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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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カテゴリ:戦争/歴史/時代劇( 63 )
ロビン・フッド
d0030824_2332763.jpg『ROBIN HOOD』 アメリカ・イギリス/2010
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ ケイト・ブランシェット マーク・ストロング
ウィリアム・ハート マーク・アディ オスカー・アイザック
ダニー・ヒューストン アイリーン・アトキンス ケヴィン・デュランド
スコット・グライムズ アラン・ドイル マックス・フォン・シドー


公開時コピー
彼は闘いのカリスマ。その生き様は伝説。

中世イングランドの伝説的英雄にして義賊のロビン・フッドの生い立ちを映像化した、歴史スペクタクル。
監督は「ワールド・オブ・ライズ」のリドリー・スコット。
出演は「消されたヘッドライン」のラッセル・クロウ、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のケイト・ブランシェット、「シャーロック・ホームズ」のマーク・ストロング、「バンテージ・ポイント」のウィリアム・ハート、「霊喰」のマーク・アディ、「ワールド・オブ・ライズ」のオスカー・アイザック、「ナンバー23」のダニー・ヒューストンなど。

<あらすじ>
d0030824_233374.jpg12世紀末、獅子心王リチャード1世(ダニー・ヒューストン)率いる十字軍遠征に参加していた弓矢の名手ロビン・ロングストライド(ラッセル・クロウ)は偶然、リチャード1世の戦死を目の当たりにして、数名の仲間と共に戦場を抜け出して、イングランドへの帰還を試みる。
その頃、リチャード1世の弟ジョン(オスカー・アイザック)の親友ゴドフリー(マーク・ストロング)は、フランス側に寝返り、リチャード1世の暗殺を請け負う。
しかし、ゴドフリーが襲撃した相手は、本国に王冠を持ち帰ろうとしていた騎士団だった。
偶然、その場に居合わせたロビン達は、騎士の1人で瀕死のロバート・ロクスリーから王冠を届けることと、ノッティンガム領にいる父親ウォルター卿(マックス・フォン・シドー)に、黙って持ち出した剣を渡して欲しいと頼まれる。
断り切れなかったロビンは、彼に成りすまし、騎士としてリチャード1世の母親アリエノール(アイリーン・アトキンス)にに王冠を渡す。その瞬間から、ジョンは王として即位するのだった。
ロビンは自らの正体がばれる前に、ロンドンを去り、ロバートとの約束を果たすべくノッティンガム領を訪れる。
d0030824_2334896.jpgそこには、ウォルター卿とロバートの妻マリアン(ケイト・ブランシェット)がいた。
剣を届けたロビンを気に入ったウォルター卿は、彼に意外な提案を持ちかけるのだった。
一方、ゴドフリーは暗殺現場を見たロビンの抹殺、さらにはフランスのイングランド侵攻を兼ねた混乱を起こそうと企んでいた。

<作品解説>
ロビン・フッドといえば、日本でも名前だけは結構知られているメジャーな人物です。その生き様はイングランドの伝説的な人物アーサー王と同じように、後世の後付的な物語が大半を占めています。
おそらくは1200年前後辺りの人物だとは言われながらも、モデルとなった人物が複数存在していた様で、人物像は定かではありません。もっとも、ミステリアスであるからこそ、様々な物語が作られ、現在に置いても楽しめるわけです。
そんなロビン・フッドですが、過去にも何度も映像化され、一番メジャーなのはやはりショーン・コネリーとケヴィン・コスナーが演じたものでしょうか。
されど、それらのロビン・フッドは、いわゆる義賊として成立したロビン・フッドの物語ですが、本作はロビン・フッドが如何にして義賊になったか?という前日譚になっています。
さて、物語は十字軍遠征に出ていたイングランド軍が、本国への帰途で城を攻め落としているところから始まります。ロビンは弓矢の名手ながらもただの一兵卒に過ぎず、傭兵のような立場といえるでしょう。
そんな城攻めの最中にリチャード1世は戦死、他の兵達の帰国で混乱する前に戦場を抜け出したロビンとその仲間を待っていたのは、偶然の出会いの数々と戦いです。
フランス王の姪を愛人にしているリチャード1世の弟ジョンは、プライドだけは高く、フランスのスパイであったゴドフリーの話を鵜呑みにして増税するために混乱を招く大バカですが、本作での描かれ方は後にロビンがロビン・フッドになるための布石としてシンプルにイヤな人物となっていました。
この辺りはロビン・フッドの物語の中では定番で、リチャード1世の勇猛果敢なあだ名「獅子心王」とは対照的に、領地失いの「失地王」、ついでに言えばイングランド史上最低最悪の王と呼ばれた愚かさがにじみ出ています(それにしてもこの手の王は、なぜに髪の毛がくるくる?)。
映像全体は、リドリー・スコット監督らしく、カメラワークもゴチャゴチャせずに見やすい構成。さらに、壮大な風景や大部隊の移動など迫力も十分です。
ストーリー展開も140分の長さながら、テンポ良くまとめられており、手堅い印象。
「グラディエーター」ほどの感動作ではないですが、ツボを押さえた歴史大作と言えるでしょう。

<見どころ>
この手の作品となると、どうしても戦闘シーンが見どころになってしまいます。
城攻め、船団の数、騎兵による凄まじい戦い。
されど、ロビンとマリアンの淡いロマンスもなかなか雰囲気が良いかな。

<出演者>
すっかり、リドリー・スコットのお気に入りとなったラッセル・クロウですが、こういう役は似合いますね。
スマートじゃないし、顔も見るからに荒くれ者。
でも、やっぱりはまるんだな、これが。
ヒロインを演じたのは演技派のケイト・ブランシェット。取り立てて美人というわけじゃないんですが、この人の演技は落ち着いていていいですね。
マーク・ストロングの悪辣ぶりはぴったり。
個人的にはリトル・ジョンを演じたケヴィン・デュランドが妙に気に入りました。

<総評>
実に手堅い作品です。シンプルなストーリー、迫力ある戦いと大作としての要素はたっぷり。
もちろん、大作ですがちょっとまとめすぎた感じも受けます。
ロビン・フッド自体が歴史的人物というよりは、伝説として子供にも楽しめる物語という側面が強すぎるため、ピンチになるシーンが欠如しているんですね。
言うなれば、安心してみることが当たり前になっていて、若干起伏が足りなかったかも。
とはいえ、それを補って余りある迫力なので、大画面なら十分に楽しめる作品です。

<関連作品>
ロビン・フッド (1922)
ロビンフッドの冒険
ロビン・フッド (1952)
ロビン・フッド (アニメ・1973)
ロビンとマリアン
ロビン・フッド (1991)
ロビン・フッド (1991)
ロビン・フッド (2010)

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by syosei7602 | 2010-12-11 23:52 | 戦争/歴史/時代劇
続・座頭市物語
d0030824_173194.jpg『続・座頭市物語』 日本/1962
監督:森一生
出演:勝新太郎 水谷良重 万里昌代 城健三朗 中村豊
沢村宗之助 柳永二郎 伊達三郎




「座頭市物語」のヒットにより、すぐに製作された続編。
監督は「不知火検校」の森一生。
また、勝新太郎の兄である若山富三郎が大映に移って芸名を変え、城健三朗として共演した。
出演は前作と同じく勝新太郎、万里昌代、「眠狂四郎 女地獄」の(水谷良重)水谷八重子、「子連れ狼」シリーズの城健三朗(若山富三郎)、「座頭市あばれ凧」の中村豊(猿若清三郎)、「無宿者」の沢村宗之助、「連合艦隊司令長官 山本五十六」の柳永二郎など。

