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『REAL STEEL』 アメリカ/2011
監督:ショーン・レヴィ 出演:ヒュー・ジャックマン ダコタ・ゴヨ エヴァンジェリン・リリー アンソニー・マッキー ケヴィン・デュランド カール・ユーン オルガ・フォンダ ホープ・デイヴィス 公開時コピー 「リアル・スティール」―。 それは、親子の絆が生み出す、“本当の強さ”。 ロバート・ゼメキス、スティーヴン・スピルバーグなどが製作総指揮を務め、「ナイト・ミュージアム」のショーン・レヴィがメガホンをとった家族愛の物語。 リアルなロボット達の描写が秀逸だが、ストーリーの結末は大方の予想通りになってしまうのが少し残念。 それでも、巧みな演出でディズニー映画らしい作品となっている。 <あらすじ> 人間同士が戦う格闘技の時代が衰退し、ロボットがリングで格闘する近未来。 元プロボクサーで、今はロボット格闘技に金をつぎ込むチャーリー(ヒュー・ジャックマン)は、その計画性の無さからあちこちで借金をしてはなんとか生活する日々。 そんなある日、彼の元に昔の恋人が亡くなり、赤ん坊の時以来会っていない11歳のマックス(ダコタ・ゴヨ)をひと夏の間、預かることになる。 何かと食って掛かるマックスに辟易しながらも、高性能なロボットを手に入れて再び戦いに挑むチャーリーだったが、いつもの計画性の無さで敗北してしまい、そんなチャーリーを見てマックスは苛立ちを募らせる。 帰り道、チャーリーはパーツをかき集めるため、ロボットの廃品置き場に忍び込むことに。 ついて来たマックスはそこで、ATOMという旧世代の小さいなロボットを見つける。見るからにオンボロだったが、マックスはATOMに備わっている特別な機能に気がつき、チャーリーを説き伏せてロボット格闘技に挑戦するのだが…。 <総評> 「チャンプ」と「ロッキー」が元ネタの王道パターンと言ってしまえばすべて終わってしまう…わけじゃないのが、本作のいいところですかね。予告編見ただけで、わかってしまうようなストーリーとタカをくくったら最後、それでも泣けてしまうのがこの手の作品なのは間違いないです。 それはさておき、人より大きめのロボット達というより、ロボットを操作して戦う格闘技が市民権を得てしまった近未来が舞台ですが、ロボット以外に近未来感は無くて(笑)、むしろ現代にロボットだけが登場したような世界なわけです。それでも違和感を感じないのが、今の世界にロボットが身近になりつつあるからでしょうか。 さて、落ちぶれた元ボクサーのチャーリーは、猪突猛進的な性格、いうなれば後先考えずに突っ走るため、たとえ優勢でも劣勢になるという勝負力の弱さを持っています。ロボットの写真を撮るだけでお金をせびろうとしたり、強いロボット=勝てると思い込んでばくち的な戦いを挑んだり、息子を鬱陶しがったりとろくでもない父親の典型です。 そんな父親を見るに見かねつつ、自らの主張を曲げない息子のマックスは賢く、ATOMというロボットの特異性に気がついてロボット格闘技の世界に足を踏み入れます。 本作は父親であることの難しさ、親を選べない息子の不運を描きつつ、それがロボット格闘技を通して徐々に改善していく物語なわけですが、賢いマックスに嫌味が無いのがいいですね。 この手の作品でありがちなのが、とことんアホな親父と小生意気な子供という構図が観客にとって感情移入できないラインで描かれてしまうところなんですが、本作はそれがない。 作品としてはチャーリー目線なのに、観客の目線はマックスというのがおもしろいのです。 そして、目玉はロボット格闘技。 これが見事!本当にありそうなロボットデザインがすばらしく、もう1人の主役ともいえるATOMがなんともいえない雰囲気なのです(これは作品上、「不気味の谷」を排除した結果かも?)。 ATOMが少し困ったような、切ない表情なのに、戦いのシーンではなにかが違う。 落ちぶれた元ボクサー、力の無い子供、旧世代のロボットという関係性がそうさせるのか…これが変にかっこよいロボットだったらダメなわけですよ。 ATOMが戦うシーンは思わず力が入り、応援したくなってしまう。 そして親子愛、泣きどころ十分なクライマックスはベタにいいんだよなぁ。 ヒュー・ジャックマンはどことなく軽そうな感じがぴったり! 子役のダコタ・ゴヨが名演、この子はいいですね~。 「LOST」シリーズのエヴァンジェリン・リリーをはじめてみましたが、この女優はステキな感じです。 作品としてはベタベタな展開の物語ですが、全体の質は高くて面白い。 128分と少し長めですが、飽きずに楽しめる作品です。 よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2012-01-02 06:19
| ヒューマン/ドラマ
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