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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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カテゴリ:戦争/歴史/時代劇( 63 )
レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―
d0030824_142947.jpg『RED CLIFF: PART II』 アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/2008
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン
ヴィッキー・チャオ フー・ジュン 中村獅童 リン・チーリン
ユウ・ヨン ホウ・ヨン バーサンジャプ ザン・ジンシェン
トン・ダーウェイ ソン・ジア チャン・サン


公開時コピー
戦いは赤壁へ。
連合軍は、絶体絶命…激戦は続く。


「M:I-2」のジョン・ウー監督による壮大な戦国活劇のPart2。
本来、1つの作品であったものを長すぎるために2部構成にしたもの。
出演は前作に引き続き、「インファナル・アフェア」シリーズのトニー・レオン、「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」の金城武、「始皇帝暗殺」のチャン・フォンイー、「遠くの空に消えた」のチャン・チェン、「少林サッカー」のヴィッキー・チャオ、「インファナル・アフェア 無間序曲」のフー・ジュン、本作がデビューとなるリン・チーリン、また特別出演として中村獅童。

<あらすじ>
d0030824_1422088.jpg80万の大軍を率いる曹操(チャン・フォンイー)を迎え撃つことになった劉備・孫権連合軍。最初の攻撃を孔明(金城武)と周瑜(トニー・レオン)の策略でなんとか撃退したものの、5万の軍勢で曹操に打ち勝つことは難しかった。
2000隻の船団を率いて赤壁の対岸に陣取った曹操軍だったが、慣れない風土の為、疫病が蔓延してしまう。曹操は、死体を船に乗せて対岸まで押し流し、連合軍にも疫病が流行りはじめる。
劉備(ユウ・ヨン)は自らの軍をわざわざ死地に追いやることを拒み、撤退を決意するのだった。
ただ1人残った孔明だったが、劉備軍の撤退により攻撃するための矢が不足してしまい、周瑜にその責任をd0030824_1423012.jpg問われてしまう。
しかし、孔明は3日で矢を10万本集めると宣言するのだった。
一方、曹操軍に潜入していた尚香(ヴィッキー・チャオ)は一般兵士として、陣地の内情を詳細に書き留めていた。そして偶然、蹴鞠のうまい兵士・孫叔材(トン・ダーウェイ)と仲良くなるが…。

<作品解説>
長編2部作の完結編です。
第1部は戦いが中心だったのに対し、この第2部は主に登場人物たちの心情、駆け引き、そしてヴィッキー・チャオ演じる尚香の淡い恋模様が描かれます。
登場人物は当然、引き継がれており、スケール的に変わることもありません。あくまでも元が1つの作品だったので、若干拍子抜けするかもしれません。
サブタイトルはなんだか…まあ、本編開始前にジョン・ウー監督からのメッセージを受けてのことなんでしょうが、ちょっとねぇ…邦題は少しセンスが無いですね。
さて、本作は第1部の様に冒頭からの戦いはなく、ほとんどが戦略などに費やされます。
これは4倍の軍勢に如何に打ち勝つか?を描く重要なシーンなので、かなり丁寧に描かれています。
冗長的なのは否めませんが、戦略ありきなので仕方ない。
とはいえ、尚香のエピソードは必要だったのかが少し疑問です。確かに、敵軍の兵士と仲良くなってしまうというのは、古典的な手法で「泣きどころ」としては正解…しかし、ちょっと長すぎた気がします。
クライマックスの迫力ある戦いで、それらはとりあえず消化されましたが、もうちょっと短くできたんではないでしょうか。

<見どころ>
これはもうクライマックスの激戦!
いやもう、これは凄い…迫力あります。

<出演者>
基本的には第1部と同じなので、特にないですが、中村獅童が意外に美味しい役…なんかよくわからん存在感(笑)。
尚香と仲良くなる孫叔材を演じたトン・ダーウェイ、結構な見せ場がありました。
エピソード的には必要性が感じないのに、好演してました。

<総評>
やはり1つの作品なんだな、って感じですね。
赤壁手前で切ってしまったのは仕方ないんですが、これって4時間ぶっ続けて見た方が楽しめます。
色々と酷評もされていますが、これだけの規模の作品(しかも中国が舞台)はなかなか作ることはできません。
ジョン・ウー監督独特の演出もたくさんありましたが、エンターティメントとしてはうまくまとまった作品です。

<関連作品>
レッドクリフ Part1
レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―

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by syosei7602 | 2009-05-13 23:54 | 戦争/歴史/時代劇
GOEMON
d0030824_235443.jpg『GOEMON』 日本/2009
監督:紀里谷和明
出演:江口洋介 大沢たかお 広末涼子 ゴリ 要潤 玉山鉄二
チェ・ホンマン 佐藤江梨子 戸田恵梨香 深澤嵐 中村橋之助
寺島進 平幹二朗 伊武雅刀 奥田瑛二



公開時コピー
愛する者のために。

独特の世界観とビジュアルのデビュー作「CASSHERN」の監督、紀里谷和明による2作目。
出演は「闇の子供たち」の江口洋介、「ICHI」の大沢たかお、「おくりびと」の広末涼子、「嫌われ松子の一生」のゴリ、「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」の要潤、「ザ・マジックアワー」の寺島進、「相棒-劇場版-」の平幹二朗、「アフタースクール」の伊武雅刀、「長い散歩」の奥田瑛二など。