<あらすじ>
d0030824_118558.jpg下総取手川の渡しで市(勝新太郎)は、旅のヤクザといざこざになり、狙われる羽目になる。
川で寝ていた市をヤクザ達は狙うが、ヤクザを追い払ったのは隻腕の浪人・渚の与四郎(城健三朗)だった。
関宿にたどり着いた市は、宿場の本陣に逗留中の黒田家の殿様に按摩をすることになる。しかし、殿様は発狂しており、それを隠すため黒田家の家臣は外に出た市を闇討ちしようと待ち構えていた。
店じまいした飯屋で、飯を食う市…そこへやってきたのは飯盛女達だった。そのうちの1人、お節(水谷八重子)は、黒田家が総出で市を探していることを教える。
さらにやってきたのは、取手川でヤクザを追い払った与四郎とその子分だった。
浪人はお節が昔惚れた女に似ていると言って、d0030824_1181295.jpg付きあうように強要するが、それを制したのは市だった。
お節は市にとっても、昔惚れた女にそっくりだったのだ。市とお節はそのまま出て行くが、出立する黒田家から市の抹殺を頼まれた地元のヤクザ・勘兵衛が、一味を率いて追っていた。

<作品解説>
勝新太郎の代名詞にもなった「座頭市」シリーズ…そのヒットを受けて製作されたのが本作となります。
監督はテレビシリーズや「木枯し紋次郎」「横溝正史シリーズ」などを手がけた森一生へとシフトしました。
前作のイメージの踏襲しつつ、若山富三郎の殺陣から始まるのは何とも心憎い演出。
勝新太郎と若山富三郎は実の兄弟ですが、そんな2人が憎み合う兄弟を演じるというのも、意外性に富んでいて面白いですね(実際は非常に仲の良い兄弟で有名だった)。
しかし、この時代の若山富三郎は大映に移って名前を変えてしまったお陰で「この人誰?」みたいな状態になって、仕事も勝新太郎や市川雷蔵の脇役に甘んじるという不遇にあっています。
さて、物語ですが、前作から約1年後から始まります。この1年後というのは、前作のストーリーに関わりますので割愛します。
再び仕込み杖を手に戻ってきた市は、発狂したお殿様の事をばらされたくない家臣達から狙われます(この時に発狂したお殿様について、差別用語が使われているため、音が切られています)。
市は「一言黙っててくれと言えばいいのに」などとぼやきますが、大名にとって殿様が乱心などと知られたらお家取りつぶしになりかねないので、かなり本気…と思いきや、あんまり動き回ると都合が悪いってもんで、ヤクザにお願いしちゃうんですね。
こういう繋がり方って、近年の時代劇ではあまり描かれないので新鮮な感じです(最近のは悪巧みばかりの組み合わせになっちゃうからなぁ)。
追ってくるヤクザ、さらに市と因縁のある隻腕の浪人・与四郎…ラストに至るまでの壮絶な殺陣が見事です。
それにしても、隻腕と盲目の戦い、兄弟ならではのタイミングの取り方なんでしょうかね。

<見どころ>
前作よりも増えた殺陣。
一番カッコイイのは、黒田家の家臣と戦うところでしょうか。
市の居合い切りが恐ろしく速い!

<出演者>
勝新太郎の居合い切りは本作以降、益々冴え渡っていくわけですが、見えないのに戦う為の手段として居合いがあるわけです。それが素人目に見ても速いってのはすごいですね。
対する若山富三郎…勝新太郎ですら、敵わないと言った彼の剣捌きも見事。
序盤のヒロインを演じたのは水谷良重(現・水谷八重子)…この人は黒柳徹子、横山道代ともに三人娘として名を馳せた人です。
有名でも、あっさりと前半だけの出演、潔いというかなんというか。

<総評>
72分と短い作品ですが、前作を見ていた方がより楽しめます。
ラストはなかなか衝撃的な終わり方をしますが、これもまた続編へと繋がります。
また、前作から登場している飯岡の助五郎などは実在の人物…実はそういった人々をうまく絡め合わせてあるところも、面白さの一つですね。

<関連作品>
座頭市物語 (第1作)
続・座頭市物語 (第2作)
新・座頭市物語 (第3作)
座頭市兇状旅 (第4作)
座頭市喧嘩旅 (第5作)
座頭市千両首 (第6作)
座頭市あばれ凧 (第7作)
座頭市血笑旅 (第8作)
座頭市関所破り (第9作)
座頭市二段斬り (第10作)
座頭市逆手斬り (第11作)
座頭市地獄旅 (第12作)
座頭市の歌が聞える (第13作)
座頭市海を渡る (第14作)
座頭市鉄火旅 (第15作)
座頭市牢破り (第16作)
座頭市血煙り街道 (第17作)
座頭市果し状 (第18作)
座頭市喧嘩太鼓 (第19作)
座頭市と用心棒 (第20作)
座頭市あばれ火祭り (第21作)
新座頭市 破れ!唐人剣 (第22作)
座頭市御用旅 (第23作)
新座頭市物語 折れた杖 (第24作)
新座頭市物語 笠間の血祭り (第25作)
座頭市 (第26作)

■リメイク・続編
座頭市 (2003)
ICHI (2008・女性版)
座頭市 THE LAST (2010)

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by syosei7602 | 2010-10-04 23:18 | 戦争/歴史/時代劇
座頭市物語
d0030824_20584.jpg『座頭市物語』 日本/1962
監督:三隅研次
出演:勝新太郎 万里昌代 島田竜三 三田村元 天知茂
真城千都世 毛利郁子 南道郎 柳永二郎 千葉敏郎
守田学 舟木洋一 市川謹也 尾上栄五郎 山路義人
堀北幸夫 福井隆次


子母沢寛著の随筆集「ふところ手帖」に収録されている同名作品を基に撮られたオリジナルの時代劇。
勝新太郎の代表作となり、全26作品が作られる長寿映画となり、テレビシリーズも制作された。
また、映画作品としては、3度リメイクされている。
監督は「眠狂四郎」「子連れ狼」シリーズを手がけた三隅研次。
出演はシリーズの勝新太郎、「スター毒殺事件」の万里昌代、「大魔神」の島田竜三、「男の世界」の三田村元、「新選組始末記」の天知茂、「江戸へ百七十里」の真城千都世、「四谷怪談 お岩の亡霊」の毛利郁子、「連合艦隊」の南道郎など。

<あらすじ>
d0030824_201376.jpg盲目ながら居合いの達人である市(勝新太郎)は、下総飯岡のヤクザ・助五郎(柳永二郎)のもとに草鞋を脱いだ。生憎と助五郎は留守だったが、丁半博打の雑魚部屋に通された市は、壺フリをかってでる。
助五郎の子分たちは、市の目が見えないことを良いことに彼を騙そうとするが、逆に騙されて賭け金を巻き上げられてしまう。
市は子分達の態度に見切りを付けて、立ち去ろうとするがちょうど良く助五郎が戻ってきたところだった。
助五郎は、市の居合いの凄さを知っているため、役に立つだろうと考えて長逗留をすすめ、子分の蓼吉(南道郎)に世話をさせることに。
助五郎一家は笹岡の繁蔵(島田竜三)と一触即発の状態にあったのだ。
ある日、溜め池へ釣りに出かけた市はそこで浪人の平手(天知茂)と知り合う。d0030824_202096.jpg平手は笹岡に雇われた用心棒で労咳を患っていた。
市と平手はお互いにウマが合い友情が芽生えはじめていたが、助五郎一家と繁蔵一家の対立は深まる一方になっていく。


