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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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カテゴリ:ミステリ/サスペンス( 134 )
小さな目撃者
d0030824_0461822.jpg『EYEWITNESS』 イギリス/1970
監督:ジョン・ハフ
出演:マーク・レスター ライオネル・ジェフリーズ
スーザン・ジョージ ジェレミー・ケンプ トニー・ボナー
ピーター・ヴォーン ピーター・ボーレス



公開時コピー
突然の恐怖と混乱の真っただ中で、少年は何を見たか?

「ブラス・ターゲット」のジョン・ハフ監督のメジャーデビューとなったサスペンス。
1999年に同邦題の作品があるが、本作のリメイクではない。
出演は「小さな恋のメロディ」のマーク・レスター、「チキ・チキ・バン・バン」のライオネル・ジェフリーズ、「わらの犬」のスーザン・ジョージ、「地獄の7人」のジェレミー・ケンプなど。

<あらすじ>
d0030824_0562623.jpgイギリスのある島に住む、空想好きでいつも自分の世界を持っている少年ジギー(マーク・レスター)。
彼のデタラメの話に、大人はいつも聞き流していた。そんな彼の発想力を認めて、まともに相手をしてくれるのは祖父(ライオネル・ジェフリーズ)だけ。
ある日、島にどこかの国の大統領がやってくる。
ジギーは、大統領が自分に会いに来たのだと言い、姉のピッパー(スーザン・ジョージ)と共にパレードを見に行くことに。
街は多くの人々で混雑し、ピッパーが目を離した隙に、ジギーはパレードがよく見えるであろうカフェがあるビルに入り込む。
広場にやってきた大統領だったが、その瞬間に狙撃されてしまう。
驚くジギーは隣の部屋から何者かが撃ったことに気がつき、d0030824_0563715.jpg部屋を飛び出すが、暗殺者と鉢合わせしてしまう。その暗殺者は警官の格好をしており、ジギーは必死で逃げ出す。
一方、ピッパーは旅行者のトム(トニー・ボナー)と知り合い、騒ぎの中でジギーを一緒に探してまわるが一向に見つからない。
ジギーは、暗殺者が警官の姿をしていたことから、街中を必死で逃げ回るのだが…。


<作品解説>
「オリバー!」や「小さな恋のメロディ」で、天才子役と言われたマーク・レスター主演のサスペンスです。
本作は「小さな恋のメロディ」で、大ブレイクする前の作品で、ジョン・ハフ監督もテレビ作品から初めて劇場作品を手がけたこともあって、全体的に甘さが残る感じがします。
されど、カメラワークの面白さ、淡々と迫り来る暗殺者の雰囲気などが抜群で、佳作とも言える出来ですね。
さて、本作のストーリーは空想好きの少年ジギーが大統領暗殺を見てしまったことに端を発します。
普段から他愛のないウソとわかる事ばかりを言っている彼の主張に、誰も耳を貸しません。
いわゆるオオカミ少年状態なのですが、本作は「空想好き」という悪意の無いイメージに置き換えているため、ジギーに対する嫌悪感というものが生まれてこないんですね。
主人公であるジギーですが、「ホーム・アローン」みたいに悪党を撃退する技を持ち合わせてはいません。
ひたすら逃げ続けるという状態が続きます。
しかし、本作の殺し屋はなかなか非情なキャラクターで、無関係な人間をバンバン殺していっちゃう。
うーん、子供が主人公でありながら、相当にシリアス。
顔を見られたから殺す、というパターンから執念へと変わる殺し屋の凄さなんかも見事です。
それにしても大統領暗殺の理由、ある意味驚きの結末。

<見どころ>
中盤、戒厳令が敷かれた街をジギーが幼なじみの元へ向かいます。
この辺りから殺し屋の凄みが出てくるわけですよ。
そして終盤、おじいちゃんが活躍、クライマックスの追跡劇は迫力十分!

<出演者>
子役で売れると、青年期に売れなくなるというのは、よくある話です。
本作のマーク・レスターも然り、19歳で引退してしまいます。
それにしてもうまいんですけどね。
おじいちゃん役は今年亡くなってしまったライオネル・ジェフリーズ。
独特に雰囲気で格好いいんだわ、これが。
姉ピッパーを演じたスーザン・ジョージが、なかなかセクシーでした。

<総評>
子供が主演となれば、大抵はコメディとかに落ち着くかと思いきや、リアルに殺人事件ですから。
イギリス映画独特の雰囲気も悪くないし、結構楽しめますね。

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by syosei7602 | 2010-06-17 23:58 | ミステリ/サスペンス
マインドハンター
d0030824_2133110.jpg『MINDHUNTERS』 アメリカ/2004
監督:レニー・ハーリン
出演:LL・クール・J ジョニー・リー・ミラー キャスリン・モリス
ヴァル・キルマー クリスチャン・スレイター パトリシア・ヴェラスケス
クリフトン・コリンズ・Jr アイオン・ベイリー ウィル・ケンプ



公開時コピー
読み解く(プロファイル)のが先か―、
ハメられるのが先か―


無人島で孤立したFBI心理分析官訓練生が次々と連続殺人に見舞われる、密室型のサイコサスペンス。
監督は「エクソシスト ビギニング」のレニー・ハーリン。
出演は「ダウト」のLL・クール・J、「イーオン・フラックス」のジョニー・リー・ミラー、「マイノリティ・リポート」のキャスリン・モリス、「バッド・ルーテナント」のヴァル・キルマー、「インビジブル2」のクリスチャン・スレイター、「ハムナプトラ2/黄金のピラミッド」のパトリシア・ヴェラスケス、「アドレナリン:ハイ・ボルテージ」のクリフトン・コリンズ・Jr、「センターステージ」のアイオン・ベイリー、「ヴァン・ヘルシング」のウィル・ケンプ。

