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『THE SPY NEXT DOOR』 アメリカ/2010
監督:ブライアン・レヴァント 出演:ジャッキー・チェン アンバー・ヴァレッタ マデリン・キャロル ウィル・シャドリー アリーナ・フォーリー マグヌス・シェヴィング キャサリン・ボシェール ルーカス・ティル ビリー・レイ・サイラス ジョージ・ロペス 公開時コピー ジャッキー・チェン引退!? 危険なシゴトか!愛する家族か? ジャッキー・チェン、ハリウッド進出30周年を記念して製作されたコメディアクション。 監督は「ジングル・オール・ザ・ウェイ」のブライアン・レヴァント。 出演は「新宿インシデント」のジャッキー・チェン、「トランスポーター2」のアンバー・ヴァレッタ、「バイオハザード III」のマデリン・キャロル、TVドラマ「ダーティ・セクシー・マネー」のウィル・シャドリー、映画デビューとなるアリーナ・フォーリーなど。 <あらすじ> ボブ・ホウ(ジャッキー・チェン)は、普段は堅苦しいイメージの冴えないオヤジで、ペンの輸入を営むセールスマン。しかし、裏の顔は中国から出向してきた凄腕のCIAエージェントだった。 彼は、国際テロ組織のリーダー、ポルダーク(マグヌス・シェヴィング)の逮捕を機にエージェントを引退する。 それは、婚約中のジリアン(アンバー・ヴァレッタ)と彼女の連れ子であるファレン(マデリン・キャロル)、イアン(ウィル・シャドリー)、ノーラ(アリーナ・フォーリー)と平和に暮らすため。 そんな彼の悩みはその連れ子達がボブをただの冴えないオヤジだと思っており、全く懐かないことにあった。 ある日、ジリアンの父親が腰を痛めて入院し、見舞いに行くことになる。 ボブは好機とばかりに、ジリアンの子供達の世話を願い出て、嫌われながらもしばらくの間同居することに。 だが、長女のファレンは反抗的で全く言うことは聞かず、長男のイアンはウソばかり言って学校では問題を起こし、次女のノーラは暴れ回るばかり。 そんな時、逮捕したポルダークが護送中に脱走する。ポルダークはバクテリアによるテロを画策していた。 だが、イアンがボブのパソコンから、ポルダークが研究を進めていたデータを勝手にダウンロードしたことから、ポルダークの組織は彼らを狙い始める。 <作品解説> ジャッキー・チェン、ハリウッド進出30周年記念…とはいっても、実質的に成功したのは「レッド・ブロンクス」からです。「酔拳」などでアジア圏では人気絶頂だったジャッキーが30年前に意気揚々と挑んだ「バトルクリーク・ブロー」は、「燃えよドラゴン」のロバート・クローズが監督を務め、さらに音楽も同じくラロ・シフリンという豪華スタッフでした。されど、すでにブルース・リーのブームは過ぎ去り、遅きに失したと言わざるを得ないジャッキーのハリウッドデビューはほろ苦く失敗したわけです(ただし、この失敗が彼を変えたという意見は多くある)。さらに挑んだ「プロテクター」でも結局は失敗し、彼が当時ハリウッドで名を知られたのは「キャノンボール」のみ(それでも日本人役だった)。 アメリカの根強い人種偏見と香港とハリウッドの映画製作の違いも壁となっていたのは確かです。 そんな30年前から、既に世界で知られることになったジャッキーですが、本作は冒頭からニヤリとさせられる演出が為されています。 香港時代から現在に至るまでの出演作の映像が、本作のボブ・ロウがスパイとして活躍してきた過去映像として登場。いやはや、コメディ映画ならでは…シャレが効いていますね~。 さて、ストーリーは凄腕のCIAエージェントながら、結婚の為に引退した主人公ボブと、婚約者の連れ子との交流を描いていきます。 3人の子供達はとにかく言うことを聞かない、さらにボブを冴えない堅物オヤジと認識、あの手この手でボブを何とか追い出そうと画策。対するボブはスパイ道具を使って対抗し、元来の優しい性格で子供達と少しずつ打ち解けていきます。 ストーリーの大半は、これらの対子どもという展開で全体的に戦いのアクションは少なめ。 ただし、コメディとしての面白さは十分、ジャッキー自身もアクションの方向性を変えた感じがしますね。 劇中に出てくるスパイ道具はさながら「007」シリーズみたいだし、子守歌は「プロジェクトBB」と同じだったりと小ネタが満載。 アクションが控えめになっても、やっぱりジャッキーならではの面白さが十二分に楽しめます。 <見どころ> アクションテイストはいつものジャッキースタイル。最近はCGもよく使っていましたが、本作は一昔前の感じに戻ってます。 子ども達とのやりとりも楽しくていいんですが、ラストはちょっと感動しちゃいます。 長男のイアンがおもしろいですね。 <出演者> さて、ジャッキーは何歳!?と聞かれて「56歳」と言われたらそりゃ驚きます。 さすがに顔はだいぶ老けてきましたが、それでもバク転したり飛び跳ねたり…体のキレ云々言われますが、やっぱりね、うまいですよ。 ヒロインを演じたのはアンバー・ヴァレッタ、3人の子持ち役ですがいい女優です。 もっとも、パッと思い出せなかったんですが、「トランスポーター2」で子どもの母親役だったんですね。 そして、なんと言っても子役がうまかった。 反抗期まっただ中のファレンを演じたマデリン・キャロル、屁理屈とウソが得意なイアン役のウィル・シャドリー、暴れ回るノーラにはアリーナ・フォーリー、皆芸達者。 <総評> 「新宿インシデント」で演技に徹してシリアスな役を演じたジャッキーですが、やっぱりこの手の映画に出てくると生き生きしています。 この人の映画コンセプトは「悪い奴がいて、いい奴が倒す」という勧善懲悪でわかりやすいもの、と昔言っていました。ただ、そこに殴ったり蹴ったりだけじゃなくて面白さを出して、バランスを取っていく…この絶妙なバランス感覚は長年培われた賜ですね。 アクションは少なめですが、テンポよく進む楽しい作品、オススメです。 よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2010-06-20 23:44
| アクション/アドベンチャー
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