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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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言の葉の庭
言の葉の庭_d0030824_1405541.jpg『言の葉の庭』 日本/2013
監督:新海誠
声:入野自由 花澤香菜 平野文 前田剛
寺崎裕香 井上優 潘めぐみ 小松未可子







公開時コピー
“愛”よりも昔、“孤悲(こい)”のものがたり。

「秒速5センチメートル」「雲のむこう、約束の場所」など色彩豊かで緻密、透明感の映像で高い評価を受ける新海誠監督の中編作品。
主題歌は大江千里の「Rain」を秦基博がカバー。
透明感のある雨の表現が素晴らしい。

<あらすじ>
高校生のタカオは学校をサボり、公園にある日本庭園で夢である靴職人を目指してスケッチする日々。
梅雨のある日、いつもの場所に来ると缶ビールを飲んでいる若い女性ユキノと出会う。
雨が降ったらまた会うかも…という言葉を胸に、雨の日は自然と会うことになった2人。タカオは歩き方を忘れたというユキノの為に、靴を作る約束を交わすが、梅雨は明けようとしていた。
言の葉の庭_d0030824_141846.jpg

<総評>
新海誠監督の作品は何気ない風景や自然現象を光と色彩の美しさで見せることに定評があり、まるで写真家のような情景を描き出しているのが特長です。映像は限りなく現実的ながら、日常にありがちな風景をさも特別な事でもあるかのように美しく描き出す…本作はその最たるもので、個人的にはこの映像は日本のアニメにおいては最高峰と言ってもいいでしょう。
映像は多くの人が鬱陶しいと思う梅雨。
雨が描き出す水たまりの波紋、窓を伝う滴、雨に映える新緑と美しく、何よりも凄いのは映像に感じる空気感…むしろ空気の流れというべきか。
さて、物語は靴職人を目指す高校生と大人の女性のささやかな逢瀬を描いています。高校をサボるタカオ、昼間からビールとチョコレートで時間を潰す女性ユキノ。
物語の中心はタカオの日常ですが、ユキノは謎めいた女性から徐々にその身上が明らかになっていきます。誰もが抱える夢や悩み、人との関わりをシンプルに、そして瞬間的な展開を広げることで物語全体にメリハリが出ています。
「秒速5センチメートル」のように変則的でもなく、「星を追う子ども」みたいに少し無理をした感のある物語でもない。本作はかなり自然の流れで進み、スッキリとした終わりを迎えます(人によっては短く感じてしまうのは少し残念ですが)。
キャラクターデザインは少し特長に欠けるものの、タカオとユキノの年齢的な差がわかりやすい描かれ方をしています。特にユキノは大人の女性感溢れる感じでいいかも。靴を脱がせるシーンのエロスがなんとも見事。
声優陣はさすがといったところ。やはりプロというか、世界観に合わせた演技は聞いていても心地良い。
新海監督には文学作品を原作にした中編か長編に挑戦してもらいたいですね。

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by syosei7602 | 2013-08-05 23:59 | アニメ/CG
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