<あらすじ>
d0030824_213378.jpgFBI心理分析官の候補生として最終訓練を受けることになったサラ(キャスリン・モリス)を含む7人。
教官ハリス(ヴァル・キルマー)は、試験のオブザーバーとしてフィラデルフィア市警殺人課のゲイブ(LL・クール・J)を伴い、最終訓練地として軍が使用しているノースカロライナ沖にある無人島に7人を連れてくる。
その島は市街戦を想定した訓練施設のため、街が残り、設備も充実していた。
1年間のうち、週末だけハリスが特別に借りているため、週明けに残るのは7人とゲイブ以外に人はいない。
ハリスはこの街で起きる連続殺人事件の犯人をプロファイルし、正体を暴けと言い残して去っていく。
しかし、サラはビンス(クリフトン・コリンズ・Jr)から、ハリスの評価表をこっそり見たと言われ、自分とサラが心d0030824_2134375.jpg理分析官に向いていないという判定がされていることを聞かされ、気落ちしていた。
翌朝、サラはバスルームでつり下げられた猫の死体を見つけて驚く。
猫の口には、針が止まった時計がくわえられていた。
皆はハリスの悪いジョークだと思うが、街を捜索した彼らを悲劇が襲う。

<作品解説>
孤立無援状態による連続殺人、疑心暗鬼による内輪もめなど、かなり使い古された題材です。
いわゆるクローズド・サークル設定で、元ネタはアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」でしょう。
もっとも、本作に限ったことではありませんが…。
また、監督のレニー・ハーリンといえば「ダイ・ハード2」「クリフ・ハンガー」で一躍名を知らしめて、ヒットメーカーになると思いきや、「ディープ・ブルー」のような傑作B級を撮ったりして、よくわからんですね。
個人的にはこの人のちょっと軽い感じが好きですけど。
さて、本作のストーリーは、主人公達がプロファイラーの訓練生という、いわばセミプロレベルという下敷きがあり、そんな彼らを上回る連続殺人鬼を突き止めるというもの。
彼らの描き方は「羊たちの沈黙」のクラリスとはだいぶ異なっていて、訓練が足りないんじゃないかと思ったりしますが、そこは我慢。
なかなか凝ったトラップが面白く、主人公達の心理戦というよりは観客に推理させるタイプの作品ですね。
犯人については、意外と早くわかっちゃいましたが、それでも十分に楽しめます。
それにしても出演者がねぇ、ニヤリとさせられますよ。

<見どころ>
序盤、最初の被害者が…。
そこからはとんとん拍子にストーリーが進んで飽きません。
ラストの対決は名シーン!

<出演者>
俳優陣にハズレがない。
LL・クール・Jはハーリン作品ではお馴染み。
クリスチャン・スレイターとヴァル・キルマーの意外な役どころ、ヒロインであるサラを演じたキャスリン・モリスなんて、うまいキャスティングだなぁ。

<総評>
「ソウ」シリーズほどえげつない感じもしませんし、作品レベルでいえば「“アイデンティティー”」辺りが似たような感じかも。
ハーリン監督は「ディープ・ブルー」でも驚かされたけど、すっかりB級マスターになってます(笑)。
意外な拾いもの作品ってところですね。
オススメです。

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by syosei7602 | 2010-06-16 23:59 | ミステリ/サスペンス
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
d0030824_0472479.jpg『MILLENNIUM : THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO』
スウェーデン・デンマーク・ドイツ/2009
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
出演:ミカエル・ニクヴィスト ノオミ・ラパス
スヴェン=ベルティル・タウベ イングヴァル・ヒルドヴァル
レナ・エンドレ ステファン・サウク ビヨルン・グラナート
ペーター・ハーバー マーリカ・ラーゲルクランツ

公開時コピー
彼女だけが知っている

公開前に急逝したスティーグ・ラーソン原作の大ベストセラー、「ミレニアム」3部作の1作目の映画化。
監督はTV作品などで活躍し、2度のエミー賞を獲得したニールス・アルデン・オプレヴ。
出演は「彼女だけが知っている」のミカエル・ニクヴィスト、「Daisy Diamond」のノオミ・ラパス、「鷲は舞いおりた」のスヴェン=ベルティル・タウベ、「刑事マルティン・ベック」のイングヴァル・ヒルドヴァル、「不実の愛、かくも燃え」のレナ・エンドレなど。

<あらすじ>
d0030824_0473118.jpg社会派月刊誌「ミレニアム」の編集者であるミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)は、大物実業家ヴェンネルストレム(ステファン・サウク)の名誉毀損の罪で有罪判決を受け、半年後に禁固刑3ヶ月で服役することに。
「ミレニアム」の信用が一気にがた落ちした為、ミカエルは当分の間編集から離れることになる。
そんな折り、大財閥ヴァンゲル・グループの会長であるヘンリック(スヴェン=ベルティル・タウベ)に呼ばれ、ストックホルムよりも北にある橋一本で繋がれた町ヘーデスタへ向かう。
ヘンリックの話とは、約40年前、我が子の様にかわいがっていた当時16歳の姪ハリエットが失踪した未解決事件の調査だった。
収監されるまでの半年間で調査を請け負うことにしたミカエルだったが、40年間調査を続けても何も判らなかった未解決事件に、早々に行き詰まってしまう。
その頃、ヘンリックの依頼でミカエルの身辺調査と能力を調べていた調査会社の調査員で天才ハッカーのリスベット(ノオミ・ラパス)は、調査終了後もミカエルのパソコンをハッキングして動向を調べていた。
d0030824_0473830.jpgそして、ミカエルの調査データを見るうちに事件の重要なヒントに気がつき、思わずメールをしてしまう。
自らのパソコンがハッキングされたことを知ったミカエルは、リスベットを探し出し、事件の調査協力を依頼する。
かくして2人は、ハリエット失踪事件の謎を追うことになるが、そこには意外な事実が待ち受けていた。

