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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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カテゴリ:アニメ/CG( 114 )
この世界の片隅に
d0030824_00002574.jpg『IN THIS CORNER OF THE WORLD』2016/日本
監督:
片渕須直
声:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔
潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓 小山剛志
受賞:
第90回キネマ旬報ベスト・テン日本映画ベストワン及び監督賞
第71回毎日映画コンクール日本映画優秀賞・大藤信郎賞
第59回ブルーリボン賞監督賞




公開時コピー
昭和20年、広島・呉。
わたしは ここで 生きている。


こうの史代の同名原作マンガのアニメ化。2011年に実写化されている。
クラウドファンディングによって、資金を集めたことでも話題になった。
戦前から戦後までの日常を、徹底したディテールで描き切っている。
監督は「名犬ラッシー」「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直。
声は能年玲奈あらためのん、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の細谷佳正、子役の稲葉菜月、舞台出身の尾身美詞、「宇宙戦艦ヤマト2199」の小野大輔など。
音楽・主題歌はコトリンゴ。

<あらすじ>
1944年2月。広島に住む浦野すずは絵を描くことが好きな18歳。そんな彼女に突然縁談の話が持ち上がる。相手は幼い頃に彼女を見かけてから忘れられずにいたという青年・北條周作。
呉で働く海軍の文官だった。
あれよという間に北條家に嫁いだすずは温かく迎えられる。
見知らぬ町での生活に少しずつ慣れていく彼女だったが、戦争の足音はすぐ側まで迫ってきていた。


<総評>
こうの史代原作の映画といえば「夕凪の街 桜の国」。戦後の広島と現代の東京を舞台にした作品で、しっかりとした脚本が見事でした。
本作は監督自らが惚れ込んだだけあって、方便、物語の舞台となる当時の広島・呉の再現性が徹底されています。

さて、物語の序盤、主人公すずは「どこかぼーっとした子」と紹介されます。
物事を考え始めるとのめり込んでしまう性格は、趣味の「絵」として表現されていきます。
この絵が本作の大きなポイントとなっており、すず自身の現実を受け入れる鍵ともいえるでしょう。
この作品の全体像は、常に「日常」であること。そこに戦争が入り込むのではなく、日常の一つとして描かれるのが注目すべき点でしょう。
やがて戦火が広がると食糧不足が始まり、兵隊にとられる若者が増え、そして本土に爆弾が降り注ぐようになります。
すずは嫁ぎ先でも、なんとか創意工夫をこらして生活を続けていきます。
この手の作品でありがちなのが「強い女性」が持ち前の明るさで耐えて、最後は…というパターン。しかし、本作は不満をため込み、ストレスを感じ、時には男性との仲で葛藤もする。
これほどまでに繊細な表情を見せるアニメキャラクターはなかなかいません。
物語の締め方はさらっとしつつも、戦後、そして家族のあり方、幸福を予想させるものです。
(原作ではもう少し続くようです)

声を演じたのんをはじめ、声優陣の広島弁(あるいか呉の方言)に不自然さを感じることはありませんでした。
のんの声は他の声優陣と比べると「声優ではない演技」の特徴はあるのものの、監督が惚れ込んだというだけあって、主人公すずにぴったりとはまっていました。
細谷佳正の演技力も高く、総じて本作の声優はすばらしかった。
あくまでも個人的な感想ですが、映画ファンならずとも「見るべき作品」と思える作品です。

<監督トークショー>
1月28日に京都・立誠シネマで行われた片渕監督のトークショーに行きました。
先着順ということで参加券を貰うため、可能な限り朝早くに行きましたが、かなりの盛況ぶり。インタビュアーは滋賀県立大学人間文化学部教授の細馬宏通氏。
監督が重視した点は「当時の再現性」「架空ながらも実在した人物のような物語」だそうです。
何度もロケハンと取材を行ったそうで、特にすずが嫁ぐために乗る汽車のシーンはトンネルの位置などで苦労したそうです。
また、当時の戦果を伝えるラジオ放送などの裏話、細馬さんとの昔のアニメの話などを興味深く聞かせてもらいました。
実はこの日に本作を鑑賞したので、その感動を抱いたまま話を聞き、さらにパンフレットにサインを頂くというこの上ない体験でした。

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by syosei7602 | 2017-02-22 00:03 | アニメ/CG
君の名は。
d0030824_22541988.jpg『YOUR NAME.』日本/2016
監督:
新海誠
声:神木隆之介 上白石萌音 長澤まさみ
市原悦子 谷花音 成田凌 悠木碧 島崎信長
石川界人







公開時コピー
まだ会ったことのない君を、探している

「ほしのこえ」「言の葉の庭」の新海誠監督による青春SF。
入れ替わりという古典的なテーマと練られた脚本により、監督作品の中でも屈指の出来となっている。
声は実写版「バクマン。」の神木隆之介、実写版「ちはやふる」の上白石萌音、「アイアムアヒーロー」の長澤まさみ、「あん」の市原悦子など。
音楽はRADWIMPS。