<あらすじ>
d0030824_242762.jpg時は豊臣秀吉(奥田瑛二)が天下を治め、貧富の差が広がる時代…天下の大泥棒、石川五右衛門(江口洋介)は、義賊として民衆から絶大な人気を得ていた。
ある時、五右衛門は紀伊国屋の蔵から、大量の小判と共に南蛮の小箱をついでに盗み出す。
ちょうどその頃、秀吉の腹心・石田三成(要潤)が紀伊国屋を訪れ、明智光秀が預けたものを渡すように迫っていた。蔵破りに気が付いた主人と三成はただちに五右衛門を追うが、彼は小判と共に小箱もばらまいてしまうのだった。
盗んだ金で豪遊した五右衛門の元に、何かとd0030824_25968.jpg手助けをしている猿飛佐助(ゴリ)がやってくる。佐助は紀伊国屋にあった小箱を、三成が忍びである霧隠才蔵(大沢たかお)を使って追っていると伝える。小箱が何か気になった五右衛門は、それを拾った貧民街の子供・小平太(深澤嵐)を探し出すが、その前に才蔵が立ち塞がった。

<作品解説>
デビュー作「CASSHERN」で、微妙な批評がされた紀里谷監督の2作目。番宣からして派手な作品になるだろうと予想していましたが、それに違わずとんでもない作品に仕上がっていました。
まだ見ていない人に注意してもらいたいことがいくつか…時代考証(人物設定)を気にしない、映像センスは独特、「映画」というものに自分の固定観念を持っている人にはきびしい…こんなところでしょうか。
全体としては「CASSHERN」と変わらず極彩色で、CGをふんだんに使ったビジュアルは圧巻の一言。特筆すべきはテンポの良さがあげられます。「CASSHERN」の時は本当に眠くなるくらいに緩慢な印象でしたが、今回は演出面も含めて監督が腕をあげたのか、小気味よく進みます。
さて、肝心のストーリーはもはや言うべきもなく、歴史的な大枠だけを使って中身はやりたい放題。アクションとビジュアルに特化しているため、ツッコミを入れるべきではないでしょう。
かなりグロいシーンを入れていますが、これは最低限ってところでしょうか。
ゲームのビジュアルシーンのような展開が多いですが、もしこれを普通にやっていたら「レッドクリフ」のようになってしまうし、むしろ一騎当千の戦いは香港映画には大量にあったりします。
ここまで徹底して監督の趣味全開になると、見ている方もそれに乗っていかないとダメですね。

<見どころ>
五右衛門対才蔵の一騎打ちがいいですね。
ある意味、一時期人気を二分した俳優同士の戦い(笑)
大阪城での戦闘シーンも凄まじいバカさ加減で楽しめます。

<出演者>
江口洋介主演っていうのはどうかな?と思ってたんですが、かなり様になっていました。
対する大沢たかお、「ICHI」よりもかなりいいですね…ただ、後半になると尻すぼみになっている気もしました。
広末涼子演じる茶々は秀吉の側室になりますが、ヒロインとしての役割上、汚れなきってところを強調したかったのか…まあ、言いたいことはわかるけど、きついものがあります。
ゴリは何かにつけて良い味を出してくれますが、ラストがねぇ。

<総評>
今回もかなり評価が分かれるところですが、基本的に映画っていうのは「何でもアリ」です。
映画とはこうあるべきだ!というお約束なんぞどこにもないわけで、そう言う意味では本作はかなりやってくれた気がします。
ただし、シナリオはもう少し詰めるべきですね。
映像的にわかりやすく撮れる展開にしたんだと思いますが、映像に合わせたシナリオという構図が見え隠れしてしまいます。
総じて見る側のセンスと合うかどうか…個人的には好きな作品です。

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by syosei7602 | 2009-05-05 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
レッドクリフ Part I
d0030824_1333832.jpg『RED CLIFF: PART I』 アメリカ・中国・日本・台湾・韓国/2008
監督:ジョン・ウー
出演:トニー・レオン 金城武 チャン・フォンイー チャン・チェン
ヴィッキー・チャオ フー・ジュン 中村獅童 リン・チーリン
ユウ・ヨン ホウ・ヨン バーサンジャプ ザン・ジンシェン
トン・ダーウェイ ソン・ジア チャン・サン


公開時コピー
帝国が、襲ってくる。
信じる心、残っているか。


アクション映画の鬼才「M:I-2」のジョン・ウー監督による壮大な戦国活劇。
「三国志」の有名なエピソード「赤壁の戦い」を、全2部作で描く(ただし、原作は「三国志演義」であるため、正史ではない)。
出演は「インファナル・アフェア」シリーズのトニー・レオン、「K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝」の金城武、「始皇帝暗殺」のチャン・フォンイー、「遠くの空に消えた」のチャン・チェン、「少林サッカー」のヴィッキー・チャオ、「インファナル・アフェア 無間序曲」のフー・ジュン、本作がデビューとなるリン・チーリン、また特別出演として中村獅童。

<あらすじ>
d0030824_1335241.jpg西暦208年、漢のほぼ全権を掌握した魏の曹操(チャン・フォンイー)は、今なお降伏を拒む劉備(ユウ・ヨン)と呉の孫権(チャン・チェン)を、皇帝に逆らう逆賊として征伐に向かう。
その軍団の数、およそ80万。
標的となった劉備軍はわずか2万、民を逃すために防衛線を張り、ほぼ全滅しながらも趙雲(フー・ジュン)、関羽(バーサンジャプ)、張飛(ザン・ジンシェン)の活躍でどうにか逃げ延びる。
劉備の軍師・諸葛亮(金城武)は、呉の孫権(チャン・チェン)と同盟を結んで曹操と戦うことを進言し、自ら使者として呉に向かう。
孫権の政治手腕は確かなものの、老臣達は概ね降伏の意見が多数を占めていた。
説得に時間がかかると考えた諸葛亮は、d0030824_134251.jpg孫権が兄と慕う軍の最高司令官である都督・周瑜(トニー・レオン)から説得することに。
周瑜の軍事訓練とその慈悲深い心を見た諸葛亮、そして諸葛亮の才能を認めた周瑜。
2人は互いに尊敬と信頼を深め、そして曹操軍に立ち向かうことになる。


