人は諦めた方が良いですね。
これはあくまでも「ノンフィクションベース」な作品ですから。
ちなみにゾディアック事件はあの「ダーティハリー」の敵役(スコーピオン)の元ネタになりました。

<関連作品>
(事件をベースにしたフィクション)
ダーティハリー
サンフランシスコ連続殺人鬼

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by syosei7602 | 2007-07-06 23:58 | ノンフィクションベース
幸福のスイッチ
d0030824_23253663.jpg『幸福(しあわせ)のスイッチ』 日本/2006
監督:安田真奈
出演:上野樹里 本上まなみ 沢田研二 中村静香 林剛史
    笠原秀幸 石坂ちなみ 新屋英子 深浦加奈子 田中要次
    芦屋小雁



公開時コピー
家族の絆はプラスとマイナス。くっ付いたり、離れたり。

和歌山県のある村にあるナショナルショップ。その店の家族達の話を元にしたヒューマンドラマ。
監督は「オーライ」の安田真奈。
出演は「虹の女神 Rainbow Song」の上野樹里、「紙屋悦子の青春」の本上まなみ、「大阪物語」の沢田研二、本作が映画デビューとなる中村静香、「ザ・コテージ the Cottage」の林剛史など。

<あらすじ>
お客様第一をモットーとするナショナルショップを営む稲田誠一郎(沢田研二)に反発し、東京の美術学校に行ってイラストレーターになった次女・怜(上野樹里)。しかし、我ばかりが強い怜は上司(田中要次)と衝突して、会社を辞めてしまう。
そんな折り、妹の香(中村静香)から、姉・瞳(本上まなみ)が倒れたとの手紙を受け取った怜は急ぎ実家へと戻る。
しかし、実際に倒れたのは誠一郎で、しかも原因は骨折だった。
父親が倒れた程度では帰ってこないと考えた香の嘘にまんまと騙された怜、しかし会社を辞めたとは言えず強情を張る彼女は渋々電器店を手伝うことになる。
相変わらず儲からないサービスばかりをしていた誠一郎の仕事ぶりと、近くに出来た大型電器店の影響で売上げが落ちている事を知った怜は愕然とし、ますます機嫌が悪くなる彼女だったが…。

<作品解説>
ナショナルショップは、街の電気屋さんとしてちょっとした住宅街や村などにあります。もちろん、今でも健在なようで、特に利便性の悪い場所などは重宝がられているようです。
さて、本作は実話がベースとなっているそうで、出てくる電化製品は冷蔵庫から携帯電話までナショナル(パナソニック)製品オンリー。
普段はフィーチャーされないような餅つき器まで出てきたりするわけです。この街の電気屋を営む主人公の父親は、売った製品の面倒は最後までみる、困っているならちょっとした雑用まで無償で請け負ってしまうという人のいい人です。
一方、東京という都会で働いていた主人公・怜はそんなお客さん優先の父親がどうしても受け入れられず、母親が亡くなった理由までも父親に原因の一端があると思いこんでいます。
他人の為にそこまですることはない、というシビアな考えを持ち、それが実は自分の余裕の無さを露呈している事に気が付かない…まあ、シンプルな成長の物語につながっていくわけですが、映画としてみたときにはちょっと平面的過ぎるかな?と。
ストーリーの起伏が緩やかすぎるんですね。もちろん、笑えるシーンもいくつかあるんですが、興味のない人のはさっぱりわからない部分だったりするので勿体ない。
お決まりのパターンにはまっているからこそ、もう少し大胆な脚色があっても面白かったでしょう。

<見どころ>
とりあえず姉妹が3人とも関西圏出身なので、関西弁に違和感はありません(もっとも三女を演じた中村静香は演技が…)。
上野樹里が今までの作品とは違って、かなりふてくされた役でぶちぶちと文句をたれるのは割と新鮮です。

<出演者>
上野樹里の演技力が結構なレベル。ただ終盤になると大人しくなりすぎてメリハリが消えたか?
本上まなみの演技って…多分テレビドラマの「アナザヘヴン」以来かもしんない。
三女役の中村静香は演技がまだまだでした。どうも大げさな感じがします。
そして沢田研二。うーん、ええおっちゃんになったなぁと。でもあんましうまくないですね。

作品としては悪くはないんですが、やはり映画ならではの脚色をもう少し強めにしても良かったかも。
豪華な出演陣に反して今ひとつ知名度が低いですが、ツボを押さえた作りに好感がもてる作品です。

