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『THE NEXT THREE DAYS』 アメリカ/2011
監督:ポール・ハギス 出演:ラッセル・クロウ エリザベス・バンクス ブライアン・デネヒー レニー・ジェームズ オリヴィア・ワイルド タイ・シンプキンス ヘレン・ケアリー リーアム・ニーソン マイケル・ビュイエ ジェイソン・ベギー アイシャ・ハインズ RZA 公開時コピー 逃げ切れるのか。 2008年のフランス映画「すべては彼女のために」のハリウッドリメイク作品。 監督は「クラッシュ」「ミリオンダラー・ベイビー」など、アカデミー賞常連となった社会派作品が得意なポール・ハギス。 アクションは少なめだが、緊張感あふれるストーリーが展開する。 <あらすじ> 大学教師のジョン(ラッセル・クロウ)は、愛する妻ララ(エリザベス・バンクス)と6歳の息子ルーク(タイ・シンプキンス)と共に幸せに暮らしていた。 しかし、ある朝、突如警察が押しかけ、ララが逮捕されてしまう。 ララが勤め先の上司を殺害したという、殺人容疑だった。 彼女の無実を信じるジョンだったが、決定的な物的証拠によってララは20年の刑に服することに。 それから3年、ジョンは1人で息子を育てながら、ララが収監されている刑務所に向かう日々…だが、控訴が通らず、ララは自殺未遂をおこす。 ジョンはそんな彼女を見て、脱獄させることを決意し、綿密な計画を立てていく。 <総評> フランス映画のリメイクというのは後から知ったのですが、オリジナル版のヒロインがダイアン・クルーガー。 これだけでちょっと見たくなりますね。 さて本作は脱獄させる側が主人公という目線が新しいですね。 しかも、主人公のジョンは大学の教師で銃の撃ち方も知らず、裏社会には疎い。 そんなジョンがある日、妻ララと引き裂かれたことから物語は始まります。 ララの容疑は殺人…物語序盤ではそれらのことは一切描かれず、ジョンとララの夫婦仲、ララの性格などが中心になり、唐突に逮捕という流れ…そして、ジョンの苦悩が描かれていきます。 本作の流れで重要なのは、妻のララが殺人を犯したかどうかという点についての真偽は語られず、ただひたすらに妻の無実を信じるジョンの目線であること。ジョンの信念には一切が疑問がなく、ただ彼女と息子との3人の生活を取り戻したいという一心で脱獄計画を企てていくのですが、裏の世界を知らないジョンは時に危ない橋を渡っていく。 本作は綱渡りのようなジョンの計画の立て方、そしてシミュレーションがひたすら続き、その緊張感は否応なしに高まっていきます。 計画を立て始めた序盤からいくつかの複線が張られ、クライマックスにつながっていく様は爽快そのもの。 しかし、爽快であると同時に見ている方も緊張感に襲われる物語の組み立て方には驚かされます。 実力派のラッセル・クロウとエリザベス・バンクスの演技は見事ながら、脇を固めるブライアン・デネヒーの存在感が抜群。特にラッセル・クロウの小市民ぶりは素晴らしく、いつもの強面かつふてぶてしさからは想像できない繊細なジョンを演じきっています。 追跡側の刑事だったレニー・ジェームズの描き方が少し少ないのが残念なのと、子どもの友人の母親ニコールを演じたオリヴィア・ワイルドは必要だったのかは疑問ですね(ニコールが偏見を持たない女性という点では良いのかも)。 それにしてもリーアム・ニーソンが脱獄のプロって、思わず「特攻野郎Aチーム」のハンニバルを思い出しちゃったじゃないか(笑)。 全体的に見事な出来映え、ただラストは若干賛否両論ありってところでしょうか。 そういや、劇中はトヨタのプリウスに、デジカメはルミックスやらと日本製品が目に付いたなぁ。 余談でしかないですけどね。 よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2011-09-26 22:49
| ミステリ/サスペンス
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