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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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私の優しくない先輩
私の優しくない先輩_d0030824_148152.jpg『私の優しくない先輩』 日本/2010
監督:山本寛
出演:川島海荷 金田哲 入江甚儀 児玉絹世
永野芽郁 赤池紗也加 赤平健太朗 瓜田あすみ
小川菜摘 高田延彦
受賞:第2回映画祭TAMA CINEMA FORUM/
最優秀新進監督賞・最優秀新進男優賞




公開時コピー
先輩なんて クサイ!ウザイ!キモイ!

恋愛小説コンテストラブストーリー大賞を受賞した、日日日(あきら)の同名小説の映像化。
監督は「涼宮ハルヒの憂鬱」など、数多くのアニメを手がけてきた山本寛で、実写監督デビュー作となる。
お笑い芸人はんにゃの金田哲の初主演作でもある。
主題歌は広末涼子の「MajiでKoiする5秒前」を、主演の川島海荷がカバーしている。

<あらすじ>
心臓に持病があり、療養を兼ねて九州にある火蜥蜴島に引っ越してきた空想好きの女子高生・西表耶麻子(川島海荷)は、先輩の南愛治(入江甚儀)が好きで好きでたまらないが、その思いは伝えられずラブレターはいつもポケットにしまったまま。
そんな彼女には天敵がいた。
ことあるごとに彼女に絡んでくるクサくて、ウザくて、キモい、何事にもポジティブな不破先輩(金田哲)だった。
ある日、耶麻子がいつも持ち歩いていたラブレターを不破先輩に読まれてしまう。
不破先輩は耶麻子の想いを成就させようと、勝手に夏祭りの屋台を出すことに決め、「南くんへの告白大作戦」=「たこ焼き大作戦」と銘打って、耶麻子にスパルタ指導を始める。
最初は鬱陶しがっていた耶麻子は目立たない同級生・筧喜久子(児玉絹世)をダシにして、大好きな南先輩を気を惹こうと考えが、思いも寄らぬ展開が彼女を待ち受けていた。
私の優しくない先輩_d0030824_1482697.jpg

<総評>
なんともややこしい名前の作家・日日日(あきら)原作のラブコメディ小説の実写化です。
原作は第1回恋愛小説コンテストラブストーリー大賞を受賞した作品ですが、日日日氏はそれ以外にも多数の賞を受賞しています。根幹がしっかりとした物語の組み立てが素晴らしく、それが本作にも反映されています。本作が実写デビューとなる山本寛監督の演出は些かアニメ的な描写に偏るものの、テンポの良さが秀逸。全体的に飽きが来ず、緩急がうまくつけられていますね。
さて、心臓に持病がある少女、耶麻子と憧れの先輩と大嫌いな先輩、そしていじめられっ子の喜久子を中心に、なんともポップな物語が展開します。
耶麻子は常に妄想を描きながら、自分の立ち位置を常に安全圏に置いている女の子です。
目立たない同級生の喜久子を下に見ており、親友を装いながら南先輩にすり寄ろうとする様は思春期特有の小狡さとして描かれており、決して主人公が品行方正ではないところがいいですね。
そんな耶麻子の天敵がクサい、ウザい、キモい、暑苦しい、脳天気でお節介ばかりする不破先輩です。
デリカシーに欠け、常にでかい声でわめき散らすその様はまさにクサい~のフレーズがピッタリ。
心臓に持病というポイントから、物語の方向性がいつも通りの泣き系に走ると思いきや、実は意外な方向に向かい、ラストはなんとも言えない暖かさがあります。
されど、キャラが立ちすぎた感もあり、現実的な世界観から少し浮き足立ってしまったのがもったいない。
アニメ的演出もおもしろいですが、ナレーションが多かったのが残念。
主演の川島海荷が天然キャラと小狡さをもった耶麻子を好演、しかし、それ以上に目立ったのはやはり金田哲。まさしく、はまりキャラとばかりに暴れ回ります。
好き嫌いが分かれるかと思いますが、全体的に面白くまとまった作品です。

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by syosei7602 | 2011-12-07 01:47 | 恋愛/青春/スポーツ
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