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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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探偵はBARにいる
探偵はBARにいる_d0030824_282473.jpg『探偵はBARにいる』 日本/2011
監督:橋本一
出演:大泉洋 松田龍平 小雪
西田敏行 田口トモロヲ 波岡一喜
有薗芳記 竹下景子 石橋蓮司 松重豊
高嶋政伸 マギー 安藤玉恵 桝田徳寿
カルメン・マキ 中村育二




公開時コピー
何かあったら
電話してくれ。


札幌在住の作家・東直己の人気小説「ススキノ探偵」シリーズを、「相棒」シリーズのスタッフが結集して映像化。原作は2作目の「バーにかかってきた電話」だが、本作のタイトルは原作1作目のものとなっている。
主演の大泉洋と松田龍平は、ほぼスタント無しのキレのいいアクションを披露、札幌市の協力を得て撮影された映像は70~80年代の邦画アクションを彷彿させる。

<あらすじ>
携帯電話を持たない探偵(大泉洋)は、毎日通い詰めるBARケラーオオハタにかかってくる電話で依頼を受けている。彼の相棒はケンカがやたらと強い北大農学部の研究助手・高田(松田龍平)。
ある日、探偵のもとにコンドウキョウコと名乗る女から依頼の電話が入る。
その依頼は、弁護士の南(中村育二)に昨年の2月5日にカトウがどこにいたか、を聞いてくれという簡単なものだった。キョウコの声に不穏なものを感じた探偵だったが、美人っぽい声に安請け合いしてしまう。
しかし、その結果、探偵はヤクザ達にさらわれ、雪原に生き埋めにされる羽目に。
なんとか高田に助けられるが、キョウコから再び電話が入る。
探偵と高田は少しずつ、キョウコの依頼の裏にある謎と、去年起きた実業家・霧島(西田敏行)の暴行死事件の核心に迫っていくが…。
探偵はBARにいる_d0030824_28892.jpg

<総評>
ススキノを舞台にした「ススキノ探偵」シリーズ…原作は未読で、映画公開前に読もうかと思ったのですが、やはりミステリは結論知らずで見るのがセオリー、というわけで見てきました。
近年の探偵ものといえば、推理ありきな謎解き中心のものが多く、本作のようなハードボイルドとサスペンスを組み合わせた作品は結構貴重な存在です。
それだけに、期待して見たわけですが、個人的にはかなり楽しめました。
主人公の探偵こと「俺」と相棒・高田というコンビながら、探偵の振るまいはコミカルなフィリップ・マーロウのような趣があり、三枚目の大泉洋が演じているのになんとなく二枚目に見えてきます(笑)。
また、相棒・高田の常に寝ていながらケンカだけはやたらと強いギャップが見事。実際、探偵業としてはケンカ以外にほとんど役に立ってないのがいいですね。
さて、物語は実業家・霧島の暴行死事件から1年後、探偵の元にコンドウキョウコと名乗る見知らぬ女性から依頼が入ります。いつの間にか前金を貰っていた探偵は、その依頼が単純なものと知って安請け合いするわけです。声だけで美人と判別するこの探偵、腕っ節はそれなり、お酒と美女、そしてお金にちょっと弱い。
良くある探偵もののキャラクターなんですが、愚痴を言いながらも「依頼人だけは必ず守る」という信念がまた男臭くて格好いい。
そんな彼がコンドウキョウコという女性に迫っていくことで明かされる、様々な真実…絡み合う人間関係と組織がわかりやすく描かれ、そして冬のススキノの猥雑さがなんとも言えません。
冒頭でも書きましたが、全体的に80年代初めの邦画アクションといったノリ(ちょいエロとバイオレンス)なんですが、それらの良い部分をうまく抽出して、現代劇に当てはめた感じを受けます。
主人公を演じた大泉洋、相棒役の松田龍平、そしていつも映画となると微妙になってしまうヒロイン役の小雪(今回はステキでした)がうまく絡み合い、脇役陣もしっかりしていて実に手堅い。
高嶋政伸の殺し屋ぶり…まるで、「ノーカントリー」のシガーみたいっす。
全体的にテンポが良く、ラストまで飽きさせません。
どこかチープさを残したこの作り、個人的にはかなりオススメ、是非シリーズ化してもらいたいです。
それにしても大泉洋、あんなに鍛えていたのね、それが驚き。

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by syosei7602 | 2011-09-12 23:59 | ミステリ/サスペンス
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