<作品解説>
本来は1つの作品だったものが、その長さ故に2部作となっています(最初はまとめて放映されたとか)。本作は羅貫中の「三国志演義」をベースにしており、必ずしも正史ではないということを念頭に置かなければなりません。
さて、ジョン・ウー監督といえば2丁拳銃と鳩、スローモーションが持ち味ですが、本作では2丁拳銃を剣に置き換え、趙運や関羽、張飛の獅子奮迅の戦いが見られます。
もちろん千人規模のエキストラによる合戦シーンは圧巻!
80万と言われる大軍団をCGなどで作り込んではあるものの、ひとたび戦いの場面となればジョン・ウー監督の持ち味が十二分に発揮されます。
アクションが派手な分、ドラマ部分の弱さを指摘されることもありますが、このくらいでちょうど良いのではないかと…周瑜の妻・小喬の部分は「絶世の美女」であるという部分が分かれば良いわけで(美人の基準は人それぞれですけどね、個人的には良いと思った)、演技云々はさておき…。
主役となった諸葛亮と周瑜。「三国志演義」においては、周瑜は諸葛亮に翻弄されているそうですが、本作ではその辺りの事がどこまで描かれるのか楽しみですね。
元々2部作を強引にカットしているので、最後まで見ないと評価がわからない作品ですが、個人的には「三国志」そのものをそれほど知らなくても楽しめました。

<見どころ>
一騎当千とはよく言った猛将達の戦いぶりはかっこいい!
八卦の陣など、非常に素晴らしいです。

<出演者>
トニー・レオン、金城武の組み合わせは良かったですね。
特に金城武はやっぱり中国語がうまい(笑)。
曹操役は当初、渡辺謙がキャスティングされていたらしいですが、これは見たかった!
チャン・フォンイーはまあ…普通に女好きな感じに変わっちゃってたしなぁ。
趙雲役のフー・ジュンは悪くはないんですが、確か演義ではもっと容姿端麗だったような…。
ヴィッキー・チャオは物語に一息付ける役どころ、リン・チーリンは演技が酷評されてましたが仕方ないでしょう(それよりもアニメ声が気になった)。
しかし、特別出演の中村獅童って。

<総評>
ジョン・ウー監督といえばクライマックスの盛り上げ方が非常にうまい人なので、Part IIを見るまでは全体評価が出せません。
とりあえず、続編が楽しみです。

<関連作品>
レッドクリフ Part I
レッドクリフ Part II ―未来への最終決戦―

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by syosei7602 | 2009-02-10 01:36 | 戦争/歴史/時代劇
ICHI
d0030824_019459.jpg『ICHI』 日本/2008
監督:曽利文彦
出演:綾瀬はるか 中村獅童 窪塚洋介 利重剛 佐田真由美
杉本哲太 横山めぐみ 渡辺えり 島綾佑 山下徹大 柄本明
竹内力 大沢たかお



公開時コピー
その女、座頭市。
なに斬るかわかんないよ、見えないんだからさ。


勝新太郎のハマリ役にして代表作「座頭市」。同じ子母沢寛原作としながら、市を女性に置き換えた作品。
監督は「ピンポン」の曽利文彦。
出演は「ハッピーフライト」の綾瀬はるか、「SPRIT」の中村獅童、「俺は、君のためにこそ死ににいく」の窪塚洋介、「奇談 キダン」の島綾佑、「座頭市」の柄本明、「大日本人」の竹内力、「ラブファイト」の大沢たかおなど。

<あらすじ>
d0030824_0195545.jpg瞽女と呼ばれる盲目の女芸人・市(綾瀬はるか)は三味線を生業としながら、ある男の行方を追って旅をしていた。ある時、同じ離れ瞽女(佐田真由美)が体を売った金を支払わない男に激しく殴られてしまう。それを黙って見ていた市に男とその仲間が絡んでくるが、そこへ通りすがりの浪人・十馬(大沢たかお)が止めに入る。
しかし、なぜか刀を抜けない十馬…男たちは刀を手に襲いかかるが、その刹那、市が仕込み杖の刀で斬り捨ててしまう。
その男達は宿場を荒らす無法者の集団・万鬼党の手下だった。
市は路銀を稼ぐ為の賭場で十馬に儲けさせ、一応助けに入ってもらった義理を果たすが、d0030824_0205100.jpgその帰り道に賭場で負けた万鬼党に絡まれる。
再び万鬼党を斬り捨てた市、しかし勘違いから十馬は宿場の親分の息子である虎二(窪塚洋介)に雇われる。一方、市は賭場で知り合った小太郎(島綾佑)の「盲目の剣士」を知っているという言葉を聞いて小太郎の家でしばらく滞在することになるが…。


<作品解説>
思えば勝新太郎の「座頭市」シリーズはユーモアとクールさに溢れた傑作でした。映画としての「無茶」をやっちゃうところに魅力があったといえます。
そして北野武版「座頭市」。
こちらも負けず劣らず、北野流のアレンジと意外性で面白さがあり、印象深い作品でした。
さて、本作はそれらの座頭市をどう受け止めたのか…という点にはとりあえず目をつぶって作られたのかな?と思わせる出来です。
良い意味でも悪い意味でも。
ある事情から離れ瞽女(ごぜ…芸を持って旅する盲目の女性)になってしまった市。
彼女の目的はある人物を捜し出すこと。そしてある宿場でトラブルに巻き込まれます。そこに絡んでくるのが刀を抜くことができない浪人・十馬。彼もまた事情を抱えているわけですが、この時点でストーリーは見えちゃったも同然。
宿場を取り仕切る親分一家と無法者の万鬼一党の対立に否応なく巻き込まれてしまうわけですが、この流れは悪くありません。
されど問題は十馬の設定がね、とにかく情けないというか、もう少し考えて欲しかった。
まあ、これがないと市の戦いが意味を為さないので仕方ない、といえばそれまでなんですが…。
肝心のクライマックスは今ひとつ過ぎました。
個人的には「ちょっとそれはないだろう、だってこれは座頭市だろ?」と言いたかった。
ラストはもっと殺伐としても良かったと思います。