<作品解説>
前3部作として、日本でもベストセラーとなった「ミレニアム」3部作。すでに、映画化も残り2部も製作されており、公開を待つのみとなっています。
残念ながら作者のスティーグ・ラーソンは、50歳という若さで亡くなってしまいました。
本作の大ヒットした要因は、主人公の1人であるリスベットの容姿にあります。
鼻と耳に大量のピアス、黒々としたアイシャドウ、背中一面に描かれたドラゴン・タトゥー、そして類い希なる記憶能力とハッキング能力と壮絶な過去が彩られ、異色ともいえるヒロイン像を描き出しています。
一方で、もう1人の主人公であるミカエルは調査能力に優れているものの、見た目は普通の中年。
この何とも奇妙な組み合わせが絶妙なバランスとなっていますね。
さて、物語は主人公のミカエルがいきなり裁判で負けるところから始まります。
名誉毀損で罰金と禁固3ヶ月というのは結構厳しいですが、収監が半年後というリミットが設けられています。
その半年の間で、40年前の失踪事件を調査しろという無茶ぶり。
この40年という時間により、出来なかったことが出来るようになり、それが調査を進めるきっかけとして描かれるのはうまい展開ですね。
例えば、ネガをスキャンして写真を解析したり、人物の行方をネットで追ったりするところに、調査方法の進化が見て取れます。
主人公2人の関係ですが、リスベットは精神的に不安定な立場を覗かせたり、バイセクシャルであるシーンなど、セックスに絡めたシーンが非常に多い。
本作で物議を醸し出したのは、原作にほぼ忠実といえる暴行シーンですが、これがないとリスベットというキャラクターが成立しません。
これとは逆に、リスベットとミカエルの関係が進む場面はあっさりしつつ、なかなかの名場面となっています。
150分超の長尺ですが、気を抜けない展開が多く、緊張感溢れる良作といえるでしょう。

<見どころ>
主人公リスベットの容姿が凄いですが、彼女が地下鉄でチンピラとやりあうシーンや、復讐シーンは迫力ありますね。
謎が紐解ける瞬間の緊張感もまた良し。

<出演者>
北欧の俳優はほとんど知らないのですが、主人公ミカエルを演じたミカエル・ニクヴィストは、優しい面立ちのうまい人です。
リスベット役のノオミ・ラパスは、原作に入れ込んでタトゥー以外は全て本物だそうです。
DVDにインタビューがありますが、実際はとても綺麗な女優で、リスベットとは真逆の雰囲気で驚きです。

<総評>
3部作ということで、続編が待ち遠しいですね。
作品全体のイメージとしては、「羊たちの沈黙」にも似ています。
ミステリーとして、大きな動きがあるわけじゃなく、どんでん返しというわけでもない。
ただ、物語の構成がしっかりと地に足を付けているので、安心して見られます。
ラストは若干蛇足かと思いましたけどね。
暴力的なシーンが苦手な人は目をつぶってましょう…それにしても、俳優も役名も舌を噛みそうな名前が多いなぁ。

<関連作品>
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (3部作・1作目)
ミレニアム2 火と戯れる女 (3部作・2作目)
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 (3部作・3作目)

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by syosei7602 | 2010-06-15 23:55 | ミステリ/サスペンス
半落ち
d0030824_157940.jpg『半落ち』 日本/2003
監督:佐々部清
出演:寺尾聰 柴田恭兵 原田美枝子 吉岡秀隆 鶴田真由
伊原剛志 國村隼 高島礼子 奈良岡朋子 樹木希林
嶋田久作 斉藤洋介 中村育二 豊原功補 西田敏行
受賞:日本アカデミー賞/作品賞・主演男優賞(2004)


公開時コピー
男はなぜ、最愛の妻を殺したのか―
男はなぜ、あと1年だけ、生きる決心をしたのか―?


2002年に各ミステリー年間ランキングで1位を総なめにした横山秀夫の同名原作の映画化。
監督は「夕凪の街 桜の国」の佐々部清。
出演は「さまよう刃」の寺尾聰、「ハゲタカ」の柴田恭兵、「てぃだかんかん~海とサンゴと小さな奇跡~」の原田美枝子、「ゴールデンスランバー」の吉岡秀隆、「ねこタクシー」の鶴田真由、「なくもんか」の伊原剛志、「ダーリンは外国人」の國村隼など。
主題歌は森山直太朗。

<あらすじ>
d0030824_1571827.jpg県警捜査一課の志木警視(柴田恭兵)は、連続婦女暴行事件を捜査を担当していた。その日、遂に容疑者宅への捜査と確保に向かうが、容疑者は農薬を飲んで意識不明の重体となる。
現場に駆けつける途中、上層部から連絡が入る。
それは、元捜査一課警部の梶(寺尾聰)が、妻(原田美枝子)を殺害したとして出頭してきた為、取調をしろという命令だった。
梶は3日前にアルツハイマーとなった妻に懇願され、扼殺したと自供する。
素直に取調に応じる梶だったが、出頭するまでの2日間、どこにいたかを頑なに拒み続けていた。
一見、簡単な事件に思えたが、完落ちせず、半落ちのまま黙り込む梶に手を焼く県警。
d0030824_1572669.jpg浮上暴行事件の容疑者が自殺を図った落ち度と、元警官による殺人に窮地に立たされたのだ。
上層部は、2日間の行動に拘る志木を無視し、調書をねつ造して事件の幕引きを図る。
しかし、地方検察庁三席検事、佐瀬(伊原剛志)は、調書がねつ造であることを見抜き、警察内部の捜査を進めようとしていた。

<作品解説>
横山秀夫作品は詳細な取材などに基づいて書かれているらしく、そのディテールについては映画作品としても有効です。本作は直木賞候補に挙がったものの、選考段階で結末について異論が付いたために落選しました(もっとも、結末の判断については選考委員側の思い込みによるミスであることが判明し、横山秀夫は直木賞と訣別宣言している)。
作品のテーマはずっしりと重く、嘱託殺人とその動機、犯人の謎の行動、県警の思惑などが絡み合う社会派サスペンスとして非常に緻密です。
さて、本作はその重いテーマの中で、警察用語である「半落ち」という言葉を軸に展開していきます。
事件を担当することになった志木、検察の佐瀬、事件を追う新聞記者、梶を弁護する弁護士など、何人かの人物による視点で進んでいくわけです。
全体の流れとして、先述した人物達の順に流れては行くのですが、唐突に視点が変わるのが残念。
恐らく、原作では個々の人物の背景がきっちりと書かれているとは思うのですが、今ひとつ判断しかねる展開が広がっていきます。
されど、そこは原作の力故か、ストーリーとしての破綻は見られません。
あるとすれば、話が流れていくというだけで、ミステリー要素が弱まってしまったところでしょうか。