<作品解説>
座頭市といえば勝新太郎、当然のイメージが結びついてしまうほどに長寿シリーズとなった作品です。
本作はその第1作であり、ちょうど勝新太郎が売れ出した時に撮られた時代劇となります。
市は盲目でありながら居合いの達人、飄々としながらもユーモアのあるアウトローなキャラクターです。
監督の三隅研次は、「眠狂四郎」「子連れ狼」といったアウトローな剣豪達を撮り続けた巨匠であり、そのアクション性は現代映画に多大な影響を与えています。
見事な殺陣シーンは、今見ても色あせない気迫を感じますね。
さて、主人公の市は以前に知り合った助五郎のもとにやってきます。彼には特に目的はなく、ただ飯が食えるとかその位の感じでふらりとやってきたわけです。市にとっては、居合抜きが人を斬るための手段というだけでなく、その凄さで飯が食えるという意味があるんですね。
しかし、運悪く助五郎一家は繁蔵一家と出入りをするやしないやで一触即発の状態で、繁蔵一家には江戸から流れてきた凄腕の浪人・平手造酒(ひらてみき)が雇われたばかり。
そして、何の因果か市と平手は酒を酌み交わすほどに友情を得てしまいます。
この手のストーリー、今で言えばハードボイルド、ノワールといったジャンルになるんでしょうか。
とにかく、勝新太郎と天知茂という二大スターの雰囲気が抜群にカッコイイ。
昔の映画にあったものは、カッコじゃなく気迫なんですよね。監督の手腕によって俳優が活きているという感じを受けますね。
本作は現代では放送禁止用語となる差別用語が多数使われていますが、時代劇というジャンルには必要不可欠な要素とも言えます。
今見てしまうと、そういった部分に目が行きがちですが、ちゃんと女房がお歯黒をしていたり、飯屋では横並びに飯を食っていたりと細かい部分の考証がきちんと取られています…もっとも、時代考証の専門家ではないので、聞きかじり程度でわかる範囲ですが、それでも「ちゃんとしているんだな」という面白さがあるのです。

<見どころ>
市の居合いの速さが素晴らしい。
また、市のとぼけた博打シーンは楽しいですね。
クライマックス、平手との一騎打ちは息を飲む瞬間!
余計な長セリフなどなく、対峙する2人の凄腕…渋すぎます。

<出演者>
勝新太郎が若くて男前、さらに凄みがあるなぁ。
北野武や綾瀬はるか、そして香取慎吾まで演じた「市」ですが、やはり誰も敵わない。
座頭市シリーズはその後、勝新太郎のライフワークにもなります。
市に惚れるたねを演じた万里昌代、キレイです。うーん、なぜだろうか、昔の女優は本当に「美しい」と感じてしまう。
そして天知茂。この人は明智小五郎というイメージが強いんですが、やはり時代劇がピッタリといった感じです。本作で演じた平手役はまさにハマリ役。

<総評>
アウトローな主人公達の活躍は、西部劇にも通じますね。
一騎打ちであったり、流れ者であったり…こういう部分は、いつの時代でも普遍的な魅力を持っています。
シリーズは香港映画などにも影響を及ぼしているので、一時代を築いた香港ノワール作品の基は「座頭市」とも言えるでしょう。そんな意味においても実に興味深く、そして傑作と言えます。
時代劇、アクション映画好きは必ず押さえておくべき作品。

<関連作品>
座頭市物語 (第1作)
続・座頭市物語 (第2作)
新・座頭市物語 (第3作)
座頭市兇状旅 (第4作)
座頭市喧嘩旅 (第5作)
座頭市千両首 (第6作)
座頭市あばれ凧 (第7作)
座頭市血笑旅 (第8作)
座頭市関所破り (第9作)
座頭市二段斬り (第10作)
座頭市逆手斬り (第11作)
座頭市地獄旅 (第12作)
座頭市の歌が聞える (第13作)
座頭市海を渡る (第14作)
座頭市鉄火旅 (第15作)
座頭市牢破り (第16作)
座頭市血煙り街道 (第17作)
座頭市果し状 (第18作)
座頭市喧嘩太鼓 (第19作)
座頭市と用心棒 (第20作)
座頭市あばれ火祭り (第21作)
新座頭市 破れ!唐人剣 (第22作)
座頭市御用旅 (第23作)
新座頭市物語 折れた杖 (第24作)
新座頭市物語 笠間の血祭り (第25作)
座頭市 (第26作)

■リメイク・続編
座頭市 (2003)
ICHI (2008・女性版)
座頭市 THE LAST (2010)

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by syosei7602 | 2010-10-02 23:37 | 戦争/歴史/時代劇
十三人の刺客
d0030824_3511073.jpg『13 ASSASSINS』 日本/2010
監督:三池崇史
出演:役所広司 山田孝之 伊勢谷友介 沢村一樹 古田新太
高岡蒼甫 六角精児 波岡一喜 石垣佑磨 近藤公園 窪田正孝
伊原剛志 松方弘樹 吹石一恵 谷村美月 斎藤工 阿部進之介
内野聖陽 光石研 岸部一徳 平幹二朗 松本幸四郎
稲垣吾郎 市村正親

公開時コピー
命を、燃やせ。

1963年に公開された工藤栄一監督、片岡千恵蔵主演の同名映画のリメイク。
監督は「ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲」の三池崇史。
出演は「パコと魔法の絵本」の役所広司、「シーサイドモーテル」の山田孝之、「人間失格」の伊勢谷友介、「カフーを待ちわびて」の沢村一樹、「ゲキ×シネ「五右衛門ロック」の古田新太、「猿ロック THE MOVIE」の高岡蒼甫、「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」の六角精児、「BALLAD 名もなき恋のうた」の波岡一喜、「ごくせん THE MOVIE」の石垣佑磨、「茶々 天涯の貴妃(おんな)」の近藤公園、「ガチバンMAX」の窪田正孝、「なくもんか」の伊原剛志、「TAJOMARU」の松方弘樹、「GOEMON」の平幹二朗、「HERO」の松本幸四郎、「笑の大学」の稲垣吾郎、「ベロニカは死ぬことにした」の市村正親など。

<あらすじ>
d0030824_3512245.jpg江戸時代末期、明石藩江戸家老・間宮図書(内野聖陽)が老中・土井家の門前で切腹をする。その目的は、明石藩主・松平斉韶(稲垣吾郎)の異常性格と暴虐ぶりを訴えるものだった。
土井利位(平幹二朗)は、斉韶の所業を調べ上げ、その残虐な性格を知ることとなる。既に来年の参勤交代の折には老中職に就くことが決まっている斉韶が、その性格から幕府を混乱に陥れることは火を見るよりも明らかだった。
利位は、旗本の御目付・島田新左衛門(役所広司)を呼び寄せ、事の次第を伝える。そして、尾張藩士・牧野靭負(松本幸四郎)と引き合わせ、斉韶が参勤交代で立ち寄った尾張藩での残虐な行為を語らせた。
余りの惨い仕打ちを聞いた新左衛門は職を返上し、斉韶暗殺を引き受ける。
新左衛門は、御徒目付組頭・倉永左平太(松方弘樹)に腕に覚えのある侍達を集めさせ、さらに剣の道に生きd0030824_3513218.jpgる浪人・平山九十郎(伊原剛志)や甥の島田新六郎(山田孝之)などを加えた12人で暗殺計画を練り始める。
暗殺決行は、斉韶が参勤交代で明石へ戻る道中にある小さな村・落合宿。
しかし、斉韶の側近には、かつて新左衛門と共に剣を学んだ鬼頭半兵衛(市村正親)がいた。
半兵衛は斉韶の所業に目を瞑りながら、主君を守るため、周到に準備を進めていた。

