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『THE BOOK OF ELI』 アメリカ/2010
監督:アレン・ヒューズ アルバート・ヒューズ 出演:デンゼル・ワシントン ゲイリー・オールドマン ミラ・クニス レイ・スティーヴンソン ジェニファー・ビールス フランシス・デ・ラ・トゥーア マイケル・ガンボン トム・ウェイツ エヴァン・ジョーンズ ジョー・ピングー 公開時コピー 運べ、西へ。 世界に残る たった一冊の本を─。 「フロム・ヘル」の兄弟監督アレン、アルバート・ヒューズによる世界崩壊後を舞台にした、アクション・ロードムービー。 出演は「サブウェイ123 激突」のデンゼル・ワシントン、「ダークナイト」のゲイリー・オールドマン、「マックス・ペイン」のミラ・クニス、「ダレン・シャン」のレイ・スティーヴンソン、「呪怨 パンデミック」のジェニファー・ビールス、「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」のフランシス・デ・ラ・トゥーア、マイケル・ガンボンなど。 <あらすじ> 空からは強烈な紫外線が降り注ぐ崩壊した世界を歩く、謎の男イーライ(デンゼル・ワシントン)。 彼は1冊の本を「西」へ届けるため、歩き続けていた。 強盗が現れても容赦なく斬り捨てる剣技の達人であるイーライだったが、水が尽きたことである街にたどり着く。 その街はカーネギー(ゲイリー・オールドマン)という男が支配していた。 支配の源は貴重な水源の在処を知っているためだったが、カーネギーはその支配力を更に強め、新たな街を作るため、部下を使ってある「本」を探し続けていた。 イーライは水を買うため、今は酒場となっている映画館にやってくる。しかし、ふとしたことからカーネギーの部下に絡まれてしまい、酒場にいた彼らを一瞬で叩きのめす。 その力を目の当たりにしたカーネギーは、イーライを新たな街作りの為に必要だと説くが聞き入れられない。 何とか彼を手元に置きたいと考えたカーネギーは、妻の連れ子で酒場のウェイトレスをしているソラーラ(ミラ・クニス)にイーライを誘惑するよう命じる。 だが、イーライの持っていた本を目にしてしまったソラーラは、次の朝それをカーネギーに知られてしまう。 それこそが目的の本だと確信したカーネギーは部下達を連れて、イーライの前に立ちはだかる。 <作品解説> 崩壊した世界におけるサバイバルな作品は、名作「マッドマックス」シリーズをはじめとして数多く作られてきました。その多くは略奪から脱出するためであったり、復讐だったりしたわけですが、本作はなんと本を届けるための旅というシンプルなもの。 その本は世界に一冊しか残っておらず、ある意味世界を支配する力を持っているというわけです。 ヒューズ兄弟といえば「フロム・ヘル」以外に作品を思いつかないんですが、本作はなかなかの力作。 ジョエル・シルバーが製作に加わっているのは大きなポイントです。 さて、1冊の本を持って30年間も西へ向かって歩き続ける男、イーライ。 その本に書かれている言葉自体が人々を支配する力だと確信するカーネギーは、延々と本を探し続けています。本作の中において彼は相当なインテリなんですが、かなり暴力的で容赦がない。 いきなりムッソリーニとか読んだりしてます(ヒトラーの「我が闘争」じゃないところが笑える)。 一方、イーライはかなりの猛者で、しかもある意味無敵とも言える力を持っています。 彼がなぜその様な強さを持つに至ったかは説明が為されず、ただ本を西へ運ぶという印象のみがアイデンティティーを確立させているわけです。 また、強いとはいえども生きていく為に倒した強盗の身につけていたものを物色したり、それを物々交換して水を得たりする様は、画一化されたヒーローとも違います。 全体的な映像はグレーがかっており、荒廃した世界描写は見事で、所々ウエスタンを思わせる街並みや戦い方が面白いですね。 ラストですが、これが非常にうまい! どんでん返しとは少し違いますが、シナリオのうまさにしてやられました。 <見どころ> イーライの戦うシーンは文句なしにカッコイイんですが、カーネギーの部下で一番まともなレッドリッジがすごくいい。 カーネギーの悪辣振りには参ります。 手を確認するシーンは、終末世界ならではの恐怖。 あとはラスト、このオチこそ本作の醍醐味。 <出演者> デンゼル・ワシントンがこういうアクションするって、ちょっと意外でした。 どちらかといえばウェズリー・スナイプスやウィル・スミスかと…しかし、彼らにデンゼルの重みある雰囲気は出せないですね。 ゲイリー・オールドマンの悪役はいいなぁ、感動です。 この人のキレぶりは本当に怖い…しかし、老けましたね。 ヒロインを演じたミラ・クニスは、目が大きくて印象的でちょっとジェシカ・アルバっぽくて好きかも。 レイ・スティーヴンソンの好演、ジェニファー・ビールスが復活!? <総評> これだけシンプルな物語なのに、最後の最後に観客を騙してくれる良作です。 言ってしまえば全体的に地味な印象でしたが、嬉しい誤算というべきか。 そしてある意味、公開中の某作品とネタが被ったのには笑えた(これは見た人だけにわかるネタです)。 オススメです。 よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2010-06-27 23:23
| アクション/アドベンチャー
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