<見どころ>
淡々とした流れなのですが、クライマックスの裁判シーンは泣けてきます。
ただ、このシーンも少し残念な部分もあるんですが…。

<出演者>
すっかり悲壮感漂う役柄が似合ってしまった寺尾聰。
西部警察の時は格好良かったのになぁ。
柴田恭兵ってそれほど映画に出ていない印象ですが、この人の演技も変化がないのが残念。
卓越したうまさを見せたのが樹木希林ですね。
一番残念なのが吉岡秀隆。
裁判シーンで彼だけがミスマッチでした。

<総評>
評価としてはかなり分かれるようですが、素直に見るとやはり感動します。
半落ちという状況で揺れる県警の慌て振りや、事件に乗っかろうとする記者、弁護士など様々な思惑がきちんと描かれていますが、登場人物達の中途半端な過去の語り口は些か蛇足だった気がしますね。
しかし、秀作であることには変わりないので、まだ見ていない人は是非。

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by syosei7602 | 2010-06-08 23:59 | ミステリ/サスペンス
72時間
d0030824_0124825.jpg『EMMETT'S MARK』 アメリカ/2002
監督:キース・シュナイダー
出演:ティム・ロス スコット・ウルフ ガブリエル・バーン
カンディ・アレクサンダー サラ・クラーク ウェイン・デュヴァル
ベンジャミン・ジョン・パリロ



俳優として活動しているキース・シュナイダーによるサスペンス。
初監督作品となるが、以降の監督作は無い。
出演は「インクレディブル・ハルク」のティム・ロス、「白い嵐」のスコット・ウルッフ、「アサルト13 要塞警察」のガブリエル・バーン、TVドラマ「CSI:マイアミ」のカンディ・アレクサンダー、TVドラマ「24」のサラ・クラークなど。

<あらすじ>
d0030824_0125618.jpgフィラデルフィア警察殺人課のエメット(スコット・ウルフ)は、医師から白血病で余命幾ばくもないと告げられる。両親は既に他界し、恋人とも別れたばかりのエメットには仕事しか残っておらず、それすらも全うできないと絶望していた。
彼が追っている事件は誘拐による婦女暴行殺人事件で、犯人の目星は未だについていなかった。
ある夜、カフェでジャック(ガブリエル・バーン)という男から話しかけられる。
ジャックは元FBIだと言い、エメットの話を真摯に聞き、ある提案をする。
それは、病気で死ぬことよりもある日突然、誰かに殺して貰えば苦しまない、というものだった。
エメットは悩んだ末に親の遺産を使って、ジャックに殺し屋(ティム・ロス)を手配してもらうことにする。
d0030824_013239.jpg事件解決の糸口を掴みたいエメットは、3日の猶予を持たせ必死で事件を追うが、第2の誘拐事件が起きてしまい、さらに彼の病気は誤診だった。
ジャックへの連絡先を捨ててしまったエメットは、事件を追いながら依頼をキャンセルするために奔走するが…。


<作品解説>
ビデオスルーとなった未公開の作品です。72時間というタイトル、安易な邦題ですね…まあ、わからないでもないけど。
監督のキース・シュナイダーは本作を手がけて以来、次作がありません。
デビュー作にしては小粒過ぎたのかもしれませんね。
さて、物語は白血病と誤診された刑事が自らの殺人を依頼したことから始まります。
病院に入って苦しむよりも、あっさり死にたいという思いから、偶然知り合った胡散臭い男に大金を払って殺し屋を雇うわけです。
この殺し屋というのが、見事なまでの社会不適合者ながら、元警官という経歴の持ち主。
部屋は汚いけど、なぜかバーで女性に声を掛けられるという、なんだかよくわからない人物です。
要するに、この殺し屋には全く持って一貫性がない生活を送っているわけで、それが不気味。
一方、主人公であるエメットは自分の仕事に熱心ながら、なぜか微妙に突っ走る感じの若手刑事。
うーん、こういう作品だとやっぱり悪役に存在感がありますね。
ただ、全体的に重苦しい映像が過ぎたのか、先読み出来ちゃう展開です。
されど、俳優陣がなかなか好演していて、わかっていても緊張感があるのはなかなかのもの。
ラストを回収しきれなかったのは、残念過ぎます。

<見どころ>
ティム・ロス演じる殺し屋が淡々と準備を進めていくのですが、短いながらもちょっと怖い。
これって「ジャッカルの日」のジャッカルを連想させます。
クライマックスの緊迫感は見事でした。

<出演者>
名優ティム・ロスの演技は見事です。
私生活では冴えない男、しかし殺し屋として雇われながら、苦悩するどころか冷めた目でエメットを追うシーンがいい。
主人公エメットを演じたのはスコット・ウルフ。どこかマイケル・J・フォックスを彷彿とさせる男前です。
ガブリエル・バーンの胡散臭い感じが好きです(笑)。

<総評>
サスペンスとしてはB級です。
結末は予想ついてしまうし、ストーリーの流れも中途半端感は否めません。
されど、出演者達がそれぞれ好演しちゃっているだけに、駄作とも言えない…。
脚本があと少し練られていれば、意外な傑作になったでしょう。
ティム・ロスが好きならオススメ。

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by syosei7602 | 2010-05-31 23:59 | ミステリ/サスペンス
チェイサー
d0030824_142432.jpg『THE CHASER』 韓国/2008
監督:ナ・ホンジン
出演:キム・ユンソク ハ・ジョンウ ソ・ヨンヒ チョン・インギ
パク・ヒョジュ キム・ユジョン ク・ヌボン
受賞:大鐘賞映画祭/最優秀作品賞・監督賞他多数(2008)