<作品解説>
オリジナル作品は、集団抗争時代劇というジャンルを確立し、クライマックスにおける13人対53騎の決戦は時代劇史上最も長い30分にも及びます。
斉韶については実在した人物ですが、本作の設定はもちろんフィクションでして、実際は将軍の弟ではなく越前松平家の出身となり、暗殺などされることなく天寿を全うしました。
本作で描かれる性格付けは11代将軍・家斉、家斉の二十五男(!)で斉韶の養子となった斉宣で、尾張藩との確執や急逝については斉宣の生涯から引用されています。
何故に暗殺の対象が斉韶になってしまったのかはよくわかりませんが、小説版ではちゃんと斉宣になっているようですね。
ストーリーベースは「忠臣蔵」や「七人の侍」でしょうか。
さて、将軍の弟だから何でもやっちまうぞ!という斉韶ですが、本作における性格はとにかく凄まじい。何の容赦もなく子どもを殺し、女性を暴行した挙げ句その夫を目の前で斬り殺して何度も切りつけるという、目に余る行為が描かれていきます。
なぜそんな性格になったのかとか、そういうものは一切無く、元々そういう異常なサディストで色欲魔というトンデモ設定。見ている側からすれば、「ああ、こいつは殺されちゃっても文句言えないね」というレベルに達しています。この残虐行為は三池監督ならではの描写、えげつないですね。
対するは、昼行灯気味な島田新左衛門と刺客12人達。
全員腕に覚えがありますが、戦乱の無い時代故に人を殺したことがあるものはごくわずか。
一番腕が立つ浪人・平山九十郎の元、敵を倒すためにはなりふり構わないことを教えられ、戦いに挑んでいきます。
オリジナル版の殺陣は30分ですが、本作はなんと50分という長丁場!
アクションシーンとしては、国内外問わず、相当な長さ…さながら香港映画の傑作「男たちの挽歌II」を彷彿とさせる面白さ。
また、近年では撮られることが少なくなった時代劇としての戦場シーンが非常にリアル、宿場町は東京ドーム20個分の広さで再現され、縦横無尽に戦いが繰り広げられます。
基本的に戦いのシーンに時間が割かれているため、刺客達の個々のエピソードが少なくなってしまったのと、宿場町の仕掛けの説明なども無かったのが残念。
集団の戦いであるが故に、敵側に凄腕がいなかったのも、ちょっと勿体なかったかな。
ラストのツッコミどころは三池監督ならではのお遊びって感じもしますが、いらなかったような、もしくはもっと別の形があったかと思います。

<見どころ>
まずは稲垣吾郎演じる斉韶の極悪非道ぶり!
終始にやけ顔で嬉々として人を殺す…見ている側からすれば「死ねばいいのに」と思わずにはいられない。
そして決戦はとにかく圧巻!
斬って斬って斬りまくれ!というセリフの通り、凄まじい戦いの連続になります。
当分、時代劇はいらないというくらい…その中で光っていたのは、東映スターして活躍した松方弘樹演じる倉永左平太の剣捌き。
さすが!と思わせる戦い振り、ひと味違います。

<出演者>
時代劇といえば役所広司、みたいな感じになっていますね。とにかく何でもこなしてしまう役所広司は安心して見られます。時代劇映画としては「どら平太」以来でしょうか。
山田孝之は骨太な感じで、アクションシーンが様になりますねぇ。
伊勢谷友介のキワモノ振りと比べると地味ですが…。
伊原剛志の剣豪っぽい雰囲気は見事。
沢村一樹をはじめとする刺客達の個々の話が無かったのはすこし残念ですが、それぞれに戦いのシーンで見事に演じきっています。
市村正親の困惑振りもまた良し、特筆すべきはジャニーズよくやらせたなぁと思う暴君・斉韶を演じた稲垣吾郎。はまってました。

<総評>
三池監督の作品はいつも間延びしたところがあって、眠くなるシーンがあるんですが、本作は141分の長さながら飽きませんでした。
個人的には三池作品の最高傑作と言えると思います。
若干、グロいシーンもあるので女性向きとは言えないですね。
久しぶりに骨のある邦画アクションでした。

<関連作品>
十三人の刺客 (オリジナル/1963)
十三人の刺客 (リメイク/2010)

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by syosei7602 | 2010-09-25 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
ウォーロード/男たちの誓い
d0030824_1405174.jpg『THE WARLORDS』 中国・香港/2008
監督:ピーター・チャン
出演:ジェット・リー アンディ・ラウ 金城武 シュー・ジンレイ
グオ・シャオドン ウェイ・ツォンワン ワン・クイロン グー・パオミン
ジョウ・ボー シー・ヂャオチー
受賞:第27回香港電影金像奨/最優秀作品賞他 多数(2008)


公開時コピー
それは命を懸けた義兄弟の契り。

「ラブソング」「ウィンター・ソング」など良作を撮り続け、香港を代表する監督の1人であるピーター・チャンによる「太平天国の乱」を基にした歴史映画。オリジナルは1973年の「ブラッド・ブラザース」で、リメイクとなる。
香港アカデミー賞と呼ばれる香港電影金像奨において、9部門を受賞した。
出演は「ドラゴン・キングダム」のジェット・リー、「墨攻」のアンディ・ラウ、「レッドクリフ」の金城武、、「新宿インシデント」のシュー・ジンレイ、「エンプレス―運命の戦い―」のグオ・シャオドンなど。

<あらすじ>
d0030824_1405977.jpg19世紀末期、太平天国の乱が勃発し、清朝軍は各地で敗退していた。
清朝軍のパン将軍(ジェット・リー)は、味方である魁軍が戦闘を放棄したことにより、自らの部隊は壊滅。
ただ1人生き残り、当てもなくさまよって倒れてしまう。行き倒れた彼を介抱したのは、リィエン(シュー・ジンレイ)という旅の女だった。
一夜を共にした2人だったが、パンが目を覚ますとリィエンは消えていた。
脱走兵や焼き出された人々に混じって仕事を求める彼の前に現れたのは、ウーヤン(金城武)が率いる盗賊一味だった。パンの腕っ節を買ったウーヤンは、他に雇った人々を連れてある峡谷にやってくる。
峡谷を進軍する太平軍を襲い、物資を奪おうというのだ。太平軍が進む先には、ウーヤンの兄貴分で盗賊団のリーダー、アルフ(アンディ・ラウ)が待ち構えていた。
奇襲をかける中、パンはウd0030824_141685.jpgーヤンの命を救い、盗賊の村に迎え入れられる。
そこで彼はリィエンと再会するが、彼女はアルフの妻だったのだ。
その夜、魁軍が村を襲う。盗賊の末路を目にしたパンは、アルフに生き抜くために軍に入ることを薦める。アルフはパンの考えに賛同し、ウーヤンと共には義兄弟の契り「投名状」を交わして、運命を共にすることを誓う。