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by syosei7602 | 2007-05-30 23:25 | ノンフィクションベース
クィーン
d0030824_1242571.jpg『QUEEN』 イギリス・フランス・イタリア/2006
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ヘレン・ミレン マイケル・シーン ジェームズ・クロムウェル
    シルヴィア・シムズ アレックス・ジェニングス
    ヘレン・マックロリー ロジャー・アラム ティム・マクマラン
受賞:アカデミー賞/主演女優賞(2006)
    ゴールデン・グローブ/作品賞・主演女優賞(2006) 他

公開時コピー
1997年8月31日、ダイアナ元妃の突然の死。
その時、王室になにが起こったのか。
世界中が泣いたその日、
たった一人涙を見せなかった人がいた


2006年度の各賞の主演女優賞を総なめにし、見事オスカーに輝いたヘレン・ミレン主演のドラマ。
監督は「危険な関係」「ジキル&ハイド」のスティーヴン・フリアーズ。
出演は「銀河ヒッチハイク・ガイド」のヘレン・ミレン、「アンダーワールド」のマイケル・シーン、「スパイダーマン3」のジェームズ・クロムウェル、「嵐の中で輝いて」のシルヴィア・シムズ、「ブリジット・ジョーンズの日記」のアレックス・ジェニングスなど。

<あらすじ>
1997年5月、英国の首相選挙でライバルに大差をつけて当選した労働党のブレア(マイケル・シーン)。
女王(ヘレン・ミレン)からの最後の指名を受けて首相となる。
それから3ヶ月後の8月31日未明、元皇太子妃ダイアナがパリでパパラッチからの追跡を受け、交通事故にて亡くなる。
報せを受けた女王だったが、既に王室から退いているダイアナに対して、しきたりを優先し公式声明を出さない決定を下す。
一方、ブレアはただちに公式の声明を発表、チャールズ皇太子は自らパリに出向いてダイアナの遺体を引き取りに向かう。
英国の国民は一向に声明を出さない王室に対して憤りを感じ始め、マスコミもバッシングを始める。それとは反対にブレアの迅速な対応は彼の人気を高めることになるが、ブレアは王室へのバッシングをなんとか治めようと動きまわるだった。

<作品解説>
未だに謀殺説が噂されるダイアナ元妃の事故死。本作はこの事故死から彼女の葬儀までの期間を描いています。
エリザベス女王は既に王室から出たダイアナに対して、王室の厳然たるしきたりを適用します。これは当然の事であり、封建的であるからこそ王室という存在が認められるわけです。
しかし、マスコミはこれに対して激しいバッシングを浴びせ、さらに国民たちも次々に王室に対する不満を口にしはじめます。
実に皮肉な話しなのですが、ダイアナは王室に入ったからこそ多くに人々に認知され、人気を得た事実、パパラッチというマスコミに殺された事実…しかし王室は憎まれ、マスコミに叩かれるという矛盾と不条理な状況が続きます。
本作で語られる女王は非常に毅然とした態度で臨み、王室であるが故の態度を…世相の移り変わりによって初めて軟化します。
そして、途中出てくる鹿が女王の心境を表わすメタファーになり、これがとても効果的。
まあ、こんな時に鹿狩りに出かけるというのは如何なものかとは思うんですけどね。

<見どころ>
物語後半で語られるブレアの言葉がとても印象的で感動しました。
労働党という君主制に相反する立場ながらも、女王を人として理解しようとする考えは見事です。
問題は…これがどこまでホントの話しなのかって事なんですが。
そして、一番本当であろう、女王が花束の前を歩き、子供に話しかけるシーンは何故だか泣けてくるのです。

<出演者>
ヘレン・ミレンはモノマネではなく、女王の雰囲気というか威厳を発揮した役づくりが本当に見事でした。凛とした強さ、目に力がありました。
ブレア首相を演じたマイケル・シーン、そういやブレア首相の顔って?と思っていたので違和感なし。今、ブレア首相の顔を見ると「まあ、なんとなくね」って感じですけど(笑)。
チャールズ皇太子やフィリップ殿下は、顔付きが似ているのと演じているアレックス・ジェニングスとジェームズ・クロムウェルも鼻が似ていて…顔の似てる似てないはこの際どうでもいいんですが、さすがに落ち着いた演技で脇をきっちり締めてくれます。