<見どころ>
綾瀬はるか、とても美しいんですが、あの衣装はちょっと…。
肝心の殺陣についてはなかなかのもの。ただし、スローモーションを多用しすぎです。
と、文句も出ますが一番の見どころは中村獅童と竹内力の悪者っぷり。
イッちゃってますな(笑)

<出演者>
綾瀬はるかは良かったですね。スクリーンで見て、これだけアップに耐えうる女優はなかなかいない…いや、勿論「盲目」としての殺陣も良かった。
大沢たかおはえーっと、ギャグ専門でしょうか。あの刀を抜けない…刀と鞘が接着されているんですかってくらいに笑える。
そして親分二代目を演じる窪塚洋介。
迫力ねぇ~…こんだけひょろい着物姿もなかなかありませんよ。まあ、威勢が良い二代目って役はぴったりでした。
中村獅童と竹内力、悪役をやらせたらピカイチ。
その他にもVシネマ常連の人たちが何人かでてましたね。万鬼党は文句なしに怖いです(笑)

<総評>
座頭市のブラックな部分がピンクになりました…若干。
あと、衣装がやっぱり気になりましたね。さすがに旅芸人といえどもあそこまでボロは着ないでしょう。
色恋が入ったせいで出しちゃった女の「涙」…座頭市だからこそもっとクールにして欲しかった。
画面には見せない「涙」をうまくラストに持ってこられたら評価はもっと変わったと言えるでしょう。

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by syosei7602 | 2008-11-19 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
ランボー 最後の戦場
d0030824_23392154.jpg『RAMBO』 アメリカ/2008
監督・出演:シルヴェスター・スタローン
出演:ジュリー・ベンツ ポール・シュルツ マシュー・マースデン
グレアム・マクタヴィッシュ レイ・ガイエゴス ティム・カン
ジェイク・ラ・ボッツ マウン・マウン・キン ケン・ハワード



公開時コピー
さらばランボー

「ロッキー」シリーズと共にシルヴェスター・スタローンのはまり役となった「ランボー」シリーズ、20年ぶりの新作。
監督、主演はシルヴェスター・スタローン。
出演は「ハード・キャンディ」(1999)のジュリー・ベンツ、「ゾディアック」のポール・シュルツ、「バイオハザードIII」のマシュー・マースデン、「キング・アーサー」のグレアム・マクタヴィッシュなど。

<あらすじ>
d0030824_23411786.jpgベトナム帰還兵で、元グリーンベレーの英雄だったランボー(シルヴェスター・スタローン)はタイ北部のジャングルで蛇を捕まえたり、ボートでの案内で暮らしていた。
隣の国、ミャンマーでは軍事政権によって、キリスト教の多いカレン族が毎日のように虐殺されていた。
ある日、カレン族を支援するためにアメリカのキリスト教のボランティア団体がミャンマーへ案内して欲しいとやってくる。ミャンマーの悲惨さを知っているランボーは最初断るものの、ボランティアの1人であるサラ(ジュリー・ベンツ)に説得され、ボートで向かうことに。d0030824_23412591.jpg海賊の襲撃などをかわし、なんとか送り届けたランボー。
それから数日後、ボランティア団体は村人達に医療を施し、活動を続けていたが、突如政府軍によって村が襲撃され、人質にされてしまう。
キリスト教団体は5人の傭兵を雇って救出を画策、ランボーは彼らを乗せて再びボートを出すが静観し続けていた。

<作品解説>
スタローンの2枚看板のひとつがこの「ランボー」シリーズ。
「ロッキー」シリーズはファイナルを迎えましたが、このシリーズはまだ続けるという意向のようです。
「ランボー」は2、3作目が非常に娯楽性の高いものでしたが、1作目はベトナム帰還兵に対する差別が描かれた秀作でした。
本作はその1作目に立ち返るかのようにメッセージ性が強く、ミャンマーの軍事政権に対する憤りを描いたものとなっています。冒頭は実際の映像を使用したショッキングな展開から始まり、全編に渡ってかなり残酷な描写が続きます。
さて、隠遁生活を送っているランボーはボランティア団体に頼まれ、渋々ながらもミャンマーへ彼らを送り届けます。自分の命を賭けてまで誰かを救うという行為そのものは尊敬に値するものの、そんなちっぽけな行為が何かを変えるとは信じていないランボー。
しかし、自らの命を賭けるという熱意に押され、ボランティア団体を送り届けるんですが、ここまでの流れは非常に緩慢です。
スタローンが描きたかったのはランボーという人物が送ってきた年月そのものであり、戦い続けた兵士としての生き様そのものです。哲学的に達観した域のランボーにとって、戦場すらも別世界の出来事として捉えている…そんなシナリオのうまさが垣間見えます。
しかし、その緊張が破れる後半は圧巻。
ミャンマー軍からの壮絶な逃亡劇が始まっていきます。
娯楽性を取り除いた激しく残酷な描写はリアル過ぎますが、これが冒頭に流れた映像とリンクすると現実味が非常に増してきます。

