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『TALES FROM EARTHSEA』 日本/2006
監督:宮崎吾朗 声:岡田准一 手嶌葵 菅原文太 風吹ジュン 田中裕子 小林薫 夏川結衣 香川照之 内藤剛志 倍賞美津子 公開時コピー 見えぬものこそ。 「指輪物語」「ナルニア国物語」と並ぶ世界三大ファンタジーに数えられるアーシュラ・K・ル=グウィン原作の「ゲド戦記」シリーズ。その第3巻「さいはての島」の映画化。 監督は宮崎駿監督の長男・宮崎吾郎。 声は「どら平太」の菅原文太、「東京タワー」の岡田准一、これが声優・歌手デビューとなる手嶌葵、「タッチ」の風吹ジュン、「火火(ひび)」の田中裕子など。 <あらすじ> 多島海世界アースシーの東海域に、西海域に住む竜が突如現れ共食いを始める。 それを境に世界では異変が起こり始める。 程なくして、エンラッドの王子アレンは心の闇に耐えきれなくなり、国王である父を刺し、彼が持っていた魔法で鍛えられた剣を持って行方をくらます。 同じ頃、大賢人ゲドは世界の均衡を保つ為、元凶を探して旅をしていた。その途中ゲドはアレンと出会う。アレンを伴い、港町ホート・タウンに辿り着いたゲド。 町で別行動をしたアレンは、人狩りに追われている顔に火傷の痕を持つ少女テルーを助けるが、自暴自棄とも言えるアレンをテルーは嫌悪するのだった。 <作品解説> 公開前から話題作として注目を集め、あまつさえ親子げんかまで晒してしまった作品です。 ぶっちゃけて言えば、親子の作品に対する差が明確に出てしまったと言えます。宮崎駿作品は何気ない風景描写に意味が込められていたり、テーマがハッキリと確立していました。 もっともこれは「ハウル」以外での話で、正直なところ本作はレベル的には「ハウル」と同じと言って良いでしょう。 勿論、これはレベル的な話であって、作品テイストは似て非なるもの。ユーモアは皆無でひたすら自らの恐怖から逃げ回るアレンと全てを悟ったかのようなゲド、そこに加わる女性達、そしてゲドの宿敵ともいえるクモの存在だけで成立させているのは窮屈でした。 本作のいわゆる批判を食らう部分というのは説明不足。原作を知らなければわからない展開、人間関係、世界観…そして「ゲド戦記」というなら、やはり宮崎駿原案をやめて1作目から挑戦して欲しかった。 ただ、映像や音楽は個人的に良いんじゃないかな、と思います。ジブリ作品らしからぬ顔の表情であるとか、久石譲から離れた音楽が新鮮さを与えてくれます。これはあくまでも宮崎吾郎の作品なんだ、それがハッキリと「差」として見て取れたのは成功でしょう(とはいえ基本キャラクターは変らないんだけど)。 内容的には…仏教の思想に近いかもなぁ。 <見どころ> まず見どころといえば竜。 これがとにかくカッコイイ。今までみたドラゴンの描写の中では間違いなくトップクラスで、実は監督はこれが描きたかっただけなんじゃないかと(笑)。 印象的なテルーの歌声のシーンは、歌詞をはっきりと劇場の音響で聴いてみると、とても印象深く、良い詩でした。 <その他> クライマックスのクモの表情というか描写は…うーん、楳図作品!?と思ってしまいました。 わかるんですよ、やりたいことは。 ただ、もうちょっとどうにかならんかったかなぁ。 「ゲド戦記」自体は、宮崎駿作品に多大な影響を与えた作品だそうで、最初映像化を原作者に持ちかけた時には断られ、賞を獲ってから原作者から依頼があったとのこと。 いうなれば、原作者は宮崎駿の技量を賞で判断した、ということになるんですが、例えそうだとしても説明不足の作品を作られてしまったらどういうことになるんですかね。 まあ、原作読めば良いと言うことになるんですが、やはり力量不足は否めなかったという感想です。 とはいえ、個人的には「ハウル」より好きかなぁ。 よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2006-08-11 23:59
| アニメ/CG
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