トップ | ログイン

映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
孤剣は折れず 月影一刀流
孤剣は折れず 月影一刀流_d0030824_3505593.jpg『孤剣は折れず 月影一刀流』 日本/1960
監督:佐々木康
出演:鶴田浩二 桜町弘子 藤田佳子 植木千恵 花園ひろみ
加賀邦男 毛利菊枝 楠本健二 和崎隆太郎 平幹二朗
徳大寺伸 黒川弥太郎 月形龍之介 美空ひばり



柴田錬三郎原作の「孤剣は折れず」を、任侠映画で人気を博した鶴田浩二を主演に迎えて映画化。
監督は「半七捕物帖 三つの謎」の佐々木康。
出演は「連合艦隊」の鶴田浩二、「親鸞」の桜町弘子、「王様の漢方」の藤田佳子、「快傑黒頭巾」の植木千恵、「十三人の刺客」(2010)の平幹二朗、「たけくらべ」の美空ひばり。

<あらすじ>
孤剣は折れず 月影一刀流_d0030824_3551113.jpg恩師・小野先生が暗殺されたとの報せを聞いた神子上源四郎(鶴田浩二)は、兵法修行の旅から急ぎ江戸へと戻るが、その途中の将軍家狩猟場駒場野で小野道場の元門下生で柳生道場に走った四剣士を瞬く間に斬り捨てる。
江戸に入る直前、町はずれの屋敷で食を求めると、そこに現れたのは美音(桜町弘子)という美しい女性だった。美音の影のある雰囲気に惹かれた源四郎だったが、そこに現れた美音の姉・糸耶(藤田佳子)に襲われる。糸耶を軽くいなした源四郎は屋敷を後にする。
江戸の町に入るやいなや、傍若無人に走る馬を止めた源四郎、しかし、馬に乗っていたのは将軍の妹である加寿姫(美空ひばり)だった。加寿姫を諫めたことから、源四郎が戻ったことは程なくして柳生にも知れるところとなる。
その夜、源四郎は養い親松平伊豆守を訪ねる。
そこで彼は、小野先生の暗殺の裏に、柳生一門と大奥を取り仕切る春日局がいることを聞かされ、伊豆守から春日局暗殺の命を受けるが…。

<作品解説>
既に半世紀前の映画となった本作…この手の古い映画というのはあまり見なかったのですが、昔の映画ってすごく生身の演技があって面白いのです。
そんなわけで、初めて鶴田浩二主演の作品を見たのですが、いやはや面白い!
出演陣は豪華だし、なんといってもこの当時の俳優女優は良くも悪くも時代劇にぴったりな雰囲気なんですよね(もっとも、この時代は時代劇、現代劇の俳優の棲み分けが分かりやすい)。
さて、凄腕の剣士・神子上源四郎(みこがみげんしろう)は恩師の仇を討つために、兵法修行から戻ってきます。春日局がいることから江戸時代初期、宮本武蔵より少し後くらいかもしれません。
育ての親から、暗殺の裏に柳生一門と春日局がいることを知り、なんと春日局の暗殺を頼まれる!
って、大奥にどうやって入るわけ?と思ったら、鷹狩りに来るからというもっともな説明。
うーん、この辺りのご都合主義感がいいかも(笑)。
しかし、物語は意外な方向に進み、その間にも神子上源四郎はすごいモテぶりを発揮します。
90分にも満たないストーリーの中で、計4人ほどに惚れられる。
なんかこう、凄腕剣士=モテるという図式がキザなんだけど、ここまでやっちゃうと清々しいというか。
そして、敵役が平幹二朗演じる風早竜馬という浪人。
いいねぇ、ふてぶてしさのある悪漢ぶり!
今じゃ余り見られなくなった、決闘というオーソドックスな展開が格好良いのです。

<見どころ>
やはり殺陣が良い。
剣法の基本に忠実に、かつスピーディーに見栄えがある。
伊達男、源四郎のモテぶりには思わず笑いが…。

<出演者>
鶴田浩二は時代劇役者というより、任侠映画に多く出ている人ですが、こういう役の方が似合っていたんじゃないかなぁ。
桜町弘子と対照的な藤田佳子という和美人が揃った中、容姿的には美空ひばりが劣っちゃう。
うまいんですけどね。
平幹二朗が良い味だしてます。

<総評>
昔の邦画というと、どうしても構えちゃう感じがしますが、娯楽作としては良くできているし、面白い。
むしろ、こういう映画をもっときちんとDVD化して欲しいですね。
海外の名作は500円DVDになったりしているけど、邦画って割と少ないような…日本独自の時代劇、やっぱり日本人にはぴったりと来ますね。

にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
よろしければクリックお願いします。
by syosei7602 | 2011-01-09 23:59 | 戦争/歴史/時代劇
<< アンストッパブル 座頭市 THE LAST >>