公開時コピー
本年度最大の衝撃!
漆黒の闇を疾走する
戦慄のクライム・サスペンスの傑作、誕生。


2004年に韓国で起きた連続殺人事件をベースにした、クライムサスペンス。
様々な映画祭で絶賛され、韓国アカデミー賞で主要な賞を総ナメにした。
監督は本作が長編デビューとなるナ・ホンジン。
出演は「美しき野獣」のキム・ユンソク、「ノーボーイズ,ノークライ」のハ・ジョンウ、「連理の枝」のソ・ヨンヒ、「クロッシング」のチョ・インギなど。

<あらすじ>
d0030824_1425146.jpgデリヘル経営者の元刑事ジュンホ(キム・ユンソク)。多少荒っぽいことも厭わず、店で働く女性からは決して好かれていない。
ある夜、ジュンホは自分の車が乗り捨てられているのを見つける。それはかなり前に、店から逃げ出したと思っていた女性が使っていたものだった。悪態をつきながら店に戻るものの、既に2人もどこかに消えてしまい、店の経営は芳しくない。さらに、客とのトラブルから、また1人辞めて入ってしまう。
子分(ク・ヌボン)からは、客に送る女性が誰もいないと連絡を受ける始末。
ジュンホは、風邪で寝込んでいるというミジン(ソ・ヨンヒ)を無理矢理、客の元に向かわせるが、その客は失踪した女性の最後の客だったことを突き止める。
ミジンに客の住所をメールするように言い、待機するジュンホ。しかし、いくら待ってもミジンからの連絡は来なかった。たまりかねたジュンホは、車で探し回った挙げ句、若い男が運転する車とぶつかってしまう。
しかし、男の服に血が付いていることを不審に思ったジュンホは、d0030824_1425925.jpgその男がミジンをどこかに連れて行った張本人だと気がつく。
激しい追跡と格闘の上、男を捕まえたジュンホだったが事故現場を放置した挙げ句、喧嘩をしたことで警察に連行されてしまう。
男の名前はヨンミン(ハ・ジョンウ)と言い、連れて行かれた警察署で思わぬ告白をするが…。


<作品解説>
この手のアクが強いサイコサスペンス作品、韓国の十八番というか、とにかく国柄が出ていると思ってしまいます。「殺人の追憶」や「オールド・ボーイ」などなど…そして本作も例に漏れず、傑作ともいえる出来映え。
本作のベースになった事件は、2004年の連続殺人事件です。
犯人はユ・ヨンチョルという男で、21人の殺害を自供、後に31人と供述を変えたという、まさしく殺人鬼で当然のことながら死刑を宣告されました。
この事件を解決に導いたのは警察ではなく、本作のように風俗店の店長と店員だったとか。
いずれにしても、リアリティという面ではベースがある分、しっかりとしています。
さて、本作は強引な経営をする元刑事の肩書きを持つデリヘル店長ジュンホが主人公です。
雇っている女性の携帯電話には「ゴミ」と登録され、多少強引なこともしてしまうという、元刑事ならではの修羅場をくぐり抜けてきた男。
対するは、一見優男ながら殺人の狂気に駆られたヨンミン。
中盤までジュンホはかなり鬱陶しい男です。とにかく怒鳴ったり殴ったりと騒がしく、警察を騙ったりします。
頭の中にあるのは、女性達に払った手付け金。
女性達の失踪はどこかの男に売られてしまったと思い、ひたすら行方を探ります。
意外な展開はここからで、犯人であるヨンミンはアッサリと捕まって警察に拘留。されど、殺人をしたと言うだけで、被害者の居場所を全く言わない。
恐ろしいことに、ヨンミンには殺人でしかアイデンティティーを確立できないわけです。
ジュンホが追うのは、ヨンミンの行動であり、住処であり、過去であり、そして連れ去られた女性ミジン。
そして警察自体がとことん無能なのですが、実はこの展開も基になった事件で生じた出来事だそうです。
タイトルの「チェイサー」は、事件だけではなく、事件に関わる様々なものを追い、ラストのなんともいえない集約点を演出します。

<見どころ>
とにかく色んなものを追うジュンホですが、印象に残ったのがひとつ。
ラブホテルの前で子供を車に残し、デリヘル嬢と会話するシーンは、ジュンホの決意を物語る上で重要なポイントです。

<出演者>
主演のキム・ユンソクは、「殺人の追憶」のソン・ガンホに負けないほどの気迫で演じています。
各賞で主演男優賞に輝いたそうですが、納得の演技。
殺人鬼ヨンミン役のハ・ジョンウも然り。韓流などという男前とは少し違い、狂気に満ちたヨンミンを熱演していました。
監禁されたミジンを演じたのはソ・ヨンヒ。なかなかの美人ながら、血まみれの演技が凄まじかった。
子役のキム・ユジョンも良かったですね。

<総評>
韓国映画のダーティさとバイオレンス描写は、何度見ても圧倒されます。
監督のナ・ホンジンは本作がデビュー作ですが、スピード感溢れる演出は見事でした。
レオナルド・ディカプリオによってリメイク権が獲得されましたが、本作のような泥臭さは消えてしまう気がします。
全体的に見れば、大きなひねりはありませんが、緊張感溢れるクライマックスなど見どころは十分です。

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by syosei7602 | 2010-05-26 23:46 | ミステリ/サスペンス
グリーン・ゾーン
d0030824_1465521.jpg『GREEN ZONE』 フランス・アメリカ・イギリス・スペイン/2010
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン グレッグ・キニア ブレンダン・グリーソン
エイミー・ライアン ハリド・アブダラ ジェイソン・アイザックス
イガル・ノール



公開時コピー
グリーン・ゾーン──。そこは、偽りに支配された安全地帯。

「ボーン・スプレマシー」などボーンシリーズ3作でヒットを飛ばしたポール・グリーングラス監督と、主演のマット・デイモンが再びタッグを組み、イラク戦争後の大量破壊兵器の存在を追ったアクションサスペンス。
出演は「ボーン」シリーズのマット・デイモン、「リトル・ミス・サンシャイン」のグレッグ・キニア、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のブレンダン・グリーソン、ジェイソン・アイザックス、「チェンジリング」のエイミー・ライアン、「君のためなら千回でも」のハリド・アブダラなど。

