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『AMORES PERROS』 メキシコ/1999
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 出演:エミリオ・エチェバリア ガエル・ガルシア・ベルナル ゴヤ・トレド アルバロ・ゲレロ バネッサ・バウチェ ホルヘ・サリナス 受賞:英国アカデミー賞/外国語映画賞(2001) 公開時コピー 世界の真中で愛を叫んだ犬たち 「21グラム」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥによるヒューマンドラマ。 出演は「アラモ」のエミリオ・エチュバリア、「モーターサイクル・ダイアリーズ」のガエル・ガルシア・ベルナル。 3話のオムニバス形式に、少しずつ物語を絡み合わせていくという手法。 ただし、似たような形式の「マグノリア」や「パルプフィクション」、同監督の「21グラム」のように明確に主人公達が交差しません。 <あらすじ> メキシコシティ。 ○ダウンタウンに住むオクタビオは兄ラミロの妻スサナを密かに想っていた。スサナもまたラミロの暴力的になる性格の事でオクタビオに相談している。 ある日、飼っていた犬が闘犬に向いていることに目をつけたオクタビオは金を稼ぐ為に闘犬に参加する。 ○スペインからやってきたモデルのバレリア。恋人のダニエルは妻子持ちだったが、ついに別居をして2人で新居に住むことになる。 幸せを手に入れたかに思えたが、突然の災難がバレリアを襲った。 ○かつて反政府組織を率いていたエル・チーボは妻子を捨て、刑務所から出た後、殺し屋をしていた。そんな彼の元に仕事が入る。 彼は娘の事を気にかけながら、殺しの準備を進めていくのだった。 *** 153分という長い映画です。 雰囲気としてはP.W.アンダーソン監督の「マグノリア」に近いですが、「マグノリア」ほど突拍子もないものではありません。 3つの物語の全てが家族愛・犬・事故というようなキーワードを元に構成されています。 「アモーレス・ペロス」とは“犬のような愛”というそうで、物語が進むにつれてその意味がわかってきます。 個人的には「21グラム」より、こちらの方が完成度が高いと思います。 きっちりとした分け方をしている事と、不必要に場面が切り替わらないとか・・・まあ、そういった部分の作り込みですね。 映像はどちらかというと、コントラストが強く「21グラム」と対照的。 物語ごとに感想を言えば、1つめ、オクタビオ編は暴力的で疾走感があります。 2つめのバレリア編は些かヒステリックで、尚かつ寂寥感が漂っていてなんとも言えない結末を迎えます。 そして3つめ、エル・チーボ編は家族を自ら捨ててしまった事への後悔を描き、なおかつ依頼についてある結論を出すのが印象的。 3つのオムニバスは先にも書いたように、明確に主人公達は交差しないものの、結論や説明は他の物語に組み込まれます。 この組み込み方が絶妙というか、同じ時間軸であることを観客に意識させてくれるのでわかりやすい。 ただし、この映画は犬に関して残酷な場面が多いので犬を飼っている方は要注意(よくもまあ動物愛護団体に反対されなかったもんだ・・・)。 ひとつひとつの物語で描かれる主人公の表現が素晴らしい映画です。 よろしければクリックお願いします。 人気blogランキング ←ポチッとクリック
by syosei7602
| 2005-07-12 23:30
| ヒューマン/ドラマ
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