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『THE GODFATHER: PART III』 アメリカ/1990
監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演:アル・パチーノ ダイアン・キートン アンディ・ガルシア タリア・シャイア ソフィア・コッポラ フランク・ダンブロシオ リチャード・ブライト ジョン・サヴェージ ジョージ・ハミルトン ブリジット・フォンダ イーライ・ウォラック ジョー・マンテーニャ 受賞:ラジー賞/ワースト助演女優賞・新人賞 (1990) 公開時コピー 15年の歳月をかけた-- 巨匠フランシス・コッポラの集大成!! いかなる権力をもってしても 運命の流れには逆らえない- ハリウッドの傑作として名高い一大叙事詩の完結編。 「~PART II」より15年経って製作されている。 監督は前2作同様、フランシス・フォード・コッポラ。 出演はシリーズのアル・パチーノ、ダイアン・キートン、タリア・シャイア、リチャード・ブライト、「ピンクパンサー2」のアンディ・ガルシア、「白い嵐」のジョン・サヴェージ、「さよなら、さよならハリウッド」のジョージ・ハミルトン、「ジャッキー・ブラウン」のブリジット・フォンダ、「ホリデイ」のイーライ・ウォラックなど。 <あらすじ> マイケル(アル・パチーノ)が父ヴィトからファミリーを引き継ぎ、実兄フレドを殺してから20年後の1979年。 マイケルはマフィア家業から足を洗って「ヴィト・コルレオーネ財団」を設立し、シチリアの復興を目的とした多額の寄付を募っていた。そして、ヴァチカンにも寄付を行い、その証としてギルディ大司教(ドナル・ドネリー)から叙勲を受ける。 叙勲を祝うパーティーで、マイケルは別れた妻ケイ(ダイアン・キートン)と息子のアンソニー(フランク・ダンブロシオ)と再会する。アンソニーは大学を辞めて歌手を目指すと宣言してマイケルと対立するが、ケイはなんとかマイケルを説得するのだった。 一方、マイケルの妹コニー(タリア・シャイア)は亡き長兄ソニーの息子ビンセント(アンディ・ガルシア)を連れてきていた。アンソニーがいない為、ファミリーの跡継ぎとして連れてきたのだ。 ビンセントは、コレルオーネファミリーからニューヨークの縄張りを継いだジョーイ・ザザ(ジョー・マンティーニャ)の下にいたが、ジョーイのやり方に反目しマイケルに進言しにきていた。時を同じくしてジョーイもやってきており、一触即発の事態に陥る。 ビンセントをなだめたマイケルは、気性がソニーに似ていると諭し、暫くの間、自分に付くように言う。 ほどなくして、マイケルの元にギルディが問題を抱えてくる。ギルディはヴァチカン銀行の金を使い込み、その補填をして欲しいと言うのだ。 マイケルはヴァチカン銀行が出資している国際企業インターナショナル・インモビリアーレの経営権を条件に、補填を飲むが、折しも最後の承認をすべき法王が重病で伏せってしまう。さらにインモビリアーレの経営陣が妨害を行い、マイケルが補填した金がギルディを通じてアンブロシアーノ銀行のカインジック(ヘルムート・バーガー)に横領されてしまうのだった。 <作品解説> サーガ最終章として期待された本作…アカデミー賞にもノミネートされたにも関わらず、受賞したのがソフィア・コッポラのラジー賞という笑えない話になりました。 キャスティングは概ね引き継いでいるものの、前2作で存在感を出したロバート・デュヴァルが出演しなかったのは残念。 それでも実際の事件(アンブロシアーノ銀行の頭取ロベルト・カルヴィ暗殺事件、就任後わずか33日で急死した法王ヨハネ・パウロ1世事件)をシナリオに盛り込んだ面白さ、ラストの秀逸な展開などは見事です。 さて、本作はマイケルがかなり歳を食って、兄フレドを殺した罪に苛まされながらマフィアという闇の仕事を抜け出そうとあがいています。 父親ヴィトーが家族を大切にしたのに対し、ファミリー=組織となってしまったマイケルは娘のメアリーを溺愛し、一方でファミリーの地位を確たるものにしようとします。 しかし、昔の牙を失い、病魔に冒された体で新たな抗争を耐えられず、甥のビンセントにその役割を託します。 家族の絆は前作同様に描かれていますが、その裏では企業争奪、権威あるヴァチカンとの繋がりなど闇の部分が濃厚に描かれているのがおもしろい。 合法的なビジネスを目指しても、負の連鎖が断ち切れない切なさがラストに集約されていきます。 <見どころ> 老いたマイケル、一方で血気盛んなビンセントの対比が見事。 クライマックス、オペラの名作「カヴァレリア・ルスティカーナ」と共に進行するシーンはギリギリの緊張感があります。 <出演者> アル・パチーノは相変わらずの名演。ダイアン・キートンやタリア・シャイアがリアルに歳食っているのを見ると、改めて続編の凄さが感じられます。 アンディ・ガルシアが男前で、若き日のアル・パチーノほどではないにしろ、存在感抜群。 そしてソフィア・コッポラ…実はこの人、前2作で同役を演じていました。 ほんとにそのままスライドして出演したんですね(しかし、当初はウィノナ・ライダーが予定されていた)。 ラジー賞を受賞してしまいましたが、言うほど酷くもないんです。 ただ、妙な存在感だけあるんだよな(笑)。 <総評> コッポラ監督は、本作を続編ではなく「外伝」的な位置づけとしているそうです。 確かに2作目で終わっていても特に問題はない作りです。 本作の評価は前2作と比べて低いんですが、これはヴァチカンの事件に触れてしまったから、という見方が強いそうです。 まあ、アカデミー賞に7部門ノミネートされて1つも取れないのはちょっと気になります。 決して悪い作品ではないので、全3部作は押さえておくべきでしょう。 <関連作品> ゴッドファーザー ゴッドファーザーPART II ゴッドファーザーPART III よろしければクリックお願いします。
by syosei7602
| 2009-08-27 23:58
| ヒューマン/ドラマ
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