<あらすじ>
d0030824_147826.jpg2003年、フセイン政権が陥落したイラク。アメリカ軍は戦争の引き金となったイラクが持っているとされる大量破壊兵器の行方を追っていた。
米陸軍のロイ・ミラー(マット・デイモン)と彼の部隊は、大量破壊兵器捜索の任務に就き、未だに戦闘が激しいイラク内をあちこちと動き回るものの、一向に成果は挙がらない。
ミラーは、上層部からの情報そのものの信憑性を疑いはじめ、上官に相談するものの相手にされなかった。
情報源は、国防総省情報局クラーク・パウンドストーン(グレッグ・キニア)が、イラクの重要人物から得たものだとされ、ミラー達はただ命令に従うほか無い。
そして、次の捜索場所への指令が下り、ミラー達は再び無意味な捜索を続けていた。
d0030824_1471675.jpgそんな彼らの元にフレディ(ハリド・アブダラ)と名乗るイラク人が、ある情報をもってやってくる。
彼は近くでフセインの側近だった高官達が会合を開いていると伝えに来たのだ。
無意味な捜索に嫌気がさしていたミラーは、部隊を率いて会合場所を襲撃する。そこでミラーは大量破壊兵器に纏わる重要な情報を手にするが…。

<作品解説>
大ヒットを飛ばした「ボーン」シリーズ3部作の監督・主演コンビ。非常に相性がいいのか、本作も十二分に楽しめる出来となっていました。
ポール・グリーングラス監督といえば「ユナイテッド93」など、実在の事件などを扱ったドキュメンタリータッチな手法が得意で、本作にも遺憾なく発揮されています。
特に手持ちカメラによる撮影は、滅茶苦茶なブレがあるものの、それを大胆にも使ってスピード感を出しています。社会派かつリアル思考な作品と言えますね。
さて、イラク戦争の顛末はご存じの通り、あるとされていた大量破壊兵器は見つからず、単純にフセイン政権を倒して、イラクそのものを混沌へと導いたに過ぎません。
主人公ミラー准尉は、自らが大量破壊兵器の捜索を担当している当事者そのものであり、司令部からの「正確な情報」と言われるものに振り回されます。
無いものは見つかるはずもなく、正確な情報が一体どこから発信されたのか、そして大量破壊兵器存在の根拠とは?…サスペンスとしては良くできており、何よりもミラーがただの一兵卒であるところがおもしろい(イラク戦争後の後始末は結局CIAが被りますが、そこに至るまでの経緯を知っておくとよく分かります)。
また、作中ではアメリカ軍による横暴な行為、本作のタイトルでもあるグリーン・ゾーンにおける描写は、軍事介入を行ったアメリカ自身の欺瞞を見事に描き出しています。
作品全体としては、主人公を演じるのがマット・デイモンなだけに「ボーン」シリーズを彷彿とさせますが、雰囲気そのもはがらりと変わっているので、違和感はありません。
全体的にテンポが良く、非常に見やすい作品です。

<見どころ>
緊張感溢れるシーンが続出。
特にクライマックスは見事すぎて、目が離せません。
手ぶれはすごいですけどね。

<出演者>
マット・デイモンは相変わらずうまいですね。
本作では笑顔すら浮かべず、徹底してシリアスな役柄を演じきっています。
いまいち、主人公の背景が判りづらかったので、ちょっと勿体なかった。
パウンドストーン役のグレッグ・キニアはふてぶてしい感じがいい。
キーマンとなったブラウン役のブレンダン・グリーソンは、もう少し活躍してほしかったところ。
エイミー・ライアンは、男臭い作品をすこーしだけ和らげてくれました。

<総評>
非常に小気味よくまとまっています。
それだけに面白みかける気がしますが、全編通しての緊張感はグリーングラス監督ならでは。
最近になって、ようやく中東絡みの映画が増えてきましたが、やっぱりイラク戦争は色んな意味で、触れちゃいけない領域だったのかもしれません。
アクションシーンも多く、サスペンスとしても楽しめます。
ただし、テーマがテーマなだけに好きな人にだけオススメですね。

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by syosei7602 | 2010-05-14 23:46 | ミステリ/サスペンス
母なる証明
d0030824_1595055.jpg『MOTHER』 韓国/2009
監督:ポン・ジュノ
出演:キム・ヘジャ ウォンビン チン・グ ユン・ジェムン
チョン・ミソン ムン・ヘラ




公開時コピー
殺人事件の容疑者となった息子を救うため、
真犯人を追う母親の姿を極限まで描く、
ヒューマン・ミステリー
永遠に失われることのない母と子の絆。
すべての“謎”の先に“人間の真実”が明かされる。


「殺人の追憶」「グエムル -漢江の怪物-」の鬼才、ポン・ジュノ監督によるミステリー作品。
出演は「晩秋」のキム・ヘジャ、「ブラザーフッド」のウォンビン、「甘い人生」のチン・グ、「ユア・マイ・サンシャイン」のユン・ジェムン、「八月のクリスマス」のチョン・ミソンなど。

<あらすじ>
d0030824_20016.jpgとある寒村の漢方薬店で働く母親(キム・ヘジャ)は、道路で友人のジンテ(チン・グ)と時間を潰す息子トジュン(ウォンビン)を見ていた。トジュンは知的障害を持ち、いつも物忘れが激しい。
その時、突然ベンツがトジュンをはねて走り去っていく。驚いて慌てる母親をよそに、トジュンはジンテと共にベンツを追ってゴルフ場へと向かっていった。
そして、ベンツの持ち主を捜し出して大ゲンカをした後、持ち主達と共に警察へと連行されてしまう。
駐車場にあったベンツを壊したのはジンテだったが、トジュンは拾ったゴルフボールに名前を書いて遊び、何も思い出せず弁償金を払うことになる。そんなトジュンに、母親はジンテと会わないように言うが、彼は耳を貸さなかった。
その夜、トジュンはジンテと会いに行くと言って出て行き、飲み屋で酔いつぶれてしまう。
夜道で見かけた女子高生に声を掛けるが石を投げつけられたトジュンは慌てて家へと帰るのだった。
次の朝、女子高生が空き家の屋上から半身を投げ出して死んでいるのが見つかり、遺体の側からトジュンが持っていたゴルフボールが見つかる。
d0030824_20837.jpg警察はその女子高生ムン・アジョン(ムン・ヘラ)を殺した罪でトジュンを逮捕。何も思い出せないトジュンは、言われるがままに自白調書に拇印を押してしまうのだった。
息子の無実を信じる母親は、耳を貸さない警察や弁護士に頼らず、自ら犯人捜しに乗り出す。


