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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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ザ・バンク 堕ちた巨像
ザ・バンク 堕ちた巨像_d0030824_1485977.jpg『THE INTERNATIONAL』 アメリカ・ドイツ・イギリス/2009
監督:トム・ティクヴァ
出演:クライヴ・オーウェン ナオミ・ワッツ
アーミン・ミューラー=スタール ブライアン・F・オバーン
ウルリク・トムセン パトリック・バラディ ミシェル・ヴォレッティ
ジェイ・ヴィラーズ ルカ・バルバレスキー ジャック・マクギー


公開時コピー
真実さえ、
取引されるのか。


「パフューム ある人殺しの物語」のトム・ティクヴァ監督によるポリティカル・サスペンス。
出演は「デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~」のクライヴ・オーウェン、「イースタン・プロミス」のナオミ・ワッツ、「天使と悪魔」のアーミン・ミューラー=スタール、「その土曜日、7時58分」のブライアン・F・オバーン、「ある愛の風景」のウルリク・トムセンなど。


<あらすじ>
ザ・バンク 堕ちた巨像_d0030824_149837.jpgインターポールの捜査官サリンジャー(クライヴ・オーウェン)は、ニューヨーク検事局のエレノア(ナオミ・ワッツ)と共に、ドイツの巨大銀行IBBCを探っていた。
IBBCは巨額の資金を動かし、違法取引でミサイルを購入、さらにミサイル誘導装置を買い付けようとしていた。
その不透明な資金の流れを把握するため、サリンジャーは相棒と共にIBBC幹部に接触を試みるが、相棒は殺され、さらにその幹部も不審な事故で死んでしまう。
幹部の死に対して、銀行頭取のスカルセン(ウルリク・トムセン)の供述書に不審な点を見出したサリンジャーはアポを取って会いに行くが、弁護士のホワイト(パトリック・バラディ)や幹部のウェクスラー(アーミン・ミューラー=スタール)に邪魔をされる。
ザ・バンク 堕ちた巨像_d0030824_1491565.jpgさらには、供述書が記述ミスとされて、もみ消されてしまう。
手詰まりとなってしまったサリンジャー達は、IBBCがミサイル誘導装置について近々取引を持ちかけるイタリア首相の候補カルバーニに接触を図る。
しかし、IBBCの魔の手はカルバーニにも迫っていた。

<作品解説>
「パフューム」のクライマックスで驚きを与えたトム・ティクヴァ監督によるサスペンスです。
巨大銀行による不正取引を追う、インターポール捜査官が主人公というのが普通の警察ものとは少し違ったところ。
というのも、インターポールには逮捕権、さらに捜査権は無く、情報収集と犯罪者の国際手配が主な任務です(基本的に逮捕権は犯罪者が滞在した国が持つ)。その為、エンターテイメントとしての魅力は皆無に等しく、結局、この手の映画で描かれる主人公の所属組織は各国の情報部や捜査機関となるわけです。
本作はあえて、インターポール捜査官に焦点を当てたところが肝となり、物語にリアリティを出しています。
さて、主人公のサリンジャーは元はイギリスの警察官で、その時からIBBCを追っているという設定になっています。協力するのはニューヨーク検事局…もっとも検事局がドイツで活動できるわけないので、ここでひねた流れになるわけです。
即ち、アメリカでIBBCが関わっているであろう犯罪があり、その捜査協力をインターポールに要請、捜査官が情報収集を始める…という感じですね(今までのハリウッド作品であれば、ここはCIAが出てくる)。
このIBBCという国際銀行はかなりえげつない。
とりあえず、不利益になるであろう人物はあっという間に殺しちゃう。
これは捜査官であろうと例外ではなく、組織が個人をひねり潰すという巨悪が描かれているわけです。
それに立ち向かうのは不屈な捜査官として描かれるサリンジャー。
ほとんど勧善懲悪とも言える展開なのに、とにかくサリンジャーは追い詰められっぱなしで、緊張感たっぷりに描かれていきます
しかし、終盤になってくると追い詰められ方が半端じゃなくなって、処理しきれなくなる展開が残念。
中盤までがおもしろいだけに、ラストは少し残念でした。

<見どころ>
本作のおもしろさはリアリティにあると思うんですが、終盤になると派手な銃撃戦が展開されます。
これが良く出来ているわけですよ。
しかし、作品の流れとして少し不自然かも。
ヨーロッパ各地の風景が色々と出てきておもしろいですね。

<出演者>
いつも不満げな顔と、追い詰められた表情をしているクライヴ・オーウェン。
相変わらず渋いです。
ナオミ・ワッツはまだまだキレイですね。
アーミン・ミューラー=スタールの老獪ぶりは見事。
この人がボスじゃないってのがまたいいのです。

<総評>
出来としてはかなり良い方なんですが、パンチ力に欠けます。
ラストがヒートアップしすぎたというか、もっとスマートに罠を仕掛けて欲しかった。
ただし、余計な恋愛シーンなども皆無、全体的にほとんど無駄がない演出がいいですね。
サスペンスが好きなら、それなりに満足できる作品です。

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by syosei7602 | 2010-07-12 23:59 | ミステリ/サスペンス
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