<あらすじ>
千年ぶりの彗星が来る一ヶ月前、山深い田舎町に住む女子高生・宮水三葉は、家業である神社の風習、家を出て行った父親の町長選挙など憂鬱な日々を過ごしていた。
そんなある日、彼女は東京の男子高校生になる夢を見て、思い切り生活を満喫する。
一方、東京の高校生・立花瀧は、田舎の女子高生になった夢を見る。最初は夢だと思っていた2人だったが、いつしか自分たちが入れ替わっている事に気がつき、お互いにルールを設けて状況に対応していくのだが…。



<総評>
新海作品といえば、美しい映像が持ち味で、セリフよりも情景描写を中心とした物語の進め方が特徴的でした。
しかし、キャラクターデザインがちょっと微妙だったり、あるいはジブリに似ていたりと勿体ないことが多かったように思います。本作では「あの花」「心が叫びたがっているんだ。」のキャラデザを担当した田中将賀、音楽にはRADWIMPS、作画監督にはジブリで名を馳せた安藤雅司という豪華メンバーが名を連ね、脚本もより練られたものになって、とても楽しめる作品になっています。
今までの新海作品の中でも非常に見事な完成度、映像の美しさには磨きがかかり、セリフ回しやキャラクターの行動も緩急がついてコミカルなシーンが多くあるのもいいですね。
さて、巨大な彗星が地球に迫ってくる1ヶ月前、心が入れ替わってしまった2人の高校生は、それぞれが置かれた状況をなんとか理解し、情報を交換しながら過ごしていきます。
本作の面白さは高校生だからこその不自由さ。制限される行動範囲、入れ変わることで生じるそれぞれの青春が緻密に描かれ、やがて物語は意外な方向へと向かっていきます。
キャラクターの性格付けがしっかりとしているせいか、クライマックス直前に至るまでの畳みかけるような展開も含めて、飽きることがありませんでした。
ジュブナイル作品として、とても秀作。もう一度見たくなります。
声を担当した神木隆之介は、声優と比べるとやはり勝手が違うという感じを受けますが、力のこもった演技と三葉が瀧になった時の演技が秀逸でかわいい(笑)。
上白石萌音はとてもうまいですね。あんまり知らない女優さんだったので、声優さんだと思っていました。
良く通る声で好演しています。
そして、長澤まさみもうまい。意外と声優向けの声かもしれません。市原悦子は随分と声が若い気がしました。
RADWIMPSの音楽も良く、映像とうまくマッチしており、個人的には今年のアニメ作品の中では屈指の完成度、これはBlu-rayが欲しいかも!

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by syosei7602 | 2016-08-24 22:57 | アニメ/CG
009 RE:CYBORG
d0030824_03035165.jpg『009 RE:CYBORG』 日本/2012
監督:神山健治
声:宮野真守 小野大輔 斎藤千和 大川透 増岡太郎
吉野裕行 杉山紀彰 丹沢晃之 玉川砂記子 勝部演之








公開時コピー
終わらせなければ、
始まらない。


石ノ森章太郎による名作コミック「サイボーグ009」を「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「東のエデン」の神山健治が3D映像により映画化。
脚本は神山監督が手がけ、ストーリーは原作に描かれた時代から27年後の現代となっている。
声は「劇場版 弱虫ペダル」の宮野真守、「宇宙戦艦ヤマト2199」の小野大輔、「物語」シリーズの斎藤千和など。
公開当時、人材派遣スタッフサービスと連動したアニメCM「正社員サイボーグ003」やペプシネックスとコラボした「PEPSI NEX×009 RE:CYBORG」が制作された。

<あらすじ>

かつて世界の危機を救ってきた00ナンバーのサイボーグ9人は、故郷に帰って生活していた。
2013年、各国の超高層ビルで爆破テロ事件が連続して発生、ギルモア博士からサイボーグたちに招集がかかる。
しかし、009の島村ジョーは記憶をリセットされ、高校生として生活していた。
テロの実行犯たちは「人類は一度やり直さなくてはならない」という「声」を聞いて、実行していた。ジョーもまた、その声を聞き、六本木ヒルズに爆弾を仕掛けようとするが003のフランソワーズと005のジェロニモによって記憶を戻され、事なきを得る。