<作品解説>
「太平天国の乱」といわれても、世界史で少し習ったような習わなかったような…そんな感じの中国の歴史です。1850年に勃発し、宗教乱としてはもっとも被害が大きかったと言われています。で、宗教ですが、これってキリスト教なんですよね。要するによくある宗教戦争ですが、中国だけに規模がでかいのです。
本作はその戦いの中における重要人物で、実質的に太平天国を潰した馬新貽将軍をモデルにしています。
この人の最期は清末四大奇案と呼ばれ、今でも謎のままです。
さて、敗軍の将であるパンがさまよって、リィエンという美女に助けられ、一夜を共にしたところから物語は始まります。
優秀な将軍でありながら、味方の援護を得られなかったパンですが、盗賊団のリーダーとその弟分と義兄弟の契りを交わし、一番上の兄貴分として朝廷に掛け合い、再び軍を組織。
圧倒的な戦力を持つ敵の拠点を打ち破り、転戦を重ねていく…という物語。
本作はかなり矢継ぎ早で、展開がいきなり変わったりします。歴史を知らないと一体何がどうなっているのか迷ってしまうのが勿体ない。
ただ、歴史的な流れというのは、あくまでもベースです。本作のテーマは義兄弟、そしてパン、アルフ、リィエンの関係です。
しかし、ここで揺れ動くのはリィエンであり、彼女がキーマンといっても差し支えありません。
というのも、本作は馬新貽が如何にして清末四大奇案と言われる最期を迎えなければならなかったのか、それを独自解釈したものだからです。
悲壮な戦いと愛憎劇として、なかなかの秀作といえます。

<見どころ>
これぞ中国パワー!と言うべき合戦シーンは凄まじいの一言。
ジェット・リー演じるパンの大立ち回りを始め、見どころ十分。
戦いの非情さも見事に描かれています。

<出演者>
「SPIRIT」で武侠映画はもうやらないと宣言したジェット・リー。この人はアクションもカッコイイですが、実は結構演技派です。
本作ではいつものジェット・リーとはひと味違う、将軍役で非情な命令すらも出すパンを好演。
見事、主演男優賞に輝きました。
アンディ・ラウは既に言うこと無し。この人はいつ見ても男前です。
金城武は、本作公開後に「レッドクリフ」で諸葛亮を演じましたが、個人的には本作の方が良かった。
シュー・ジンレイは監督業もこなす女優だそうです。本作における彼女は、地味ながらも妖艶でした。

<総評>
なんだか「レッドクリフ」よりも面白かったような…この手の作品は、日本だとメジャーになりきれないのが残念。ジョン・ウーの様にハリウッドで売れると見る人は増えますけど。
ピーター・チャン監督の作品はどれも手堅いので、割とオススメです。

<関連作品>
ブラッド・ブラザース (オリジナル)
ウォーロード/男たちの誓い (リメイク)

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by syosei7602 | 2010-05-24 22:49 | 戦争/歴史/時代劇
アラビアのロレンス/完全版
d0030824_2172688.jpg『LAWRENCE OF ARABIA』 イギリス/1988
監督:デヴィッド・リーン
出演:ピーター・オトゥール アレック・ギネス オマー・シャリフ
アンソニー・クイン ジャック・ホーキンス アーサー・ケネディ
クロード・レインズ ホセ・ファーラー アンソニー・クエイル
ドナルド・ウォルフィット マイケル・レイ
受賞:アカデミー賞/作品賞・監督賞・作曲賞 他多数(1962)

公開時コピー
灼けつく大砂漠を越えて今ロレンスが進撃する!(リバイバル時)

実在したイギリス軍将校トマス・エドワード・ロレンスを主人公に、アラブ独立闘争を壮大なスケールで描いた戦争映画。オリジナルは1962年公開で、アカデミー賞7部門を受賞した。
監督は「戦場にかける橋」のデヴィッド・リーン。
出演は「スターダスト」のピーター・オトゥール、「スター・ウォーズ」のアレック・ギネス、「オーシャン・オブ・ファイヤー」のオマー・シャリフ、「ラスト・アクション・ヒーロー」のアンソニー・クイン、「シラノ・ド・ベルジュラック」のホセ・ファーラー、「鷲は舞いおりた」のアンソニー・クエイルなど。

<あらすじ>
d0030824_217341.jpg1935年5月13日、バイクで走っていた男が自転車を避けようとして脇道に転落して死亡した。男の名はトマス・エドワード・ロレンス(ピーター・オトゥール)。
イギリス軍の将校であり、かつてアラブ独立闘争で名を馳せた英雄だった。
1916年10月、エジプト・カイロ基地に勤務するロレンス中尉は風変わりな男として知られていた。軍の規律は守らず、服装はだらしない…しかし、語学に堪能で博識、とりわけアラブについては熟知していた。
彼はその知識に目を付けられ、オスマン帝国からの独立を目指すファイサル王子(アレック・ギネス)と会見して、イギリス軍への協力を取り付ける任務を負い、アラビアへと渡る。
現地ガイドと共に過酷な砂漠の旅を続ける中、ガイドは砂漠にある井戸の水をロレンスに飲ませたことから、その井戸の持ち主であるハリト族酋長アリ(オマー・シャリフ)に殺されてしまう。
アリはファイサルへの案内を申し出るが、ロレンスはそれを断って1人旅を続ける。
しかし、ファイサル王子の指揮する駐屯地にたどり着いたものの、オスマン帝国の激しい攻撃に遭い、反撃出d0030824_2174180.jpg来ずに撤退を余儀なくされるのだった。
ロレンスは、独立闘争への協力を約束し、再会したアリと王子の兵士50名と共に重要拠点であるアカバ湾攻略に向かう。
彼らの前にはもっとも過酷と言われるネフド砂漠が待ち受けていた。


<作品解説>
公開時に207分という長尺、さらに完全版は227分という壮大な作品です。
完全版は失われたカット、さらに劣化したフィルムや音響などが復元されています。
時代は第一次大戦下、アラビアにおける独立闘争を支援したロレンス大佐を主人公に据えて、広大な砂漠とそこで起こる戦いが描かれていきます。
その中で国同士の戦いは勿論のこと、ロレンスの苦悩、政治的駆け引き、アラブ民族同士の対立、戦争の狂気などが子細に描かれます。
しかし、その中にあって叙情的な美しい砂漠の風景が差し込まれ、名シーンとして語られています。
さて、本作の凄さはその撮影の大胆さでもあり、丁寧に描かれた独立闘争の顛末、そしてロレンスの感情が絡み合うストーリーにあります。
変人と言われるロレンス中尉は、思いも付かない方法(無謀とも言う)で、重要な拠点であるアカバ湾を攻略し、アラブ民族からは英雄として祭り上げられていきます。
一方で卓越した知識と戦略で戦果を挙げ、イギリス軍にとっても英雄であり、欠かすことの出来ない人物になるわけです。
しかし、彼自身は理性と狂気の狭間にいる人物であり、戦争というものが個人を如何に追い詰めるか…それを具現化するような行動をしてしまいます。
英雄とは偶像であり、夢であり、一方で現実的に影響を及ぼす両刃…物語のラストは、儚く切なく迎えられていきます。