<見どころ>
ランボーの戦いぶりは壮絶そのもの。
しかし、虐殺のシーンはそれを上回るすごさ…血が苦手な女性にはお勧めできません。

<出演者>
「ロッキー」シリーズで返り咲いたスタローンは、鍛え直した体で登場です。
あの眠たげな目、泥の似合う風貌は相変わらず。
ヒロインを演じるのはジュリー・ベンツですが、テレビドラマで活躍している女優さんで、ちょっと疲れた感じの美人。出番としてはそれほどではなくても、印象は強し。
あとは割と流れて描かれているだけなのにで、演技そのものについては感想はありません。

<総評>
娯楽作品として見に行くと肩すかしをくらいます。
それほどまでに徹底した戦場と虐殺の有り様が描かれており、ラストの意味をどう捉えるかで決まってきます。
戦場では一体何が起きているのか、ボランティア団体とランボーの違いはどこにあるのか。
はてまた戦場における人の生き様とは…実にシンプルに描かれた佳作といえるでしょう。

<関連作品>
ランボー
ランボー/怒りの脱出
ランボー3/怒りのアフガン
ランボー 最後の戦場

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by syosei7602 | 2008-06-01 22:24 | 戦争/歴史/時代劇
キングダム/見えざる敵
d0030824_22147.jpg『THE KINGDOM』 アメリカ/2007
監督:ピーター・バーグ
出演:ジェイミー・フォックス クリス・クーパー ジェニファー・ガーナー
ジェイソン・ベイトマン アシュラフ・バルフム アリ・スリマン
ジェレミー・ピヴェン ダニー・ヒューストン リチャード・ジェンキンス
カイル・チャンドラー フランシス・フィッシャー


公開時コピー
<9.11>──あの日以降、今も続く見えない敵との終わらない戦い
最も危険な領域に
FBIスペシャリストが潜入する


俳優としての活躍が多い「プライド 栄光への絆」の監督、ピーター・バーグによる社会派アクション。
出演は「マイアミ・バイス」のジェイミー・フォックス、「シリアナ」のクリス・クーパー、「エレクトラ」のジェニファー・ガーナー、「スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい」のジェイソン・ベイトマン、「パラダイス・ナウ」のアシュラフ・バルフム、アリ・スリマンなど。

<あらすじ>
d0030824_222431.jpgサウジアラビアにある石油会社の外国人居住区で無差別銃撃と自爆テロが起きる。さらに、救助活動中に再び爆発が起き、死傷者は300人を超える大惨事になるのだった。
その現場にいた現地のFBI捜査官が2人死亡、FBIの捜査官フルーリー(ジェイミー・フォックス)は、首謀者がアルカイダと繋がりがあるアブ・ハジムと断定した。現地での捜査を検討するが、アメリカとサウジアラビアの関係を悪化させたくない国防省とサウジ政府によって拒否される。フルーリーは自らのルートを使って、サウジ駐米大使にネタを使って直接交渉を申し込み、d0030824_223444.jpg5日間の捜査期間を現地の警察が同行するという条件で取り付ける。
フルーリーは法医学調査官のメイズ(ジェニファー・ガーナー)、爆発物専門家のサイクス(クリス・クーパー)、情報分析官のレビット(ジェイソン・ベイトマン)と共にサウジアラビアへと飛び立つのだった。

<作品解説>
911以降、対テロの映画はいくつか作られましたが、本作はなかなか切実でハードな作りになっています。本作は1996年にサウジアラビアで起きたホバル・タワー爆破事件を基にしており、あながちフィクションだとは言えません。
ちょっと詳しい人ならわかるのですが、本来の国外活動はCIA(米中央情報局)が担っており、FBIが捜査を担当するのは国内のみとなるため、些か無理があるように思えるのですが、そこはシナリオでカバーされています。
さて、本作は外国人居住区で起きた無差別テロとそこで死亡した同僚の捜査員の仇を討つために、わずか4人という人数でサウジアラビアへ乗り込みます。
サウジとアメリカの関係は概ね良好なものの、イスラム国家であるサウジの中には過激な反米派がおり、テロが起きるわけです。しかし、アメリカとの関係を維持したいサウジからすれば、テロリストは邪魔なもの…とはいえ、アメリカ司法の手を安易にいれることはテロを誘発しかねない…この微妙な政治バランスが簡潔に描かれているのは見事の一言。
テロの描き方、サウジとの関係、アメリカ中心主義の勧善懲悪な物語ではないところに、本作の素晴らしさがあります。
されど、FBI捜査官が万能過ぎる描き方には違和感を感じますね。

<見どころ>
政治的駆け引きは展開が速いんですが、非常にわかりやすい。
その上で、FBIが捜査するくだりや数々の印象的な言葉は作品におけるメタファーとしての役割を十分に担っています。
クライマックスのカーアクションと銃撃戦は圧巻!製作にマイケル・マンが加わっているせいか、乾いた感じのシーンに仕上がっています。

<出演者>
主演のジェイミー・フォックスと共に活躍するのがサウジの警察のアル・ガージー大佐を演じたアシュラフ・バルフム。
目の表情がすばらしく良いです。
ジェニファー・ガーナー、クリス・クーパー、ジェイソン・ベイトマンと芸達者な俳優陣が揃った事も作品の良さを際だたせています。

<総評>
銃撃戦時におけるあり得ない展開はさておき、ラストのセリフは近年希に見る秀逸な決め方でしょう。テロ戦争を見事なまでに表していました。
なかなかハードな作品なので、見終わった後は疲れてしまいますが、一度は見ておくべき作品といえます。