<総評>

「009」といえば、記憶にあるのはアニメ第3期(2001~2002年)のラストと見たという記憶だけはある劇場版2作のみ。原作自体がすでに半世紀に届こうかという作品なのですが、石ノ森章太郎の作り出したキャラクターは仮面ライダーやキカイダー(というかハカイダー)などと、非常に強烈なインパクトを残しつつ、後生に残るというのは凄いことです。特に仮面ライダーは既にバッタからはかけ離れてますが…そういった流れから考えると本作は割と真っ当な続編でしょう。
本作のキャラクター達はリアル指向になってしまい、残念ながら石ノ森章太郎が描いたキャラクター造形からは離れてしまっています。とはいうものの、キャラクターの設定そのものが大きく変わったわけではなく、さらにストーリー自体も原作の第4期「神々との闘い編」や完結編として構想された第9期「Conclusion God's War」がベースになっているようです。
さて、物語は記憶を消された009がいきなりテロ活動!?という、魅力的な展開から始まります。サイボーグ達はそれぞれの人生を歩んでいる中で起きた連続テロとそれに関わる謎の声。
この謎の声を巡って戦いが始まるのですが、アクションよりもストーリー重視の展開になっており、さらに神山監督お得意の説明的かつ哲学的要素が含まれた台詞回し、原作にある009、002との関係(003を含めた三角関係は既に終わっているが…)をはずすこと無く描かれています。
明確な敵との戦いよりもサイボーグ戦士達そのものの物語という印象が強く、ラストもこれまたちょっと考えさせられます。
しかし、作品としての明確な意図みたいなものは伝わってくるため、実質的に「サイボーグ009」の世界観は大きく崩れてはいないですね。
キャラクター達、特に009と003の関係はなかなかディープ。
個人的にはやっぱり002でしょ!かっこよすぎです。
しかし、008の出番が…他のサイボーグ達はそれなりに活躍しているのに残念。まあ、008って深海活動能力だもんな…厳しいよな。
映像はCG主体になっているため、キャラクター達の描写が崩れることはないんですが、実はあんまり好きではないですね。なんか「人形」みたいな冷たい感じがします。
声優陣は実力派がそろっています。009シリーズは固定された声優があまりいないようで、そういえばこんな声だったような…という感じで、特に違和感を感じることはありません。
ストーリーとしてはなかなか、もう少しラストを詰めて欲しかったところかな。
「サイボーグ009VSデビルマン」が気になりますが…果たしていいんでしょうか。

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by syosei7602 | 2015-10-23 23:59 | アニメ/CG
屍者の帝国
d0030824_01414715.jpg『THE EMPIRE OF CORPSES』日本/2015
監督:
牧原亮太郎
声:細谷佳正 村瀬歩 楠大典 三木眞一郎
山下大輝 花澤香菜 大塚明夫 菅生隆之








公開時コピー
求めたのは、21グラムの魂と君の言葉

「虐殺器官」でデビューし、長編2作と本作の原作となる冒頭30ページ、いくつかの短編等を残し、2009年に34歳で夭逝した小説家・伊藤計劃。
本作は伊藤計劃の長編3作品を映像化する「Project Itoh」の1作目となる。
親交が深かった芥川賞作家・円城塔があとを引き継ぎ、原作小説となる「屍者の帝国」を完成させた。
監督は「ハル」の牧原亮太郎、声は「心が叫びたがってるんだ。」の細谷佳正、「ハイキュー!!」シリーズの村瀬歩、「キャプテンハーロック」(2013)の楠大典など。
なお、3作目となる「虐殺器官」は制作会社だったマングローブの自己破産により、公開が危ぶまれている。

<あらすじ>
19世紀末のロンドン。ヴィクター・フランケンシュタイン博士によって屍体の蘇生技術が実用化され、全世界で屍者が労働力として使われていた。
ロンドン大学の医学生ジョン・H・ワトソンは、亡くなった親友フライデーを蘇生させる。その目的は屍者からは失われてしまった21グラムの魂を探求することだった。
しかし、違法な蘇生がばれたワトソンは、政府の諜報機関ヴォルシンガムによって連行され、そこで指揮官であるMに会う。
Mは、ワトソンに違法蘇生を見逃す代わりに、機関の一員として働くことを命令する。
その目的は、ロシアから屍者を連れて脱走し、アフガニスタンで「屍者の王国」を築いた男、カラーマゾフの動向を探ることだった。