何よりも役者の演技力が非常に高い。さらに思ったほど重い作りではなく、テンポ良く見られます。これは監督の手腕だと思うんですが、シナリオの良さも相まって作品賞をあげても良かったんじゃないかなぁ。少なくとも受賞作「ディパーテッド」や、ノミネート作品の「硫黄島からの手紙」よりも優れているかと思いました。「バベル」よりも若干上、「リトル・ミス・サンシャイン」は未見なのでなんとも言えませんが…。
作品レベルはまさしくアカデミー賞クラスなので、一見の価値はあります。

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by syosei7602 | 2007-05-10 23:58 | ノンフィクションベース
バルトの楽園(がくえん)
d0030824_2341467.jpg『バルトの楽園』 日本/2006
監督:出目昌伸
出演:松平健 ブルーノ・ガンツ 高島礼子 阿部寛 國村隼
    大後寿々花 中山忍 中島ひろ子 タモト清嵐
    オリヴァー・ブーツ コスティア・ウルマン イゾルデ・バルト



公開時コピー
第九の扉が開くとき
軍人は「人間」に帰る。
なぜ、彼はドイツを信じようとしたのか。


第一次世界大戦、中国の青島から捕虜となったドイツ兵が収容された徳島・板東俘虜収容所、日本で初めて“交響曲第九番 歓喜の歌”が演奏された実話を基にした作品。
監督は「きけ、わだつみの声 Last Friends 」の出目昌信。
出演は時代劇「暴れん坊将軍」でお馴染みの松平健、「ヒトラー 最後の12日間」のブルーノ・ガンツ、「大奥」の高島礼子、「トリック」シリーズの阿部寛、「ウミザル 海猿」の國村隼、「北の零年」の大後寿々花など。

<あらすじ>
1914年、第一次大戦の最中、日本軍はドイツの極東領地・青島を攻略する。
ドイツ兵4700名は捕虜となり、日本各地の収容所へと送られる。
1917年、劣悪で厳しい久留米収容所で過ごした捕虜達は収容所の統合整備により、徳島の板東俘虜収容へと移送される。
収容所の所長・松江豊寿(松平健)は、捕虜達も人間的な扱いを受けるべきだと考え、寛大な扱いをしていた。
捕虜達は村民達と交流するなどして、ドイツで培われた文化や技術を提供していく。しかし、ほぼ自由に動きまわれることから、やがて軍の上層部にその事が知られてしまう。

<作品解説>
本作の主人公である松江所長は「収容所は刑務所ではない」との考えから、ドイツの持つ文化や知識・技術を広めた事で讃えられた人物です。
その人道的な措置と温かい人柄から、捕虜となった兵士たちは彼を後々まで褒め称えたと言われています。
さて、本作では日本で初めてベートーベンの第九が奏でられたという実話を基にされているわけですが、それ以上に板東の人々によるドイツ人への心遣いや交流などが中心となっています。
その中にあって戦争が語られるのは冒頭の戦闘、または松江の会津時代の回想などが差し込まれ、誇りよりも大切なものが徐々に集約していきます。
補足ですが、松江の回想シーン・幼少期の斗南生活は経験しておらず、また板東以外の収容所でも待遇改善が図られたそうです(また、ドイツ兵の面々もフィクション)。
作品全体としては、ヒューマンドラマとしての色が強く、戦争の悲惨さを伝えるものではありません。もちろん、戦争…とりわけ“敵”に対する憎悪なども一部描かれますが、それほど強烈なものではなく、どちらかというとユーモアが随所に差し込まれた作品といえるでしょう。

<見どころ>
短いながらも戦闘シーンや収容所のセットの見事な出来、さらに印象的なセリフがいくつかありました。
個人的に好きなのは松江所長がチャリンコをこいで、転んだ時のいいわけですかね~。

<出演者>
松平健の見事なまでの髭はもちろん付け髭(髭=バルト)。
温厚そうな松江所長を見事に演じました。
とりわけ注目なのはやはり子役の大後寿々花。
子役の中ではピカイチの演技力と言われていますが、それだけの事はあります。
今後どう化けるか、楽しみですね。

なお、同じく板東俘虜収容所を舞台にした直木賞作家・中村彰彦の小説「二つの山河」が無断で使用されたとして、出版社と東映に質問状を送付した事がありました。
結果として、参考資料の記載が為されたそうです。

