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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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魍魎の匣
魍魎の匣_d0030824_0401563.jpg『魍魎の匣』 日本/2007
監督:原田眞人
出演:堤真一 阿部寛 椎名桔平 宮迫博之 田中麗奈 黒木瞳
マギー 堀部圭亮 荒川良々 寺島咲 谷村美月 大森博史
大沢樹生 右近健一 笹野高史 清水美砂 篠原涼子
宮藤官九郎 柄本明


公開時コピー
ハコの中には
何がある?


京極夏彦の人気作品「京極堂」シリーズの同名作品の映像化。
監督は「クライマーズ・ハイ」の原田眞人。
出演は前作「姑獲鳥の夏」から引き続き堤真一、阿部寛、宮迫博之、田中麗奈など。
前作で主役の1人を演じた永瀬正敏に変わり、椎名桔平がキャスティングされている。
その他、「東京タワー」の黒木瞳、「クワイエットルームにようこそ」の宮藤官九郎、「櫻の園 -さくらのその-」の寺島咲、「神様のパズル」の谷村美月、「旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ」の柄本明など。
エンディングは東京事変。

<あらすじ>
魍魎の匣_d0030824_0402887.jpg終戦から7年後の1952年、探偵の榎木津(阿部寛)は、引退した人気女優・柚木陽子(黒木瞳)から、娘の加菜子(寺島咲)を探し出して欲しいと頼まれる。加菜子は、柴田財閥の会長の孫である弘哉と陽子の間に出来た子供だった。しかし、弘哉は別の女性と結婚させられ病死してしまう。
柴田会長は高齢で病に伏せっており、加菜子に全財産を残すと言ったため、柚木親子は相続争いに巻き込まれてしまったのだ。
その10時間前、作家の関口(椎名桔平)は出版社魍魎の匣_d0030824_0404495.jpgへの道すがら、赤井書房「月刊實録犯罪」の鳥口(マギー)から、世間を騒がせている少女バラバラ殺人事件の記事を書くように頼まれる。
それを軽く流した関口は出版社「近代文芸」の編集部で、新進気鋭の作家・久保竣公(宮藤官九郎)と出会う。久保は「月刊實録犯罪」の編集部で新たなバラバラ遺体が見つかったと言うが…。


<作品解説>
膨大なページ数を誇る「京極堂」シリーズの傑作と言われる同名原作…その映像化というのはちょっと無理では?と思っていたんですが、意外とテンポ良くまとまった作品です。
戦後の昭和の雰囲気は上海で撮影されており、これが映像として見事な出来映えです。
さて、本作は一応ミステリーの体裁を持っていますが、基本的にはオカルトがつきまとっています。
ただし、京極堂シリーズのオカルトというのは「不思議なことは、実は解明できる」という点にあり、言うなれば非常に科学的な展開となるわけです。
本作の中で唯一、不思議な力を持っているのは探偵の榎木津で、彼は目で人の過去を見ることができます。
この能力については、わずかにしか語られていないのですが、唯一の不思議さという点で面白さを与えてくれますね。
物語は元女優の娘がいなくなった事にはじまり、そこから少女のバラバラ殺人事件、そして謎のカルト教団が絡みます。映画自体はそれら1つ1つが登場人物ごとのパートに分けられ、ラストに収束していくため、混乱することはありませんが、集中してみないと若干時間軸が把握しづらい。
こればっかりは見ている側が判断すべき部分なので、仕方ないんですが…。
原作での補足は必要かも知れません。

<見どころ>
映像の美術的な素晴らしさに加え、キーとなる「匣」はなかなかのもの。
「魑魅魍魎」と「魍魎」についての蘊蓄が、京極作品らしくて面白いですね。

<出演者>
キャストの全員が演技派ということもあって、過不足のない演技が楽しめます。
主人公・関口役が永瀬正敏から椎名桔平に変更になったものの、永瀬正敏よりもはまっている感じ。
個人的な意見ですが、黒木瞳が大女優というのが…キレイだけど、少し違うんだよなぁと思ったりして。
クドカンは不気味な役をやらせたらピカイチです。

<総評>
わからない人にはさっぱりわからない、と言える作品です。
良くは出来ているんですが、万人受けしないかな、と…ミステリ作品としてはあくが強すぎるというか。
ただ、前作よりもパワーアップしているのは良かったですね。
若干グロイので要注意です。

<関連作品>
姑獲鳥の夏 (1作目)
魍魎の匣 (2作目)

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by syosei7602 | 2009-03-10 23:28 | ミステリ/サスペンス
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