<総評>
いつも気になっていた「虐殺器官」。そして、伊藤計劃という作家…最近になって「虐殺器官」を読んだのですが、圧倒的な情報量を持つ文章と物語の構成に、思わず夢中になりました。そして、たまたま本作の公開…しかし、「虐殺器官」の公開が延期になったのは残念でしかありません。
原作小説は冒頭30ページのみが残されており、ほぼ全てが円城塔なのですが、他人の作品の跡を継ぐのはさぞかし苦労しただろうなと思います。
また、有名な小説や映画の登場人物、実在した人物を織り交ぜたパスティーシュ小説となっており、登場人物達がどのような小説に出て、またどのような歴史上の人物であったのかを調べると、本作の世界観が広がりますね。
さて、物語の世界では、死者は意志無き労働力として使われており、そこには死者の尊厳はほとんど見受けられません。
主人公ワトソンは死んだ友人フライデーを密かに蘇生させ、彼の中に魂の存在を見つけようと研究していきます。しかし、ワトソン自身もまた、フライデーを労働力の1人としても使用しており、本作の世界観を端的に表現しています。
屍者の蘇生の秘密と魂の存在、様々な思惑が絡み合い、物語は複雑になっていきますが構成としては非常によくまとまっています。
原作から端折られてしまったキャラクターも多そうですが、映像作品としてのまとまりが欠けている箇所はありません。
また、スチームパンクなビジュアルが見事で、それぞれの国の特徴がしっかりと表現され、映像としての美しさも十分です。
声をあてた細谷佳正をはじめ、それぞれが力と繊細さのある演技力を披露し、物語をしっかりと構築しています。こういった作品では力一辺倒になりがちですが、やはり基本のしっかりとした声優の演技力は素晴らしいですね。
クライマックスは些か壮大になりすぎた感じもあり、個人的にはもう少し規模を抑えても楽しめた気がします。
エンドロール後にエピローグがあります。なるほど、こういうオチか、と…思わずニヤリとするパスティーシュ小説ならではのおもしろさでした。

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by syosei7602 | 2015-10-20 23:59 | アニメ/CG
心が叫びたがってるんだ。
d0030824_02012477.png『BEAUTIFUL WORD BEAUTIFUL WORLD』
日本/2015
監督:長井龍雪
声:水瀬いのり 内山昂輝 雨宮天 細谷佳正 村田太志
高橋李依 石上静香 大山鎬則 古川慎 藤原啓治 吉田羊







公開時コピー
ずっと、ずっと、
伝えたかった。


大ヒットアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の長井龍雪監督、岡田麿里脚本、田中将賀キャラクターデザインによるオリジナル長編アニメ。
音楽はクラムボンのミト、主題歌は乃木坂46。
声は「翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~」の水瀬いのり、「機動戦士ガンダムUC」の内山昂輝、「ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン」の雨宮天、「屍者の帝国」の細谷佳正など。
「あの花」と同じ時間軸と舞台(群馬県)となっている。

<あらすじ>
幼い頃、山の上のお城に憧れていた成瀬順。ある日、お城で見たことを何気なく発した言葉によって家族はバラバラになってしまう。そして突然現れた“玉子の妖精”に呪いをかけられた順は言葉を話すとお腹が痛くなり、喋ることをやめてしまう。
高校2年生になったある日、担任の城嶋から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは本音を言わずやる気の無い坂上拓実、甲子園を期待されながら肘を故障して挫折した田崎大樹、チアリーダー部で優等生の仁藤菜月だった。
それぞれがバラバラの気持ちの中、ふとしたことから順は拓実と接点を持つことになる。


<総評>
近年の泣けるアニメの代表作「あの花」。
本作は同じスタッフが集結し、同じ時間軸、舞台を使った青春劇です。人気があるとはいえ、過去コンテンツを活かしつつ、新しいもの、それもオリジナル作品となれば、かなり緊張感がある冒険的な試みとも言えます。
そんな背景が垣間見えつつも、本作はとても見応えがありました。
言葉が誰かを傷つけてしまい、自分自身も傷つく…10代の少年少女達の青春、即ち学校や部活、友人関係、そして恋愛という様々なテーマを内包した本作は、泥臭くもスッキリとしていました。
さて、幼少の頃の何気ない一言で一家離散という目に遭ってしまった少女、順。
おしゃべりが禍となることを知り、玉子の妖精に呪いをかけられるという出だしは一瞬、すこし不思議な物語になるのか?という微かな不安を抱かせましたが、物語が進めばそんなことは払拭されます。
話すことができない順(コミュニケーションはメールやメッセンジャー)は、「地域ふれあい交流会」の委員となった拓実や大樹、菜月といったクラスメートと接点を持つことで、自分が本当にしたかったこと、するべきことを自覚していきます。
この描き方がとても丁寧で、なおかつクラスメート達も含め今時の高校生らしさがよく出ていました(まあ、今時っていうのがよくわからないんだけど)。
物語はやがて、クラス全体を巻き込みつつ交流会で行う催し物の開催へと繋がっていくわけです。クラス全体で描かれるのは、言葉だけではない人と人の繋がり、行動や態度でも大きく変わっていく身近な世界です。
登場人物たちがどのようにして、その世界で経験をし、そして先へと繋げていくのか…話せない主人公という設定は、非常にうまいですね。
声優陣は非常に演技力がたかく、特に主人公の順を演じた水瀬いのりは、僅かな言葉の中に様々な感情を織り交ぜているのがよくわかる熱演でした。
もちろん、内山昂輝、雨宮天、細谷佳正も見事。さらに順の母親役である吉田羊が妙にはまっています。
先の展開が読めてしまうという少し残念な面もありますが、豊かな表情と動き、よく練られたセリフの数々が感動を誘う良作です。

