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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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どろろ
どろろ_d0030824_1453259.jpg『DORORO』 日本/2007
監督:塩田明彦
出演:妻夫木聡 柴咲コウ 瑛太 杉本哲太 土屋アンナ
    麻生久美子 菅田俊 劇団ひとり きたろう 寺門ジモン
    山谷初男  中村嘉葎雄 原田芳雄 原田美枝子 中井貴一



公開時コピー
物語が、動き出す。

手塚治虫の同名コミックの実写化。
実写化にあたって、原作の設定を大幅に変えている。
監督は「黄泉がえり」の塩田明彦、アクション監督に「LOVERS」のチン・シウトンを迎えている。
出演は「憑神(つきがみ)」の妻夫木聡、「日本沈没」(2006)の柴崎コウ、「東京フレンズ The Movie」の瑛太、「花田少年史 幽霊と秘密のトンネル」の杉本哲太、「さくらん」の土屋アンナ、「クローズド・ノート」の中村嘉葎雄、「亡国のイージス」の原田芳雄、「HERO」の中井貴一など。
主題歌はMr.Chiildren。

<あらすじ>
戦乱の時代、醍醐景光(中井貴一)は戦いに敗れ、48体の魔物が祀られている寺にやってくる。影光は戦乱の世を治め、天下を我が手にするために生まれてくる自らの子の体を魔物に差し出すことを約束し、力を得るのだった。
20年後、ある町の酒場に1人の男(妻夫木聡)がやってくる。その男は人気の踊り子が登場すると、突如襲いかかる。その両腕からは刀が生え、踊り子が変化した魔物と戦いが始まる。
その頃、こそ泥で男のフリをした女(柴崎コウ)が、チンピラの金を擦り取って酒場に逃げ込んでくる。その場で男が魔物を倒すのを目の当たりにするのだった。
女は去っていく男が途中で話していた琵琶法師(中村嘉葎雄)から、その男が左腕に仕込んだ百鬼丸という妖刀で、自らの体を取り戻すために魔物と戦っている事を聞く。
刀に目を付けた女は男を追い、お互いの名前を男は百鬼丸、自らをどろろとして旅を始める。

<作品解説>
原作というよりも原案という方が合っているような本作。時代は原作の室町~戦国時代から離れて異世界に、また百鬼丸の体は木や陶器から、死体から精製された義手義足に変ったりと、実写化にあたって変更箇所は無数。
もっとも、大きいのは主人公2人の年齢設定でしょうか。
されどアニメやマンガと違って限界のある実写として、設定を割り切ったのは正解といえるでしょう。
さて、本作は48体の魔物を倒して、自ら奪われてしまった48カ所の体の一部を取り戻していくというシンプルなストーリーをベースに、百鬼丸とどろろの生い立ちなども語られていきます。
既に2、3作目の製作決定がアナウンスされているので、多少長くとも1作目でそれらの裏話を描いたのは良かったですね。
時代背景は先にも書いたように異世界ということで、無国籍感溢れる美術や設定で描かれ、方言や言葉遣いなども現代的で見やすい。
その反面、一応ベースは戦国時代などのために、違和感を感じることもあります。
魔物たちのクリーチャー造形やCGなどは些か不満を感じる出来ですが、アクションシーンなどは迫力があり、ストーリーも意外とスピード感があるので、エンターテイメント性は高いといえるでしょう。

<見どころ>
いかんせんCGが甘いので、戦いのシーンはそれなり…されどニュージーランドロケを敢行したこともあって、壮大な風景によりストーリーの世界観を広げています。
妻夫木聡の殺陣もなかなか。

<出演者>
キャラ設定そのものが濃い、2人の主人公。
百鬼丸を演じる妻夫木聡、どろろの柴崎コウともども好演しています。
これが意外なほどにはまっていてビックリ。
また、中井貴一をはじめとするベテラン俳優達も決まっています。
この手の作品としては、皆気合いがかなり入っていますね。

<総評>
原作のファンからすれば、あまりの違いに不満もあろうかと思いますが、作品レベルは非常に高い。前評判の高かった「ミッドナイト・イーグル」と比べてもこちらが上です。
ただし、手塚治虫が描いていた反戦テーマなどが削られ、メッセージ性が弱まっているのは残念。手塚作品だからこそ、という部分を「エンターテイメント」の一言で削ってしまうのは、原作である必然性を打ち消すようなものです。
とはいえ、アクション映画としては及第点。

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by syosei7602 | 2007-12-13 23:47 | 戦争/歴史/時代劇
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