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by syosei7602 | 2008-05-20 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
キングダム・オブ・ヘブン
d0030824_1495468.jpg『KINGDOM OF HEAVEN』 アメリカ/2005
監督:リドリー・スコット
出演:オーランド・ブルーム エヴァ・グリーン リーアム・ニーソン
ジェレミー・アイアンズ エドワード・ノートン デヴィッド・シューリス
ブレンダン・グリーソン マートン・ソーカス ハッサン・マスード
アレクサンダー・シディグ ヴェリボール・トピッチ ジョン・フィンチ


公開時コピー
恐れず、敵に立ち向かえ
勇気を示せ
死を恐れず、真実を語れ
弱気を守り、正義に生きよ


「グラディエーター」で歴史アクションを成功させたリドリー・スコット監督が、史実を基にした歴史スペクタクル。
出演は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのオーランド・ブルーム、「007/カジノ・ロワイヤル」のエヴァ・グリーン、「バットマン ビギンズ」のリーアム・ニーソン、「エラゴン 遺志を継ぐ者」のジェレミー・アイアンズ、「ミニミニ大作戦」のエドワード・ノートン、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のデヴィッド・シューリスなど。

<あらすじ>
d0030824_150832.jpg12世紀フランス。十字軍の騎士ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が、部下を率いてエルサレムに向かう途中、ある村にやってくる。村に住む鍛冶屋のバリアン(オーランド・ブルーム)は息子を失い、さらにそのショックで妻が自殺するという失意の中にいた。
そんな彼にゴッドフリーは、バリアンに父親だと告げる。突然の事に驚くバリアンだったが、村から出る意志はなく、ゴッドフリーはその気になったら後を追ってこいと告げ去っていく。
しかし、村の司祭が妻の身につけていた十字架を奪った事を知ったバリアンは、d0030824_1501837.jpg司祭を殺してゴッドフリーの後を追うが、彼は司祭殺害の犯人として追われていた。
追跡者とゴッドフリーの部隊と間で戦いになり、辛くも勝利するもゴッドフリーは深手を負う。
エルサレムへ向かう港で、ゴッドフリーはバリアンに剣を授け、静かに息を引き取るのだった。

<作品解説>
史実をベースにした作品ということで、歴史上の戦いとフィクションが織り混ざった展開になっています。史実とほぼ同じなのはエルサレムにおける籠城戦。これはクライマックスの戦いなので、多くは言えません。
本作に登場するゴッドフリー、バリアンなどは実在した人物から背景を借りたもの。他の登場人物も軒並み、背景を借りた形になっています。ただし、ボードゥアン4世やサラディン、十字軍の中心人物だったルノー・ド・シャティヨン、ギー・ド・リュジニャンなどは実在した人物であり、物語の重要人物です。
さて、この物語はキリスト教とイスラム教の長きに渡る宗教戦争であり、双方の聖地であるエルサレムを取り合う戦いが描かれます。異教徒は人にあらず、という解釈のもとに戦い続ける両軍。
そんな中、バリアンは父ゴッドフリーから真の騎士として、理想の国を目指すことを託されます。その理想はエルサレム王ボードゥアン4世も同じくして、目的は宗教に関係しない共存共栄。本作では主人公がキリスト教なんですが、彼自身はどちらかというと理想主義のリアリストとでも言うべき人間であり、神信じることよりもむしろ騎士であることを誇りにしています。
この描き方はキリスト教=善、イスラム教=悪という理論から離れているため、観客からすれば常に第3者的な視点になり、見せ方としては成功しているでしょう。
しかし、結構長い映画にもかかわらず、いつの間にか強くなり、常に善であろうとする主人公の描き方は極端な気もしますね。

<見どころ>
リドリー・スコット監督らしい壮大さは見事です。
クライマックスに籠城戦の戦いなどは迫力あり。「トロイ」よりもおもしろい。
終盤のハッティンの戦いが再現されなかったのは残念なところです。

<出演者>
本作にてようやく主演の座を掴んだオーランド・ブルーム。ひげ面がよく似合います。
ヒロインを演じたのはエヴァ・グリーン。目が非常に魅力的。
ジェレミー・アイアンズ、リーアム・ニーソンをはじめとした演技派に加え、エドワード・ノートンが出ていたとは…というか気がつかなくて当たり前ですね(声に聞き覚えがあったくらいでした)。

<総評>
「グラディエーター」ほどの緊張感はなく、同監督としては今ひとつかもしれません。
個人的には結構好きな作品なんですが、どうやらディレクターズ・カットがあるらしくそちらが見たかった。
歴史物が好きな人にはそれなりにお勧めかと思います。

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by syosei7602 | 2008-03-25 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
さくらん
d0030824_1502862.jpg『さくらん』 日本/2007
監督:蜷川実花
出演:土屋アンナ 椎名桔平 成宮寛貴 木村佳乃 菅野美穂
永瀬正敏 美波 山本浩司 遠藤憲一 小池彩夢 山口愛
小泉今日子 石橋蓮司 夏木マリ 市川左團次 安藤政信



公開時コピー
花魁をなめんじゃねぇよ

安野モヨコの同名コミックの映画化。
監督は蜷川幸雄の娘で、本作が初監督作となる写真家の蜷川実花。
出演は「下妻物語」の土屋アンナ、「アンフェア the movie」の椎名桔平、成宮寛貴、「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」の木村佳乃、安藤政信、「Dolls ドールズ」の菅野美穂、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の永瀬正敏、「HERO」の石橋蓮司、「シュガー&スパイス 風味絶佳」の夏木マリなど。
主題歌は椎名林檎。