<見どころ>
今では大軍もCGで再現されますが、当時の「生身」の凄さは圧巻。
砂漠で繰り広げられた疾走感溢れる戦闘シーンは見事です。
また、静かで美しく、時には牙をむく砂漠も余すところ無く描かれています。

<出演者>
本作のイメージが強すぎてしまったピーター・オトゥールですが、貧弱なイメージでどちらかというインテリです。しかし、彼の狂気に駆られた演技は見事。
冷静沈着なアリを演じるオマー・シャリフは格好良く、ロレンスを尊敬する眼差しは助演にふさわしいですね。
アンソニー・クインの荒々しさも素晴らしいんですが、この人は最後が一番格好いいです。

<総評>
今はテンポ良く進む映画が好まれますが、本作の圧倒的な迫力はCGを蹴散らす勢い。
近年で言えば「レッドクリフ」が迫力ありましたが、やはり生身の臨場感というのはCGでは為しえません。
それは人間ならではの良い意味でのバラつきであったり、計算外のおもしろさであったりします。
歴史作品としても魅力的なので、未見の方は是非に。

<関連作品>
アラビアのロレンス (オリジナル・1962)
アラビアのロレンス/完全版 (1988)

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by syosei7602 | 2010-03-15 23:56 | 戦争/歴史/時代劇
イングロリアス・バスターズ
d0030824_2351140.jpg『INGLOURIOUS BASTERDS』 アメリカ/2009
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ブラッド・ピット ダイアン・クルーガー クリストフ・ヴァルツ
メラニー・ロラン ミヒャエル・ファスベンダー イーライ・ロス
ダニエル・ブリュール ティル・シュヴァイガー B・J・ノヴァク
サム・レヴァイン ポール・ラスト ギデオン・ブルクハルト
受賞:カンヌ国際映画祭/男優賞 (2009)他

公開時コピー
悪名こそ、彼らの名誉(グロリアス)。

「グラインドハウス」「キル・ビル」など、ヴァイオレンスアクションを撮り続けるクエンティン・タランティーノ監督の最新作。
出演は「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のブラッド・ピット、「ナショナル・トレジャー」シリーズのダイアン・クルーガー、「私が愛したギャングスター」のクリストフ・ヴァルツ、「PARIS(パリ)」のメラニー・ロラン、「300<スリーハンドレッド>」のミヒャエル・ファスベンダー、「グラインドハウス」のイーライ・ロス、「パリ、恋人たちの2日間」のダニエル・ブリュール、「キング・アーサー」のティル・シュヴァイガーなど。

<あらすじ>
d0030824_2352256.jpg1941年、ナチス占領下フランスの田舎町ナンシーに農場をかまえるラバディット(ドゥニ・メノーシェ)の家に、ナチスのジープがやってくる。車から降り立ったのはナチス将校のハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)。
ランダ大佐は“ユダヤ・ハンター”の異名を取る悪名高き男。
ラバディットがユダヤ人農家の一家を匿っていると疑い、床下に潜んでいたドレフュス一家を殺してしまう。
ただ1人生き残ったショシャナ(メラニー・ロラン)を追うことはせず、ランダ大佐は何故か見逃す。
一方、ナチスのヒトラー総統(マルティン・ヴトケ)は苛立っていた。それもこれも、ユダヤ系アメリカ人で構成された連合軍の極秘部隊“イングロリアス・バスターズ”のせいだった。
バスターズを率いるアルド・レイン中尉(ブラッド・ピット)は、部下にナチスの頭の皮を100人分剥いでこいと命令し、殺害されたナチス兵は無惨な有様に。
しかもアルドの配下にはバットでナチス兵を殴り殺す“ユダヤの熊”ことドニー(イーライ・ロス)や、ドイツ人であるながらゲシュタポを13人も殺害して投獄されていたユーゴ(ティル・シュヴァイガー)などのくせ者揃い。
d0030824_2353258.jpgバスターズ達の行動は止められそうにもなかった。
1944年、パリ。小さな映画館の館主ミミューは、ナチスの英雄フレデリック(ダニエル・ブリュール)に言い寄られて困惑していた。しかし、彼の活躍を描いた映画を、自分の映画館でプレミア上映して欲しいと頼まれ、さらにその招待客の名前を聞いて、ミミューはある決心する。

<作品解説>
久々のタランティーノ長編作、予想するにはきっと映画ネタ満載で、悪趣味なんだろうな、と予想しつつ…思った通りの作品でした(笑)。
第二次大戦下、ナチスドイツ占領下のフランスを舞台に、ナチス抹殺(虐殺?)部隊とナチスへの復讐を誓う1人の美女を軸に展開。
オープニングからしてアレなわけですが、字幕嫌いのアメリカ人にこれでもかと挑戦的な字幕の数々。
ドイツ語、英語、イタリア語など、言語の違いも実は作品における重要なポイントなんですが、そういうところはある意味真面目なのに、ラストに至るまでやりたい放題。
いかにもタランティーノらしい作品です。
さて、152分という長尺ながらアクションシーンは少なめ、ほとんどが言葉によるやりとりと駆け引き、主に登場人物達の心象を描いています。
バスターズの面々は基本的にはお馬鹿キャラですが、復讐を誓うショシャナ、徹底して悪辣なランダ大佐などが見事すぎ。これは俳優達の技量に寄るところが大きいですが、ゲスト出演を含めてタランティーノ作品ってみんな真面目なのね、と思わせたりして。
突発的なアクション、無駄に長い駆け引き、リアルなグロさなど、一見してバカ臭いはずなのにそうじゃない。
乗っかっているものが凄いんです。
正直言って、この映画、笑えるところはかなりある。
相変わらず色んな映画の引用があるし、その使い方も露骨かつスパイスになっているわけです。
しかし、これでずっと笑っていたら相当な映画マニア、周りから変な目で見られること間違いなしですね。

<見どころ>
もっとあっても良かったバスターズ紹介部分。
ショシャナを演じるメラニー・ロランの美しさ、そしてクライマックス。
いやもう、ナチスいじめもここまで来るとはね。
ラストも秀逸でした。

<出演者>
最近のブラピ株上昇中。この手の作品に出てくるブラピは良いですね。
ダイアン・クルーガーは相変わらず美しい…しかし、タランティーノはこんな綺麗な女優にああいうことさせるんですねぇ(さすが)。
やはり一番なのはクリストフ・ヴァルツ。
カンヌ映画祭で男優賞を受賞した遅咲きとも言える俳優ですが、初っぱなから見事でした。
そしてメラニー・ロラン。
うーん、なんということか…惚れる(笑)。
見事に華として、そして演技も素晴らしいです。

<総評>
相変わらずのタランティーノ節。
ブラピの出番はそんなに多くないし、むしろ少ない。
でも個々が強烈な印象を放っているので、全体的には満足ですね。
しかし、本当の主役はメラニー・ロランとクリストフ・ヴァルツでした。
スタントでゾーイ・ベル、本当に好きだよなぁタランティーノ。

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by syosei7602 | 2009-12-19 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
カムイ外伝
d0030824_1124014.jpg『カムイ外伝』 日本/2009
監督:崔洋一
出演:松山ケンイチ 小雪 伊藤英明 大後寿々花
イーキン・チェン 金井勇太 芦名星 土屋アンナ
イ・ハソン 山本浩司 PANTA 佐藤浩市 小林薫
ナレーション:山崎努


公開時コピー
生き抜け!

