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映画紹介 1122本。1日1本(毎日じゃありません)ネタバレは極力無し。TBはご自由にどうぞ。
by syosei7602
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BALLAD 名もなき恋の歌
BALLAD 名もなき恋の歌_d0030824_23343413.jpg『BALLAD』 日本/2009
監督:山崎貴
出演:草なぎ剛 新垣結衣 大沢たかお 夏川結衣 筒井道隆
武井証 吹越満  斉藤由貴  吉武怜朗  波岡一喜  菅田俊
香川京子 小澤征悦  中村敦夫



公開時コピー
守ることが、愛することだった。
祈ることが、愛することだった。


「クレヨンしんちゃん」劇場版の中でも特に評価が高い「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」を、「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が実写化。
出演は「山のあなた 徳市の恋」の草なぎ剛、「フレフレ少女」の新垣結衣、「GOEMON」の大沢たかお、「歩いても 歩いても」の夏川結衣、「俺は、君のためにこそ死ににいく」の筒井道隆、「ぼくとママの黄色い自転車」の武井証、「真夏のオリオン」の吹越満、「KIDS」の斉藤由貴、「天国の本屋~恋火」の香川京子、「クライマーズ・ハイ」の小澤征悦、「犬神家の一族」の中村敦夫など。
主題歌はalan。

<あらすじ>
BALLAD 名もなき恋の歌_d0030824_23344412.jpg気弱な小学生・真一(武井証)は仲の良い女の子がいじめられても助けも出せず、勇気が欲しいと願っていた。そんなある日、通学路にある大クヌギの下に埋まっていた古い手紙を見つける。
その手紙を見つけた瞬間、真一は気を失い、気が付くと森の中にいた。
森を抜けると大勢の甲冑を付けた兵士がおり、草むらには鉄砲で狙いを定める2人。真一が声をかけた瞬間弾が放たれ、馬上にいた武士をかすめる。
その武士は春日の国に仕える井尻又兵衛(草なぎ剛)、またの名を「鬼の井尻」と呼ばれる猛者だった。
時は天正2年、又兵衛は未来から来たという真一の扱いに困り、ひとまず城に連れ帰ることに。
春日の国の国主・康綱(中村敦夫)は、真一の話に驚きながらも疑いを隠さない。そこへやってきたのは康綱の娘・廉姫(新垣結衣)だった。
廉姫を見た真一は、泉のほとりで祈りを捧げる廉姫の夢を何度も見ており、その事を話すと廉姫は又兵衛に真一の世話をするように命じる。
最初は困惑していた又兵衛だったが、真一の屈託の無さに少しずつ心を開いていく。
BALLAD 名もなき恋の歌_d0030824_23345330.jpg次の日、北関東の大名・大倉井高虎(大沢たかお)が狩のついでに春日を訪れ、廉姫を妻にしたいと半ば強引に申し出る。
弱小国の春日は、断ることが出来ない状況。廉姫は幼なじみの又兵衛にそれとなく意見を求めるが、身分違い故に又兵衛は口をつぐんだままだった。

<作品解説>
2002年度に「文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞」他、数々の賞を獲得し、劇場版「クレヨンしんちゃん」シリーズの中でも屈指の名作といわれる作品のリメイクです。
「クレヨンしんちゃん」といえば、極限までデフォルメされたキャラクター像と下ネタのオンパレ、というイメージが強く、これだけで「適当っぽいな」と思ってしまうんですが、原作でもこれは控えめ。さらに、この劇場版に限っては相当緻密な時代考証がなされた事でも有名(NHKの大河ドラマを凌ぐほど考えられていた)。
アニメから実写へのリメイクというのは、キャラクターのイメージが大きく変わってしまうために残念な出来になってしまうことが多いんですが、本作はあえてそれに挑戦した意欲作といえるでしょう。
さて、原作は「クレヨンしんちゃん」ながら、野原一家の設定は引き継がれず、真一という小学生が主人公となっています。しんちゃんを実写化したら、リアルに下ネタを言う子供になってしまうので、ちょっと気弱でマジメな小学生という設定は正解でしょう。
いわゆるタイムスリップものではあるものの、本作においてその種明かしはありません。タイムスリップはあくまでも作品中の事象の1つに過ぎず、原因はまったく不明…実に潔いです。
舞台となる春日は架空のものですが、城の作り(いわゆる山城)、戦闘シーン、女子の振るまい(二の腕を出してはいけないなど)は非常によく考えられています。
生活感あふれる情景描写ははじめとして、身分違いの恋はもどかしさも物語としてよく出来ています。
架空の物語、しかも戦国時代にどこまでリアリティを求めるかは制作者側の度量と言えますが、歴史に詳しくなくても本作の動きがなぜか妙に「リアル」に感じるのは、見事という他ありません。
ストーリーは若干間延びした印象を拭えませんが、他の時代劇とはひと味違った感覚が味わえます。

<見どころ>
草なぎ剛演じる又兵衛の見事な殺陣、これってワンカットなんでしょうかね。
また、戦闘シーンは素晴らしいです。
ワイヤーアクションなどに頼り切った最近の作品から見れば、派手さはありませんがおもしろい。

<出演者>
草なぎ剛は、SMAPの中で映画の主演作品が一番多いんですよね。
本作での武士姿は様になっていました。顔つきが無骨なので髭がよく似合います。
新垣結衣は凛とした感じが良かったんですが、ピアスホールが残っていたような…まあ、可愛ければ許すみたいなところがあるけど。
大沢たかおの悪役はいいですねぇ、この人は迫力ありますよ。
武井証もなかなか。普通の子供っぽすぎてはまってます。
その他、芸達者な俳優が揃っているので落ち着いて見られました。

<総評>
泣けるか、と言われると若干グッと来る部分があったくらいでしょうか。
でも、最後は良かったですね。妥協していないというか、ストーリー上のご都合主義を排除していたりして。
ツッコミどころはあるし、132分という長さで間延びしたのが勿体ない限りです。

<関連作品>
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 (アニメ・オリジナル)
BALLAD 名もなき恋の歌 (実写・リメイク)

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by syosei7602 | 2009-09-13 23:30 | 戦争/歴史/時代劇
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