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by syosei7602 | 2015-10-15 23:59 | アニメ/CG
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編] 始まりの物語
d0030824_03391077.jpg『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編] 始まりの物語』 日本/2012
総監督:新房昭之
監督:宮本幸裕
声:悠木碧 斎藤千和 水橋かおり 喜多村英梨
野中藍 加藤英美里





公開時コピー
かなえたい未来があった。たとえ、自分を騙してでも。

深夜アニメとして放映され、キャラクター造形からは想像もつかないダークファンタジーとして人気を博した「魔法少女まどか☆マギカ」。
全12話を前後編としてまとめ、新作カットを追加しほぼ全編に渡り手を入れて映画化したのが本作となる。
劇場版の続編として[新編]が製作された。
声はTV版と同じく悠木碧、斎藤千和など。

<あらすじ>
見滝原中学に通う鹿目まどかのクラスに、謎の少女・暁美ほむらが転校してくる。初対面にも関わらずほむらはまどかに「今の自分と違う自分になろうと思うな」と告げる。
放課後、親友の美樹さやかと寄り道していたまどかは謎の声に導かれ、ビルの一角へと迷い込んでしまう。
そこでまどかは、うさぎのようなかわいい生物・キュゥべえとそれを殺そうとするほむらに出くわす。キュゥべえを助けたまどかとさやか。その直後、妙な世界に迷い込んでしまい、不気味な化け物たちに追われることに。
彼女たちを救ったのは、同じ中学の3年生でキュゥべえと契約した魔法少女・巴マミだった。キュゥべえから契約して魔法少女になればどんな願いも叶えると言われるが、マミからは魔法少女になれば世の中を混乱に陥れる魔女を倒し続けなければならない使命があると告げられる。
2人はマミの戦いについて行き、魔法少女になるかどうかを決めることにするのだが…。
d0030824_03403803.jpg
<総評>
そういえば深夜にやってたなーという印象というか、一度チラ見して「これは最初から見ないとわからん」と思いつつ、新編の公開にあわせて前2作をようやく見ました。一部の評判ではTV版の総集編にしかなっていないと言われていましたが、前知識無くみたおかげで特にストーリー上の辻褄合わせなどは気にせずに楽しめました。
魔法少女というと土日の夕方にでもやっていそうなタイトルですが、その中身はダークファンタジー。
ストーリーが進むにつれて驚きの連続。少ない登場人物にレトロでありながら未来的な背景。そしてまさかタイトルにもなっているまどかが魔法少女になることに迷い続ける展開にびっくり。
魔女達のビジュアルは、今までのアニメの概念を超えるもので、とにかく本作はあらゆる挑戦が為されている意欲的な作品です。
さて、謎の転校生と謎の生物、魔法少女なるファンタジックな展開が繰り広げられる本作。最初は緩く、やがて魔法少女という存在そのものとキュゥべえの目的が明確になるにつれ、物語は思いも寄らぬ方向へ進んでいきます。
主人公まどかは、キュゥべえから魔法少女への計り知れない可能性と力を持っていると断言されます。そんなまどかをなんとしても魔法少女にさせまいとするのが転校生ほむら。謎めいた美少女はまどかの友人さやかや先輩マミと軋轢を生じさせながら単独行動を続けていきます。
果たして、彼女たちの運命は!?という前半になるわけです。
登場人物達の年齢は中学生。思春期まっただ中でありながら、男子よりも大人びた女子達です。それでいて、ちょっとしたことで心が揺らいでしまう。ストーリーはそんな彼女たちの心を丁寧かつダークに描き出し、その結末が一体どうなるのか…予測を超えた面白さ、そして切なさで後編へと向かっていくわけです。
声優陣はそれぞれキャラクターの特徴を掴んだ演技力で非常にうまい。
特に登場人物が少ないアニメにとって、演技力は必要以上に注目されてしまいます。まどかの声をあてた悠木碧だけが幼い感じでしたが、これは主人公キャラクターの道しるべともいえますね。
そして後編へ。

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by syosei7602 | 2013-11-29 23:59 | アニメ/CG
サカサマのパテマ
d0030824_114867.jpg『Patema Inverted』 日本/2013
監督:吉浦康裕
声:藤井ゆきよ 岡本信彦 大畑伸太郎 ふくまつ進紗
加藤将之 安元洋貴 内田真礼 土師孝也







公開時コピー
手を離したら、
彼女は空に落ちていく。


ネット配信から人気を博し、劇場版として再編集され注目された「イヴの時間」の吉浦康裕監督によるオリジナル長編アニメ。原作、脚本も吉浦監督が手がけている。
重力が別々に働く世界の少年少女が出会い、逆さまの世界の秘密を探りながら独裁国家に立ち向かっていく。
本作は2012年に序章である「サカサマのパテマ Beginning of the day」が配信された。

