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『ALWAYS 三丁目の夕日』 日本/2005
監督:山崎貴 出演:吉岡秀隆 堤真一 小雪 堀北真希 三浦友和 もたいまさこ 薬師丸ひろ子 須賀健太 小清水一揮 マギー 温水洋一 小日向文世 石丸謙二郎 松尾貴史 小木茂光 益岡徹 受賞:日本アカデミー賞/作品賞・主演男優賞 他(2005) ブルーリボン賞/助演男優賞・助演女優賞(2005) 公開時コピー 携帯もパソコンもTVもなかったのに、 どうしてあんなに楽しかったのだろう。 西岸良平のコミック「三丁目の夕日」の実写化。 2005年の日本アカデミー賞にて13部門を制覇。邦画としては異例の大ヒットとなり、続編も製作された。 監督は「ジュブナイル」の山崎貴。 出演は「ジュブナイル」の吉岡秀隆、「魍魎の匣」の堤真一、「ラストサムライ」の小雪、「トリック 劇場版2」の堀北真希、「遠くの空に消えた」の三浦友和、「めがね」のもたいまさこ、「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」の薬師丸ひろ子、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」の須賀健太など。 <あらすじ> 昭和33年、東京下町の夕日町三丁目。 ある日、町に2人の新しい住人がやってくる。1人は鈴木オートに集団就職で青森からやってきた六子(堀北真希)、もう1人は母親に捨てられ飲み屋の女将・ヒロミ(小雪)の元に連れてこられた小学生・淳之介(須賀健太)。 淳之介はヒロミのかつての芸者仲間だった女性の子供だった。まだ店を始めて1週間、困り果てたヒロミは店にやってきた売れない小説家・茶川竜之介(吉岡秀隆)に、色仕掛けと酒で預かって貰うように頼む。 あまり仲の良くない鈴木オートの社長(堤真一)がいた手前、彼は断り切れずに淳之介を連れて帰る。 翌朝、淳之介を見て驚く茶川だったが、約束を破るわけにもいかず渋々面倒を見ることに。 しかし、淳之介と茶川には意外なところで仲良くなるのだった。 <作品解説> 昭和30年代の街並みを、山崎監督お得意のVFXとセットでリアルに再現したことでも話題になった作品です。建設中の東京タワー、東京駅、蒸気機関車、都電、小物に至るまで抜かりなく…といったところですが、30年代を知らないのでどこまで忠実なのか、実際のところわからないですね。 もっとも、知らない世代には新鮮に映るので、この際は映画を楽しむということに終始すれば良いわけです。 さて、本作ですが脚本、演技ともに非常に優れています。近年ではセカチューと韓流以降、悲劇のラブストーリーで泣かせることが多いんですが、本作はその逆。 都会では失われつつある、地域コミュニケーションが描かれ、人との繋がりや温かさでじんわりと心地よく泣かせてくれるのです。高度経済成長が始まらんとする時代において、懸命だけれど、ちょっとした楽しさを見つけては近所の皆で盛り上がる…その中心にいるのが鈴木オートの家族と住み込みの従業員・六子、そして向かいに住む駄菓子屋で小説家の茶川と預けられた淳之介になります。 短気だけれど江戸っ子気質の鈴木、少々ひねくれものの茶川の2人の仲はそれほど良くないものの、六子と淳之介が加わることによって変化していきます。 新しい者を受け入れる柔軟さ、それに伴う生活と心境の変化はまさしく、社会と共に成長していく人々の心を描いた部分と言えるでしょう。 <見どころ> VFXが見事なのはもちろん、セットに使用されている昭和30年代のものは今では滅多に見られないものばかり。画面に目を凝らせてみましょう。 また、泣かせる部分がさりげなく入っているのはシナリオの妙ですね。 <出演者> 実を言うと吉岡秀隆と小雪ってあまり好きな俳優じゃないのです。 理由は特になかったんですが、本作をみて評価一転。 見事でした。特に小雪はヒロイン然としていて良かったんだけど、もう少し大きな見せ場があれば良かった。 堤真一、薬師丸ひろ子、堀北真希、須賀健太なども非常に好演していますね。 小日向文世の嫌みっぷり、うーん芸達者です。 <総評> なぜ本作が大ヒットを飛ばしたか…皆、こういう地域コミュニティに憧れているのかなぁ。 なんですかね、こういう時代の「色」って潜在的に懐かしさを喚起させますね。 ちょっと残念だったのが、ラスト。 中盤ではかなり泣けるシーンがあったのに、最後がまったく予想通りなのは勿体ない。 もう少しひねりがあれば、と思わずにはいられなかった。 とはいえ、近年の邦画では間違いなく「見るべき1本」に数えて良いでしょう。 <関連作品> ALWAYS 三丁目の夕日 (1作目) ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2作目) よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2007-12-16 23:59
| ヒューマン/ドラマ
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