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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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グリーン・ゾーン
グリーン・ゾーン_d0030824_1465521.jpg『GREEN ZONE』 フランス・アメリカ・イギリス・スペイン/2010
監督:ポール・グリーングラス
出演:マット・デイモン グレッグ・キニア ブレンダン・グリーソン
エイミー・ライアン ハリド・アブダラ ジェイソン・アイザックス
イガル・ノール



公開時コピー
グリーン・ゾーン──。そこは、偽りに支配された安全地帯。

「ボーン・スプレマシー」などボーンシリーズ3作でヒットを飛ばしたポール・グリーングラス監督と、主演のマット・デイモンが再びタッグを組み、イラク戦争後の大量破壊兵器の存在を追ったアクションサスペンス。
出演は「ボーン」シリーズのマット・デイモン、「リトル・ミス・サンシャイン」のグレッグ・キニア、「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」のブレンダン・グリーソン、ジェイソン・アイザックス、「チェンジリング」のエイミー・ライアン、「君のためなら千回でも」のハリド・アブダラなど。

<あらすじ>
グリーン・ゾーン_d0030824_147826.jpg2003年、フセイン政権が陥落したイラク。アメリカ軍は戦争の引き金となったイラクが持っているとされる大量破壊兵器の行方を追っていた。
米陸軍のロイ・ミラー(マット・デイモン)と彼の部隊は、大量破壊兵器捜索の任務に就き、未だに戦闘が激しいイラク内をあちこちと動き回るものの、一向に成果は挙がらない。
ミラーは、上層部からの情報そのものの信憑性を疑いはじめ、上官に相談するものの相手にされなかった。
情報源は、国防総省情報局クラーク・パウンドストーン(グレッグ・キニア)が、イラクの重要人物から得たものだとされ、ミラー達はただ命令に従うほか無い。
そして、次の捜索場所への指令が下り、ミラー達は再び無意味な捜索を続けていた。
グリーン・ゾーン_d0030824_1471675.jpgそんな彼らの元にフレディ(ハリド・アブダラ)と名乗るイラク人が、ある情報をもってやってくる。
彼は近くでフセインの側近だった高官達が会合を開いていると伝えに来たのだ。
無意味な捜索に嫌気がさしていたミラーは、部隊を率いて会合場所を襲撃する。そこでミラーは大量破壊兵器に纏わる重要な情報を手にするが…。

<作品解説>
大ヒットを飛ばした「ボーン」シリーズ3部作の監督・主演コンビ。非常に相性がいいのか、本作も十二分に楽しめる出来となっていました。
ポール・グリーングラス監督といえば「ユナイテッド93」など、実在の事件などを扱ったドキュメンタリータッチな手法が得意で、本作にも遺憾なく発揮されています。
特に手持ちカメラによる撮影は、滅茶苦茶なブレがあるものの、それを大胆にも使ってスピード感を出しています。社会派かつリアル思考な作品と言えますね。
さて、イラク戦争の顛末はご存じの通り、あるとされていた大量破壊兵器は見つからず、単純にフセイン政権を倒して、イラクそのものを混沌へと導いたに過ぎません。
主人公ミラー准尉は、自らが大量破壊兵器の捜索を担当している当事者そのものであり、司令部からの「正確な情報」と言われるものに振り回されます。
無いものは見つかるはずもなく、正確な情報が一体どこから発信されたのか、そして大量破壊兵器存在の根拠とは?…サスペンスとしては良くできており、何よりもミラーがただの一兵卒であるところがおもしろい(イラク戦争後の後始末は結局CIAが被りますが、そこに至るまでの経緯を知っておくとよく分かります)。
また、作中ではアメリカ軍による横暴な行為、本作のタイトルでもあるグリーン・ゾーンにおける描写は、軍事介入を行ったアメリカ自身の欺瞞を見事に描き出しています。
作品全体としては、主人公を演じるのがマット・デイモンなだけに「ボーン」シリーズを彷彿とさせますが、雰囲気そのもはがらりと変わっているので、違和感はありません。
全体的にテンポが良く、非常に見やすい作品です。

<見どころ>
緊張感溢れるシーンが続出。
特にクライマックスは見事すぎて、目が離せません。
手ぶれはすごいですけどね。

<出演者>
マット・デイモンは相変わらずうまいですね。
本作では笑顔すら浮かべず、徹底してシリアスな役柄を演じきっています。
いまいち、主人公の背景が判りづらかったので、ちょっと勿体なかった。
パウンドストーン役のグレッグ・キニアはふてぶてしい感じがいい。
キーマンとなったブラウン役のブレンダン・グリーソンは、もう少し活躍してほしかったところ。
エイミー・ライアンは、男臭い作品をすこーしだけ和らげてくれました。

<総評>
非常に小気味よくまとまっています。
それだけに面白みかける気がしますが、全編通しての緊張感はグリーングラス監督ならでは。
最近になって、ようやく中東絡みの映画が増えてきましたが、やっぱりイラク戦争は色んな意味で、触れちゃいけない領域だったのかもしれません。
アクションシーンも多く、サスペンスとしても楽しめます。
ただし、テーマがテーマなだけに好きな人にだけオススメですね。

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by syosei7602 | 2010-05-14 23:46 | ミステリ/サスペンス
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