<あらすじ>
かつて大異変が世界を襲い、重力の一部が逆さまになってしまう。
それから長い時が過ぎた。
地底に住む人々は防護服を身につけ、ひっそりと暮らしていた。
集落の長の娘であるパテマは持ち前の好奇心から坑道を探検し、まだ見ぬ世界を夢見ていた。
そんなある日、立ち入りを禁止されている危険区域から過って縦穴に落下してしまう。
一方、空を不吉なものとしてタブー視している独裁国家アイガの少年エイジは、大空に憧れていた。いつものように空を見上げていると立ち入り禁止のフェンスに逆さまになってしがみつくパテマと出会う。
重力がサカサマのパテマにとって、大空へは「落ちる」恐怖の対象でしかない。しかし、エイジとパテマが手を繋ぐことによって、2人は空を飛ぶことができるように。
パテマがやって来たことで、サカサマ人を嫌う独裁者イザムラが彼女を付け狙い始める。
d0030824_1143861.jpg

<総評>
「イブの時間」はネット公開時にリアルタイムで見て、さらにDVDを購入、劇場版を見に行ったほどに気に入った作品です。続編を今か今かと待っていたらなんと全く別の新作。予告編から気になってました。
吉浦監督の作品はいわゆる閉鎖的な場所を舞台にしたSFであり、登場人物もそれほど多くありません。
それ故に人物描写が重視され、独特な言葉遣いやキャラデザインではなく性格設定がとても丁寧です。
そして世界観、サカサマというまさかの設定がおもしろい。
それもただのサカサマではなくサカサマ人が使う道具なども全て重力がサカサマになっています。
さて、物語は2人の出会いとなぜサカサマなのか、そしてエイジが暮らすアイガ国はなぜ空を嫌い独裁国家なのか…謎が謎を呼ぶ、というよりは全てがサカサマなので、見ている側としては「なぜサカサマなのか?」という原因究明よりもサカサマな少年少女の行く末はどうなるのか?という予想をする楽しみがありました。
サカサマで手を繋ぎ合って飛ぶシーンなどは重力比的にどちらに負担なのかなどを考えながら見ていくと面白いですね。
そして物語は独裁国家アイガとサカサマ人の諍いが絡んできます。サカサマであること、空が悪とするアイガの教育に反抗する主人公エイジ。
主人公の設定は、サカサマ要素を除けばいたって普通な物語になりがちです。
されど、少年少女が常にサカサマ同士という状況こそが中盤の見所を一つ作ってくれます。
声についてはやはりプロのうまさ。特に独裁者イザムラを演じた土師孝也は抜群の存在感でした。
余談ですが本作のパンフレットも逆さまな作り。実は色々なところにサカサマなネタが組み込まれていることがわかっておもしろいので、鑑賞後に見ると面白さが増えます。
奇抜な発想とオーソドックスな物語がうまく融合した良作です。

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by syosei7602 | 2013-11-22 01:15 | アニメ/CG
小鳥遊六花・改 ~劇場版 中二病でも恋がしたい!~
d0030824_1452884.jpg『小鳥遊六花・改 ~劇場版 中二病でも恋がしたい!~』
日本/2013
監督:石原立也
声:内田真礼 福山潤 赤崎千夏 浅倉杏美
上坂すみれ 保志総一朗 仙台エリ 井上喜久子
天野由梨 福原香織 設楽麻美





公開時コピー
完全武装(フルアーマー) 六花、発進

京都アニメーション大賞小説部門奨励賞を受賞した同名ライトノベルTVアニメシリーズの劇場版。
ヒロインであり主人公の1人である小鳥遊六花(たかなしりっか)の目線から描かれた総集編的意味合いと2ndシーズンへの繋ぎともいえる構成となっている。
監督はTVシリーズの石原立也、声もTVシリーズ同様となっている。
同時上映として主人公・富樫勇太の中二病時代を描いた「中二病でも恋がしたい!Lite」が公開されている。