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by syosei7602 | 2007-04-11 23:59 | ノンフィクションベース
狼たちの午後
d0030824_0351689.jpg『DOG DAY AFTERNOON』 アメリカ/1975
監督:シドニー・ルメット
出演:アル・パチーノ ジョン・カザール チャールズ・ダーニング
    ジェームズ・ブロデリック クリス・サランドン ペニー・アレン
    キャロル・ケイン サリー・ボイヤー ランス・ヘンリクセン
受賞:アカデミー賞/脚本賞(1975)
    LA批評家協会賞/作品賞・男優賞・監督賞(1975)他

公開時コピー
暑い夏の昼下り 全米の注視をうけて演じられた-あまりにも突飛な事件…だがそれはまぎれもない事実だった!

ニューヨークで実際に起きた銀行強盗事件を基に製作された社会派ドラマ。
監督は「グロリア」(1999年)のシドニー・ルメット。
出演は「リクルート」のアル・パチーノ、「ゴッドファーザー」のジョン・カザール、「トッツィー」のチャールズ・ダーニングなど。

<あらすじ>
1972年ニューヨーク。
うだるような暑さの夏の午後2時57分、閉店間際のブルックリン三番街のチェイス・マンハッタン銀行支店に3人組の強盗が押し入る。
人質を取ったところで1人は怖じ気ついて逃げ出す。残ったのはソニー(アル・パチーノ)、サル(ジョン・カザール)の2人、そして人質の支店長、警備員、女性行員の9人。
10分もあれば済む筈だったが、金庫の金は既に本店へと運ばれたあとで残りはわずか1100ドルだった。予想外の事に落胆するソニーに追い打ちをかけるかのように、いつの間にか警察に包囲されている始末。
集まる報道陣、警官隊、そしてFBIが到着する中、ニューヨーク市警のモレッティ刑事(チャールズ・ダーニング)がソニーに投降を呼びかける。
しかし、ソニーは籠城を決め込み、とりあえずの交渉への証として喘息持ちの老警備員を解放するが、警察は間違えて警備員を逮捕してしまう。
ソニーはそれに乗じてアティカ刑務所の暴動を持ち出し、群衆を煽るのだった。
やがて人々は彼をダーティーヒーローとして受け入れ始める。さらに時間が経つにつれ、ソニー達と人質に奇妙な連帯感が芽生え始めていた。

<作品解説>
実際に起きた事件を基に、人間心理の描写を巧みに描いた傑作です。
押し入る3人の強盗、1人は逃げだし、残った2人には金すら無くなぜか警察に包囲されて策は無し。計画があるようで実は無かった銀行強盗と人質、警察、報道、群衆の長い半日が始まります。
警察による警備員誤認逮捕が決め手となり、群衆を味方に付けたソニー、警察に対して諦観的になった行員達はいつしか連帯感(ストックホルム症候群)が生まれます。
実はソニーは小心者で、相棒のサルは人付き合いが苦手な無口な男で、さらに知恵もそれほどあるわけでもない。
この2人をうまく誘導するのが支店長なわけで、警察が強盗を察知した理由は語られないものの流れとしては支店長以外おらんやろう、と思えます。
本作の根幹にあるのは、先にも書いたように人間心理であり、どうにか逃げ出そうとするソニー達の焦りに反して、若干怯えながらも環境に順応してしまう行員や権力に逆らう者への羨望の眼差しを向ける群集心理の巧みさが見事なのです。
また警察側は、それらの世論を敵に回してしまったためソニー達の為すがまま。
どうにもならない状況下、事件はクライマックスで意外な結末を迎えます。
でも、このラストって非常に切ないですね~。

<見どころ>
アティカ刑務所の名を出して群衆を煽るアル・パチーノが最高にカリスマパワー全開で格好いいんですよ(ちなみにアティカ刑務所は差別と囚人待遇の悪さから暴動が起き、政府が強制的に鎮圧、多数の死者を出したことを隠蔽した為にあちこちの刑務所で暴動が続発した)。
相棒サルを演じるジョン・カザールのとぼけっぷりもさながら、実は本作の見どころは意外なところに隠れているユーモアセンスなんですね。
まあ、ブラックジョークの一歩手前ですが。

<出演者>
なんといっても若き日のアル・パチーノの格好良さ。
役柄としてはマヌケですが、やっぱりねいいんですよ、この人は。
相棒サルを演じたジョン・カザールは既に亡くなってしまいましたが、この人も味があります。
得体の知れない感じが見事。
端役でランス・ヘンリクセンも出ていますが、本作では残念ながら売れなかったようです。