白土三平の伝説的忍者マンガを「血と骨」の崔洋一監督が映像化。
出演は「デトロイト・メタル・シティ」の松山ケンイチ、「ラスト・ブラッド」の小雪、「252 生存者あり」の伊藤英明、「女の子ものがたり」の大後寿々花、「ヒロイック・デュオ 英雄捜査線」のイーキン・ツェン、「アマルフィ 女神の報酬」の佐藤浩市、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の小林薫など。
主題歌は倖田來未。

<あらすじ>
d0030824_112491.jpg時は17世紀。激しい差別から逃れるために忍びとなったカムイ(松山ケンイチ)は、自由を求めて抜け忍となる。追忍の激しい追跡を交わし、時には幼なじみすらも倒していく。
そんなある日、藩主・水谷軍兵衛(佐藤浩市)の馬の足を切り落とした猟師・半兵衛(小林薫)を助けることに。
海に逃げ出した2人だったが、嵐の海の中、半兵衛はカムイを突き落とす。
カムイはある島の浜辺に倒れていた。その強さに感心した半兵衛はカムイを家で介抱する。
しかし、半兵衛のd0030824_1125864.jpg妻はかつてカムイがいた伊賀忍者から抜け出したスガル(小雪)だったのだ。
スガルはカムイを追っ手と勘違いして襲うが、カムイは同じ抜け忍だと伝える。
そんなカムイに、半兵衛とスガルの娘・サヤカ(大後寿々花)が想いを寄せ、しばし穏やかな時が流れるのだが…。


<作品解説>
原作は昔、ほんの少し読んだくらいで全く記憶がありません。
かなり昔からあるので、とっくに終わっていると思ったらまだ続いていたんですね(実に45年!)…それはさておき、そんな伝説的なマンガを実写化したのが本作。
マンガの実写化となると、最近では意味不明な「ドラゴンボール」とかありましたが、マンガとは元々ビジュアルがあってこそのものなので、どこまで再現できるかがポイントとなります。
本作は「カムイ外伝」の中でも印象的な「スガルの島」というエピソードから作られたらしいのですが、各評価を見てみると面影がわずかばかり残っている程度のようです。
さて、ぶっちゃけていうと完成度は高くありません。
まず、CGのひどさが目に余ります。なんでこれでOK出したのかわからないぐらいにひどい。
また、ワイヤーアクションをスローで映すのはお決まりパターンとはいえ、もっとダイレクトなアクションが欲しかったところ。なんというか、無理矢理マンガの動きを実写で再現しようとして、無茶苦茶になっています。
カムイの必殺技という飯綱落としはギャグみたいだし、木から木へ飛び移る、鹿やサメの合成もちょっと…エンドロールを見ていたら多数の会社が関わっているようで、今ひとつ統一されていない感じを受けました。
これらのマイナス点を除いたところで、ストーリーの評価ですが、ちょっとだらけすぎですね。
テンポが悪いのは目を瞑るにしても、追われる側にあるカムイの背景がおざなりになっています。
色んな点でもっと頑張って欲しかった。

<見どころ>
ワイヤーを使わない戦闘シーンは迫力あり。
そして出演者達が好演。
これに救われた感じでしょうか。

<出演者>
松山ケンイチは頑張っているんですが、シナリオがついてこなかった。
いわゆる逆手持ちでの殺陣はすばらしい。
小雪しかり、小林薫しかり…大後寿々花、伊藤英明も見事です。
疑問なのはイーキン・ツェン、なぜ声の吹き替え使ってまで彼を起用したのか、さっぱりわからん。
佐藤浩市は変な役をやらせたらピカイチです。
ナレーションは邪魔なだけでした。

<総評>
山崎貴監督の「BALLAD 名もなき恋の歌」のCGがかなり見事な出来映えだっただけに、本作のしょぼさが目につきました。
アクションに特化するのか、それともストーリー重視なのか…まあ、両方詰め込んでしまった為に、長くてしんどくなってしまったのが残念。
家に帰ってアニメの「サムライ・チャンプルー」を見たら、これが面白かったんだよなぁ。

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by syosei7602 | 2009-10-07 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
BALLAD 名もなき恋の歌
d0030824_23343413.jpg『BALLAD』 日本/2009
監督:山崎貴
出演:草なぎ剛 新垣結衣 大沢たかお 夏川結衣 筒井道隆
武井証 吹越満  斉藤由貴  吉武怜朗  波岡一喜  菅田俊
香川京子 小澤征悦  中村敦夫



公開時コピー
守ることが、愛することだった。
祈ることが、愛することだった。


「クレヨンしんちゃん」劇場版の中でも特に評価が高い「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を、「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が実写化。
出演は「山のあなた 徳市の恋」の草なぎ剛、「フレフレ少女」の新垣結衣、「GOEMON」の大沢たかお、「歩いても 歩いても」の夏川結衣、「俺は、君のためにこそ死ににいく」の筒井道隆、「ぼくとママの黄色い自転車」の武井証、「真夏のオリオン」の吹越満、「KIDS」の斉藤由貴、「天国の本屋~恋火」の香川京子、「クライマーズ・ハイ」の小澤征悦、「犬神家の一族」の中村敦夫など。
主題歌はalan。

<あらすじ>
d0030824_23344412.jpg気弱な小学生・真一(武井証)は仲の良い女の子がいじめられても助けも出せず、勇気が欲しいと願っていた。そんなある日、通学路にある大クヌギの下に埋まっていた古い手紙を見つける。
その手紙を見つけた瞬間、真一は気を失い、気が付くと森の中にいた。
森を抜けると大勢の甲冑を付けた兵士がおり、草むらには鉄砲で狙いを定める2人。真一が声をかけた瞬間弾が放たれ、馬上にいた武士をかすめる。
その武士は春日の国に仕える井尻又兵衛(草なぎ剛)、またの名を「鬼の井尻」と呼ばれる猛者だった。
時は天正2年、又兵衛は未来から来たという真一の扱いに困り、ひとまず城に連れ帰ることに。
春日の国の国主・康綱(中村敦夫)は、真一の話に驚きながらも疑いを隠さない。そこへやってきたのは康綱の娘・廉姫(新垣結衣)だった。
廉姫を見た真一は、泉のほとりで祈りを捧げる廉姫の夢を何度も見ており、その事を話すと廉姫は又兵衛に真一の世話をするように命じる。
最初は困惑していた又兵衛だったが、真一の屈託の無さに少しずつ心を開いていく。
d0030824_23345330.jpg次の日、北関東の大名・大倉井高虎(大沢たかお)が狩のついでに春日を訪れ、廉姫を妻にしたいと半ば強引に申し出る。
弱小国の春日は、断ることが出来ない状況。廉姫は幼なじみの又兵衛にそれとなく意見を求めるが、身分違い故に又兵衛は口をつぐんだままだった。