<あらすじ>
中学時代、重度の中二病を患い、自らをダークフレイムマスターと名乗っていた富樫勇太は、高校入学を機にその全てを忌まわしき過去として封印する。
ところが入学式当日、油断から中二病の姿をクラスメイトの小鳥遊六花に見られてしまう。六花は右目に眼帯をし、自らを邪王真眼の使い手と名乗る現役の中二病だったのだ。
六花は偶然にも勇太の住むマンションの上に姉と住んでいた。
勇太をダークフレイムマスターとして認識し、なんだかんだと行動を共にするようになる。
一方、勇太は周囲に元中二病とバレるのを恐れ、六花に振り回されるのだが…。
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<総評>
中二病とはファンタジー的な世界が現実の日常生活に浸食し、完全にイタイ人になってしまう病気である…と書けば、普通にダメなヤツですが、思春期というのは多かれ少なかれ、自分のことを格好いいとか他人とは違うとかと思ってしまうわけで。
まあ、SFやファンタジー映画の監督や脚本家なんかも中二病的発想がそのまま現実的な職業として成立しているようなもんじゃないかと(あくまでも個人的な考えです)。
本作はTVシリーズ全13話の印象的なシーンを集めた総集編に加え、冒頭やラストは新作シーンとなっており、2ndシーズンへの布石となる構成です。
さて、物語はTVシリーズのラストから続く形となり、六花が勇太との出会いと過ごした日々を回想していきます。
基本的に総集編ですが、物語の連続性はかなり切られており、六花が直接的に関係ないところは割愛(特に勇太の友人、一色誠はほぼゼロだし、凸守と勇太の名シーンが切られたのはちょっと残念)。
あくまでも六花の記憶だよ、という潔さは評価できますが、これをどう見るか…まあ、冒頭の中二病全開なシーンは笑えるのでよしとするか。
ストーリーの根幹がしっかりしているため、勇太と六花の関係や思春期もとい青春な展開はきちんと楽しめます。
ラスト間近のシーンはとても印象的で良かったかも。
声の出演者達はやはりプロと思わせる演技っぷりを披露。
特に福山潤の中二病モードは聞き惚れるほど(笑)。
そういや本作は妙にキンキンとしたアニメ声の声優さんがいなかったなぁ。2ndシーズンに繋がるラストはありがちパターンで残念ですが、新キャラも登場するので楽しみですね。
ファン向けの作品です。

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by syosei7602 | 2013-09-25 23:59 | アニメ/CG
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
d0030824_3411223.jpg『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』
日本/2013
監督:長井龍雪
声:入野自由 茅野愛衣 戸松遥 櫻井孝宏 早見沙織
近藤孝行 田村睦心 瀬戸麻沙美 豊崎愛生






公開時コピー
前を向けばきっと会える
大切な想い、大切な友達、忘れられないひと夏の奇跡


2011年に深夜枠でTV放送され、泣けるアニメとして人気を博した同名作品の劇場版。
TVシリーズの1年後を描いている。
監督はTVシリーズに引き続き、長井龍雪。
声も同じくTVシリーズからの変更は無い。
使用される楽曲はZONEの「secret base 〜君がくれたもの〜」のカバー(TVシリーズ版)、テーマ曲にGalileo Galileiの「サークルゲーム」など。
なお、エンドロール終了後に若干の映像がある。

<あらすじ> (TVシリーズのネタバレが含まれています!)
小学生の仲良し6人組、じんたん、めんま、ゆきあつ、あなる、つるこ、ぽっぽは超平和バスターズを名乗り、山にある秘密基地を拠点にして過ごしていた。
しかし、そんなある日、めんまが事故死してしまい、彼らはいつの間にか離ればなれになっていく。
5年後の夏、高校受験に失敗し、引きこもり状態のじんたんの前に成長した姿のめんまが現れる。彼女はある願いを叶えて欲しいと言い、離ればなれになっていた彼らは再び集まることに…。
それから1年後、じんたんたちはめんまに伝えきれなかった想いを手紙に書きはじめる。
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<総評>
略称「あの花」として深夜アニメとしては異例の人気を得た本作。全12話ながらもかなり内容の濃い作品で、ほんの数ヶ月前に一気見…号泣です。本作はTVシリーズ本編では描かれなかった小学生時代の超平和バスターズ、そして本編の1年後が描かれています(ちなみに登場人物の1人はちょっとアレなあだ名ですが、間違いではありません)。
TVシリーズ本編だけできっちりとストーリーは完結しているため、下手をすれば蛇足、ということになりかねないと思っていましたが、蓋を開けてみれば新作カットと編集の妙技。言ってしまえば総集編&新作カットの追加ストーリーという感覚がぬぐえない…のだけど、やっぱり泣けてしまうんだよなぁ。
冒頭のシーンだけでもやばいくらい…まあ、これはTVシリーズを見た人にしかわからないかも。
かなりの上映回数があったにも関わらずほぼ完売。映画館ロビーは秘密基地のセット、開場時にいたっては長蛇の列。人気の凄さにはおどろき。
さて、物語は総集編という形もあるのですが、新作箇所が良くできています。
それぞれが成長し、精神的にも大人になっている登場人物達。伝えきれなかった想いはめんま宛だけではなく、あくまでも生きている彼らの関係性にも関わっているわけです。
本作のおもしろさはこの関係性と登場人物たちがかっこよくないこと。言うなれば、アニメの世界では珍しくかなり等身大というか普通というか…どこにでもいるような少年少女達なわけです。
受け入れるべき現実とするべき事のいくつかがうまく語られており、めんまという幽霊が非現実的であったとしても、かつて存在した彼女を通して自分を見つめ、友達を思っていくという語り口が絶妙というべきか。
劇場版ではポイントとなる本編のエピソードが効果的に入れられていたのですが、やはり既に完結してしまった物語を広げることの難しさが感じられます。
それ故に些かもったいない感じも受けましたが、これはこれとしていいのかも。
声優陣は本編でかなり力が入った演技を披露していましたが、新作箇所は成長した演技というべきか、とてもしっとりとしたイメージを受けました。
なにはともあれ、劇場版はTVシリーズを見てからがオススメ。
それにしても「secret base 〜君がくれたもの〜」、はまりすぎです。