<あらすじ>
江戸、吉原の遊郭・玉菊屋に身売りされた8歳の少女(小池彩夢)は、きよ葉と名付けられた。負けん気が強いきよ葉は度重なる足抜けをするが、その度に捕まっては折檻される日々。
そんなきよ葉を、玉菊屋の若衆・清次(安藤政信)は吉原唯一の今は咲かない桜が咲いたら、出してやると言う。
花魁の粧ひ(菅野美穂)に面倒を見てもらうことになったきよ葉だったが、相変わらずの性格で反発を繰り返すばかりだった。粧ひは、女郎の稼ぎで飯を食べているときよ葉を非難し、誰にも必要とされないならどうしようもないと言い切って挑発する。きよ葉は、いつか花魁になると啖呵を切るのだった。
やがて17歳になったきよ葉にはじめての客がつく。どうすれば男が喜ぶかを本能的に知ったきよ葉はあっというまに人気を得ていくが、玉菊屋の花魁・高尾(木村佳乃)は疎ましく思い始めていた。

<作品解説>
原作を知らないので、どこまで忠実に再現されているのかはわかりませんが、極彩色に彩られた映像と豪華な女優陣による共演が目を引きます。
遊郭を舞台に、人気を得ていく女郎・きよ葉。生来の負けん気の強さから反発を買いながらも、徐々に頭角を現していくわけです。
しかし、ストーリーはかなり平板的な印象が強く、女同士の確執も大したこともない展開。女性監督ならではのエロさはありますが、写真家であるが故か、ひとつ一つのシーンが写実的過ぎる上に、椎名林檎の曲が差し挟まれるあたりはなんだかプロモーションビデオのような印象を受けます。
身売りされることの切実さだとか、女郎ならではの悲哀さがほとんど無いのは残念。元がコミックだからなのか?と勘ぐってしまうのですが、読んでもいない原作の事はわかりませんので、なんとも言えません。また、花魁に関する描き方はかなり史実と異なっています(花魁は高級遊女であり、客よりも上位の立場。また初めての客とは口も聞かず、飲食もしない)。
作品としてはテンポ良く進むので、疲れることはありませんが、映像の美しさ以外に特徴がないのが残念です。

<見どころ>
とにかく激しいのは木村佳乃演じる高尾。
そして、極彩色の映像でしょうか。
きよ葉だけ、なぜ眉毛があんなに細いのかが謎です。

<出演者>
キャラクターとしての土屋アンナのキャスティングは間違っていないんですが、美しいというとちょっと違う。微妙なところです。
演技派となった木村佳乃や菅野美穂な花魁姿がなかなか…このあたりのキャスティングは見事ですね。また安藤政信も良い感じです。
幼少のきよ葉を演じた小池彩夢が見事過ぎました。

<総評>
可もなく不可もなしといった感じです。
題材としてはとてもおもしろいんだけど、スタイリッシュであろうとしたり、椎名林檎がフィーチャーされすぎるなど気になる箇所も多数。
世界観が非常に狭く、広がりに欠けてしまいましたね。もっと大胆なことがあっても良かったんじゃないかと思います。

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by syosei7602 | 2008-03-19 23:34 | 戦争/歴史/時代劇
パフューム ある人殺しの物語
d0030824_392713.jpg『PERFUME: THE STORY OF A MURDERER』
ドイツ・フランス・スペイン/2006
監督:トム・ティクヴァ
出演:ベン・ウィショー ダスティン・ホフマン アラン・リックマン
    レイチェル・ハード=ウッド アンドレス・エレーラ
    サイモン・チャンドラー デヴィッド・コールダー
受賞:ヨーロッパ映画賞/撮影賞・エクセレント賞(2007)

公開時コピー
それは、昨日まで人だったもの。

パトリック・ジュースキントのベストセラー小説「香水 ある人殺しの物語」の映画化。
監督は「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァ。
出演は「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」のベン・ウィショー、「ミート・ザ・ペアレンツ2」のダスティン・ホフマン、「ハリー・ポッター」シリーズのアラン・リックマン、「ピーター・パン」のレイチェル・ハード=ウッドなど。
サントラの演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が行なっている。

<あらすじ>
18世紀のパリ、悪臭が立ちこめる街の魚市場で1人の赤ん坊が生まれる。母親に見放されそうになるが、間一髪救われグルヌイユと名付けられ育児所で育てられる。
グルヌイユに天才的な嗅覚が備わっており、あらゆるもののにおいをかぎ分けられた。しかし、無口でどこか他の子供と違う彼は15歳になると革なめし職人に売られてしまう。
働き続けた彼は、何キロも先にある街のにおいに憧れていた。
そして成長したグルヌイユ(ベン・ウィショー)は、ある日親方と共に革を届けるために街へと出て、そこで初めて嗅ぐにおいを次から次へと求める。
そして彼を魅了する運命的な香りを嗅ぎつけ、彼はそれを辿っていくと赤毛の少女に辿り着くが、彼の異常な行動に少女は悲鳴をあげて逃げてしまう。
それでも諦めきれないグルヌイユは少女の後を追うが…。

<作品解説>
予告編でもの凄いセックスシーンが話題になっていた作品です。
類い希なる嗅覚(犬並?)を持ち、さらにその能力によって「匂い」に執着した青年グルヌイユが、究極の香水を作るためにタイトル通り殺人を繰り返していく話です。
本作は147分という長い作品ですが、序盤の悪臭立ちこめるパリの描写からはじまり、ベン・ウィショー演じるグルヌイユの名演、音楽のすばらしさなど非常にクオリティの高い作品であり、全編通した緊張感ある演出によって飽きさせません。
さて、目には見えない「匂い」を映像として表現するのは難しいことであり、悪臭となると「グロさ」を出すことでわかるのですが、グルヌイユが惹かれる女性の香りは映像としては表現できないものの、ベン・ウィショーの取憑かれた演技がそれをカバーしています。
フランスといえばお洒落な国としてのイメージが大きいですが、当時のヨーロッパの人々にはあまり入浴という習慣がなかった為に、香りで体臭をごまかしていたわけです。
その中にあって、主人公が求めたのは自身が求めた究極的な香り…ただ、良い香りという俗物的なものではなく、まさしく神の領域に至るわけですが、本作のそれは些か荒唐無稽ともいえる展開でちょっと驚きます。
しかし、大胆な映像センスによって描かれた本作は見事という他ないでしょう。