<作品解説>
ポン・ジュノ監督作品を見る度に思うのですが、とにかく「圧倒」されてしまいます。
傑作「殺人の追憶」でもブラックな雰囲気の中に鏤められたユーモア、そして思わず主人公に同化してしまうかのようなストーリーが展開しましたが、本作もそれに負けず劣らず、素晴らしい作品となっています。
なんといっても本作は母親もといおばさんが主人公にも関わらず、おばさん目線で物語を追ってしまう…こんな作品を撮れるポン・ジュノ監督の頭の中はどうなっているんですかね。
さて、知的障害の青年トジュンと彼を溺愛する母親のやばいくらいの親子愛が描かれていきます。
というか、母親のほぼ一方的な過保護ともいうべき偏愛なわけですが、息子が殺人をするわけがないと信じて奔走します。
肝心なことをよく忘れてしまうトジュン、「CSI」を参考にして現場検証する田舎警察、都合の悪いことを押しつけるトジュンの友人ジンテ…とにかくアクの強い登場人物達が母親を惑わせます。
それでもひたすらに捜査を続ける母親、彼女もまた濃い人物でして、色んなものをかなぐり捨てていきます。
観客はいつしか母親の感情に同化し、真犯人を見つけるまでの緊張感が徐々に高まっていくのです。
ただし、本作における欠点があるとすれば、「殺人事件」という材料が母親の愛情証明の手段となってしまったこと。もちろん、これは間違ってはいませんが、「加害者の家族」という客観的な視点からすれば勿体ない。
また、一点だけ辻褄の合わないところがあったような気がします。

<見どころ>
中盤に、母親とジンテの会話があります。
このシーンは恐らく観客にとっても「なるほど」と思わせるところ。
ラストはブラック感に満ちていますね。

<出演者>
母親を演じたキム・ヘジャの演技は圧巻。
「母親」というキャラクターを強烈に見せてくれます。
トジュン役は兵役を終えて復帰したウォンビン。ポン・ジュノ作品の中では異彩を放つ男前かと思いきや、この人はうまいですね。
そして、本作でも強烈な印象を放つのがジンテ役のチン・グ。
淡々と毒を吐くジンテを好演していました。

<総評>
2009年度の作品の中でも評価の高かった本作、見れば納得。
個人的には「殺人の追憶」の方が好みですけどね。
しかし、これがオリジナル脚本というところに凄さを感じます。
韓国の寒村は日本人から見れば実に独特の雰囲気。寒々しい空気の中に吹き込まれたミステリーは、否応なく緊張を高めます。
オススメです。

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by syosei7602 | 2010-05-10 23:59 | ミステリ/サスペンス
劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
d0030824_147298.jpg『TRICK 3』 日本/2010
監督:堤幸彦
出演:仲間由紀恵 阿部寛 生瀬勝久 野際陽子 松平健 佐藤健
夏帆 藤木直人 片瀬那奈 戸田恵子 平泉成 池田鉄洋
三浦理恵子 大島蓉子 瀬戸陽一朗



公開時コピー
霊能力、出血大サービス!
まるっとお見通せない謎!!


深夜枠から人気を博したテレビシリーズ「トリック」の劇場版第3弾。
監督は同シリーズを手がけた「20世紀少年」の堤幸彦。
出演は同シリーズでお馴染みの仲間由紀恵、阿部寛、生瀬勝久、野際陽子に加え、「クジラ 極道の食卓」の松平健、「ROOKIES -卒業-」の佐藤健、「うた魂(たま)♪」の夏帆、「20世紀少年<最終章> ぼくらの旗」の藤木直人、片瀬那奈、「60歳のラブレター」の戸田恵子、「ジェネラル・ルージュの凱旋」の平泉成など。
主題歌は熊谷育美。

<あらすじ>
d0030824_1473853.jpg日本科学技術大学の天才物理学者・上田(阿部寛)の元に、万練村という寒村から中森(佐藤健)という青年がある依頼をしにやってくる。
万練村には、災厄から守ってきたカミハエーリという霊能力者がいたが先日亡くなり、100日以内に後継者を決めなければならなかった。その方法は、全国から霊能者を集めて戦わせるという風習で、中森もその後継者の1人だった。しかし、彼はカミハエーリであった祖母からマジックを習って村人を騙していた罪悪感から、霊能力者などいないということを上田に証明して欲しいと頼みに来たのだ。
同じ頃、相も変わらずステージをクビになった奈緒子(仲間由紀恵)は、興行主からカミハエーリ選定の話をd0030824_1474857.jpg聞き、財宝目当てに村へと向かうことを決める。
そんな奈緒子を、上田は商店街の福引きで温泉旅行が当たったと偽って万練村へと連れて行こうとするが、財宝に目が眩む奈緒子は断り、1人村へと向かうのだった。
その道中、バスの中で突然苦しんで倒れた男を、乗り合わせた男が苦もなく治してしまうのを目の当たりにする。