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by syosei7602 | 2013-08-31 23:59 | アニメ/CG
風立ちぬ
d0030824_119217.jpg『風立ちぬ』 日本/2013
監督:宮崎駿
声:庵野秀明 瀧本美織 西島秀俊 西村雅彦
スティーブン・アルパート 風間杜夫 竹下景子
志田未来 國村隼 大竹しのぶ 野村萬斎






公開時コピー
生きねば。

ミリタリーマニアである宮崎駿が模型雑誌モデルグラフィックスに連載していた同名マンガの映画化。零戦の設計者・堀越二郎の半生と作家・堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエピソードを盛り込んで描かれている。
声は「エヴァンゲリヲン」の庵野秀明監督が初声優、ヒロインは瀧本美織など、いつものジブリ作品と同じく俳優陣で占められている。
主題歌は松任谷由実の「ひこうき雲」。

<あらすじ>
少年時代、夢の中で憧れの飛行機設計士カプローニ伯爵と出会い、設計士になることを決意した堀越二郎。
1923年、二郎は東京帝国大学に進学するために上京する中、列車で里見菜穂子と出会う。直後、関東大震災に見舞われ、二郎は菜穂子とお供のお絹を助ける。震災から復興する中、名古屋の三菱内燃機株式会社に就職する。しかし、会社の設計した飛行機は軍の希望に叶わず、小型機の開発は難航、二郎はドイツのユンカース社の視察を命じられる。
帰国した二郎は艦上戦闘機の設計主任に選ばれるが、テスト飛行は失敗。
1933年、失意の二郎が訪れた夏の軽井沢で菜穂子と再会を果たすのだった。
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<総評>
モデルグラフィックスといえば、ミリタリーモデルの作例を主体に掲載している模型雑誌。そういえば載っていたなぁと思い出したんですが、中身はさっぱり覚えておらず。
ここ最近、ジブリ作品はそれほど興味が沸かなかったのですが、本作はなんとも見事でした。ストーリーの構成や映像の緻密さと迫力、音に至るまで全体的に密度の濃い作品です。
さて、本作は堀越二郎その人の半生と堀辰雄の小説「風立ちぬ」のエピソードで構成されています。本作の菜穂子の名前は同じく堀辰雄の「菜穂子」、病気の話などは「風立ちぬ」から、それ以外のエピソードは二郎の人生と周りの出来事で組まれ、違和感なく融合しています。
二郎の半生は主に戦前までに絞られますが、ここがポイントと言っても良いでしょう。ただひたすらに美しい飛行機を作ることを目指した堀越二郎ですが、皮肉にも彼の設計が優秀であったからこそ、零戦はその高性能のさらに上を越えられなかったのも事実。
さて、物語は夢でカプローニ伯爵と出会った事から始まります。関東大震災、菜穂子との出会い、試作機の失敗などが巡り、やがて戦争へと突き進んでいきます。大正から昭和にかけての美しい風景をはじめ、ドイツの巨大機などの描写も圧巻。
ストーリーで気になったのはこの時代にある「死」が明確に描かれていないこと。想起させる描写はあるものの、直接的ではない…ただ、むしろこの描き方が巧妙な仕掛けというべきか。
ジブリ作品の良さである手描き感のあるビジュアルと柔らかい色遣いは相変わらず。
声優については心配されていた庵野秀明、ぶっちゃけ下手ですが巷で言われているほどには気にならない。声の質はいいんですよね。聞いていると慣れてくると言うか、まあいいんじゃない?と思ってしまう。
ヒロイン菜穂子を演じたのは瀧本美織。ああ、やっぱりジブリ節ですな。こういう演技指導なんかなぁ…ジブリ作品のヒロインはどの人が声をあてても同じように聞こえる(気のせい?)。
その他、声をあてた俳優達は気にならず、なかなかのもの。声優を使わないのはジブリの方針なのでもはや言うことは無し。
あと、効果音に関しては違和感なしです。全部人の声って凄いな(全部ぐっさんじゃないだろな(笑))。
作品を通して感じたのはジブリ作品の中でも屈指の出来であること。正直なところ、ジブリ作品でここまで感動したのは初めてです。

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by syosei7602 | 2013-08-18 23:59 | アニメ/CG