<作品解説>
2002年度に「文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞」他、数々の賞を獲得し、劇場版「クレヨンしんちゃん」シリーズの中でも屈指の名作といわれる作品のリメイクです。
「クレヨンしんちゃん」といえば、極限までデフォルメされたキャラクター像と下ネタのオンパレ、というイメージが強く、これだけで「適当っぽいな」と思ってしまうんですが、原作でもこれは控えめ。さらに、この劇場版に限っては相当緻密な時代考証がなされた事でも有名(NHKの大河ドラマを凌ぐほど考えられていた)。
アニメから実写へのリメイクというのは、キャラクターのイメージが大きく変わってしまうために残念な出来になってしまうことが多いんですが、本作はあえてそれに挑戦した意欲作といえるでしょう。
さて、原作は「クレヨンしんちゃん」ながら、野原一家の設定は引き継がれず、真一という小学生が主人公となっています。しんちゃんを実写化したら、リアルに下ネタを言う子供になってしまうので、ちょっと気弱でマジメな小学生という設定は正解でしょう。
いわゆるタイムスリップものではあるものの、本作においてその種明かしはありません。タイムスリップはあくまでも作品中の事象の1つに過ぎず、原因はまったく不明…実に潔いです。
舞台となる春日は架空のものですが、城の作り(いわゆる山城)、戦闘シーン、女子の振るまい(二の腕を出してはいけないなど)は非常によく考えられています。
生活感あふれる情景描写ははじめとして、身分違いの恋はもどかしさも物語としてよく出来ています。
架空の物語、しかも戦国時代にどこまでリアリティを求めるかは制作者側の度量と言えますが、歴史に詳しくなくても本作の動きがなぜか妙に「リアル」に感じるのは、見事という他ありません。
ストーリーは若干間延びした印象を拭えませんが、他の時代劇とはひと味違った感覚が味わえます。

<見どころ>
草なぎ剛演じる又兵衛の見事な殺陣、これってワンカットなんでしょうかね。
また、戦闘シーンは素晴らしいです。
ワイヤーアクションなどに頼り切った最近の作品から見れば、派手さはありませんがおもしろい。

<出演者>
草なぎ剛は、SMAPの中で映画の主演作品が一番多いんですよね。
本作での武士姿は様になっていました。顔つきが無骨なので髭がよく似合います。
新垣結衣は凛とした感じが良かったんですが、ピアスホールが残っていたような…まあ、可愛ければ許すみたいなところがあるけど。
大沢たかおの悪役はいいですねぇ、この人は迫力ありますよ。
武井証もなかなか。普通の子供っぽすぎてはまってます。
その他、芸達者な俳優が揃っているので落ち着いて見られました。

<総評>
泣けるか、と言われると若干グッと来る部分があったくらいでしょうか。
でも、最後は良かったですね。妥協していないというか、ストーリー上のご都合主義を排除していたりして。
ツッコミどころはあるし、132分という長さで間延びしたのが勿体ない限りです。

<関連作品>
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 (アニメ・オリジナル)
BALLAD 名もなき恋の歌 (実写・リメイク)

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by syosei7602 | 2009-09-13 23:30 | 戦争/歴史/時代劇
用心棒
d0030824_1393878.jpg『YOJIMBO』 日本/1961
監督:黒澤明
出演:三船敏郎 仲代達矢 司葉子 山田五十鈴 加東大介
河津清三郎 志村喬 太刀川寛 夏木陽介 東野英治郎
藤原釜足 沢村いき雄 渡辺篤 山茶花究 羅生門綱五郎
受賞:ヴェネチア国際映画祭/男優賞(1961)
ブルーリボン賞/主演男優賞・音楽賞・特別賞(1961)

世界の映画に多大な影響を及ぼした黒澤明監督によるアクション時代劇。
ベースとなったのはハードボイルド小説の先駆者シドニー・ハメットの「血の収穫」など。
後に実質的続編と言われる「椿三十郎」も制作された。
出演は「椿三十郎」の三船敏郎、「犬神家の一族」(2006)の仲代達矢、「獄門島」の司葉子、「柳生一族の陰謀」の山本五十鈴、「陸軍中野学校」の加東大介、「風立ちぬ」の河津清三郎、「あげまん」の東野英治郎、「日本一のホラ吹き男」の山茶花究など。

<あらすじ>
d0030824_1404895.jpg冬の日、ある宿場に1人の浪人(三船敏郎)がやってくる。
その宿場は馬目の清兵衛(河津清三郎)と新田の丑寅(山茶花究)による縄張り争いでひっそりと静まりかえっていた。
めしやの親父(東野英治郎)から、宿場の対立を知った浪人は、悪人どもが全ていなくなる一計を案じる。
清兵衛の元に用心棒として売り込んだ浪人は、手始めに丑寅の子分3人を一瞬で斬り捨てた。
それを見た清兵衛は、早速に浪人を五十両で雇う。
浪人の名は出任せで桑畑三十郎と名乗った。
d0030824_141770.jpg早々に清兵衛たちは切り込みの用意をはじめ、宿場の通りで丑寅達と対峙する。
が、三十郎は「終わった後に寝首をかかれてはかなわん」と言って、あっさり金を返して高見の見物を決め込む。
引っ込みがつかなくなった清兵衛と丑寅、一触即発の状態まであと少しというところで役人が来るとの知らせを聞き、その場はおさまるのだが…。

<作品解説>
「用心棒」と言えば、クリント・イーストウッド主演で「荒野の用心棒」としてぱくられた事でも有名な作品(実際に東宝が訴えた)。さらにブルース・ウィリス主演の「ラストマン・スタンディング」として、こちらはリメイクとして正式に制作されました。
全くのオリジナルと思われがちですが、実はシドニー・ハメットの小説「血の収穫」などをベースにしています(1つだけではなく、かなりの数のアイディアを借りているとのこと)。
さて、本作は時代劇における「初めて」づくしの作品で、刀で切った時の音、すれ違い様に切って相手が倒れるなどの演出が為されています。
また、殺陣においては1人を2度斬りつけるなどの動きがあり、殺陣の数がかなり少ないにも関わらず見るものを惹きつけます。この辺りのうまさは黒澤監督と三船敏郎のコンビならではでしょう。
ストーリーは至ってシンプル。
流れ者の浪人がお節介から、宿場にいる悪党達を全滅させる…そのために知恵を働かせて、うまく立ち回ります。
「用心棒」というタイトルからすると、大きな戦いがあって…と思いきや、実はコメディアクションといっても差し支えないほどにユーモアに溢れていて、笑えるところ多数。
出演陣の濃さとあいまって、実に痛快な作品と言えるでしょう。

<見どころ>
三船敏郎と東野英治郎の掛け合い、そしてスパイスとなる司葉子の登場など、あちこちにユーモアと仕掛けがたくさんあります。
そして、三船敏郎の殺陣は見事ですね。

<出演者>
実はコメディアンな俳優ともいえる三船敏郎。まさしく=サムライなわけですよ。
ハードボイルドな雰囲気が抜群。
仲代達矢はとにかく格好いい伊達男。
なぜか拳銃をもって登場し、ラストに至るまで強烈な印象を残します。
司葉子は一瞬、しかしその美しさが泥臭い男どもの戦いを一瞬にして沈めてくれます(笑)。
あと、なんといっても東野英治郎。
テレビの水戸黄門といえば、この人か西村晃だったんですけどね(西村晃も出てますけど)。

<総評>
欲を言えばもう少し殺陣が欲しかったかな?と思ったりもしますが、テンポ良く進んで面白い。
ラストのあっさり感も潔いです。
モノクロだからこそ、味のある作品ともいえますね。
一度は見るべき傑作です。

<関連作品>
用心棒
椿三十郎 (実質的続編)

■リメイク
荒野の用心棒
ラストマン・スタンディング

■三船敏郎が「用心棒」を演じた作品
座頭市と用心棒
待ち伏せ

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by syosei7602 | 2009-06-17 23:59 | 戦争/歴史/時代劇