<作品解説>
なにげに10周年を達成した「トリック」シリーズ。今年は、スピンオフであるテレビドラマ「警部補・矢部謙三」やテレビスペシャルが控えるという人気ぶり。
真面目におバカをやってくれる本シリーズは結構好きで、というか全部見ています。
本作はシリーズのスタイルである「霊能力者=トリック=マジック」という路線をストレートに突っ走った物語になるのですが、結論から言えば過去2作の映画版よりも断然おもしろい。
というのも、トリックだけでなく、きちんとミステリーとして集約されているからです。
さて、そんな本作ですが相も変わらず自称売れっ子マジシャンで万年金欠の奈緒子とヘタレの天才物理学者・上田のコンビで自称霊能力者達とバトルします。
まあ、奈緒子も霊能力者を騙ってますが、従来の宿敵の中でも群を抜いて強敵となる鈴木玲一郎との対決は見ものですよ。
そして、今回も小ネタ大ネタ満載。
奈緒子が大好きなテレビ番組といえばあれ、そして出演者は!?
さらに仲間由紀恵といえば、あのホラー作品です。
本シリーズでもお馴染みのネタに加え、キャストたちのネタまで映画のネタにしちゃうのはシリーズならではですね。
それにしても矢部さん、相変わらず笑わせてくれるなぁ。

<見どころ>
今回もちょいちょい笑わせてくれるんですが、それ以上にしっかりとストーリーとして成り立っています。
トリックのネタで笑わせてくれるのに付け加え、結構マジメ。
そんな中での見どころは、奈緒子・上田VS鈴木でしょう。

<出演者>
もはや言うことのない仲間由紀恵と阿部寛。
そして生瀬勝久や野際陽子も変わらずで楽しませてくれます。
松平健は既に重鎮の域に達しています…この人自身、元々楽しいことが好きだそうで、笑わせてくれました。
戸田恵子や片瀬那奈がアッサリしすぎたのが勿体ない。
佐藤健、夏帆の若手の頑張りもいいですが、藤木直人がマジメにおもしろかった。

<総評>
やっぱりいつものトリック、楽しい作品です。
パターンとしてはいつもと同じなんですが、今回はシリアスな部分がちゃんとしていたのが良かった。
映画を見た後にパンフレットを買うことをオススメします。
自分でネタを見つけるのも楽しいですが、わかりやすいので。
個人的にはオススメ、従来のファンにも楽しめる出来になっていると思います。
テレビスペシャルが待ち遠しい。

<関連作品>
トリック 劇場版
トリック 劇場版2
劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル (劇場版3作目)

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by syosei7602 | 2010-05-08 23:43 | ミステリ/サスペンス
悪夢のエレベーター
d0030824_541653.jpg『悪夢のエレベーター』 日本/2009
監督:堀部圭亮
出演:内野聖陽 佐津川愛美 モト冬樹 斎藤工 大堀こういち
芦名星 本上まなみ




公開時コピー
この
ウソ、
ホントに
キリが
ない。


木下半太の同名小説を、俳優として活躍する堀部圭亮が初長編作品として監督。
出演は「252 生存者あり」の内野聖陽、「鈍獣」の佐津川愛美、「いけちゃんとぼく」のモト冬樹、「カフェ・ソウル」の斎藤工、「ケータイ刑事(デカ)」シリーズの大堀こういち、「猿ロック THE MOVIE」の芦名星、「デメキング DEMEKING」の本上まなみなど。

<あらすじ>
d0030824_5411460.jpg小川(斎藤工)が目を覚ますと、停止したエレベーターの中だった。同じく閉じ込められていたチンピラ風の安井(内野聖陽)、ジャージ姿の牧原(モト冬木)、ゴスロリの格好をしたカオル(佐津川愛美)がいた。
安井と牧原の話によると、エレベーターが落下した衝撃で頭を打ち、気を失っていたという。
非常電話も通じず、携帯電話は電池切れ、他の3人はそれぞれの事情で携帯電話を持ち合わせていない。
小川は産気づいた妻を迎えに、自宅に戻る途中だった為、焦りはじめるがエレベーターは全く動く気配を見せd0030824_5412116.jpgなかった。
おまけに深夜のマンションのため、完全に外部との連絡が絶たれた状況にある4人。
不信感を抱き合った彼らは、それぞれがマンションに来た目的と自身がやましい人間ではないことの証明に、自らが抱えている秘密を暴露する羽目になるが…。


<作品解説>
本屋で何度か見かけた小説で気になっていた作品です。
監督はお笑いや俳優として活動している堀部圭亮の初長編作品ということで、若干期待しつつも、松本人志の例もあるので、なるべく期待値を抑える方向で見てみました。
まず、総評としてストーリーは面白い、されど監督としてはぎりぎり及第点といったところでしょうか。
もし監督が内田けんじや佐藤祐市だったら…と思わず比較してしまうのですが、どんでん返しありきの作品としては間が悪かったですね。
さて、エレベーターに閉じ込められた4人の人物はそれぞれの事情を抱えています。
深夜のマンションで4人もの人間が偶然乗り合わせるというだけで怪しさ漂う展開なのですが、基本的には密室劇ということで、個性の強い登場人物が出てきます。
なぜかマンションから自宅に帰ろうとする小川、車に携帯電話を忘れたというチンピラっぽい安井、全身緑色のジャージを着た牧原、ゴスロリファッションで口数の少ないカオル。
シチュエーションとキャラクターはOKなのですが、それぞれの回想シーンが今ひとつ、どんでん返しの際にリンクしきれないところが勿体ない。
また、あちこち粗い部分が目立ちましたが、ネタバレになるので記述は控えます。
ただし、ストーリーとしては楽しめます。原作の力といった感じですけどね。

<見どころ>
言うなれば最後、ということになるんでしょうか。

<出演者>
出演陣はなかなかのメンバーです。
内野聖陽はうまいし、モト冬樹も良い感じです。
斎藤工と佐津川愛美についても不足はないでしょう。
なんといっても、大堀こういちの怪しさが目を引きます。

<総評>
まず序盤のシーンがあれほどの長さが必要だったのか疑問です。
この手の映画はある意味、観客に「考えさせない」というテンポが必要だと思うのです。
しかし、本作はどんでん返しの時に「やられた!」と思うよりも「あ、そういうことか」という冷めた目で見ている自分を認識してしまったりして。
恐らく小説ならばOKである部分を、なんとかまとめようとしてしまったと思うのですが、映像化なりのシナリオとして、テンポの良さをもっと詰めて欲しかったですね。

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by syosei7602 | 2010-05-07 23:56 | ミステリ/サスペンス