ノンフィクションベースということで、どうもダラダラと説明的な作品と思い浮かべてしまいがちですが、本作は緩急を付けた見事な作りとラストまでの緊張感は素晴らしく、また俳優達が演じる役柄が生き生きとしています。
すでに30年前の作品ですが、今見ても面白い傑作です。

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by syosei7602 | 2007-02-20 22:46 | ノンフィクションベース
エミリー・ローズ
d0030824_23444535.jpg『THE EXORCISM OF EMILY ROSE』 アメリカ/2005
監督:スコット・デリクソン
出演:ローラ・リニー トム・ウィルキンソン キャンベル・スコット
    ジェニファー・カーペンター コルム・フィオール
    ジョシュア・クローズ ケン・ウェルシュ ダンカン・フレイザー



公開時コピー
この映画はホラーではない。実話である。

人気ホラーシリーズの5作目「ヘルレイザー/ゲート・オブ・インフェルノ」を手がけたスコット・デリクソン監督による、実話を基にした作品。
出演は「コンゴ」のローラ・リニー、「エターナル・サンシャイン」のトム・ウィルキンソン、「リトル・ランナー」のキャンベル・スコット、「恋のミニスカ ウエポン」のジェニファー・カーペンター、「リディック」のコルム・フィオールなど。

<あらすじ>
ある田舎町で、エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)という19歳の女子大生が奇怪な死を遂げる。
彼女の死を見届けたのは、神父のムーア(トム・ウィルキンソン)だったが、そのあまりにも不審な死から、ムーアは過失致死で逮捕されてしまう。
その理由は、エミリーが悪魔に取憑かれた為に悪魔祓いを行ない、医学的治療を放棄したというもの。
教会側はその権威を維持するため、ムーア神父をなんとしても司法取引で決着させようとするが、ムーアは拒否をする。
教会は、裁判のために殺人犯を見事釈放に導いた女性弁護士エリン・ブルナー(ローラ・リニー)を雇うことにする。
ムーアはエリンに、エミリーに関する真実を話せるなら弁護を頼むと言う。
しかし、検察側は医学的根拠を元に攻め立ててくるのだった。

<作品解説>
「ダ・ヴィンチ・コード」を見てしまうと、神や悪魔の存在というものがいかに描かれようとも「あり得ないだろう」を言ってしまいたくなります。
本作はホラーやオカルトというよりも「悪魔が存在したのか」という点に絞られて、むしろ裁判が中心の作品になっています。
作品の一番重要な点は「キリスト教の教義と伝説が根底にある」という事でしょうか。
この点を無くしては、弁護側は弁護しようが無く、「悪魔」という概念が現実的な意味で消失してしまう訳です。
キリスト教が認めてしまった悪魔祓い、医学的根拠を示す検察、悪魔というもの「直に見た」神父、無神論者の弁護士…この中で一番まともなのはやはり検察になるでしょう。
医学的治療の効果はどこまで効果的だったのかはわからないとしても、理論的であったのは事実。
また、映像的な演出かも知れませんが、夜にだけ発作(悪魔が現れる)というのは些か出来すぎた形ではないでしょうか?
ただし、裁判の映画として、また奇怪な事実があったことを伝えた作品としては非常に秀逸です。

<見どころ>
ジェニファー・カーペンターの迫真の演技は、ぞっとします。
CG無しの体の動きなど、名作「エクソシスト」を上回る不気味な映像はホラーものでは非常にレベルの高い演技が伴ったものと言えるでしょう。

<出演者>
ローラ・リニー、トム・ウィルキンソンの演技には文句なし。
とまどいを感じながらも、芯の強い女性弁護士を演じたローラ・リニーは見事でした。
ジェニファー・カーペンターは先にも書いたように、見事過ぎる恐怖を煽る演技は秀逸。
美人とは言えませんが、演技力の高さに今後も注目ですね。

キリスト教をよく知っていれば、なるほどと思うことは多々あるかと思いますが、やはり「ダ・ヴィンチ・コード」の原作などを読んだあとでは「神と悪魔」の概念は所詮人間が作り出した虚像に過ぎないと思ってしまいます。
実話としての真実性か、宗教としての概念か、意見が分かれる映画です。

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by syosei7602 | 2006-10-17 23:42 | ノンフィクションベース