<見どころ>
香水の作り方から、主人公グルヌイユの狂気ともいえる香りへの追究。
また、細かく作られた18世紀のヨーロッパの街並みは見事です。

<出演者>
冷酷でもなく、かといって残酷というには程遠く、どこか線の細いグルヌイユを演じたベン・ウィショーの演技は見事。
また、ダスティン・ホフマンやアラン・リックマンといった名優たちが脇を固めているのは見逃せません。
物語のキーとなるローラを演じたレイチェル・ハード=ウッドは、もう少し深く描かれても良かったですね。

<総評>
非常にレベルの高い作品に仕上がっており、時折差し込まれるグロい表現なども必要不可欠と思わせる手腕は見事の一言。
さらに、音楽のすばらしさにも注目です。
好き嫌いがはっきりしそうな作品ですが、傑作と言っても差し支えないでしょう。

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by syosei7602 | 2008-01-19 23:34 | 戦争/歴史/時代劇
どろろ
d0030824_1453259.jpg『DORORO』 日本/2007
監督:塩田明彦
出演:妻夫木聡 柴咲コウ 瑛太 杉本哲太 土屋アンナ
    麻生久美子 菅田俊 劇団ひとり きたろう 寺門ジモン
    山谷初男  中村嘉葎雄 原田芳雄 原田美枝子 中井貴一



公開時コピー
物語が、動き出す。

手塚治虫の同名コミックの実写化。
実写化にあたって、原作の設定を大幅に変えている。
監督は「黄泉がえり」の塩田明彦、アクション監督に「LOVERS」のチン・シウトンを迎えている。
出演は「憑神(つきがみ)」の妻夫木聡、「日本沈没」(2006)の柴崎コウ、「東京フレンズ The Movie」の瑛太、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」の杉本哲太、「さくらん」の土屋アンナ、「クローズド・ノート」の中村嘉葎雄、「亡国のイージス」の原田芳雄、「HERO」の中井貴一など。
主題歌はMr.Chiildren。

<あらすじ>
戦乱の時代、醍醐景光(中井貴一)は戦いに敗れ、48体の魔物が祀られている寺にやってくる。影光は戦乱の世を治め、天下を我が手にするために生まれてくる自らの子の体を魔物に差し出すことを約束し、力を得るのだった。
20年後、ある町の酒場に1人の男(妻夫木聡)がやってくる。その男は人気の踊り子が登場すると、突如襲いかかる。その両腕からは刀が生え、踊り子が変化した魔物と戦いが始まる。
その頃、こそ泥で男のフリをした女(柴崎コウ)が、チンピラの金を擦り取って酒場に逃げ込んでくる。その場で男が魔物を倒すのを目の当たりにするのだった。
女は去っていく男が途中で話していた琵琶法師(中村嘉葎雄)から、その男が左腕に仕込んだ百鬼丸という妖刀で、自らの体を取り戻すために魔物と戦っている事を聞く。
刀に目を付けた女は男を追い、お互いの名前を男は百鬼丸、自らをどろろとして旅を始める。

<作品解説>
原作というよりも原案という方が合っているような本作。時代は原作の室町~戦国時代から離れて異世界に、また百鬼丸の体は木や陶器から、死体から精製された義手義足に変ったりと、実写化にあたって変更箇所は無数。
もっとも、大きいのは主人公2人の年齢設定でしょうか。
されどアニメやマンガと違って限界のある実写として、設定を割り切ったのは正解といえるでしょう。
さて、本作は48体の魔物を倒して、自ら奪われてしまった48カ所の体の一部を取り戻していくというシンプルなストーリーをベースに、百鬼丸とどろろの生い立ちなども語られていきます。
既に2、3作目の製作決定がアナウンスされているので、多少長くとも1作目でそれらの裏話を描いたのは良かったですね。
時代背景は先にも書いたように異世界ということで、無国籍感溢れる美術や設定で描かれ、方言や言葉遣いなども現代的で見やすい。
その反面、一応ベースは戦国時代などのために、違和感を感じることもあります。
魔物たちのクリーチャー造形やCGなどは些か不満を感じる出来ですが、アクションシーンなどは迫力があり、ストーリーも意外とスピード感があるので、エンターテイメント性は高いといえるでしょう。

<見どころ>
いかんせんCGが甘いので、戦いのシーンはそれなり…されどニュージーランドロケを敢行したこともあって、壮大な風景によりストーリーの世界観を広げています。
妻夫木聡の殺陣もなかなか。

<出演者>
キャラ設定そのものが濃い、2人の主人公。
百鬼丸を演じる妻夫木聡、どろろの柴崎コウともども好演しています。
これが意外なほどにはまっていてビックリ。
また、中井貴一をはじめとするベテラン俳優達も決まっています。
この手の作品としては、皆気合いがかなり入っていますね。

<総評>
原作のファンからすれば、あまりの違いに不満もあろうかと思いますが、作品レベルは非常に高い。前評判の高かった「ミッドナイト・イーグル」と比べてもこちらが上です。
ただし、手塚治虫が描いていた反戦テーマなどが削られ、メッセージ性が弱まっているのは残念。手塚作品だからこそ、という部分を「エンターテイメント」の一言で削ってしまうのは、原作である必然性を打ち消すようなものです。
とはいえ、アクション映画としては及第点。

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by syosei7602 | 2007-12-13 23:47 | 戦争/歴史/時代劇