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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女_d0030824_0472479.jpg『MILLENNIUM : THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO』
スウェーデン・デンマーク・ドイツ/2009
監督:ニールス・アルデン・オプレヴ
出演:ミカエル・ニクヴィスト ノオミ・ラパス
スヴェン=ベルティル・タウベ イングヴァル・ヒルドヴァル
レナ・エンドレ ステファン・サウク ビヨルン・グラナート
ペーター・ハーバー マーリカ・ラーゲルクランツ

公開時コピー
彼女だけが知っている

公開前に急逝したスティーグ・ラーソン原作の大ベストセラー、「ミレニアム」3部作の1作目の映画化。
監督はTV作品などで活躍し、2度のエミー賞を獲得したニールス・アルデン・オプレヴ。
出演は「彼女だけが知っている」のミカエル・ニクヴィスト、「Daisy Diamond」のノオミ・ラパス、「鷲は舞いおりた」のスヴェン=ベルティル・タウベ、「刑事マルティン・ベック」のイングヴァル・ヒルドヴァル、「不実の愛、かくも燃え」のレナ・エンドレなど。

<あらすじ>
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女_d0030824_0473118.jpg社会派月刊誌「ミレニアム」の編集者であるミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)は、大物実業家ヴェンネルストレム(ステファン・サウク)の名誉毀損の罪で有罪判決を受け、半年後に禁固刑3ヶ月で服役することに。
「ミレニアム」の信用が一気にがた落ちした為、ミカエルは当分の間編集から離れることになる。
そんな折り、大財閥ヴァンゲル・グループの会長であるヘンリック(スヴェン=ベルティル・タウベ)に呼ばれ、ストックホルムよりも北にある橋一本で繋がれた町ヘーデスタへ向かう。
ヘンリックの話とは、約40年前、我が子の様にかわいがっていた当時16歳の姪ハリエットが失踪した未解決事件の調査だった。
収監されるまでの半年間で調査を請け負うことにしたミカエルだったが、40年間調査を続けても何も判らなかった未解決事件に、早々に行き詰まってしまう。
その頃、ヘンリックの依頼でミカエルの身辺調査と能力を調べていた調査会社の調査員で天才ハッカーのリスベット(ノオミ・ラパス)は、調査終了後もミカエルのパソコンをハッキングして動向を調べていた。
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女_d0030824_0473830.jpgそして、ミカエルの調査データを見るうちに事件の重要なヒントに気がつき、思わずメールをしてしまう。
自らのパソコンがハッキングされたことを知ったミカエルは、リスベットを探し出し、事件の調査協力を依頼する。
かくして2人は、ハリエット失踪事件の謎を追うことになるが、そこには意外な事実が待ち受けていた。

<作品解説>
前3部作として、日本でもベストセラーとなった「ミレニアム」3部作。すでに、映画化も残り2部も製作されており、公開を待つのみとなっています。
残念ながら作者のスティーグ・ラーソンは、50歳という若さで亡くなってしまいました。
本作の大ヒットした要因は、主人公の1人であるリスベットの容姿にあります。
鼻と耳に大量のピアス、黒々としたアイシャドウ、背中一面に描かれたドラゴン・タトゥー、そして類い希なる記憶能力とハッキング能力と壮絶な過去が彩られ、異色ともいえるヒロイン像を描き出しています。
一方で、もう1人の主人公であるミカエルは調査能力に優れているものの、見た目は普通の中年。
この何とも奇妙な組み合わせが絶妙なバランスとなっていますね。
さて、物語は主人公のミカエルがいきなり裁判で負けるところから始まります。
名誉毀損で罰金と禁固3ヶ月というのは結構厳しいですが、収監が半年後というリミットが設けられています。
その半年の間で、40年前の失踪事件を調査しろという無茶ぶり。
この40年という時間により、出来なかったことが出来るようになり、それが調査を進めるきっかけとして描かれるのはうまい展開ですね。
例えば、ネガをスキャンして写真を解析したり、人物の行方をネットで追ったりするところに、調査方法の進化が見て取れます。
主人公2人の関係ですが、リスベットは精神的に不安定な立場を覗かせたり、バイセクシャルであるシーンなど、セックスに絡めたシーンが非常に多い。
本作で物議を醸し出したのは、原作にほぼ忠実といえる暴行シーンですが、これがないとリスベットというキャラクターが成立しません。
これとは逆に、リスベットとミカエルの関係が進む場面はあっさりしつつ、なかなかの名場面となっています。
150分超の長尺ですが、気を抜けない展開が多く、緊張感溢れる良作といえるでしょう。

<見どころ>
主人公リスベットの容姿が凄いですが、彼女が地下鉄でチンピラとやりあうシーンや、復讐シーンは迫力ありますね。
謎が紐解ける瞬間の緊張感もまた良し。

<出演者>
北欧の俳優はほとんど知らないのですが、主人公ミカエルを演じたミカエル・ニクヴィストは、優しい面立ちのうまい人です。
リスベット役のノオミ・ラパスは、原作に入れ込んでタトゥー以外は全て本物だそうです。
DVDにインタビューがありますが、実際はとても綺麗な女優で、リスベットとは真逆の雰囲気で驚きです。

<総評>
3部作ということで、続編が待ち遠しいですね。
作品全体のイメージとしては、「羊たちの沈黙」にも似ています。
ミステリーとして、大きな動きがあるわけじゃなく、どんでん返しというわけでもない。
ただ、物語の構成がしっかりと地に足を付けているので、安心して見られます。
ラストは若干蛇足かと思いましたけどね。
暴力的なシーンが苦手な人は目をつぶってましょう…それにしても、俳優も役名も舌を噛みそうな名前が多いなぁ。

<関連作品>
ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女 (3部作・1作目)
ミレニアム2 火と戯れる女 (3部作・2作目)
ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士 (3部作・3作目)

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by syosei7602 | 2010-06-15 23:55 | ミステリ/サスペンス
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